2008年6月2日(月)掲載

◎咲き誇るフジ棚 雨でより美しく…五稜郭公園で自然観察会
 五稜郭公園で1日、「自然観察会」(五稜郭藤の会=山崎淳子代表=主催)が開かれた。あいにくの雨模様の中、参加者は園内に咲き誇るフジやツツジなどの美しい花や自生する植物、珍しい鳥の姿や鳴き声などを約2時間にわたって楽しんだ。

 同会の世話人代表でフィールドアドバイザーの鎌鹿隆美(かまか・たかよし)さんを案内人に、満開に咲き誇るフジ棚を観察。今年は春先に剪定(せんてい)が行われたため、通常より花のボリュームが少なめだったが、それでも白と紫の花がこぼれ落ちる様子は風情たっぷりで、参加者はその美しさに見とれていた。

 続いて、観光客らが足を踏み入れないような裏ルートを中心に散策。鎌鹿さんは石垣のすき間にオドリコソウやチドメグサ、ヘラオオバコなどが群生する様子や、お堀の魚をえさにしてカワセミが住み着いていることなどを説明した。参加者は「五稜郭公園にこんなにたくさんの植物や鳥たちが生息しているとは」驚いていた。

 同会は、箱館奉行所の復元に伴い移設が検討されているフジ棚の保存を呼びかけている。このほどフジをテーマにした楽曲「五稜郭の藤の花」が完成し、8日に同公園で行う「藤の花見会」で女声合唱団により披露される。花見会への参加は自由。希望者は午前11時半に同公園一の橋前広場に集合すること。(小川俊之)



◎風の子大福もち 初売り盛況
 八雲町産のもち米「風の子もち」を使った「風の子大福もち」が1日、JRA函館競馬場(函館市駒場町)で初売りされ、用意した約350個が1時間程度で完売した。

 もち米の消費拡大にと、JA新はこだて(小野寺仁代表理事組合長)と、おにぎり・大福専門店「ふくふく」(北斗市東浜2、三上照夫代表)が共同開発し、北斗産のイチゴ「けんたろう」を白あんで包んだ「まるごと15(イチゴ)味」や「バナナ味」など4種類を用意した。

 この日はあいにくの雨天で、売り場を屋外から屋内へ移動。それでもG1レース「日本ダービー」の開催とあって大勢の競馬ファンや家族連れが訪れ、次々と大福もちを買い求めていた。同JA米穀課の田山光幸課長は「予想以上の反響だった。今後多くの人に味わってほしい」と話していた。

 屋内に売り場を移したため、予定していた「風の子もち」のもちまきは中止し、売り場に来た客にもちを配った。また、ダイコンやアスパラなど地元の新鮮な野菜も即売され、こちらも客足を誘っていた。

 「風の子大福もち」は「ふくふく」で2日から、3日からはJA新はこだて農産物直売所「北斗へい屋」(北斗市東前62)でも販売される。ともに日量限定。(鈴木 潤)


◎エスイーシーが最高賞…総務省の「u―Japan大賞」
 ソフトウエア開発のエスイーシー(函館市末広町22、沼崎弥太郎社長)が、総務省の「u―Japan大賞・総務大臣表彰」で最高賞にあたる大賞を受賞する。同社が開発し、4月に道南地域の病院で導入された「インターネットを利用した地域医療連携システム」が高い評価を受けた。2006年の同賞創設以来、道内企業の大賞は初の快挙。2日に東京で授賞式が行われる。

 「u―Japan大賞」は、「電波の日」(6月1日)と「情報通信月間」(5月15日―6月15日)の関連事業「u―Japanベストプラクティス2008」として企画。ユビキタス(遍在)ネット社会のICT活用モデルや、ネットワークを利用したICT(情報通信技術)関連サービス・システムとして実用化しているものを対象に公募し、地域活性化やユニークさなどを選考基準としている。

 「インターネットを利用した地域医療連携システム」は4月末現在で、函館市内16施設の病院や診療所などをインターネットで接続。患者の情報を共有、開示し、転院に際して検査やレントゲン撮影などの重複を防ぐ。1年間の試行実績から患者1人あたりの医療費が年間で約160万円削減できると期待されている。個人情報の流出を防ぐため、システムのセキュリティー対策も構築している。

 同社は2日に東京都内のホテルで開かれる、「電波の日・情報通信月間」記念中央式典で表彰を受ける。沼崎社長は「ユビキタスを意味する誰でもどこでもいつでも使えるシステムという観点が、選考基準にうまく合致したと思う。高齢化社会が進む中での医師不足にも対応できる。今後もさらに地域に貢献していきたい」と話している。(浜田孝輔)


◎学習の成果 自由に表現…韓国語スピーチコンテスト
 韓国語学習者が日ごろの勉強の成果を競う「函館韓国語スピーチコンテスト」(同コンテスト実行委、在日本大韓民国民団函館支部共催)が5月31日、函館市民会館小ホールで開かれた。出場者のほとんどが韓国語学習の初心者ながら、考えさせられる興味深いテーマを掘り下げたり、コミカルな演技を繰り広げて観客の笑いを誘っていた。

 同コンテストは2年前に北斗市で初めて行われ、昨年からは函館市民会館に会場を移し今年が3回目。今回は渡島桧山管内を中心に札幌市からもエントリーがあり、自由なテーマで韓国や韓国語への思いを語る弁論部門に6人、2人1組で寸劇を行うスキット部門に6組が出場した。

 弁論部門では、韓国と日本の慣習やことわざの使い方の違いにとまどった経験を紹介したり、韓国人の父親と日本人の母親の間に生まれ、両国を行き来して苦労した母親への思いを訴えるなど、じっくりと考えさせるテーマが中心となった。一方スキット部門では、小道具やセットなどに工夫をこらし、言葉のやり取りやオーバーなアクションなどで会場を爆笑をさせるコミカルな演技が目立った。

 この日は、北斗市内の韓国語教室に通うメンバーが結成した「レインボー合唱団」もステージに登場。冬のソナタのテーマ曲「はじめから今まで」では、歌の合間にヨン様とチェ・ジウに扮(ふん)したメンバーがドラマの名場面を再現し、会場から大きな拍手が送られていた。

 大賞受賞者は次の通り(敬称略)

 【弁論部門】田中美由紀【スキット部門】及川寿子、中村智子(小川俊之)