2008年6月30日(月)掲載

◎精神集中 的射抜く…どさんこフェスタ全国やぶさめ大会
 「第4回どさんこフェスタin函館2008・第4回全国やぶさめ競技函館大会」(どさんこワールド函館をつくる会実行委主催)が29日、緑の島(函館市大町15)で開かれた。小学生から60代まで全国各地の腕自慢36人が出場。個人の部では、地元函館どさんこファームの飛塚優さん(64)が優勝した。

 やぶさめは、馬上から的を射抜く日本の伝統武芸。大会では全長180メートルの直線コースに3つの的を設置し、個人の部と団体の部で争った。武具に身を固めた選手がドサンコにまたがり次々に疾走。的中時には観客から大きな拍手や歓声が送られた。このほか、現役ばんえい馬が1トンの荷物を引く実演や小学生対象のやぶさめ体験なども行われ、会場は多くの市民でにぎわった。

 優勝した飛塚さんは「敗者復活戦からの逆転優勝で、本当にうれしい」と満面の笑顔。出場者最年少で初出場の函館中の沢小5年稲垣雄大君(11)は「相棒のサスケも落ち着いていて、練習の成果を出せたので良かった」と満足そうな表情を見せた。

 ▽結果は次の通り。(敬称略)

 ▽(個人の部)優勝=飛塚優(函館どさんこファーム)2位サ上村鮎子(十和田乗馬クラブ)3位渋谷敦子(恵庭どさんこトレッキン)▽(団体の部)優勝サ函館どさんこファームA、2位=函館どさんこファームB、3位=全国戸山流居合道連盟▽函館新聞社賞=稲垣雄大(函館どさんこファーム)、阿部沙哉香(道央やぶさめ会輪厚会)▽特別賞=オディバル・バーキ(十和田乗馬クラブ)、グレゴリー・スチュワート(剣山どさんこ牧場)、アダム・クック(同)(鳴海麻由)


◎ごみ収集車火災防げ!片手で簡単 缶の「穴あけ器」開発 来月から使用
 ガスが入ったままのカセットボンベやエアゾール缶が原因となるごみ収集車火災を防ごうと、函館市環境部は、スプレー缶の「穴あけ器」を開発した。ごみとして出された傘の部品などを再利用した仕込みづえのような構造で、片手の一押しで簡単に缶に穴を開けられる。手作業で約50本を作り、7月2日の「燃やせないごみ」収集から使用を始める。

 ごみ収集車の車両火災は、カセットボンベや整髪料などのエアゾール缶(スプレー缶)の内容物が入ったまま収集された場合に、ごみ同士の摩擦で発した火花が引火して起こる。函館市内では繊維やプラスチックの一部を「燃やせるごみ」に分別するようにした2005年度から急増。05年度15件、06年度16件、07年度18件と年々増え、本年度は6月下旬までの3カ月弱で既に7件発生した。

 同部はこれまで「缶中のガスを使い切ってからごみに出して」と呼び掛けてきたが、火災の増加傾向に歯止めがかかっていない。日本エアゾール協会(東京)の調べによると、ごみとして出されるこうした缶の約6%は中身が残っているという。収集車火災は収集業務に支障を与えるだけでなく、作業員にも危険を及ぼす。

 車両火災に頭を悩ませていた車両整備担当の寺谷哲治主査が開発を担当した。寺谷主査は「傘を眺めていたらひらめいた」と言い、傘の柄と軸の先端に直径5?ほどの針を仕込んだ。安全策としては、ジャンプ傘のばねを利用し、上から圧力をかけたときだけ針が出るような工夫も施した。燃やせないごみの収集車は委託車両を含めて21台で、全車両に各2本ほど備える。

 同部清掃事業課は「車両火災を1件でも減らしたい」と期待する一方、「市民への啓発方法を工夫するとともに、今後もできることから取り組んでいく」と話している。(小泉まや)


◎新選組の足跡めぐりなど4点…一般公募の体験型観光プログラム採用案
 新撰組の足跡巡り、イクラ作り体験―。函館市観光コンベンション部は29日までに、一般公募した体験型観光プログラム「地域でつくる小さな旅」の採用案4点を決定した。4つのアイデアは、10月18日―11月9日に湯の川温泉街を主会場に開催されるイベント「第4回はこだて湯の川オンパク」(実行委主催)のプログラムとして実現する可能性もあり、地元住民お薦めの函館の楽しみ方を観光客に提供する。

 「地域でつくる小さな旅」は、函館市の観光客入り込みが低迷する中、多様化する観光ニーズに対応しようと、市民らが思い描く観光プログラムの創出を目的に初めて企画。5月中旬から約1カ月にわたって、市のホームページ上や市内各所に設置したチラシで呼び掛けたところ、市内を中心に遠くは東京から合計12件の応募があった。

 審査は観光関係者5人が当たり、独自性・新規性や実現性、地域性などを基準に判断。優秀プログラムに選ばれたのは、(1)「土方歳三 蝦夷の道&箱館戦争物語」(2)「下海岸、絶景・絶叫そして癒しの小旅行」(3)「香雪園園亭にて(着物姿で)お月見を兼ねてのミニコンサート」(4)「函館朝市でおいしい朝ごはん」。考案者は市内・近郊の3個人と1団体だった。

(1)は、新撰組の上陸地・森町鷲の木から最後の戦場となった五稜郭まで、道南ゆかりの地をピックアップして巡回。(2)は、旧戸井、恵山町で渓谷沿いなど景観の良いスポットに出向いた後、温泉入浴や旬の食材を取り入れた食事を楽しむ。(3)は、参加者が着物の着付けをしてもらって夜の園亭で音楽を聞くという風情のある内容。(4)は、イクラ作りを体験し、カニ汁や新鮮な魚介類などとともにぜいたくな朝食を堪能する。

 実行委の河内孝善事務局長は、(1)と(2)をオンパクプログラムの候補に挙げ、7月上旬に考案者を交えた具体的な協議をすすめる予定で、「函館ならではの魅力を引き出すものとして楽しみにしている」と話す。同部は「市民提案型の観光メニューとして、面白みのあるものがそろった」とし、今後も地域活性化の取り組みとして継続する予定という。0ァ40ィ(浜田孝輔)


◎大門の未来 熱く語る…青空討論会「シャミット」
 JR函館駅前の大門地区にかつての活気を取り戻そうと、地元住民らが意見を交わす青空討論会「2008シャミットin大門」(同実行委主催)が29日、市内松風町のはこだてグリーンプラザ特設会場で開かれた。参加者からは「大門全体を大きなテーマパークに」「函館に日本一の市民サーカス団を」など、スケールの大きなアイデアが次々と飛び出し、大門地区の未来像について熱い激論が続いた。

 北海道洞爺湖サミットの開催に合わせて、地元の若手経営者らが中心となり準備を進めてきた。「シャミット」とは、「無駄口を言う」や「はったりをかます」などを意味する「三味線を弾く」とサミットを掛け合わせた造語で、「現実的な制約に縛られず、自分たちの持っているアイデアを自由に発表する場」との思いが込められている。討論会には公募による10人のパネリストが参加し、インターネットで寄せられた1000件以上の意見も取り上げられた。

 「エコ」「観光」「エンターテインメント」「近未来」の4つのテーマ別に進められた討論の中で、特に盛り上がりを見せたのがエンターテインメント部門。「日本一のカジノ街を作ろう」「年間通して巨大なビアガーデンを実施しよう」「電車や車を地下に走らせ歩行者天国にしよう」など、集客に向けた様々な意見が続出。「函館の新しい観光の目玉として市民サーカス団を作り、日本一のサーカスの街として売り出そう」など斬新な意見も飛び出し、会場を沸かせた。

 この日の討論でまとまったアイデアは後日、市経済部産業振興課を通じて函館市長に提出される。 (小川俊之)


◎満開のバラ 優雅音色堪能…旧英国領事館で庭園コンサート
 色とりどりのバラが見ごろを迎えた函館市元町の旧イギリス領事館で29日、庭園コンサートが開かれた。「オーク・リコーダー・アンサンブル」のメンバー3人が世界の民謡を中心に演奏。リコーダーの優雅な音色とバラの香りに誘われて、多くの市民や観光客が足を運んだ。

 同館を管理する函館国際観光コンベンション協会の主催で、18種類40種類のバラと音楽を楽しんでもらおうと企画した。赤やピンク、黄色などさまざまなバラがほぼ満開となり、2回行われたコンサートには市民ら200人以上が訪れた。

 コンサートでは、三重奏で「おお、ブレネリ」や「アニー・ローリー」などヨーロッパ各国の民謡を中心に演奏。訪れた人たちは、日曜の午後のひとときをリコーダーの調べに聞き入り、ゆったりとした時間を過ごしていた。

 次回、庭園コンサートは「フィオリ・ムジカーリ」が出演し、7月6日午後3時半から行われる予定。(今井正一)