2008年6月17日(火)掲載

◎函館バス、新型「ハイブリッド」導入
 函館バス(函館市高盛町10、寺坂伊佐夫社長)は16日、低燃費、低公害で環境に配慮したハイブリッドの低床バス2台を新たに導入した。100%モーター駆動のハイブリッドバスの導入は道内初の試みで、全国でも3事業所目。環境がテーマの北海道洞爺湖サミットを前に、17日から地球に優しいエコロジーバスが函館市民の足として走れ回る。(森健太郎)

 今回導入したのは、走行用モーターとリチウムイオン電池を搭載した「シリーズ方式」のハイブリッドバス。屋根上に搭載された電池の電気エネルギーだけで発進、走行する。充電は車両後部にある小型ディーゼルエンジンの発電のほか、停車時にモーターの制動エネルギーも電池として蓄える仕組み。

 これにより、従来のディーゼル車に比べ、燃費は約2―3割向上し、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出は1台当たり年間約18トン削減できる。このほか、排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)などの有害物質や騒音の軽減にもつながるという。車両価格は従来の倍近い1台約4200万円。

 この日、同社函館営業所で行われた出発式で、寺坂社長は「サミットを前に、地球環境を守る気持ちが道南から広まり、大きなうねりとなれば」とあいさつ。レプリカキーの贈呈やテープカットに続き、関係者が試乗して快適な乗り心地を確かめた。

 同社は05年7月、エンジンとモーターを併用して走るハイブリッドバスを2台導入している。販売元の三菱ふそうトラック・バス(川崎市)によると、今回の新型ハイブリッドバスは、京浜急行バス(東京)の1台、名鉄バス(名古屋市)の4台に続き、全国で6、7台目。同社は2台の愛称も募集している。


◎未来大生が環境サイト開設
 市民が手軽に参加できる地域に根差した環境活動を推進しようと、公立はこだて未来大(亀田中野町)の学生3人がこのほど、企業組合「Unihand(ユニハンド)」を設立した。函館の環境総合ポータルサイト「Myeco(マイエコ)宣言」を開設し、閲覧者がサイト上の協賛地元企業名をアクセスすると無料で募金できる「クリック募金」を導入。募金がたまるとブナの苗木を植樹する仕組みで、同組合の代表理事を務める同大3年の大下優弥さん(20)は「一人一人の取り組みが環境問題の改善につながれば」と話している。(新目七恵)

 同組合は日ごろから環境問題に関心のあった3人が、同大システム情報科学部の鈴木克也教授の協力を得て立ち上げた。インターネットのサイトを活動の軸とし、地域全体の機運を盛り上げるため、道南の企業にも協力を依頼した。

 クリック募金は、トップページにある企業名の書かれた「葉」をクリックすると、その企業の環境活動の紹介ページが現れる。1回のクリックにつき、その企業が閲覧者の代わりに5円を組合に募金する仕組み。クリック数が200回になるとブナの木1本の植樹代となる。掲載している協賛企業は現在、ラッキーピエロや北海道ガス、駅弁のみかどなど7社で、今月中に20社との提携を目指している。9月には植樹祭も道南で行う予定だ。

 サイトでは今後、閲覧者が地域のエコ活動の情報などを書き込む掲示板も作成し、会員制のエコマネーの導入や地産地消を進めるエコグッズの開発、販売なども計画中だという。

 同組合を設立した同大3年の高橋弘一さん(20)は「より使いやすいサイトを作り、環境活動に貢献したい」と話し、鈴木祥史さん(20)も「1人でも多くの人に参加してほしい」と呼び掛けている。サイトのアドレスは、http://www.myecosengen.com/


◎来月「大沼湖水まつり慰霊祭」/供養灯篭の販売開始
 【七飯】ヒット曲「千の風になって」誕生の地・大沼で7月26日に行われる「大沼湖水まつり慰霊祭」を前に、大沼湖水まつり運営委員会(財津茂実委員長)は、供養灯篭(とうろう)の販売を始めた。先祖や水難者などの名前を記した灯篭は当日、町近郊にある住職ら70人が唱える御詠歌と同地区を吹きわたる“千の風”に送られ、湖上へと流される。財津委員長(55)は「大切な人の供養として、参加しませんか」と呼び掛けている。(笠原郁実)

 同祭は1906年、景雲寺(大沼)の住職が灯篭を湖面に浮かべた法要が起源。実施されなかった年もあるが、来年は100回の節目を迎える。運営委はこの節目を控え、あらためて慰霊の原点に戻ることを確認。「千の風―」を訳詩、作曲した作家新井満さんは「再生」をテーマとした同曲誕生のエピソードと、大切な人を亡くした人を弔う同イベントとのつながりに興味を持ち、全国にアピールすることを昨年11月のシンポジウムで提案していた。

 そこで運営委は慰霊祭の本来の意味を見直す一方、新たな取り組みにも挑戦することを決定。本年度から本格的にインターネットでの灯篭販売を行うほか、湖水まつり開催日の2日間、大沼国定公園内に設置した「千の風モニュメント」などを巡る「千の風ツアー」の開催も組み入れる。

 本年度は灯篭2000個を製作予定で、うち販売分は700個。参加者は当日、灯篭パレードに参加した後、湖岸で灯篭を浮かべる。その日は公園入り口とモニュメントを結ぶ道を灯篭が連なる光の道で照らすほか、地元小・中学生が手作りした灯篭が駅前通りを彩る。

 灯篭は1個1000円。問い合わせ、申し込みは同運営委事務局(大沼国際交流プラザ内)TEL0138・67・3020。インターネットによる申し込みは「まるごと大沼」内の特設ページから。同ページのアドレスはhttp://www.onuma-guide.com/


◎函館市議会で市長、大間原発「不安感じる」
 函館市議会の第2回定例会は16日から一般質問が始まった。この日は5人が質問。青森県・大間原子力発電所の着工許可が国から出されたことについて、西尾正範市長は「国の許可で当市が論ずる立場にない」と前置きしながらも、「私自身も市民と同様に不安を感じている。事業者(電源開発)に対し、市民への説明と安全確保策を要請していきたい」と述べた。

 道畑克雄氏(民主・市民ネット)、紺谷克孝氏(共産党)への答弁。同原発は、ウランとプルトニウムの混合燃料(MOX燃料)を全炉心で使用する世界初の商業用原子炉。西尾市長は「一部の専門委員から周辺海底に活断層が存在する可能性を否定できないとの見解が示されている」とし、当面の課題として、把握した情報を市民に周知することで不安解消に努め、万が一の場合に対応するため、関係機関との連絡体制を確立する考えなどを示した。

 道畑氏は「函館市民の署名が国に提出され、市議会でも市民への住民説明会開催などを内容とする意見書を可決したにもかかわらず、国や事業者から説明がないまま、許可が出されたのは大変遺憾だ」と強調。地震被災で新潟県・柏崎刈羽原発が漁業や観光などへ風評被害を与えたことを挙げ、函館での同様の可能性を指摘した。西尾市長も「遮へい物のない近距離(約18キロ)に建設され、津軽海峡で操業する漁業者もいる」と懸念した。 紺谷氏も、説明会の開催と入手した情報の積極的な公開を強く求めた。

 大間原発建設は4月23日に経済産業省が電源開発に設置を許可し、2012年3月の運転開始を目指している。

 このほか、佐古一夫氏(新生クラブ)、佐々木信夫氏(市民クラブ)、茂木修氏(公明党)が質問をした。(浜田孝輔)


◎ロシアの記者2人来函、極東大を視察
 7月の北海道洞爺湖サミット(G8)を前に、外務省の招待でG8の報道関係者8人が来日し、このうちロシアの関係者2人が16日、ロシア極東大函館校を訪れ、授業を見学した。2人は「函館の印象や視察した内容を記事にして紹介したい」と話した。(高柳 謙)

 ウラジオストクの通信社ヴォストーク・メディアのミケリナ・ナタリア社長と、モスクワの新聞社コメルサントのイワノフ・アンドレイ記者で、同校のイリイン・セルゲイ校長が、函館校が長く函館とロシア交流の拠点となっていることなどを説明した。

 授業の見学では、学生に同校を志望した理由を質問。学生たちは「ロシア経済の発展から、これからの時代はロシアだと思った」「英語とロシア語を習得し、貿易関係の仕事で函館の発展に貢献したい」などと答えた。

 ミケリナ社長は「函館の街並みや教会などを見て、ロシアとも歴史的に友好が深いまちであることが分かった。サミットでの日本の役割も伝える」、イワノフ記者も「サミットで環境や食糧高騰の問題などで、日本のイニシアチブが発揮されることが求められていることを書きたい」などと話していた。

 2人は同日、市役所を訪れ西尾正範市長とも懇談。西尾市長が「サミットでメドベージェフ大統領が函館を訪問する時間はないでしょうか」と聞くと、イワノフ記者は「函館訪問の話があることは聞いていたが、スケジュールがちょっと厳しいのではないか。ただ、函館の重要性は認識しており、時間があれば訪れるのでは」と述べた。市長は、訪問を熱望していることを記事で伝えてほしいと要請した。


◎北斗でホッキ漁はじまる
 【北斗】北斗市内で16日、今年度のホッキ漁が解禁された。小型の磯舟に乗り込んだ漁業者は、伝統的な「突き漁」で海底の砂地にひそむホッキを次々と水揚げした。

 ホッキ漁は例年、産卵期の4、5月が禁漁期間で、その年の抱卵状況から漁の開始時期が判断される。今年は海水温が低かったことなどが影響し、昨年より5日遅れての解禁となった。

 漁場となるのは同市七重浜から富川までの沿岸約12キロ。この日は上磯群漁協所属の38隻が出漁。漁業者は約5メートルの矛(ほこ)の先に4本のヤスを付けた専用の漁具を巧みに操り、丸々と太った貝を一つずつ丁寧に船上に引き上げていった。資源保護のため午前8時半から同11時までの限られた漁の時間で、初日は985・5キロを水揚げ。昨年度は95トンを水揚げしており、今年度も100トンを目標に来年3月いっぱいまで漁が続けられる。(小川俊之)


◎きょう「XJAPAN」のトシさん、長崎屋でライブとサイン会
 5月26日に新曲「EARTH IN THE DARK〜青空にむかって〜」をリリースしたロックバンド「XJAPAN」のボーカリスト「Toshi(トシ)」が17日午後6時から、長崎屋函館店地下プラザ特設会場(函館市美原)でCD発売のPRミニコンサートを開く。

 1989年にロックバンド「X(エックス)」としてメジャーデビューし、92年にXJAPANに改名。絶大な人気を得ていたが97年に解散し、それぞれソロ活動を続け、昨年再結成を果たした。

 解散後もToshiは「こころの癒やし」をテーマに活動を続け、各地のコンサートホールや学校、各種イベントに出演してきた。2001年からは「ボランティアミニコンサート」とし、老人や障害者施設、少年院、刑務所などを訪問している。

 会場では新曲を披露した後、CD・コンサートグッズの即売会を実施。計4500円以上購入した来場者はサイン会&握手会にも参加できる。入場料は無料。ライブ中やサイン会の間の写真撮影、録画、録音などは一切禁止。(小橋優子)