2008年8月2日(土)掲載

◎港まつり開幕
 函館市の夏の一大イベント「開港149周年記念函館港まつり」(実行委主催)が1日、始まった。初日は、山車やみこしが行進し、開港当時の様子を再現する「箱館開港パレード『第24回高田屋嘉兵衛からペリーへ』」などで幕開け。5日まで多彩なイベントが繰り広げられる。

 パレードは午後4時に同市末広町の高田屋嘉兵衛銅像前を出発。花泉舞衛社中などが高田屋嘉兵音頭を躍りながら西部地区をパレード。同市末広町の特設ステージを目指した。ふとんだんじりなどには地元関係者や留学生らが参加。りりしい姿に沿道の観客から盛大な拍手が送られた。また、自衛隊が製作した「ナッチャンRera号」「イカ号」の2台の山車にも歓声がわき起こっていた。

 2日は70団体が参加する「ワッショイはこだて(十字街・松風コース)」が午後4時半から行われ、「仙台すずめ踊り」が3年ぶりに登場する。(山崎純一)


◎森町談合、町長ら2人逮捕
 【森】森町が2005年9月に発注した町消防防災センターの建設工事入札をめぐる談合事件で、町主導で公正な入札を妨害したとして、道警捜査二課や道警函本捜査課、森署などは1日、森町長、湊美喜夫容疑者(79)=同町上台町=、同町元建設課長で無職釜沢弘容疑者(61)=同町森川町=の2人を偽計入札妨害の疑いで逮捕した。道南の現職首長逮捕は、2006年6月の長万部町長が同容疑で逮捕されて以来。湊容疑者らの逮捕で事態は「官製談合」に発展する可能性が濃くなった。

 同事件での逮捕者は同工事を落札した共同企業体(JV)を組んだ東急建設と星組渡辺土建などの業者幹部ら7人に続き8、9人目。湊容疑者は容疑を否認、釜沢容疑者は容疑を認めているという。同課などは同日夜、湊容疑者の自宅や町役場を家宅捜索した。

 同課などはこれまでに、7月16日に東急建設(東京)札幌支店土木担当部長、菅沢利昭容疑者(60)ら同社幹部4人のほか、森町内の星組渡辺土建社長渡辺英明容疑者(56)、函館市内の設備会社社長藪下宏一容疑者(61)、同23日には函館市榎本町、自称・自営業登眞人(のぼり・まこんど)容疑者(60)を逮捕している。道警は当初から、町が談合を主導した疑いがあるとみて慎重に捜査を進めてきた。

 調べによると、町が05年9月28日に発注した同センター建設工事の指名競争入札で、湊、釜沢両容疑者は東急建設と星組渡辺土建が組んだJVが落札できるよう入札参加業者に働きかけるなどし、これにより、同JVは入札予定価格5億1610万円(税抜き)に対し、5億570万円(同)、落札率約98%と極めて高い数値で落札し、町が主導して談合した疑い。

 これまでの調べで、当初、星組渡辺土建は町内の別の業者とJVを組む予定だったが、入札直前に急きょ東急建設との組み替えがあったほか、2社の出資割合を入れ替えるなど、不自然な動きがあったことが分かっており、同課などは入札に湊容疑者の「天の声」が強く働いたとみて、押収した資料などを基に容疑の裏付けを急ぎ、町長主導による官製談合の全容解明を進める。

 湊容疑者は1928(昭和3)年森町生まれで、旧制八雲中卒。45年に森町役場に入り、町国保病院事務次長などを経て、71年、同町長選に立候補し初当選。2005年4月、旧砂原町との合併後の新森町町長選でも当選し、通算10期37年は道内の首長で最多当選。湊容疑者は5月の臨時町議会で「事実とは違うと思う」などと述べるなど、一貫して関与を否定していた。


◎函館市文学館「クイズ・石川啄木と函館」開催中
 夏休み自由研究「クイズ・石川啄木と函館」が17日まで、函館市文学館(同市末広町22)で開かれている。説明員の案内で館内を回って石川啄木について学び、クイズに答えると修了証がもらえる。クイズに参加する小学生の入場は無料。和田裕館長は「この機会に文学館を訪れてほしい」と呼びかけている。

 同館2階には、詩集や書簡など啄木についての資料が約290点あり、年譜や説明板などと一緒に見ることができる。

 クイズは1―3年の低学年用と4―6年の高学年用を択一式で用意した。問題は「啄木は散歩することが好きでした。函館のどこをよく散歩しましたか」や「啄木のお墓は函館のどこにありますか」「啄木の作品を載せていた函館の雑誌の名前はどれですか」など。

 クイズ期間中は無休。開館時間は午前9時から午後7時までだが、クイズ参加者の受け付けは午後3時まで。同伴する家族は入館料(中学生から大学生は150円、一般は300円)が必要。問い合わせは同館TEL0138・22・9014。 (小泉まや)


◎函水高生が環境教育研修に参加へ
 函館水産高校(齋藤隆校長、生徒469人)の生徒グループが、アサヒビール(東京)などが主催する「若武者育成塾」の参加対象に選ばれた。高校生向けの環境教育研修で、8月5日から札幌市などで行われる合宿に参加し、地元での環境改善活動にも取り組む。道南からは唯一の参加。メンバーは「この機会にいろいろなことを学びたい」と話している。

 同育成塾は、高校生に環境問題を学び、課題解決力を身に付けてもらうのが狙い。2006年から開講し、本年度は社団法人日本環境教育フォーラム(東京)との共催で行う。北海道から関東甲信越地方までの生徒を対象に募集したところ56グループから応募があり、論文審査の結果、7グループが選ばれた。道内からは同校のほか、岩見沢農業が参加する。

 参加者は、水産食品科3年生の市川加奈世さん(17)、山口満里奈さん(同)、藤井茄奈さん(18)、宮下美咲さん(17)。4人は、課題研究の授業で大沼を研究調査している「大沼水辺環境プロジェクトチーム」のメンバー。指導する我妻雅夫教諭の勧めで応募した。

 合宿は3泊4日。アサヒビール北海道工場(札幌)や再資源化工場を見学し、森林や河川環境調査などを体験した後、環境問題について自分たちにできる解決方法を考える。その後、11月までの3か月間にその解決策を地域で実践し、12月にアサヒビール本社(東京)で活動成果を発表する。。

 グループ代表の市川さんは「他のグループの人ともかかわり、理解を深めたい」と説明。山口さんは「真剣に取り組みたい」、宮下さんは「たくさんのことを学びたい」、藤井さんは「河川汚染の原因を知りたい」と話している。(新目七恵)


◎渡島支庁08年度上半期のパスポート発給 大幅減
 渡島支庁は2008年度上半期(1―6月)の管内一般旅券(パスポート)の発給状況を発表した。新規発給数は2724件で前年同期の3225件に比べ15・5%の大幅減となった。上半期の旅券申請数が前年度を下回ったのは2003年度以来5年ぶり。同支庁では原油高による航空運賃の上昇や、長期的な景気低迷で海外旅行を控える傾向が顕著になっていると見ている。

 種類別内訳では、10年旅券が1608件と前年比15・5%減、5年旅券が1116件と同15・6%減。年代別では20代が518件で全体の19・0%。続いて50代が498件で同18・3%、30代が419件で同15・4%、40代が362件で13・3%、未成年が353件で13・0%、70代が162件で5・9%、80代以上は25件で0・9%。男女別では男性が1331件で全体の48・9%(昨年は47・9%)、女性が1393件で51・1%(同52・1%)と男女差は縮小している。

 市町別では函館市が2059件で全体の75・6%、北斗市が217件で同8・0%、七飯町が145件で同5・3%と3市町で全体の88・9%占めている。

 1985年度以降の上半期の一般旅券発給件数は2000年の5916件をピークに、2001年の米国同時テロや03年のSARS(新型肺炎)騒動などで同年には2256件まで下落したが、その後は順調に回復を続けていた。 (小川俊之)