2008年7月24日(木)掲載

◎旧函館区公会堂で舞踏会
 明治に建てられた洋風建築物「旧函館区公会堂」(函館市元町11)で23日、舞踏会が開かれた。函館市文化・スポーツ振興財団(金山正智理事長)創立20周年記念事業の一環で、市内在住の舞踊愛好者ら14組28人が当時の情景を懐かしみながら、夏の夜に華麗な舞いを堪能した。

 金山理事長が「当時行なわれていた舞踏会をもう一度再現させようと準備を進めてきた。眼下にそびえる函館の町を見ながら、楽しいひとときを過ごしてほしい」とあいさつ。北大水産学部交響楽団(阿部亮平代表)のバンド演奏「美しき青きドナウ」で舞踏会が開幕した。

 参加者はタキシードやドレスなど華麗な衣装に身を包み、ワルツやタンゴ、ジルバ、ルンバなどを演舞。途中パートナーチェンジをしながら男性のリードに身をまかせ、「ラブレター」や「仮面舞踏会からワルツ」などを約1時間半踊り、懐かしい思いに酔いしれた。

 同市亀田港町の佐藤宣征さん(66)は「鹿鳴館で踊ることに長年憧れていた。貴重な体験できてよかった」と話していた。舞踏会は25日まで開かれる。(小橋優子)


◎支庁再編「反対」ネットワーク、4市町の枠組み維持
 【江差】道の支庁制度改革に反対する自治体ネットワークを組織する、江差町など4市町は23日、札幌で市町長会談を開き、4市町による連携の枠組みを維持しながら今後、道が提示してくる地域振興策や財政支援などの具体案について、情報交換や内容の検証を進めることで一致した。

 濱谷一治江差町長、谷川弘一郎浦河町長、長谷川俊輔根室市長、高橋定敏留萌市長が出席した。

 支庁存続運動から撤退する方針を示していた高橋留萌市長は、大規模な抗議行動など従来型の存続運動からは一線を画するものの、4市町ネットワークからは離脱しない考えを表明。徹底抗戦の構えを崩していない根室市と江差・浦河両町も同意した。

 今後の運動方針については、公職選挙法改正をめぐる国会審議を見据えながら、道町村会(会長・寺島光一郎乙部町長)や道市長会(同・新宮正志室蘭市長)など地方4団体を通じて、国や民主党など野党側への働き掛けを続ける方針を決めた。濱谷江差町長は「秋の臨時国会は公選法改正が焦点。4市町による運動は、道町村会などの動きに合流する形で継続する」としている。

 4市町は、道が提示してくることが予想される、支庁廃止地域に対する、財政支援策や地域振興対策、支庁廃止後に設置する「振興局(支庁出張所)」の組織編成などの具体案について、4市町間の情報交換を通じて、内容の分析や検証を進める。江差町総務政策課は「支庁廃止という最悪の状況は変わっていない。具体的な支援策などが依然として不透明な状況にあり、4市町の連携により、道の出方を慎重に見極める必要がある」としている。(松浦 純)


◎森町談合、新たに1人目逮捕
 森町が2005年9月に発注した町消防防災センター建設工事入札をめぐる談合事件で、道警捜査二課、道警函本捜査課、函館中央署などは23日、函館市榎本町、自称・自営業登眞人(のぼり・まこんど)容疑者(60)を偽計入札妨害(談合)の疑いで逮捕した。同事件にかかわり、談合の疑いで逮捕されたのは、同センターを落札した東急建設(東京)札幌支店土木担当部長、菅沢利昭容疑者(60)や森町内の星組渡辺土建社長渡辺英明容疑者(56)らに続き7人目。

 調べによると、登容疑者は、菅沢容疑者ら先に逮捕された6容疑者=函館地検に送致済み=と同様に、森町が05年9月に発注した町消防防災センターの指名競争入札で、同じ入札の指名業者として指名されたほかの4共同企業体(JV)の入札担当者と共謀し、東急建設と星組渡辺土建が組んだJVが落札できるよう入札価格などで談合した疑い。

 同課などのこれまでの調べで、登容疑者が同談合事件に関与した疑いが強まり、同日、函館中央署で事情を聞いていた。

 同容疑者は、先に逮捕された函館市内の設備会社藪下機械店社長藪下宏一容疑者(61)と同様に、JVを組んだ両社と町側の仲介役を果たしたとみて、調べを進めている。

 調べに対し、登容疑者は「入札に関して関与した事実はない」と容疑を否認しているという。

 同課などは関係者の事情聴取などで、官製談合を示唆するような供述も得ており、今後の捜査は湊美喜夫町長(79)ら町側の関与もあるとみて、調べを進めている。


◎船だまりの遺体は他殺体、強殺容疑で3人逮捕
 函館市若松町の函館港「海岸町船だまり」で22日に発見された遺体の男性は、函館西署のその後の調べで、同市海岸町の無職清水裕久さん(46)と判明した。司法解剖の結果、死因は水死と断定されたが、頭や体に殴られたような痕跡があることから、同署は23日、殺人事件として捜査を開始。同日夜、清水さんの知人の男3人を強盗殺人の疑いで逮捕した。

 逮捕されたのは、同市宮前町、無職森清文(32)、同市高盛町、アパート経営本間正美(48)、同住所、漁業野崎俊(21)の3容疑者。

 調べによると、3容疑者は、22日午前零時半ごろから同2時ごろまでの間、同船だまりの岸壁付近で、清水さんの顔面を殴るけるなどの暴行を加えた上、海中に突き落とし、殺害した疑い。

 3容疑者は21日夜、同市内のスナックで清水さんから金品を奪うことを計画。22日未明、清水さんを自宅から車で同船だまりに連れ出して暴行を加えた。清水さんが警察に通報するのを恐れ、海中に突き落としたという。

 清水さんと森、野崎両容疑者は、以前に本間容疑者の下でアルバイトをしたことがあり、面識があった。森、本間両容疑者の家賃をめぐるトラブルがあり、清水さんが巻き込まれたという。今月13日以降、森容疑者と清水さんが同署を訪れたことが何度かあったという。

 調べに対し、3人のうち、2容疑者は「間違いありません」と容疑を認め、1人は否認しているという。同署は、3人の役割分担や、清水さんを殺害した詳しい動機について調べを進めている。

 清水さんは、22日午前7時50分ごろ、付近でタグボートの点検をしていた男性が、岸壁から数メートル離れた海面にうつぶせの状態で浮いているところを発見、通報した。現場は、同市若松町のJR函館駅から約500メートル北にあり、同港中央ふ頭の南側。普段は中型のイカ釣り漁船などが停泊している。昼夜を問わず、釣り人も多く訪れている。


◎函館、北斗で集中豪雨
 日本海の低気圧に伴う活発な雨雲の影響で、道南地方は23日、午前中を中心に大雨に見舞われた。各地で住宅の床上浸水や、畑、ビニールハウスの冠水による農業被害が相次いだほか、列車の運行ダイヤが大幅に乱れた。

 函館海洋気象台によると、降り始めの21日午後9時から23日午後4時までの雨量は木古内132・5ミリ、函館空港125ミリを記録。特に函館市や北斗市では、午前5時から同8時にかけ集中豪雨となり、同気象台と函館土木現業所は大雨による土砂災害の危険度が高くなるとして警戒を呼び掛ける「土砂災害警戒情報」を同8時半に発表した。ことし3月に提供を始めた新しい情報で、同気象台によると、道内では初めての発表という。

 函館市内では、冠水で市道2カ所が一時通行止めとなり、湯川町などで4棟が床上浸水、2棟で床下浸水となった。ほか、床上浸水となったのは北斗市の1棟、知内町の4棟。床下浸水は、木古内町の6棟、知内町の4棟、上ノ国町の1棟。

 農業関係では、北斗市内のジャガイモ畑や知内町内のニラ栽培用ビニールハウスが冠水するなどの被害が報告されている。また、木古内中学校(中村豊校長、生徒146人)は雨水の浸水の影響でトイレが使えないため24日まで臨時休校することを決めた。

 JR北海道によると、雨の影響でJR函館線の七飯―大沼駅間で午前6時50分から約2時間半にわたり線路点検を実施。JR江差線の泉沢―札苅駅間では、同8時半ごろ線路上に土砂が流入し、列車の運転を見合わせたが、約2時間半後に復旧した。線路点検や復旧作業などにより、特急11本、普通列車9本が運休したほか、上野発札幌行き寝台特急カシオペアなどに最大4時間半の遅れが生じた。

 空の便、フェリーには影響はなく平常通りの運航だった。(鈴木 潤)


◎函館市、レジ袋有料化10月実施呼び掛け
 函館市環境部は、10月からのレジ袋有料化を市内のスーパーマーケットや商店会などの経済団体、小売店などに呼び掛ける。市内の一部のスーパーマーケットが10月からの実施を予定しているのに合わせ、他店にも同時実施を呼び掛けることで、検討または他店の動向をうかがっている小売店をも巻き込み参加店を増やす作戦。行政と消費者団体、事業者で結ぶ三者協定を視野に、今後商店会などを通じて参加店を募る。

 市環境部で23日、行政や事業者、市民でつくる函館市簡易包装推進懇話会(座長・米田イツ函館消費者協会会長、委員35人)を開催。参加者の意見を聞いたうえで方針を決めた。

 懇話会で各事業者は、自店の取り組みや展望を説明。コープさっぽろの阿部整治函館地区本部長は「10月1日から全店でレジ袋を有料化する」とし、先行実施した店舗ではマイバッグ持参率が一気に8―9割になることを紹介。「有料化の(レジ袋削減)効果は歴然としている」とした。

 グルメシティ北海道の石塚清司経営管理部主査は、マイバッグ販売で持参率が上昇したデータを示し、「年内をめどに実施したい」との考え。マックスバリュ北海道の坂東聡営業推進部長は「すぐにでも始められる状況」だが開始時期は未定。函館商工会議所の「地域一丸で取り組まなければならない」など、自治体全体での実施を望む声もあった。

 スーパーからはこのほか「他社と足並みをそろえたい」(ホクレン商事)や、「社内的に検討中」(魚長)などの意見も。デパートの中合棒二森屋店や、コンビニエンスストアのセイコーマート函館地区事務所、セブンイレブン・ジャパン函館地区からは、「業態として非常に難しい」(セイコーマート)といった意見が多かった。

 環境部の調べでは、道内のレジ袋有料化は、106店が実施済みで、今後415店が実施を予定している。これらを踏まえて阿部喜久雄環境部長は、「懇話会の参加者以外の店舗や商店会も巻き込み、行政が主体となって三者協定締結など各事業者との具体的協議を働きかけたい」とした。