2008年6月28日(土)掲載

◎環境サミット、キャンドルメッセージ
 「環境サミット2008in函館」(函館市主催)のキャンドルメッセージ点灯が27日、同市大手町の旧シーポートプラザ前広場で行われた。1800個の廃油ろうそくで形作った「eco365」の巨大メッセージが暗闇に浮かび上がり、辺りをほの明るく照らし出した。

 7月に開催する北海道洞爺湖サミット(G8サミット)に合わせて開催。ろうそくは、ごみとして出されたペットボトルを容器に、市内の学校給食調理場の廃油を固めて制作。一回り大きなペットボトル容器に亀田川の水を入れて浮かべた。

 メッセージを考案した同市桔梗の主婦、福井葉子さんがeの書き出し部分に着火したのを合図に、集まった大勢の市民が一斉に点灯。アフリカンパーカッションユニット「N’DANA」の歌や、市環境部職員で構成する「函館巴臥牛太鼓」の演奏を聞きながら、一同は環境への思いを新たにした。

 同サミットは28日午後1時から、函館国際ホテルで基調講演やパネルディスカッション、環境保全活動に取り組む団体の展示を行う。入場は無料。 (小泉まや)


◎支庁再編条例案成立へ
 【札幌】支庁再編問題を審議する、道議会の道州制・地方分権改革等推進調査特別委員会は27日、14支庁を9総合振興局に再編する総合振興局設置条例案を審議した。特別委では可決の方向で、引き続いて開かれる本会議で採決が行われ、知事与党の自民・公明両党の賛成多数で成立する可能性が濃厚となっている。

 午前10時開会予定だった特別委は、知事野党の民主党が、継続審議も視野に入れ、高橋はるみ知事による総括質疑を要求したほか、26日の予算特別委で道が制定の方針を示した、「新たな自治の形づくり条例」「地域振興支援条例」の提示なども求めて、審議入りを拒否。開会は午後3時半にずれ込んだ。 特別委で成田一憲企画振興部長は、濱谷一治江差町長ら3町長が、市町村の理解を得ずに支庁を廃止することは、道行政基本条例に違反するとした異議申立書を、行政不服審査法の適用外として却下したと報告。民主党の沖田龍児氏(苫小牧市)は「市町村長の申し立てを救済できない条例には不備がある」と指摘。成田部長は「今後も地方の理解を得るよう努力する」と述べるにとどまった。

 その後、高橋知事の答弁準備が長引き、審議は空転。同9時半すぎにようやく再開した。総括質疑で民主党の広田まゆみ氏(札幌市白石区)らは「知事の政治姿勢が地方の反対を招く原因」として、知事の責任を追及。議論の再考を迫ったが、高橋知事は「改革の第一歩を踏み出す必要がある」との答弁に終始。議論は堂々めぐりを続け、傍聴席からは怒号が飛んだ。江差町などの住民代表4人が提出した、14支庁全体の人員削減を求める請願は否決された。

 本会議は会期を1日延長する手続きを取り、28日未明の採決入りを目指し、与野党内で最終調整を進めている。知事与党の自公両党は、条例案への賛成を決定しているが、自民党では、支庁廃止地域の日高管内、留萌・根室両市の議員3人が反対する。野党会派の民主・共産両党も反対の方針を確認したが、反対議員は過半数には届かず、条例案は自公両党の賛成多数で可決される公算が大きい。

 27日には、江差町など支庁廃止地域の住民や議会代表ら約50人が特別委の審議を傍聴。江差町からも濱谷町長と町議10人が札幌入りして、28日未明にも行われる採決の行方を見守る方針だ。 (松浦 純)


◎29日「どさんこフェスタ」やぶさめに小学生出場も
 本道を開拓してきた「ドサンコ馬」「道産子人」が担ってきた民衆文化の継承と発展を目指す「どさんこフェスタin函館2008」が29日午前9時から、同市大町の緑の島で開催される。同フェスタの目玉は、馬上から的を射る「やぶさめ競技函館大会」。全国各地から36人が出場し、的中率などを競う。ことしは同市内の小学生も出場予定で、大きな盛り上がりを見せそうだ。 (鳴海麻由)

 “ドサンコ”で町おこしをしようと「どさんこワールド函館」をつくる会実行委(池田茂委員長)が主催し、ことしで4回目。やぶさめには函館中の沢小5年の稲垣雄大君が、出場者の中では最年少の11歳として、共に初出場のドサンコ馬「サスケ」と挑む。稲垣君は「すべての的に当てて入賞したい」と意気込みを話している。

 やぶさめは、馬を走らせながら的を射る日本の伝統武芸。全長180メートルの直線コースを疾走しながら3つの的を射抜き、その的中率とタイムを競う。稲垣君は昨年、大会に出場していた同市東山の「どさんこファーム」チーフインストラクターの池田賢治さん(26)の勇壮な姿にあこがれ、池田さんに乗馬を習い始めた。ことし4月から本格的に競技出場を目指し、馬上から弓を引く練習に取り組んでいる。約35キロの速ささで疾走するドサンコにまたがり、矢継ぎ早に的を射るため、高度な技術が必要となる。

 稲垣君の相方サスケは雄の3歳の白馬。人馬一体となって毎週2回の練習を重ねてきた。「練習や手入れを通じて、徐々に気が合うようになった。手綱を離したときに、馬が暴れて危ないこともあったが、今では良きパートナー」と稲垣君。

 池田さんは「稲垣君は、技術の飲み込みが早く、センスが良い。デビュー戦なのでけがに気を付けて頑張ってほしい」とエールを送る。期待を受けた稲垣君は「初出場で緊張しているが、サスケと一緒に頑張りたい。練習の成果を出し切る」と力強く話している。

 同フェスでは、やぶさめのほか、小学校低学年以下を対象にした、ちびっこやぶさめ体験や蹄鉄(ていてつ)投げ、ドサンコ乗馬体験を企画。開拓時に活躍したドサンコの様子を再現する荷駄付けやばんえい競馬の現役馬の実演、南茅部郷土芸能「安浦駒おどり」なども行われる。入場無料。問い合わせは同フェスタ事務局TEL0138・54・1340へ。


◎洞爺湖サミット控えJR函館駅前でテロ対応訓練
 北海道洞爺湖サミットを10日後に控え、函館市消防本部は27日、JR函館駅前広場でテロ事件を想定した対応訓練を実施した。化学物質による負傷者が出たとの想定で、被害者の救助や汚染物質の除去、市民らの避難誘導などJR職員と消防隊員らが連携を確認した。

 JRから20人、消防本部から50人と消防車両などが参加。大勢の観光客や市民らが見守った。訓練は、駅前広場に置かれた液体が入ったペットボトルから異臭が発生し、数人の市民らが倒れたと想定。駅員からの通報で駆けつけた消防隊員は、迅速に防護服に身を包み、汚染物質の特定や被害者救出など、救助活動を行った。また、現場本部の指揮の下、汚染物質を取り除くためのテント設営や負傷者救助用スペースの確保など、不測の事態に備えた手順を確認した。

 JR函館駅の松原光雄駅長は「サミットを間近に控え、テロ対策として不審者や不審物への警戒を強めているが、改めて有効な訓練だった。函館も多くの観光客が訪れるので、関係機関と密着しながら対応したい」と話していた。 (今井正一)


◎道理容競技大会で函館理容美容専門学生が活躍
 函館理容美容専門学校(中島眞之校長)の2年生が、このほど北見市で行われた第61回道理容競技大会(道理容生活衛生同業組合主催)の学生部門で「メンズ」分野では上位3位までを独占、「レディス」では優勝を果たした。同校の上位の独占入賞は3年連続。学生たちは「うれしい」「また大会に参加したい」と喜んでいる。

 同大会は一般対象の各部門のほか、2002年に学生部門を新設。同校は同年から参加し、05年を除いて毎年入賞している。学生たちは、1月から本番に向けた準備を本格化させ、理容組合の地元近郊の関係者にもアドバイスをもらうなどして技術を磨いてきた。

 学生部門はフリースタイルで、事前にカット、カラーリング処理したモデルの人形を使い、スタイリング剤やドライヤーなどを用い25分間でセットし、その技術や出来栄えを競う。メンズには道内から11人、レディスには15人が参加した。

 メンズの1位に輝いた和田卓さん(19)は「楽しい経験で先生や組合の人たちにも感謝したい。今後も校内の技術大会などで頑張りたい」と意気込む。2位の楠美茜さん(19)は「好きな赤を使ってカラーのグラデーションを工夫した」と説明、3位の成田裕樹さん(20)は「毛の遊びを心掛けた。入賞を聞いてほっとした」と話す。

 一方、レディスで優勝した松林真珠美さん(22)は「人が多くて緊張した。ドライヤーの使い方など課題も残ったので今後も勉強したい」と語る。惜しくも4位となった永井玲子さん(23)は「札幌など他校の学生の個性が見れて良かった」と話す。

 5人は将来について、「またこのメンバーで大会に出て腕を競いたい」(永井さん)「これから一生、理容業界に携わりたい」(松林さん)などと話しており、今大会の経験を胸に、来春の卒業まで技術の研さんに励む。(新目七恵)