2008年7月4日(金)掲載

◎競馬グッズショップ人気 勝負服や肩掛けなど約5000点
 【知内】知内町森越48の国道228号沿いにオープンした競馬グッズショップ「人参倶楽部 サラ・フレンド」は、有名騎手のレース用勝負服や優勝馬に飾られる布の肩掛けなど5000点余が並び、「貴重な品ばかりで見飽きない」と人気を集めている。店長の渥美悌三さん(48)は「自分の大好きな競馬グッズを展示し、多くの人と魅力を共有するのが夢だった。子どもからお年寄りまで楽しめる空間づくりに努めたい」と張り切っている。(田中陽介)

 木古内町出身の渥美さんは木古内高校を卒業後、30歳まで函館市内で働いていたが、「動物に触れられる仕事をしたい」と1991年、一念発起して胆振管内むかわ町の牧場に行き、ことし2月まで17年間、競走馬の育成に力を注いだ。90年代は競馬ブームの全盛期で、ニシノフラワーやセイウンスカイ、ニシノライデンなど、手塩に掛けて育てた競走馬が次々と中央競馬(JRA)で活躍し、心を躍らせた。

 大レースで優勝する度に開かれた祝賀会では関係者に記念品が配られ、渥美さんはその品々をこれまで大切に保管してきた。「ギャンブルはしないので競馬に興味はなかったが、さっそうと駆ける馬の姿に心を引かれていった」という。給料の大半を費やすほど、関連品の収集にのめり込んだ。

 店内には、競馬場などで張られた告知ポスターや記念切手、関連書籍などがずらりと並び、販売されている。名馬ディープインパクトと同じレースに出場した競走馬のゼッケンには泥が付着したまま。「ダートコースを走る姿が脳裏に浮かぶ。この臨場感を肌で感じてほしい」という。

 数あるお宝の中でも思い出の品は、1983年のジャパンカップで優勝した海外競争馬の飾り着、国内を代表する騎手武豊さんが実際に着用した黄色の勝負服。飾り着は、渥美さんのグッズ収集熱を耳にしたオーストラリアの調教師が「彼なら大事にしてくれる」と譲ってくれた品。勝負服は、むかわ町で行われたチャリティーオークションで落札した。

 渥美さんは「家族の理解がなければできなかった。この店を地域住民と家族の安らぎの場所にしていきたい」としている。店内には食べ物を持ち込めるコーナーもあり、亮子夫人(49)は「子どもが遊べるおもちゃもいっぱいあるので、気軽に来てほしい」と呼び掛けている。

 営業時間は午前11時―午後7時。火曜日休み。TEL01392・5・5022。


◎はこだてわいん全株式譲渡 函館ヤクルトの完全子会社に
 【七飯】果実酒製造販売のはこだてわいん(七飯町上藤城11、永田英利社長)が、筆頭株主だった函館ヤクルト販売(函館市昭和1)に全株式を譲渡し、同社の完全子会社となることが3日、分かった。新社長にはヤクルト本社(東京)から出向する福山好弘生産管理部付副参事が就任し、同本社の販売網や経営ノウハウを生かし、再出発を図る。(森健太郎)

 はこだてわいんは、ヤクルトの元常務だった宮田隆社長(故人)が1973年、駒ケ岳酒造(同市)として設立。後志管内余市町産のブドウを原料にしたワイン製造を中心に、イチゴやハスカップなど独自のフルーツワインも手掛ける。84年に本社を七飯町に移転し、現在の社名に変更した。はこだてわいんによると、ワインブームだった98年ごろに年間約18億円あった売上高が、2008年3月期には6億6700万円にまで落ち込んでいた。

 2日に開かれた臨時株主総会と臨時取締役会で、全株式18万株の譲渡と役員の改選を正式に決定。永田社長のほか、宮田和子会長、宮田直監査役が退任し、同日付で6月末までヤクルト福山工場(広島)の工場長だった福山氏が就任した。これまではこだてわいんの発行済み株式は永田社長ら10人が保有。函館ヤクルト販売は40・5%を取得していたが、保有率を100%にすることで経営基盤を見直し、意志決定の迅速化や収益の拡大、安定化を目指す。

 一方、これまで同本社の関連会社だった函館ヤクルト販売も1日付で完全子会社化され、販売体制を強化する。はこだてわいん、函館ヤクルト販売とも経営の自主性は維持され、今後地域の実情に合った販売戦略を探る。函館ヤクルト販売は「ヤクルトの生産ラインのトップにいた新社長の豊富な経験を生かし、地元経済の発展に寄与したい」としている。

 福山氏は本道出身。1973年北海道ヤクルト製造(当時)に入社し、札幌工場勤務のほか、福山工場次長、同工場長などを歴任。7月1日付でヤクルト生産管理部付副参事となり、同2日付ではこだてわいんに出向、社長に就いた。54歳。


◎江差町歴まち商店街協同組合、環境に優しい「風呂敷」販売
 【江差】北海道洞爺湖サミットを控え、江差町歴まち商店街協同組合(室谷元男理事長)は、町内の“ニシン伝説”をモチーフにした風呂敷を発売した。風呂敷は、自由自在な結び方で、多様な荷物が持ち運びできる古くて新しい「エコ・グッズ」。同組合は「資源の大切さや身の丈に合った暮らしの大切さを世界に発信したい」として、環境に優しい風呂敷の復権に期待を寄せている。

 同組合は、環境問題が主要テーマとなる今回のサミットに合わせ、オリジナル風呂敷の制作を開始。絵柄は、町内の姥神大神宮にまつられている「折居さま」の物語を、愛知県のペン画家・柄澤照文さんが優しい作風で描いた。

 江差が飢餓に見舞われた500年前、村人が飢えから救われるよう祈る「折居さま」の前に、白髪の老人が立って、教えとともに小さな瓶を授けた。瓶に入った白い神水を海に注ぐと、前浜にはニシンの群れが押し寄せるようになったという伝説だ。

 室谷理事長は「伝説はニシンの取りすぎをいさめ、身の丈にあった暮らしの大切さを物語っている。環境にも優しい風呂敷に描くことで、その精神を広くアピールしたい」と語る。青、緑の2種類を150枚ずつ制作。同神宮前の「壱番蔵(いちばんぐら)」で1枚2800円(税込み)で販売中。一升瓶やスイカなどのユニークな包み方や、トートバッグなどをイメージしたおしゃれな使い方も紹介している。同組合のホームページ(http://homepage1.nifty.com/esashi/)でも通信販売を始める。問い合わせは江差商工会TEL0139・52・0531へ。(松浦 純)


◎支庁再編・廃止余波 不安募る町民
 【江差】支庁制度改革に伴い、江差町では国、道の出先機関の撤退に拍車が掛かるなど、支庁再編の余波を懸念する声が高まっている。町は桧山支庁の統廃合が地域衰退をもたらすとして、徹底抗戦の構えを崩さない一方、同様の悩みを抱える支庁廃止地域とも連携して対応策を探りたい考えだ。(松浦 純)

 飴谷逸男副町長は「国や道は強権的に出先機関を引きはがす。雇用や企業誘致などを検討しても水の泡だ。地域振興を強弁する知事の言葉に空々しさを覚える」と語気を強める。

 2004年以降、道森林管理局森林技術センター、農水省江差統計情報センター、江差測候所が相次いで廃止となり、教育機関も道立江差高等技術専門学院、江差南高校が閉校した。職業安定所、法務局なども職員削減や業務の集約が進んだ。ある出先機関の長は「道が支庁を“出張所”に格下げする以上、国も出先機関を維持する理由がなくなる。ウチも時間の問題」と語る。

 飴谷副町長は「支庁廃止を契機に、裁判所、検察庁、税務署などが雪崩を打って縮小・撤退する恐れがある。地方を犠牲にして、道庁だけが助かればよいのか」と訴える。官公庁の廃止が民間企業の撤退や廃業につながることも懸念されている。

 支庁再編で桧山支庁は約4割の職員を3―5年の期間で削減。桧山教育局は全廃となる。町は「家族を含めると200人以上の人口流出が生じる」とする。道は数年前まで多くの職員住宅を新築したが、余剰となる住宅の利用計画は白紙だ。職員が減る庁舎の使い道も決まっていない。ある商工業者は「多くの職員住宅が空き家になればゴーストタウンになる」という。

 道は、新たな振興計画の策定や財政支援で、支庁廃止地域の衰退に歯止めを掛ける方針だが、道町村会長の寺島光一郎乙部町長は「支庁廃止で地域が衰退する事を認めたようなもの」と批判。同じく支庁が廃止される地域と連携を強化し、今後の対応策を探っていく方針だ。


◎白、ピンク鮮やか バラ見ごろ
 【北斗】北斗市清川747の「にしむらバラ園」(西村和裕代表)のバラが見ごろを迎えている。甘い香りが漂う園内では大きさや色、香りが異なる15種を楽しむことができる。

 同園は耐寒、耐雪、花付きがよい新品種の開発を目指しており、約6000平方?の敷地内では次々に新種が誕生している。園内のバラは6月中旬から開花し始め、この時期は最も多くの種類を見ることができる。ことしは、八重のサクラに似たポールズヒマラヤンムスクの改良型「きらめきの星(仮称)」が初めて開花。白と薄いピンクが美しく、原種とは違った魅力を醸し出している。

 西村代表は「結婚する娘へ、娘の名前を付けた新種を贈った人もいる」とエピソードを語り、「今が最もよい時期。多くの人に楽しんでほしい」と来園を呼び掛けている。入園無料。花は秋まで楽しめる。(笠原郁実)


◎週末に市内各地で七夕まつり
 函館に夏の訪れを告げる風物詩、7月7日の七夕にちなんだ催しが今週末から市内各地で開かれる。祭りで地域を盛り上げようと、湯川商店街振興組合は5、6日に「第16回千勝まつり」、弁天町の大黒通りフェスティバル実行委員会は7日に「七夕まつり」を企画し、広く参加を呼び掛けている。(宮木佳奈美)

 「千勝まつり」は5、6の両日午後1時から。湯川町2の旧函館信金付近の通り約120メートルを歩行者天国にし、5日にはもちつき大会を実施し、先着150人にもちを振る舞う。函館高専の学生による「ロボットで遊ぼう」、函館湯川中ブラスバンドの演奏会などもある。

 2日間にわたってビアガーデン、フリーマーケット、地元商店25店舗が安価で商品を提供する「わや市」を開催。6日は先着300人に温泉ゆで卵を無料配布する。湯川商店街振興組合は「大勢の市民に来てもらってまちのにぎわいをつくり、商店街の活性化につなげたい」と期待している。

 ことし20回目を迎える7日の大黒通り「七夕まつり」は午後6時40分から、子どもたちが通りを練り歩く七夕行列、同7時から通りにある大黒ひろばで太鼓演奏やライブなどの催しを予定。例年と趣向を変え、参加する子どもたちに地元の歴史を知ってもらう企画を考えた。

 幕末に幕府が設置した弁天砲台跡地を案内し、200年の歴史を持つ船見町の実行寺の史実に基づいた絵本のスライドを鑑賞。エコに関心を持ってもらおうと、環境に優しい乗り物として脚光を浴びている自転車タクシー「ベロタクシー」の見学会も行う。実行委の澤田石久巳代表は「七夕の意味や地元の歴史、環境問題に関心を持つ機会にしたい」と話している。

 このほか、市内では「五稜郭タワー七夕まつり2008」(5、6日午後5時から)、五稜郭商店街振興組合の七夕祭り「ウオークラリー」(6日午後2時から)、「金森七夕まつり〜星の庭」(6日午前11時から)などが行われる。