2008年6月18日(水)掲載

◎商高生徒が21日から横浜の「ポートフェス」に参加
 函館商業高校(三浦法久校長、生徒708人)の生徒4人が21、22の両日、横浜市で開かれている横浜開港150周年プレイベント「ポートタウンフェスティバル」(開港5都市連携事業実行委主催)に参加する。開港都市の高校生代表として、観光や文化など“わが町”を自慢するステージ発表と物産品の販売を行い、函館の魅力を全国に発信する。参加メンバー代表の宇佐美友貴さん(17)は「函館の良さをアピールしたい」と意気込んでいる。(新目七恵)

 同フェスは日米修好通商条約締結から150年の節目を記念し、函館、新潟、神戸、長崎、横浜の開港5都市を「日本近代化の原点」としてアピールし、米国やロシアなど条約締結相手国との連携を推進するのが目的。14―22日のイベント期間中は、5都市の市長会議や展示会など各種イベントが横浜赤レンガ倉庫(横浜市中区新港)で繰り広げられる。高校生のイベントは横浜商業高校が中心となり、同校のほか、新潟、長崎の各商業高校、神戸市立神港高校の生徒が招待されている。

 函館商業高の参加者は同校流通ビジネス科調査研究グループ3年の宇佐美さん、大坂奈々さん(18)、花田瑞枝さん(17)、前田はるかさん(18)で教員2人が同行する。メンバーは両日1回ずつ屋外ステージに立ち、地元の歴史や食、名物品などを紹介する約15分間のプレゼンテーションに挑戦。会場内の特設ブースでは、五島軒のカレーや小原のガラナ、函館水産高のオリジナル缶詰など8品目を並べて対面販売する。21日夜には他都市の高校生との交流会にも参加する予定。

 同校は大野農業高、函館水産高と共に道教委の「北を活かす人づくり」推進事業の指定を受けており、同グループが道南の食と観光をテーマに研究を進めている。今回のプレゼン内容も、授業の一環として4月から同グループの生徒9人がまとめた。同校では道外でこうした地元PR活動を行うのは初めてという。

 参加メンバーは「函館の観光客が増えるよう頑張りたい」(大坂さん)、「来場者に積極的に商品を売って函館のおいしさをPRしたい」(花田さん)、「函館の良さを分かりやすく説明したい」(前田さん)と話している。


◎特産物・活動 全国PR…農水省の「立ち上がる農産漁村」対象に
 【福島、乙部】農林水産省が特産物で地域活性化を図る自治体や団体を奨励し、その商品や活動内容を選定品として位置づけ、積極的にPRする事業「立ち上がる農山漁村」の対象に、道南から水産計画「福島地域マリンビジョン 海峡(うみ)の横綱をめざして」を進める福島町、乙部町の契約野菜生産出荷組合(林義秀組合長、12戸)、ひやま南部大豆生産組合(大川勲組合長、16戸)が選ばれた。いずれも初の受賞で、25日に東京で認定授与式が行われる。

 同事業は、地域資源や人材を活用したまちづくりに努める農山漁村の振興支援策として2004年度から実施。選考は東大大学院の林良博教授を座長に、料理家三國清三さんや俳優永島敏行さんらで構成する有識者会議が行う。選定品は政府の広報誌や広報テレビ番組で取り上げられるほか、農水省のホームページなどでも紹介される。

 3月12日に福田康夫首相も出席して行われた有識者会議でことしの対象事業が決定。全国から110件の応募があり、商品の品質や活動内容などから計59件を認定した。

 福島町のマリンビジョンは1996年3月に策定、町民と北大水産学部や漁協関係者らの協働で水産資源の有効活用を探っている。スルメのブランド化や付加価値向上を狙うウニの塩水パック商品の開発と販売、コンブの養殖技術改良などを進め、地域一丸で基幹産業のてこ入れに取り組んできた。

 村田駿町長は「まちの活性化事業を高く評価されたことはとても光栄。この受賞をさらなる地域活性化に向けた弾みとしたい」と話している。

 契約栽培で農業再生に取り組む乙部町契約野菜生産出荷組合は、経営基盤が弱体化していた町内農業の立て直しを目標に2005年2月に設立された。現在は町内10戸、江差町2戸の農業者が道外の大手農産物商社と契約し、ブロッコリーやカボチャなどを作り、首都圏に出荷されている。

 ひやま南部大豆生産組合は、ブロッコリーとの輪作体系を整えるため、同出荷組合のメンバーを中心に極小黒大豆「黒千石(くろせんごく)」を栽培。黒千石は納豆などに使われ、本州の大手食品会社などに出荷されている。町の協力で、道南圏に古くから根付く大豆の地域種の栽培試験なども重ねている。両組合は活動を通じて農家の経営規模や作付品目の拡大に寄与してきた。(田中陽介、松浦純)


◎「中空土偶」サミットへ
 函館市著保内野(ちょぼないの)遺跡(尾札部町)で出土した国宝「中空土偶」が、7月7―9日に開催される北海道洞爺湖サミット(G8)期間中、会場となる胆振管内洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺に展示されることが、17日までに決まった。

 中空土偶は縄文時代後期(約3500年前)に作られたとみられ、国内に現存する同種の土偶では最大級(高さ41・5センチ、幅20・1センチ)。昨年6月に国宝指定された。今回のサミットの主要テーマが環境問題であることから、自然を大切にする縄文文化の精神性が合致すると考え、市教委や道教委の申し出を受けた文化庁、外務省が展示を許可した。

 土偶は現在市立函館博物館の本館に保管されているが、サミット開催2日前までに美術品梱包(こんぽう)車で搬送する。設置場所などは警備上の都合で明らかにされないが、直射日光の当たらない免震機能のある展示ケース内に置き、説明板を掲示する。移動作業には市教委の担当職員らが同行し、期間中は市教委南茅部遺跡群整備担当の阿部千春参事が近くに待機する。

 阿部参事は「縄文文化の魅力を世界に広げるチャンスで感無量」とし、西尾正範函館市長も「縄文文化は自然や命を大切にしながら続いた世界に誇る文化で、中空土偶は縄文的精神の象徴。サミットでの展示は意義深く、函館の魅力を国際的に発信するまたとない機会」と喜んでいる。(小泉まや)


◎函館など3市町 経産省の認定受ける…企業立地促進法の基本計画
 函館、北斗、七飯の3市町の自治体や経済団体、研究機関などでつくる「函館地域産業活性化協議会」(会長・備前悟函館市経済部長)が企業立地促進法に基づいて策定した基本計画が、経済産業省の認定を受けた。同協議会は、地域資源を生かした一次産業の活性化や技術水準の高度化などを図りながら、2013年度までに新たな企業立地件数として19件、雇用数で631人の創出を目標に掲げる。

 同法は企業誘致などに取り組む地域の支援を目的に、昨年6月に施行。函館などの3市町ではことし2月に同協議会を発足し、申請に向けて基本計画の内容を検討してきた。3月下旬までに経産省の同意を得たのは道内5地域を含む全国108地域で、16日付で函館地域を含む13地域が新たに加わった。

 函館地域で対象とする業種は、水産・海洋、農業、機械金属、情報技術・情報サービスの各関連産業。13年度までの新たな成果として、人件費や賃借料などの「付加価値額」が58億円、製造品出荷額などが139億円を見込み、目標の達成に向けて企業誘致、人材育成、技術支援、優遇措置、インフラ整備に取り組む。

 函館市の西尾正範市長は「企業にとって分かりやすく、使いやすい支援制度とするために条例を改正し、1社でも多くの企業誘致につながるよう、これまで以上に積極的に取り組んでいきたい」としている。(浜田孝輔)


◎夕日に込めた母校愛…夕陽会が21日の記念式典でパネル展
 ことし創立90周年を迎える道教大函館校(八幡町)の同窓会「道教大夕陽(せきよう)会」(川島孝夫会長)は21日、函館市若松町14のロワジールホテル函館(元函館ハーバービューホテル)の記念式典会場で、道内外の夕陽の絶景写真27枚を並べた「夕陽パネル展」を開催する。同校の象徴である「夕陽」をテーマに、会員が母校への思いや郷愁を込めて撮影した。同会副幹事長の土谷敬さん(52)は「各地の風景を眺めるだけでも楽しめる」と一般市民の来場も呼び掛けている。

 夕陽会は1918(大正7)年9月に発足。会名は師範学校時代の男子寮生が、亀田八幡宮に落ちる夕日を眺めて故郷を想ったり、互いに励まし合ったりして、学校付近を「夕陽が丘」と呼んでいたことから名付けられた。

 パネル展は、これまで同窓会に参加した会員らの「卒業後に、赴任先でふと夕日を見ると函館の学生時代を思い出す」などという声を参考に、母校への思いを新たにしようと企画。夕陽会ウェブ委員会(熊谷光洋委員長)が中心となって全国の33支部に協力を呼び掛け、写真を集めた。

 展示するのは、小樽市の祝津海岸の夕暮れや奥尻稲穂から見た日本海、十勝平野、青森などさまざまな場所で沈みゆく夕日を撮影した写真など。B3判に拡大し、記念式典会場の廊下に午前10時から午後5時まで飾る。土谷さんは「同じ夕日でも撮影場所が違うと雰囲気が変わる。幻想的で、美しい風景を楽しんでほしい」と話している。(新目七恵)


◎税外収入 未集金徴収へ条例制定へ…市、来年度から本格実施
 国民健康保険料や市立病院の診察料など税外収入の未集金(滞納金)徴収強化を打ち出した函館市は本年度、その準備として「債権の管理に関する条例」(仮称)を制定する。12月議会での条例制定を目指し、来年度から徴収業務を本格化させる予定。

 17日の第2回函館市議会定例会一般質問で、志賀谷隆氏(公明党)が取り上げた。

 2007年度決算見込みで、主な税外収入の累積滞納金額は、国民健康保険料が約35億5800万円、保育料が約3億5800万円、介護保険料が約7400万円。この3料金は税に準じて差し押さえなどの処分ができるため、市財務部と担当部局が連携して徴収業務に当たる。

 志賀谷氏は「まじめに税金や保険料を支払っている市民との間に不公平感を生まないよう、滞納金をきちんと回収すべき」と質問。片岡格財務部長が「4月から財務部に全庁的な債権の徴収強化担当職員を配置した」と述べ、本格徴収に向けて債権管理の基準を規定する条例を制定する方針を伝えた。税外収入の未集金徴収は市立病院でも本腰を入れて取り組んでいる。

 また、小野沢猛史氏(市民クラブ)は、競技団体など各界から要望の強い市民体育館の建て替えについて、西尾正範市長の考えをただした。市長は、既存の建物は修繕などをして活用し、弥生・西の統合小学校、コミュニティーセンター、国際水産・海洋総合研究センターなど地域振興につながる建設事業を優先する考えを改めて示した。小野沢氏はロシア極東大函館校の市立化など市民に異論がある公約もあることを伝えると、西尾市長は「市民に訴えたことは間違っていないと思う。だが、公約だから(何でも)進めるという考えは一切ない」と答えた。

 同日はこのほか斉藤佐知子氏(民主・市民ネット)、金沢浩幸氏(新生クラブ)が質問した。(高柳 謙)


◎オンパク・29日に福島大千軒岳殿様街道トレッキング
 湯の川温泉街のホテル・旅館などでつくる「はこだて湯の川オンパク実行委員会」(金道太朗委員長)は、29日に行うツアー「福島大千軒岳殿様街道トレッキング」の参加者を募集している。

 毎年秋に湯川地区などで開催する体験型イベント「はこだて湯の川オンパク」の開催期間以外のスポット行事「四季を楽しむオンパク」の第2弾。福島町のボランティアのガイドで、松前藩の殿様が歩いたとされる約4?の山道を散策する。

 午前8時に湯の川観光ホテルに集合。千軒そばの昼食後には、松前神楽鑑賞や知内温泉入浴といったプログラムも盛り込まれている。雨天時はトレッキングの代わりに青函トンネル記念館を見学。雨具やタオル、入浴道具などは各自で用意する。

 実行委の河内孝善事務局長は「地域の魅力を多く発信できるようリピーターが増えていけば」と話している。前回5月の第1弾「さくらの名所巡り」も定員を上回る盛況ぶりで、今後も季節にあったプログラムを計画しているという。

 先着順で定員40人になり次第締め切る。料金は4500円(往復バス代、昼食代など含む)。問い合わせ、申し込みはオンパク事務局TEL0138・59・3789(平日午前9時―午後5時)。(森健太郎)