2008年7月19日(土)掲載

◎コップ片手に車内でグビッ…ビール電車運行開始
 車内で飲食やカラオケを楽しめる函館市交通局の貸し切り路面電車「アミューズメントトラムビール電車」が18日、今季の運行を開始した。事前に予約していた乗客は、電車に揺られながら、冷えたビールと歌合戦を満喫した。

 電車は内装にブラックライトやLED(発光ダイオード)を設置するなどした車両で、1994年から毎年運行。サッポロビール道本部道南支店(同市梁川町16)の協賛で、通常の電車貸切料金2万4000円に、生ビールと発泡酒の10リットル樽(たる)各1本分が含まれている。

 初日に利用したのは、市民団体「チンチン電車を走らせよう会」(佐原幸子会長)の一行30人。駒場車庫前を出発したビール電車は市内を約2時間巡行し、参加したメンバーはビールでのどを潤しながら、自慢の歌声を披露し、親睦(しんぼく)を深めた。佐原会長は「気温が高いので、ビールもすすみそう」と話していた。

 ビール電車の運行期間は8月23日までで、交通局によると、金、土曜日はすでに予約で埋まっているという。利用に関する問い合わせは、同局運輸課TEL0138・52・1273。(浜田孝輔)


◎在宅勤務し移住体験…21日から函館市で国の実証実験
 インターネットなどを使い在宅勤務をしながら移住体験をする総務省のモデル事業が、函館市で21日から始まる。8月末まで2組の家族が函館に滞在し、通信環境を整えた滞在先のアパートで親が仕事し、家族や子供たちは地域との交流イベントや自然体験などを楽しむ予定。

 同省の「短期移住型テレワーク実証実験」で、18日に市内のホテルで開かれた第4回函館ビジネス研究会(北海道コンシェルジュ主催)で報告された。

 移住促進に向け官民で組織する「住んでみたい北海道推進会議」事務局によると、今夏は道内7市町で9家族が体験し、道南では厚沢部町でも受け入れる。現役世代が道内で長期滞在する環境を整えることで、将来的な移住モデルやビジネス創出に結び付ける狙い。ことし2月に十勝管内本別町で、冬型の同事業を実施したが、滞在先と職場は別に用意したという。

 函館で体験する2組は、21日―8月9日、18日―30日に家族3―4人で訪れる。電機メーカーに勤務する社員一家で、通信機器を備えた“職住一体型”の実証実験となる。北海道コンシェルジュは「在宅勤務をしながら家族で昼食や夕食を楽しみ、夜や休日は自然豊かな環境や地域イベントを一家で楽しむことができる」と利点を説明する。

 会議では同事業を含めた移住体験者の受け入れ態勢について意見交換。釣りや昆虫採集、ヨットやボート、ウオーキングなど自然を生かした体験メニューが挙げられた。一方で「乳幼児がいると行動範囲が限定される。まずは買い物や保育園など日常生活を快適に送る環境整備が必要ではないか」との声もあった。(高柳 謙)


◎観光スポットの時刻表にアクセス…1、2日乗車券購入でQRコード付きストラップ進呈 函館バス
 夏の観光シーズンに合わせ、函館バス(函館市高盛町、寺坂伊佐夫社長)は19日から、バス・市電共通の1、2日乗車券をJR函館駅前のバス待合所で購入した人を対象に、携帯電話で停留所の時刻表にアクセスできるQRコード(二次元バーコード)付きのストラップを無料でプレゼントするサービスを始める。

 函館バスの広告を手掛ける「バイセルズシステム」(同市大森町、小橋達也社長)がNTTドコモ北海道函館支店の協賛を得て企画。ストラップ製作は2月の学生向けに続く第2弾。繁忙期の乗客の利便性を高め、路線バスの運行情報が検索できる「バスロケーションシステム」の利用拡大を狙う。

 今回は代表的な観光スポットの函館山山頂と元町、五稜郭公園入口の3停留所分を計800個を用意。携帯電話の画面クリーナーの裏面に印刷されているQRコードを携帯電話のカメラで読み取ると、時刻表のほか、周辺の停留所、関連情報などが確認できる。

 乗車券は1日分が大人1000円、小学生以下500円、2日分が1700円、850円。無くなり次第終了。待合所は午前7時半―午後7時まで。函館バスは「学生向けも好評のうちに終了した。観光客や地元の人にもバスロケーションシステムを有効に活用してもらえれば」としている。(森健太郎)


◎楽しいイベント もりだくさん…きょうから「摩周丸フェスタ」
 青函連絡船記念館摩周丸(若松町12)を運営するNPO法人語りつぐ青函連絡船の会は、19日から8月17日まで「〜ひかりふたたび〜摩周丸フェスタ2008」を開く。同館を中心に、JR函館駅(同)2階多目的ホールでイベントや展示が予定されている。同法人では「ことしは国鉄直営の青函連絡船が就航して100年の節目の年。イベントに来てもらい連絡船、摩周丸を再認識してもらえれば」と来場を呼び掛けている。事業の内容は次の通り。

 ◇摩周丸会場(入館料=大人500円、小中学生250円)

 ▽夏休み!ちゃれんじ体験(19日―8月17日、午前10時―正午、午後1―3時)=青函連絡船のペーパークラフト、けずってぬって新幹線など日替わりで約10種類の制作体験を用意。入館料のほか、材料費として100―800円が必要。日程などの詳細は摩周丸へ。

 ▽花火の夜特別開館(20日、8月1日午後7時―同9時半)=両日に函館港で行われる花火大会を館内から見物できる。※特別入館料一般500円、小中学生250円。通常入館料、年間パスポートでは入館不可。

 ▽はこだてマリンフェスティバル2008(26、27日午前10時―午後3時)=出入港の模擬公開、連絡船すごろくなど。

 ▽HBCラジオ公開生放送(8月1日正午―午後4時)=「カーナビラジオ午後1番!」の公開生放送。

 ◇JR函館駅2階・イカすホール会場

 ▽写真展「青函連絡船 海峡の記憶」(19―8月17日午前10時―午後6時)入場無料。 ◇同・いるか文庫ギャラリー

 ▽青函連絡船思い出博覧会(19―8月17日午前10時―午後5時)入場無料。

 摩周丸の問い合わせはTEL0138・27・2500。


◎資料や写真で歩み紹介…市立図書館開館80周年記念展
 1928(昭和3)年に函館に市立図書館が誕生してから80周年を迎えたことを記念する展示が17日、函館市中央図書館(函館市五稜郭町、中山公子館長)1階で始まった。これまでの歩みや、新しい図書館サービス、図書館の1日を資料や写真で紹介。図書館のこれまでと現在が一目で分かるように工夫されている。9月25日まで。

 市立図書館は28年7月17日に、それまでの私立から函館市立に移管した。展示は3コーナーに分かれており、「函館市立図書館の80年のあゆみ」では、06(明治39)年に函館毎日新聞緑叢(そう)会が岡田健蔵宅に図書室を開設した時から、大火などにもくじけずに再建を繰り返し、現在の中央図書館に至るまでを年表で提示した。

 「新しい図書館サービス」では、点字図書や録音図書などを置く「HC(ハンディキャップ)コーナー」や、自動貸し出し(OPAC)コーナーなどを紹介。「図書館の1日」では、蔵書の整備やインターネットを使った予約サービスへの対応など、利用者には見えない職員の仕事内容も写真で紹介している。

 中山館長は「函館のように私設図書館からスタートして現在まで充実した図書を抱えて続いている図書館は全国的にも珍しい。この機会にすばらしさを知ってほしい」と話している。(小泉まや)