2008年7月10日(木)掲載

◎カレイやイカ 大漁だ!…ききょう幼稚園で地引き網体験
 【北斗】学校法人桔梗学園ききょう幼稚園(函館市西桔梗、川村兼悦郎園長、園児278人)の全園児が9日、北斗市飯生の上磯漁協上磯支所横の前浜で地引き網漁を体験した。参加した園児は力を合わせて網を引っ張り、採れたウグイやカレイなど大小の魚約100匹に大喜びしていた。

 近年行わなくなった昔ながらの漁法を体験し、生の魚に触れてもらおうと企画。同漁協の協力で、同園では初めて実施した。

 園児らは保護者や教諭らが見守る中、数百メートル沖に仕掛けた網を「よいしょ、よいしょ!」の掛け声で引っ張った。押し寄せる波に歓声を上げたり、綱に体を取られながらも、約40分後に引き上げを終了。網の中ではカニやイカ、小さなフグも元気良く飛び跳ねて、園児は興味深そうに触っていた。採った魚は同園に持ち帰り、調理できるものは食べる予定。

 年中組の久保田輝星(きらと)ちゃん(4)は「網を引っ張って楽しかった」と話し、佐藤時靖ちゃん(5)も「魚はぬるぬるしていた」と笑顔だった。(新目七恵)


◎桧山4町で1000人超に…採血器具使い回し
 【江差】血糖値測定に使用する採血器具のキャップの使い回しが桧山管内では江差、上ノ国、厚沢部、奥尻の4町で1994年度から本年度までの間、町主催の健康教室などで行われていたことが、函館新聞社の9日までの調べでで分かった。参加者は4町合計で1000人を超える見込み。4町は参加者を対象にした無料肝炎検診を行い、健康被害の有無を確認する。

 江差町は05―06年度に糖尿病教室など2事業で、17人に対して道国保連合会(札幌)から借用した器具で採血し、キャップの使い回しが行われた。参加者には職員が個別に訪問して陳謝し、17日に行う検診への参加を呼び掛けた。上ノ国町は94―06年度の健康教室や健康診断で、参加者は763人に上る。亡くなった人などを除く674人に無料検診を受けるよう文書を送った。

 厚沢部町は97―06年度の糖尿病教室や健康診断などで参加者は約300人。正確な記録が残っておらず、個人の特定は終わっていない。町は「事業後に行われた健診などでも肝炎発症などの報告は無い」としている。町は全世帯に謝罪の文書を配布し、検診への参加を呼び掛けている。

 奥尻町は97年度から先月まで、健康相談などで問題の器具を使用。参加者は116人で、亡くなった人や転出先が分からない人を除く57人に検診参加を求める文書を送付。7日から検査の受け付けを始め、既に15人程度の申し込みがあったという。町は「国からの注意喚起が届いていなかったとはいえ、対応に問題があった。反省している」としている。(松浦 純)


◎五輪観戦 大型テレビで…ブルーレイも売れ行き好調
 北京五輪の開幕まで1カ月を切り、函館市内の家電量販店やスポーツ用品店では、関連商品の売り場が活気づき始めた。特に競技の臨場感を楽しめる大型ハイビジョンテレビや、次世代DVD「ブルーレイディスク」レコーダーの販売増が見込まれる。夏のボーナスを見据えた商戦もいよいよ本格化し、各店とも“五輪特需”に期待を寄せている。

 家電量販店では地上デジタルテレビ放送の開始以来、大型ハイビジョンテレビの売れ行きが好調。五輪を控え、買い替えの動きも出始めた。ハイビジョンのきれいな画質をそのまま録画・再生できるとあって、ブルーレイディスクレコーダーの需要も高まっている。

 ケーズデンキ函館パワフル館(石川町52)は「発売当初と比べ、買い求めやすい価格になってきたので、テレビとブルーレイをセットで購入する人も多い」と話す。売れ筋はテレビが20万円前後の37сNラス、ブルーレイは12、13万円台。北海道洞爺湖サミットの影響で、消費者の省エネ家電への関心が高く、五輪需要との相乗効果も生まれそうだ。

 「出足は鈍かったが、夏のボーナス支給後から五輪需要も活発化してきた」とするのはコジマNEW函館店(亀田本町55)。6月以降、42インチ以上の大型ハイビジョンテレビを指定する客も増えた。ブルーレイディスクレコーダーとセットで並べ、店頭で画質の良さをアピール。五輪スポンサーの家電メーカーが用意した「北京五輪まであと○日」の看板などを掲げ、両店とも雰囲気を盛り上げている。

 一方、スポーツ用品店のスーパースポーツゼビオ函館昭和タウンプラザ店(昭和1)では、6月下旬から日本代表選手団の公式ウエアのレプリカや、バレーボール日本代表選手の着用モデルシューズを展示。「オリンピックの影響というよりは機能性で選ぶ客が多いが、選手の着用モデルということで目を引くのでは」としている。(宮木佳奈美)


◎杉村太蔵氏の擁立断念…自民8区 候補者新たに3人
 自民党衆院道8区(今津寛暫定支部長)は9日、次期衆院選候補として浮上していた現職の杉村太蔵氏(28)=比例南関東ブロック=の擁立を断念した。函館市内のホテルで同日開いた候補者選考委員会に、川尻秀之委員長が報告し了承された。新たに道南在住の男性2人の名前が他薦で挙がっていることを伝え、当初から候補対象となっている男性1人を加えた3人の中から、今月中をめどに選考する方針を決めた。

 会議は非公開で行われ、終了後に川尻委員長が会見。杉村氏については先月中旬、党の古賀誠選対委員長から「8区擁立は当てにしないでほしいと言われた」と明かした。杉村氏は昨年の知事選や参院選で8区入りし応援演説などをしており、選考委員から「礼儀正しく熱心。候補にふさわしい」とする声があった。ただ、杉村氏は1区から出馬する考えを崩しておらず、党本部も8区への転出は難しいと判断した。

 新たな候補対象者2人は個人や団体からの他薦で、川尻委員長が推薦者へ本人の意向を確認させている。当初から名前が挙がっている1人について、川尻委員長は「現在も出馬に前向きと受け止めていると思う」と述べた。

 選考委に先立ち8区の拡大役員会が開かれ、今津暫定支部長も出席。今津氏は「郷土のために命がけで戦う候補者を、慎重な上にも早急に選考してほしい。8区は道内12選挙区で保守票が1、2位の地。結集さえできれば必ず勝利できる」と期待を寄せた。(高柳 謙)


◎エゾバカガイのカレー おいしい…小中学校の給食に登場
 【江差】首都圏では「アオヤギ」として珍重される桧山特産のエゾバカガイが9日、カレーライスの具材として、江差、上ノ国、厚沢部の3町で小中学校の給食に初登場した。おかわりする子供たちが相次ぐなど大好評だった。

 3町で合計1800食に上る給食は「江差町ほか2町学校給食組合」(江差町、高橋勝則所長)が調理。地産地消のメニューを検討する同組合と、海産物の消費拡大を目指す「ひやま漁協」(乙部町・市山亮悦組合長)がタイアップして実現した。高橋所長は「貝毒や鮮度の問題から給食では貝類を使わないことが多い。江差の前浜で水揚げした新鮮なエゾバカガイだからこそ利用できた」と太鼓判を押す。

 給食に使ったエゾバカガイは約400キロ。網を取り付けた鉄製の枠で、海底を引く「桁曳き(けたびき)網漁」で水揚げされた。貝殻を外したむき身の状態でも80キロの重さがあったという。

 江差町南が丘小(吉田正校長、児童136人)でも、児童がコリコリとした歯触りのエゾバカガイに舌鼓を打った。1年生の教室では子供たちが「とてもおいしい」「おかわりしたい」と笑顔をみせていた。試食した濱谷一治江差町長は「給食とともに、授業で地元の漁業を学ぶことで子供たちの理解もより深まるのでは」と語る。同組合は8月にも別メニューでエゾバカガイを提供する予定という。(松浦 純)


◎19、20日に大門祭…市内4大学学生が準備
 函館市の大門地区の活性化を図ろうと、市内の4大学の学生有志が企画・運営する合同学生祭「大門祭」が19、20の両日、市内松風町の大門グリーンプラザで開かれる。8回目の今回は大門地区商店街を舞台にした宝探しクイズラリーや、多彩なステージイベントを予定。実行委員会は「大門に足を運ぶきっかけにしてほしい」とPRしている。

 大門祭は2001年にスタートした。今回も市内の大学や短大などに協力を呼び掛け、集まった道教育大函館校、公立はこだて未来大、北大水産学部、函館大の学生計16人で実行委を発足し、4月ごろから本格的に準備を始めた。

 メーン会場となる電車通りを挟んだ大門グリーンベルト周辺には、学生らによる約15店の模擬店や特設ステージを用意。ステージ企画の初日は、幼稚園児らのYOSAKOI発表によるオープニング(午前10時)や函館大と未来大のジャズ研究会の演奏(午後零時半)などが予定されている。2日目は恒例の「イカそーめん早食い世界大会」(午前11時半)やギリヤーク尼ヶ崎さんの演舞(午後2時)、参加無料のもちまき(午前10時半)と抽選会(午後4時)などが計画されている。両日午前10時―午後6時には、恋人限定企画やフリーマーケットなども用意する。

 ことしのテーマは「きずな」で、山田奈央実行委員長(道教大函館校3年)は「幅広い世代に楽しんでもらえる内容。大学連携の伝統を守り、大門とのつながりを深めたい」と意気込んでいる。 問い合わせは山田実行委員長TEL090・5980・8999。(新目七恵)