2008年8月17日(日)掲載

◎湯の川温泉いさり火まつり開幕
 函館の晩夏を熱くする「第43回はこだて湯の川温泉いさり火まつり」(実行委主催)が16日、函館市内の湯の川温泉街を会場に開幕した。初日はメーンイベントの「いさり火花火大会」が華やかに夜空を彩ったほか、松倉川で灯籠(とうろう)流しが行われ、幻想的な雰囲気を楽しむ来場者でにぎわった。

 午後6時45分から始まった灯籠流しでは、約500個の灯籠のろうそくに火がともされて川面に浮かべられた。始めは、風の影響で河口に向かわなかったが、次第にゆらゆらと水面を照らしながら河口へ。川岸に集まった観客は夜空に輝く流れ星のような美しさに魅了されていた。

 続いて同川下流や海上で行われた花火大会では、さまざまな形をするスターマインや早打ち、イカや猫の姿に広がる愛らしい創作花火、海面に大爆音とともにダイナミックに広がる水中花火など、鮮やかな光のアートが次々と披露された。ナイアガラの滝の上をイカの姿の花火が移動するユニークな仕掛けが登場すると、観客からはどよめくような歓声がわき起こった。

 最終日の17日は、午前10時から湯浜公園(湯川町3)を会場に、「いさり火味覚市」が開かれ、うまいもの市、旬市、縁日などの多彩なイベントを開催。同4時からは湯の川温泉の源泉を湯倉神社(同町2)に奉納する「いさり火献湯行列」や仮装行列、同5時からは同神社境内でゲストによるライブステージ「燃えろいさり火ライブ」が行われ、まつりを締めくくる。

 祭りの問い合わせは実行委TEL0138・57・8988.(山崎純一)


◎渡島西部3町が合同サッカーチーム結成
 少子化の影響で団体スポーツ競技のメンバーが少なく、満足のいく練習や試合をこなせない問題が生まれている。1チーム11人でプレーするサッカーもその一つで、木古内、知内、松前のサッカー少年団も部員不足が深刻だ。グラウンドで目を輝かせてボールを追う子どもたちを応援しようと、3少年団のコーチ陣が立ち上がり、急きょ「渡島西部合同チーム」を結成。大会にも初出場し勝利を重ねた。主将の松前松城小4年の大橋一騎君(9)は「とにかく楽しかった。この経験を自分のチームに戻ったときに生かしたい」と意気込んでいる。

 各町の部員数は木古内16人、知内20人、松前24人。いずれも高学年が主体で、2、3年後には8―12人の超少人数チームとなる見通し。この難局を打開しようと7月下旬、秋の公式戦に向けて合同チームを結成した。8月上旬には各チームが集う交流練習を行い、仲間の名前や顔、戦術などを確認しあった。

 合同チームには各チームから3―4人が選出された。「日本代表選手の気分」「たくさん点数を取りたい」と子どもたちは胸を躍らせて練習に励んだ。

 北斗市などでこのほど2日間の日程で開催された「近藤光弘杯 第3回3+8=11サンパイイレブンジュニアサッカー大会」(8人制)にエントリー。初戦の乙部サッカー少年団戦ではキックオフ直後からボールを支配し、終始ゲームを有利に展開、尾崎清隆君(知内小3年)の3連続ゴールで初陣を飾った。その後の予選3試合は強豪チームと対戦。いずれも惜敗したが、大会2日目のグループでは1勝1分けで1位の好成績を収めた。

 事務連絡を務めた木古内サッカー少年団の渋谷晴夫コーチは「短期間のスケジュールでどこまでやれるか心配したが、集中力と団結力でよく頑張ってくれた」と選手をたたえ、総監督の尾崎直博さん(知内)は「『サッカーを純粋に楽しもう』と声をかけて選手をピッチに送り出した。一生懸命にボールを追う子どもたちの姿に、われわれスタッフの心も熱くなった」と話していた。

 合同チームが地域に果たす役割は大きく、プレー技術の向上だけではなく、選手たちによる交流がそれぞれの町と地域に活気を生み出すことが期待されている。(田中陽介)


◎中華会館が四川被災地に義援金130万円を寄付
 4年ぶりに実施した函館中華会館(函館市大町1)の一般公開が16日、終了した。同館を管理する社団法人「函館中華会館」(陳上梅理事長)は同日、入館料の一部と来館者の募金を合わせた約130万円を、中国・四川大地震の義援金として中国駐札幌総領事館に寄付した。

 同館は2005年から休館していたが、ことし5月に起きた同地震の被災者を支援しようと開館を決定。7月5日から期間限定で一般公開し、館内にも募金箱を置いて協力を呼び掛けた。

 この日、同法人の陳理事長が同総領事館の胡勝才総領事に義援金を手渡した。胡総領事は「四川の人たちの励みになる」と礼を述べ、陳理事長に感謝状を贈った。陳理事長も「1日も早い復興を願っています」と述べた。

 同会館は清朝末期の中国式建築物として、国内で唯一現存する建物で、1910(明治43)年に建造された。公開期間中、約4000人が観覧に訪れた。(鈴木 潤)


◎07年度債の金利は1・8%…函館市
 函館市が5月に発行した2007年度債(借金)の民間資金の金利は1・8%で、前年度の1・77%とほぼ同じ水準となっている。市財政課は「全額を金融機関の入札で決めているため競争原理が働き、低い利率で借り入れることができる」と話している。

 民間資金の起債発行額は、06年度が約88億円で、07年度は約80億円に減少した。これ以外に、財務省などが発行する政府系資金による起債がある。

 金融機関にとって自治体の起債は信用力が高いが、金利は市町村の財政力や償還期間、固定か変動かなどの諸条件により変わるため、一概に比較はできない。ただ、函館市の場合は80億円という高額な起債を一括入札で決めるため競争力が働き、資金に余裕のある金融機関であれば、ある程度利率を抑えても入札しやすく、借り手に有利な形となるという。

 都市銀行が優良企業に貸し出す最優良金利・長期プライムレートの5月の金利は2・4%だった。市の07年度債はこれを0・6ポイント下回っている。起債は15年償還で5年後に金利の見直しがあるが、これも長プラと連動した形となる。

 市町村によっては、起債の全額や一定割合を指定金融機関や複数の金融機関によるシンジケート団に発行し、条件交渉で金利を決めているところもある。

 同課は「将来のことを考えると、できるだけ起債発行額を抑え、償還金が交付税で措置されるような質のいい起債を利用していくことが求められている。償還金も税金で賄うため、今後も低利で有利な起債発行を心掛けたい」と話している。

 市の全会計を合わせた起債発行額は03、04年度で約2900億円あったが、07年度の決算見込みでは約2840億円に減少する見込み。(高柳 謙)


◎道南の雇用 厳しさ浮き彫り…江差信金 道南の中小60社の採用状況調査
 江差信金(江差町本町、渡辺捷美理事長)は、渡島・桧山管内の中小企業60社を対象に実施した「正規社員の採用状況」に関する調査結果をまとめた。6月末時点の採用実績については新卒・中途とも「していない」「しない方針」が7割前後に上り、景気の低迷や企業収益の悪化による道南の雇用環境の厳しさが浮き彫りとなった。

 新卒者の採用実績については「採用していない」が73%で最も多く、「学歴に関係なく採用した」の13%、「主に中高卒者を採用した」の7%を大きく上回った。採用環境については「今後もしない方針」が70%を占め、「希望した人材ではないが、人員確保の採用ができている」(15%)、「希望した人材を採用できている」(13%)は少数派にとどまった。

 中途採用に関しては「採用していない」が62%でトップ。「経験に関係なく採用した」が20%、「主に経験者を採用した」が18%で、「中小・零細企業に人材を育てる体力や余裕がなく、スキルの高い即戦力を求めている傾向が際立つ」(同信金業務推進部)。今後についても「採用しない方針」が60%を占め、新卒、中途とも採用を手控えている厳しい情勢がうかがえる。

 一方、人出の過不足感については、55%が「適正」と回答。「営業・販売関係で不足」(17%)、「現場作業関係で不足」(15%)などが続き、今後の課題や人材面の対応については「特にない」が3割前後を占めた。同信金は「中小・零細企業は今後の事業計画や人材確保よりも現状をどう乗り越えるかで精いっぱいなのが実態。今後も企業の体力次第で倒産、廃業が出てくる可能性はある」としている。(森健太郎)


◎ファンが熱い声援…イースタン巨人―日ハム戦
 プロ野球イースタン・リーグ公式戦「巨人―北海道日本ハム」が16日、オーシャンスタジアムで行われ、球場に詰め掛けたファン2437人が熱い声援を送った。

 同スタジアムでの同リーグの巨人戦は7年ぶり。試合は巨人打線が爆発し、4回に5点を挙げた。その後も要所で得点を重ねて日ハムを8―1と引き離し、快勝した。スタンドで見守った観客は、間近で見る選手たちの白熱したプレーに拍手や声援を送ってたたえた。

 この日を楽しみしていた野球少年団の昭和ジャガーズの秋元歳八主将(昭和小6年)は「プロの選手は動きが速くてうまかった。本当にすごいプレーだった」と期待通りのプレーに満足げだった。(小林省悟)