2008年7月6日(日)掲載

◎中華会館 公開スタート…4年ぶり
 清朝末期の中国式建築物として、国内で唯一現存する函館中華会館(函館市大町1)が5日、4年ぶりに一般公開された。四川大地震の被災者を支援しようと、8月16日までの期間限定で開館し、入館料の一部を義援金に充てる。初日は観光客や、再開を待ちわびた地元住民ら約200人が観覧に訪れた。

 一般公開は、入場者の減少や建物の老朽化、日中関係が一時悪化したことなどを理由に2005年から休止。四川大地震を受け、被災者救済に協力しようと急きょ開館が決まった。同館を管理する社団法人「函館中華会館」(陳上梅理事長)は入館料の半分を寄付する考えで、館内に募金箱も設けた。

 同館は1910(明治43)年、函館在住の華僑が出資し、中国から技術者を呼び寄せて建造した、くぎを1本も使わない純中国式レンガ造りの平屋。正面には中国最強の神として華僑が厚く信仰する三国志の英雄「関羽」をまつる関帝壇があり、訪れた人は金ぱくや漆を用いた華やかな飾り付けや調度品に見入っていた。来館者からは「毎年公開するのか」などの問い合わせもあり、家族と初めて訪れた七飯町に住む無職の男性(63)は「歴史を感じさせる貴重な文化財だ。もっと人目に触れる機会が増えれば」と話していた。

 正午から午後4時半まで。入場料は一般600円、高校生300円、小中学生200円。問い合わせは同会館TEL0138・22・5660。(宮木佳奈美)


◎江差かもめ島まつり開幕
 【江差】江差に夏の訪れを告げる第55回江差かもめ島まつり(江差観光コンベンション協会主催)が5日に開幕した。午後4時からは「江差音頭千人パレード」が新地町の繁華街を出発。江差港や日本海を望む北前坂、いにしえ街道を経て、かもめ島までの道中を約1時間かけて優雅に練り歩いた。

 パレードには住民や道立江差高校の生徒をはじめ、桧山支庁、江差信金、福祉施設などからも800人を超える踊り手が参加した。青、白、黄色といった、色とりどりの浴衣と編み笠の姿で、優雅な踊りを沿道に詰め掛けた観客に披露した。

 同日は、かもめ島の入り口にある、高さ約10メートルの「瓶子岩(へいしいわ)」で、漁業の安全と繁栄を祈る「大しめ縄飾り」も執り行われた。漁業者が作り上げた、長さ約30メートル・重さ約500キロもある大しめ縄を下帯姿の若者が岩によじ登って飾り付けた。

 6日午前9時からは、同港南ふ頭で、第30回記念全道北前船競漕(きょうそう)大会もスタート。朱色に塗られた4隻の北前船が、白熱の海上レースを展開する。午後2時からは、演歌歌手の松村和子さん、第25回江差追分全国大会優勝者の菊地勲さんによる歌謡ショーなどのイベントも開かれる。問い合わせは現地本部TEL0139・52・3815へ。(松浦 純)


◎みんな大好き 新鮮野菜…「いもっこ市」好評
 函館市鶴野町をはじめ、近郊の農家が育てた野菜を直売する「いもっこ市」(大槻寅夫代表)が、毎週水―日曜日の連日、白石公園はこだてオートキャンプ場前(同市白石町)広場で開かれている。取れたての野菜がずらりと並び、訪れた市民に好評。地元農家らは「体に優しい、新鮮な野菜をぜひ一度味わってほしい」と来場を呼び掛けている。

 6年前から鶴野町をはじめ豊原町、白石町の3町内の農家ら10軒ほどが集まり、その日取れた野菜を持ち寄って共同販売している。これまでは6―11月の毎週土、日曜日に行われていたが、「新鮮な野菜を一日でも多く、市民に提供したい」(大槻紀子さん)と、ことしから水―日曜日に拡大して実施している。

 店頭にはダイコンやキャベツ、ミズナなどさまざまな野菜が並び、めったに見ることのできないほど大ぶりのシイタケやブロッコリーなどもお目見えしている。このほか、置き人形やバッグなどの「手作り品コーナー」や日替わりの「試食コーナー」などを開設。毎週訪れている同市人見町の小関富子さん(70)は「ここに来ると新鮮な野菜がそろっているので、楽しい」と話していた。

 水―金曜日は午前10時から正午まで、土、日曜日は午前10時から午後2時まで。(小橋優子)


◎地上90メートルに短冊 眼下の「星」に願い…五稜郭タワー 七夕ナイト
 五稜郭タワー(函館市五稜郭町43)で5日夕から、営業時間が通常より2時間延長される「七夕ナイト」が始まった。来場者には展望台の笹竹に飾る短冊がプレゼントされ、夏の夜空と眼下に広がる“星”に願いが込められた。短冊飾りは7日まで。

 1日に開幕した同タワーの「七夕まつり2008」(7日まで)の一環で、5、6の両日は営業時間を午後9時までに延長。午後5時以降の来場者は展望料金が1割引きになるほか、ワンドリンクサービスや食事券などがその場で当たる抽選会もある。

 地上90メートルの高さにある展望台に設置された「短冊願い事コーナー」には来場者の夢や希望が書かれた短冊が早くもぎっしり。家族の健康や恋人同士の幸せを祈るものから、「骨折が治りますように」「髪の毛が増えますように」などの願い事もあった。

 石狩市から親類と初めて訪れた今北芳子さん(31)は「星に近いところから五稜郭の星形に向かって願い事をするなんてロマンチック」と笑顔で話していた。6日は午後7時からアトリウムで七夕コンサートが開かれ、7日には子どもたちにお菓子のプレゼントもある。(森健太郎)


◎最後の学校祭 最高の思いで…来春閉校の恵山高校
 来春に閉校する市立函館恵山高校(日向稔校長、生徒13人)の最後の学校祭「第36回恵高祭」が5日、函館市女那川町の同校などで行われた。

 一般公開では、生徒らが同校体育館に子供向けのボウリングや風船を使ったゲームなどを用意。地域住民や保護者らが見守る中、参加した子供たちは楽しそうに遊んでいた。同校2階では焼きそばやお好み焼きなどを販売する屋台コーナー、同校伝統となる水産体験学習「ホッケの薫製作り」の製造過程などを写真で紹介する展示スペースが設けられた。道教育大函館校の吹奏楽団によるミニコンサートも会場を盛り上げたほか、夕方からは生徒があんどんを持って大澗漁港から同校までを練り歩き、ヨサコイソーランも披露した。

 同校3年の川口駿君(18)は「地域の人にも、自分たちにとっても一番思い出に残る学祭にしたい」と話していた。子供4人と一緒に訪れた同町の北村優和さん(35)は「高校がなくなるのは残念。子供を通わせるのも大変になる」と話し、長男の光汰朗君(恵山小4年)は「押し花の工作の理科実験が楽しかった」と喜んでいた。(新目七恵)


◎「水餃子」作ったよ…留学生とあそぼう 国籍超え楽しい時間
 子どもたちと外国人留学生が、ゲームやレクリエーションなどを通じて交流する「留学生とあそぼう」が5日、函館市宮前児童館(宮前町25)で開かれた。参加者は料理作りなどを通して国籍や世代を超えて楽しい時間を過ごした。

 函館市が取り組んでいる「ひろば館事業」の一環で、児童館を舞台に世代間交流を深める目的。この日は道教育大函館校に通う中国人留学生3人とアメリカ人留学生1人、小中学生30人、母親クラブのメンバーと宮前町会役員22人が参加した。

 レクエリエーションでは、日本語と中国語、英語の表現の違いなどを、ゲーム感覚で楽しく勉強。日本語の「手紙」の文字が中国語では「トイレットペーパー」を意味するなど、意外な事実に子どもたちはびっくり。料理作りでは、中国の本格的な水餃子(ギョーザ)を皮からすべて手作りで挑戦。慣れた手付きで子どもたちに餃子作りを伝授していた、中国河南省出身の朱文艶さん(道教育大大学院2年)は「4月に来日してから、初めて日本の子どもたちと触れ合うことができてとてもうれしい」と話していた。

 同児童館の嶋田英司館長は「今日の交流をきっかけに、今後は留学生がいつでも気軽に児童館に遊びに来てもらえるようになってほしい」と話していた。(小川俊之)