2008年6月8日(日)掲載

◎YOSAKOIソーラン祭り/道南から11チーム出場
 【札幌】第17回YOSAKOIソーラン祭り(同組織委員会主催)は7日、4日目を迎えた。前日の雨も上がり、ファイナルコンテスト進出を目指す各チームの踊りのボルテージも上昇。祭りは最高潮に達した。

 今年は道内外から330チーム、踊り手約3万3000人が集結。メーン会場の大通8丁目など、同市内28会場で熱気あふれる演舞を繰り広げている。

 渡島、桧山管内からは11チームが出場している。函館市の「函館躍魂(おどるたましい)いさり火」、ジュニア部門で同市の「無限舞童」など、上位入賞の期待を背負い、独創性に満ちた演舞を披露している。

 最終日の8日は、午前8時半から市内各会場で出場チームの演舞が繰り広げられるほか、午後7から大通公園西8丁目ステージ会場で10チームが優勝を争うファイナルコンテストや表彰式が行われる。


◎昼夜間人口比率は103・3/函館市 昼は30万人維持
 函館市がまとめた2005年国勢調査に基づく統計によると、市内の夜間人口(常住人口)を100とした場合の昼間人口の割合(昼夜間人口比率)は103・3で、大都市や地方拠点都市の特徴である100超が続いている。通勤・通学者が市内に流入するためで、昼間人口は30万3878人。00年と比較して約8700人減少しているが、同比率は0・9上昇している。

 夜の人口は29万4155人だが、昼は30万人台を維持。通勤・通学で市外から約1万7500人が流入しており、市内から市外への流出を差し引いても約9600人増えている計算となる。

 国勢調査で人口と定義しているのは夜間人口だが、函館市は30万人割れの中で「働いている人などを含めた日中は30万都市」と言われてきた根拠となっている。

 昼夜間人口比率は100以上になるほど、職場や学校などが多く、地域の拠点都市であることを示す。1975年以降の函館市は、比率が101―102台だったが、05年に103台まで上昇した。

 同比率が100を下回る場合は近隣都市のベッドタウンとなっている傾向を示す。05年の函館市の場合、近郊の同比率と通勤・通学者の流入人口は、旧上磯町が88、7804人、七飯町は85、5639人、旧大野町は95、1787人。住まいは近隣市町、学校や職場は函館という住民が多いことを裏付けている。

 桧山管内でも江差町が109で、近隣の上ノ国町が90、乙部町が89。桧山では支庁所在地の江差が函館と同様であることを示している。

 道内の都市では室蘭市が108、千歳市が106、帯広市が104などと高く、札幌近郊の江別市が89、北広島市が94、室蘭近郊の登別市が87などとなっている。全国では東京都が120でトップ、次いで大阪府の105。低いのは埼玉県の87、千葉県、奈良県の88。 (高柳 謙)


◎函館に「追分三味線と悦絃会(えつげんかい)」が発足
 江差追分三味線の指導と普及を目指す「追分三味線と悦絃会(えつげんかい)」(大熊浩会長)が、このほど函館市内で発足した。追分三味線を指導する内村悦子さん(59)=同市東山2=は、道文化財保護功労者で伝説的な名手として知られる故・近江タキさん(1909―96年)最後のまな弟子。内村さんは「近江先生の教えを若い世代にしっかりと継承していきたい」と意欲を見せている。

 内村さんは、江差追分函館声徳会支部の支部長である夫の内村徳蔵さん(59)の影響で結婚後に江差追分をうたい始めた。活動を続ける中で、伴奏として重要な役割である追分三味線の演奏者が年々減少していることを知ると、1994年から江差に住む近江さんの下に通い始め、近江さんが亡くなる直前まで3年間にわたり指導を受けた。近江さんの没後には生前愛用していた三味線を遺族から譲り受けており、師匠の形見として現在も大切に所有している。

 内村さんはこれまでも、函館声徳会支部の中で三味線の指導を行っており、現在は小学生から一般まで9人の生徒を持っているが、活動の幅をさらに広げたいとの思いから、「悦絃会」を結成し新たな活動を開始することとなった。

 「悦絃会」では、これまで以上に追分三味線の技術向上を目指しながら、函館声徳会支部と協力して年1回の温習会やボランティア活動などの幅広い活動を展開していく。内村さんは「唄の伴奏として裏に隠れがちな追分三味線の素晴らしさを、次の世代にしっかりと伝えていくことが近江さんへの恩返しと考えている。興味のある人はぜひ会の活動を見に来てほしい」と呼びかけている。

 同会についての問い合わせは内村さんTEL0138・54・6331。 (小川俊之)


◎支庁再編 4市町住民ら500人、あす札幌で抗議行動
 【江差】高橋はるみ知事が6日、桧山支庁の統廃合などを盛り込んだ支庁設置条例改正案を10日開会の第2回定例道議会に提案する方針を表明したことを受け、江差町、日高管内浦河町、根室市、留萌市の住民ら約500人が9日、札幌の道庁周辺で条例提案への抗議行動を展開する。

 江差町からは濱谷一治町長をはじめ、町議会議員、町内会や住民団体の役員ら約170人が参加する。再編案に反対する桧山管内6町からも副町長や町議会代表ら12人が駆け付ける予定だ。

 浦河町(日高支庁)、留萌市(留萌支庁)、根室市(根室支庁)からも計250人が参加。石狩支庁を廃止して「石狩振興局(仮称)」を置く、石狩管内からも泉亭俊彦当別町長が出席する。泉亭町長は道町村会副会長で石狩町村会長。振興局に格下げする道内5地域が初めて結集する形になる。

 抗議行動の目的について、江差町は「地方との対話を十分に行わず、多くの課題を積み残しているにもかかわらず、拙速な条例提案を決めた高橋知事に抗議する」としている。10日から第2回定例会が始まる道議会与野党会派に対しても、条例案を可決しないよう訴える考えだ。

 当日は道庁周辺での合同総決起集会に続き、街頭での抗議行動やチラシの配布を行う。また、4市町長と市町議会議長らが道議会を訪ねて、すべての会派に慎重な議論を要請するという。

 支庁設置条例改正案の提案をめぐっては6日、道市長会、道町村会など地方4団体も「提案は極めて遺憾」とする緊急共同声明を発表。道町村会を中心に道議会に対する要請行動を検討しているほか、道内各地の産業経済団体も相次いで反対意見を表明している。江差町は「支庁再編反対の大合唱は全道に広がりつつある。高橋知事は道民の声に真摯(しんし)に耳を傾けるべきだ」とし、定例会会期末の27日まで波状的な抗議行動を通じて、条例案の成立阻止をアピールしたい考えだ。 (松浦 純)


◎大間原発反対で市民集会
 電源開発(東京)の大間原発(青森県大間町)建設計画に反対する函館の市民団体「大間原発訴訟の会」(竹田とし子代表)は7日夜、市内大森町のサン・リフレ函館で市民集会「異議あり!大間原発」を開いた。函館市と近郊の市民ら約100人が参加し、原発の建設に反対する姿勢をあらためて確認した。

 同会は電源開発に原子炉設置を許可した経済産業省に対して取り消しを求める異議申し立てをするため申立人を募っていて、同会の大場一雄事務局長が申し立ての委任状が当初の目標の1000通を大幅に上回る約3100通に達したことを報告、会場に詰めかけた参加者からは拍手がわき起こった。さらに、19日にも竹田代表らが同省を訪れ、異議申立書を提出する考えを示した。

 竹田代表は「私たちの考えをどのように反映するか見守っていきたい。原発を大間に建設させないため、今後も支援の輪を広げてほしい」と協力を呼び掛けた。建設予定地の未買収の土地所有者で、原発建設に反対する小笠原厚子さんは「大間の海は宝の海。海を汚す原発の建設は絶対に許せない。子や孫にきれいな海を大切に残していくため、1人でも多くの人に大間の現実を知ってもらいたい」と述べた。

 訴訟の代理人に就く予定の河合弘之弁護士らが提訴に向けた取り組みなどを説明したほか、新潟県柏崎市の「柏崎刈羽原発に反対する会」のメンバー、武本和幸さんが、昨年7月の新潟県中越沖地震で被災した同原発の現状について報告した。参加者はメモを取るなどしながら終始真剣な表情で話に耳を傾けていた。

 大間原発は、商業用として世界で初めて全炉心にMOX(モックス)燃料を装荷する「フルMOX」を採用する。電源開発は経産省の許可を受け、5月下旬に着工し、2012年の運転開始を目指している。 (水沼幸三)


◎野外劇キャスト村作り
 7月4日に開幕する市民創作「函館野外劇」第21回記念公演に向け、会場となる函館市五稜郭町の特別史跡五稜郭跡では準備が進んでいる。7日はキャスト村づくりなどがスタートし、約1カ月後の開幕に向け、作業が本格化している。

 五稜郭東側に位置する特設舞台は、5月中旬から設営が始まっており、この日は運営するNPO法人市民創作「函館野外劇」の会のスタッフなど、すべてボランティアの約50人が参加し、キャスト村やテント張りなどを行った。

 意参加者は同市海岸町に置かれていた資材を会場に移動させ、舞台裏で約10張りのテント設営しキャスト村を作っていった。しっかり固定されたテントの中は、木製で運搬に使われる枠組みのパレットや畳が敷かれた。

 このほか、舞台設営や公演に必要な道具の整理などが行われた。この後、衣装がキャスト村に入り、天日干しなどをする予定。 (山崎純一)