2008年7月7日(月)掲載

◎サミット記念し全道一斉に和太鼓演奏
 響け、北の大地から世界の国へ―。北海道洞爺湖サミット(7―9日)の開幕を控えた6日、函館をはじめ、全道9会場で一斉に和太鼓の合同演奏を行う「北響祭(ほっきょうさい)’08」(実行委主催)が行われた。市内では、元町公園で函館近郊の4団体約80人が参加。力強いばちさばきが生み出した音色が全道の空に響き渡った。

 サミットで本道に集まる各国首脳を歓迎しようと、室蘭をメーン会場に、函館、札幌、小樽、岩見沢、旭川、北見、釧路、新ひだか町(日高)の全道9カ所を中継で結び、同時に開催した。函館では、函館巴太鼓、北斗市の浜分太鼓、森町のもりまち太鼓と権現太鼓の4団体が参加した。

 合同演奏曲は1998年8月に室蘭市の白鳥大橋開通記念イベントで全道から約1800人が参加して演奏した「山彦」で、午後3時と同時に一斉に演奏をスタート。4団体が一堂に会したのはこの日が初めてだったが、函館山と旧函館区公会堂をバックに、大小さまざまな和太鼓が織りなす迫力のある演奏で、観客から惜しみない拍手が送られた。

 もりまち太鼓のメンバーとして参加した森町常盤、自営業吉田えり子さん(47)は「短い期間だったが、一生懸命練習してきたので感無量です。自分もサミットに参加した気分になり感激しました」と話していた。(今井正一)


◎動き出したレジ袋有料化…函館市 本格議論へ 23日に懇話会会合
 函館市は、市内のスーパーなど小売店でレジ袋の有料化を目指した議論をスタートさせる。行政や事業者、市民などで構成する「函館市簡易包装等推進懇話会」(座長=米田イツ函館消費者協会会長)が23日に開く次回会合で議題として取り上げるとともに、市内の事業所を対象にアンケートを実施して考え方を確認する。市環境部リサイクル推進課は「市が主導することで業界全体が取り組みやすくしたい」としている。

 道循環型社会推進課によると、道内で行政と消費者団体、事業者の3者協定などでレジ袋有料化の取り組みをしている自治体は、釧路管内浜中町や苫小牧市など5市2町。このうち伊達、室蘭、登別の3市は、7日から始まる北海道洞爺湖サミット(G8サミット)をきっかけに1日に協定を結んだ。函館でも「サミットを契機に環境保全への機運がいまだかつてないほど高まっている。市が背中を押すことで積極的に取り組んでいける」(同課)と考えた。

 同懇話会は1998年の容器包装リサイクル法施行に伴い、97年に発足した。これまで年1回程度の会合を続け、簡易包装やレジ袋の使用削減などについて話し合ってきたが、さらなる削減のためには有料化が有効という考えも芽生えてきた。同課によると、同市内でレジ袋を有料化したスーパーはまだないが、一部スーパーで利用率を5割にまで下げたり、ビニール袋を有料化したうえで客がマイはしなどを持参すると植樹活動につなげるファストフード店もあり、「市民と企業の意識が高まっている」(同課)とみている。

 米田座長は「このような取り組みは大歓迎。成果に期待している」と話す。(小泉まや)


◎水しぶき立て懸命に…江差かもめ島まつり 全道北前船競漕大会
 【江差】第55回江差かもめ島まつり(江差観光コンベンション協会主催)は最終日の6日、第30回記念全道北前船競漕(きょうそう)大会が江差港中央ふ頭で開かれ、男性27チーム・女性8チームが、水上の熱戦を展開した。

 朱色が映える4隻の北前船が、1周160メートルのコースで、操船の技とスピードを競った。8人のこぎ手は打ち鳴らされるドラの音に合わせて懸命にかいを漕いだ。海上の折り返し地点は、レース最大の見どころ。横一線に並んだ北前船が波しぶきを立てながら一斉にUターン。一直線にゴールを目指す様子に、岸壁に詰め掛けた大勢の観客からは、盛んな声援が送られていた。

 同日はかもめ島にある、厳島神社のご神体を漁船に移し、江差沖をめぐる海上渡御も執り行われ、演歌歌手・松村和子さんらの歌謡ショーも例年を上回る大勢の人でにぎわった。また、初日の5日にはかもめ島入り口にある「瓶子岩(へいしいわ)」に大しめ縄が飾られ、漁業の安全と大漁を祈った。

 競漕大会決勝戦の結果は次の通り(カッコ内は決勝タイムと代表者サ敬称略)。

 【男性の部】(1)一心(1分27秒67・小間均)(1)バックバク(1分27秒84・伊川俊幸)(3)宏栄マリーンズ(1分33秒07・小野謙吾)(4)ザ・レスキュー(1分35秒87・田中伸幸)

【女性の部】(1)滝沢レディース(1分45秒96・小間優子)(2)チーム白戸(1分51秒07・斉藤友江)(3)ガッチガチ(1分51秒26・伊川ふじ子)(4)健やか親子21(2分05秒25・住吉絵美)

(松浦 純)


◎EM菌で環境浄化…開発者の比嘉教授講演
 有用微生物群「EM菌」の活用で環境問題に関心を深めようと「善循環の輪・道南の集いin函館」(NPO法人地球環境・共生ネットワーク主催)が6日、函館市民会館大会議室で開かれた。「EM菌」開発者の琉球大学名誉教授の比嘉照夫さんが講演。函館近郊でEM菌活用に取り組む団体などが事例発表し、意見を交わした。

 同NPOでは、EM菌を活用した河川浄化や生ごみのたい肥化などに取り組み、全国各地の環境問題に取り組む市民団体など770団体・約16万人と連携。浜渕隆男・同NPO運営委員長は「EM菌の活用で目の前の水がきれいになり、ふるさとの自然をきれいにしよう」と、団体の取り組みを紹介した。

 講演で、比嘉さんはEM菌活用による土地改良で、食の安全や農作物の機能性向上を図り、日本を農業輸出国とすることも可能であるとした。また「環境問題は省エネだけでは解決できない。EM菌を活用した汚染を出さない生活で、良いことが循環する」などと話した。(今井正一)