2008年7月8日(火)掲載

◎サミットに合わせ、スリランカの子どもが描いた絵画展
 北海道洞爺湖サミットに合わせ、スリランカの子どもが「50年後の環境」をテーマに制作した「明日の地球環境を考える絵画展」(NPO法人河川環境基金函館支部主催)が12日まで、函館市地域交流まちづくりセンター(末広町4)で開かれている。6―15歳の子どもたちがスリランカの今と未来を描いた100点を展示。環境破壊への不安や危機感を訴える作品も並んでいる。

 絵画は、2002年に東京都内で開かれた「スリランカ国交樹立50周年記念イベント」(アジア環境保全機構主催)で展示された作品の一部。同年以降、全国にある河川環境基金の支局・支部が絵画展を開いている。道内での開催は今回が初めて。

 子どもたちはゾウのふんを原料とした再生紙で絵画を制作。緑豊かな森を描いている一方、工業化が進むスリランカの現状をとらえ、森林伐採やごみで汚染された河川、ゾウの死がいなどで自然破壊、地球温暖化を表した作品も多く、未来への希望と不安を織り交ぜている。

 同支部の佐久間正昭さんは「道南の小・中学生にもこの絵を見てもらい、未来の地球環境について考える機会にしてほしい」と話している。午前9時から午後6時まで。(宮木佳奈美)


◎道教大附属特別支援学校が初の「実地研修」企画
 道教大附属特別支援学校(松木貴司校長)は本年度、授業参観や体験学習などを盛り込んだ教職員向けの「実地研修」を企画している。同校の研究実践を地域に還元し、地域における特別支援学校のセンター的機能の充実化などが目的。同校として初めての試みで、郡川孝行担当教諭(41)は「教育現場で悩む先生たちが特別支援教育の在り方、支援方法を考えるきっかけになれば」としている。

 実地研修は、郡川教諭が特別支援教育コーディネーターとして教育相談を行っている市内幼稚園、学校での「特別支援教育について学ぶ機会があれば」との意見などを参考に企画した。本年度は試験的に実施し、結果を踏まえて来年度以降も継続したい考え。

 本年度は第1期(14―17日)と第2期(12月)に分けて予定。7月は期間中のいずれか1日、同校の各学部での授業見学や同校の教育実践についての講義、12月は2日間の日程で授業見学や授業参加などを計画している。

 郡川教諭は「小・中学校、高校など子供の成長段階で変化する学習形態などを見ることで、今かかわっている子供たちの方向性や支援法を考える手掛かりになれば」と話す。

 7月の募集枠は既に埋まっているが、参加希望者や興味のある人は同校TEL0138・46・2515へ。(新目七恵)


◎函館市高齢者見守りネットワーク、住吉などモデル地区に6カ所
 高齢者の孤立や孤独死防止のため、函館市が設置を目指す「市高齢者見守りネットワーク」のプロジェクト委員会の初の会合が7日、函館市総合保健センターで開かれた。仕組みづくりの検討に向け、10月から試験的にスタートするモデル町会・地区に住吉、日乃出、上野、鍛治2、港3、旧椴法華村の6カ所を選定。来年1月以降はモデル実施の検証作業に入るなどの日程を確認した。

 高齢者の生活を支援する地域包括支援センターを軸に、市や市社会福祉協議会などが協力し、町会や郵便局、事業所など高齢者と接点のある機関、一般市民の協力を得て情報収集する体制を構築する。来年度から本格実施し、5年間で全市に拡大することを目指している。

 会議には市や同支援センター、社協、市立函館保健所の職員ら12人が出席。市介護高齢福祉課の中村貢課長は「じっくり話し合って肉付けしていきたい」と協力を呼び掛け、同課保健師の藤山由佳氏を委員長とした。

 モデル町会・地区は、6つある同支援センターの職員が対応できる住民数を考慮し、大きな団地がある地区と一戸建ての自宅が多い地区を3カ所ずつ選定した。今後は事務局の同課が中心となり、9月上旬までに独居高齢者の名簿を作成。平行してできるだけ多くの関係機関に協力を呼び掛け、支援漏れがないようにする。(小泉まや)


◎大黒通りなどで七夕まつりイベント
 函館市弁天町の大黒通りで7日夜、「七夕まつり」(実行委主催)が開かれた。通りの各所で「竹に短冊七夕祭り…」と菓子をもらい歩く子どもたちの歌声が響く中、イベント会場の大黒ひろばでは、短冊に願い事を書いてササの葉に飾る子どもの姿が見られた。

 ことしは地域の歴史を伝えようと、実行委が子どもを集めて幕末に幕府が設置した弁天砲台跡地を案内し、船見町の実行寺の史実に基づいた絵本のスライドを上映。市内の折紙講師松見博子さんが七夕の「七つ飾り」の由来を説明したほか、環境に関心を持ってもらおうと、自転車タクシー「ベロタクシー」の試乗会も行われた。

 参加した田中悠馬君(弥生小6年)は「頭が良くなるよう短冊に書いてお願いした。菓子をたくさんもらったので、ちょっとずつ食べようかな」とにっこり。

 一方、本町地区の商店街では、「七夕祭りウォークラリー」(実行委主催)が催された。今年は恒例の歩行者天国が中止となったが、大勢の子どもたちや家族連れが商店街を練り歩き、次々と抽選会場に詰め掛けた。

 ウォークラリーは歩行者天国に代わる祭りの呼び物として、地元の五稜郭商店街振興組合(小島正彦理事長)が初めて企画。6、7の両日に1日200枚ずつの参加券が配られ、指定された7店でスタンプを集めるとくじに参加でき、抽選で自転車や米などが当たる。

 7日の抽選会は浴衣姿の子どもたちでにぎわい、抽選時間が予定より2時間延長される盛況ぶりだった。スタンプを集め終えた参加者は、八角形の抽選器を回して出てくる玉の色に一喜一憂していた。毎年祭りに訪れるという市内の女性は「歩行者天国がないのはさみしいが、入ったことのないお店の雰囲気が見られて楽しい」と話していた。(宮木佳奈美、森健太郎)


◎江差民話の手ぬぐい発売、15作目は「だまし狐」
 【江差】江差に伝わる民話や伝承を題材に、オリジナルの日本手ぬぐいを製作している江差町歴まち商店街協同組合(室谷元男理事長)は、第15作目となる「だまし狐(きつね)」を発売した。(松浦 純)

 同組合は1994年から、多彩な民話を集めた「江差百話」を題材にした手ぬぐいをシリーズ化。1年で1作品ずつのペースで製作を続けてきた。

 ことしは、土場(どんば)と呼ばれる町内北部に伝わる「だまし狐(きつね)」の物語をデザインした。江差と乙部の町境にある五厘沢から砂坂にかけては、古くからキツネが道路を通る人たちをだますと言われていた。乙部で買い付けたスケトウダラを馬で運んでいた男が、いつの間にか荷物を失ってしまったという物語を描いている。

 デザインは、これまでも手ぬぐいの製作を手掛けるなど、江差とゆかりが深い愛知県在住のペン画家、柄澤照文さんが担当した。1枚300円(税込み)。寸法は幅35センチ、長さ95センチ。町内では姥神大神宮前の壱番蔵(いちばんぐら)などで販売中。インターネットでの通信販売も受け付ける。

 詳細は組合ホームページ(http://homepage1.nifty.com/esashi/index.html)で。問い合わせは江差商工会TEL0139・52・0513へ


◎公立高配置で検討協議会、道教委が計画案説明
 【江差】道教委は7日、桧山学区を対象にした「公立高校配置計画地域別検討協議会」を桧山支庁で開き、江差高校の1学級増、上ノ国高校の連携型中高一貫教育の打ち切りなどを盛り込んだ計画案について説明した。(松浦 純)

 本年度から1学級減の3学級となった江差高は来年度、管内南部で中卒者の一時的な増加が見込まれるため、当初計画を見直して4学級とする。上ノ国高は来年度末までに、町立上ノ国中学校との間で実施している「連携型中高一貫教育」を終了。上ノ国中からの進学者を対象に、面接などを重視して通常の入試を免除する連携型入試を打ち切り、通常の入試に移行する。地元進学率などを考慮して、センター校からの教師派遣や通信教育を行う「地域キャンパス校」への転換も視野に検討を進める方針。

 桧山管内7町の来年度の中学卒業者は413人。7年後の15年度には310人前後まで減少が見込まれている。

 この日の協議会で、江差高の穴水正校長は「管内では少子化とともに、中学生の3割が渡島管内などの高校に進学する管外流出が続いている。管内5高校はすべて定員を下回っている。将来的に学校が立ち行かなくなる」と指摘した。

 上ノ国高の平田和光校長は「今後は中高連携という形で(中高一貫教育の)メリットを生かし続けたい」と述べた。上ノ国町の金子廣教育長は「6年間の中高一貫教育は着実に成果を上げてきた。地元には次のステップとして再編(廃校)となるとの懸念がある。生徒や教職員の数ではなく、これまでの実績を判断して学校の在り方を検討すべきだ」と訴えた。

 同計画は、全道の協議会を経て、9月中にも正式決定される。


◎バー「蔵」で書道イベント
 函館市万代町14のやきとりBAR「蔵」(横尾孝志代表)でこのほど、市内の書道家櫂(かい)さん(43)らによるイベント「墨砂(ぼくさ)」が行われた。音楽に合わせて櫂さんが即興で書の作品を仕上げるパフォーマンスを披露したほか、一般市民が参加した書道体験もあり、会場を終始盛り上がっていた。(新目七恵)

 このイベントは、砂を使った書道作品を制作する櫂さんのギャラリーが、21日から同店2階スペースで開かれるのを前に、プレイベントとして企画された。

 櫂さんは会場が熱気に包まれたイベント中盤にパフォーマンスを開始。音楽を担当した市内のDJ・CHITTOさんの選曲に合わせ、イメージした文字を次々と一畳分の大きな紙に筆で描いていくと、集まった多くの市民から拍手が起きた。市民が飛び入りで書に挑戦する「競書」では、参加者が「親」や「心」など一文字を思い切って描き、書の世界を楽しんでいた。

 妻の幸子さん(31)と訪れ、競書を体験した市内の菊池力さん(同)は「思うように筆が使えなかったが楽しかった。櫂さんの書は人を包み込む魅力があり引き込まれる」と話していた。

 ギャラリーは午前11時―翌午前零時まで。入場無料。