2008年8月28日(木)掲載

◎松前の野球少年団の松村君が幅跳びで全国大会へ
 【松前】野球少年団「小島ビクトリーJr」(藤田一雄監督、部員21人)に所属する松前小島小学校6年の松村魁士(かいと)君(11)が道代表として、東京の国立競技場で30日に開催される「日清食品カップ第24回全国小学生陸上競技交流大会」(日本陸上競技連盟主催)の走り幅跳びに出場する。野球チームでは先頭打者でセンターを守る「松前のイチロー」(藤田監督)だ。松村君は「小学校生活最後の大きな大会。悔いの残らないように頑張り、楽しい思い出をつくってきたい」と張り切っている。(田中陽介)

 7月下旬に十勝管内芽室町の帯広の森陸上競技場で行われた「第26回道小学生陸上競技大会」(道陸上競技協会など主催)の6年男子走り幅跳びで、自己記録となる4?99?の大ジャンプで優勝し、全国大会出場の権利を得た。

 「夢はプロ野球選手」というように、“本職”は大好きな野球だが、抜群の運動神経を買われ、陸上シーズンには各種大会にエントリー。野球の練習後に、漁港近くの坂や丘に続く津波避難路の急な階段を走り込み、持久力と筋力の強化に努めた。全道大会には4年生から連続出場し、全国大会は今回が初めて。地道な鍛錬の成果がついに実を結んだ。

 日が暮れてからのランニングによく付き合った野球少年団の主将堀川啓太君(11)は、全国大会での活躍を願いエールを送る。父親の貴之さん(34)と母親の陽子さん(35)も「体力をつけようと栄養ある食事と健康管理には気を遣った」とし、「子どもの頑張りが励みになる」と目を細める。

 松村君の運動能力の高さを良く知る藤田監督(53)は「俊足で運動センスが素晴らしい。後輩の面倒見も良くて、練習熱心」と話し、野球少年団のメンバーとともに一層の記録更新に期待を寄せている。松村君は「苦しいときもあったが家族や(野球少年団の)仲間が支えてくれた」と感謝し、「初めて東京に行く。松前とは比べようがないほど蒸し暑いと聞いているので、まずは体調管理をしっかりして大会に臨みたい」と目を輝かせている。


◎7月の道南求人倍率0・47倍 13カ月連続前年割れ
 函館公共職業安定所は27日、7月の渡島・桧山管内の雇用失業情勢を発表した。仕事を求めている人1人に対する求人数を示す有効求人倍率は前年同月比0・05ポイント減の0・47倍と、13カ月連続で前年を下回った。前月比では2カ月連続で改善したものの、情勢については前月に続き「弱めの動き」としている。

 有効求人数は前年同月比10%減の4722人と13カ月連続のマイナスで推移し、有効求職者数の落ち込みに比べて減少幅が大きいことから、同職安は「原油高に伴う価格上昇で経営環境が軒並み悪化する中、企業の求人に対する慎重さが顕著に現れている」と分析している。

 雇用の先行指標となる新規求人倍率は、同0・06ポイント減の0・85倍と4カ月連続の前年割れ。新規求人の内訳をみると、正社員が同4・7%減の770人で4カ月連続の減少だったものの、パートは同10・7%増の755人で7カ月ぶりのプラスに転じ、全体では同6・9%減の1972人だった。

 産業別の新規求人は、新規出店スーパーや学習塾などでパートなどの大量求人があった小売業、教育・学習支援業などで前年を上回ったものの、昨年あったスポット的な求人の反動で、サービス業(同58人減)や製造業(同41人減)、情報通信業(同39人減)など、全体では落ち込みが目立った。同職安は「先行きに明るい材料は見当たらず、今後も雇用環境の厳しい状況は続くだろう」としている。(森健太郎)br>


◎ハンノキハムシ大発生、シラカバに食害
 函館、北斗両市、七飯町などの広い範囲で、樹木の害虫「ハンノキハムシ」が大発生している。公園や学校などに植えられているシラカバの葉までが食害に遭い、葉は茶色になり、木の周辺の地面には成虫が密集している。食害にで木が枯れることはほとんどないが、本来は青々とした葉が輝く時期であり、異様な光景が広がっている。(山崎純一)

 七飯町在往の日本花の会研究専門委員、浅利政俊さん(77)が7月下旬、北斗市押上の市総合運動公園にある約100本のシラカバの葉がほとんど褐色になっていることに気づいた。8月上旬にかけ3市町にある公共施設などの公園樹を観察したところ、各地でシラカバの葉が葉脈だけになり落葉するなどの現象が発生していることが分かった。同公園のシラカバ並木の葉や周辺の地面には黒銅色で、体長約6―7ミリのハンノキハムシの成虫が大量に群がっていた。

 大沼国定公園では今月下旬からハンノキなどの落葉が目立ち始めた。「急に寒くなったとはいえ、葉を掃除したらハンノキハムシの成虫が多くいた」と話す。

 道立林業試験場によると、ハンノキハムシは食葉性害虫とされ、ハンノキやケヤマハンノキに多く見られる。地表で越冬し、本道では5月ごろから現れ産卵し、7月に幼虫が出現。地中で蛹化(ようか)し、夏に新成虫が羽化する。ことしは千歳市の支笏湖周辺で多く発生し、ハンノキの葉が赤く枯れる被害が発生している。同道南支場では「何年かの周期で発生するが、シラカバの葉が食害に遭う例はあまり聞かない」という。

 浅利さんは都市部の建物や公園にあるシラカバが被害を受けており、調査を進めることにした。「暖冬が続き、地面が暖かく、越冬した成虫が多かったのかもしれない。また、虫を食べる鳥が減ったなどさまざまな要因を調べなければならない」とする。

 同支場によると、被害は1、2年で終わるという。浅利さんは「人畜への影響はなく、神経質になることはないが、大量発生は自然からのメッセージ。幼虫期であれば薬剤で駆除できるため、実際に虫を飼育してライフサイクルを明らかにし、初期の対応で被害の拡大防止に役立てることを目指したい」と話している。


◎函館市営熱帯植物園でセマルハコガメ保護
 函館市営熱帯植物園(湯川町3)の温室内で、沖縄県や台湾などに生息する陸性の「セマルハコガメ」が見つかり、同園が保護している。国指定天然記念物の国内種は環境省の絶滅危惧(きぐ)類に指定されている希少種で、市文化財課は確認を急いでいる。

 セマルハコガメは沖縄県の石垣島や西表島、八重山諸島のほか、台湾などにも生息。文化財保護法で国内種は飼育や売買などが禁止されているが、一部外来種はペットとして流通しているという。同園で発見されたのは甲羅の長さが17?で、成体とみられるが、国内種かどうかは不明。

 同園を管理・運営するNPO法人函館エコロジークラブによると、6月中旬ごろ、ミドリガメを飼育している温室内の池にいたのが目撃され、来園者の指摘で気付いたという。「誰かが持ち込み、池に置き去りにしたのでは」とみている。

 同課が図鑑などの資料に載っていたセマルハコガメの写真と比較したところ、甲羅の形や模様、腹の特徴などが一致。「セマルハコガメに間違いなさそうだが、国内種かどうか判別できないので、は虫類の専門家に見てもらい適切な対応を考えなくてはいけない」と話している。(宮木佳奈美)


◎清尚学院生徒がカレー甲子園で4位入賞
 大阪市のテレビ局「毎日放送」の番組が主催する「第3回高校生カレー甲子園」に、道内で唯一出場した函館市の清尚学院高校(土家康宏校長、生徒239人)の3年生3人組が、全国4位に入賞した。予選会や決勝戦などで3回のテレビ出演も果たし、3人は「楽しかった」「スタッフが優しかった」と喜んでいる。

 同甲子園は、同局の情報番組「ちちんぷいぷい」が主催する高校生対象の創作カレー料理コンテスト。全国から194組の応募があり、3人は生放送での公開予選会や本選などを通過し、最終決勝の4組まで残った。

 同校のオリジナルメニューは、串揚げにした道産食材をカレールーに付けて味わう「どさんこカレーフォンデュ」。大阪城の特設会場で一般客に振る舞って審査してもらう本選では、観客から「北海道コール」が掛かるなど人気を集めたという。

 加藤彩乃さん(17)は「決勝は負けて悔しかったけど、上位に入ったので十分満足な結果」と笑顔。荒谷さとみさん(18)は「スタッフがいろいろ手伝ってくれて優しかった」と話し、林和佳さん(18)も「全部楽しかった。各地の他校生ともいっぱい話した」と振り返った。(新目七恵)


◎函館市営熱帯植物園で29、30日、来園者先着40人に熱帯魚プレゼント
 函館市営熱帯植物園(湯川町3)を管理・運営するNPO法人函館エコロジークラブは29、30の両日、入園した先着40人に熱帯魚をプレゼントする。

 熱帯魚はゴクラクギョ科のベタ(別称トウギョ)で、タイのメコン川流域が原産の淡水魚。同法人植物園担当の坂井正治さん(70)の長女一家(小樽市在住)が飼っていたベタが繁殖して増えたため、同園に40匹を寄贈し、8月中旬から温室内の水槽で飼育していた。

 約3―5?の大きさで、青や紫、ピンク色など体の色が1匹ずつ異なり、色鮮やかなのが特徴。コップなどにカルキを抜いた水道水を入れ、市販のベタ専用mノで育てられるという。坂井さんは「比較的育てやすく、見た目も美しいですよ」と話す。

 希望者は入れ物を持参すると、好きな色を1人1匹選べる。受け付けは午前9時半から正午まで。数がなくなった場合は29日で終了する。問い合わせは同園?57・7833。(宮木佳奈美)


◎NPO法人「セラピア」、車いすバリアフリータウンマップ発行
 障害者の自立を支援するNPO法人「セラピア」(函館市亀田町20、平田聡理事長)はこのほど、障害者や高齢者向けに、歩道の状況や車いす対応の設備の有無などを示した地図「車いすバリアフリータウンマップ」第3号(田家地区編)を発行した。計500部作成。同法人や市社会福祉協議会などにあり、自由に持ち帰ることができる。(鈴木 潤)

 同法人は、障害者が安心して社会参加できるまちづくりを目指し、2006年8月に設立。理念実現の一環として同年10月から地図の作成に着手した。これまで函館市内の「亀田地区」「美原地区」の地図を発行している。

 第3号の発行に向けて昨年10月、同法人のスタッフや車いすの利用者、視覚障害者ら15人ほどで田家町や大川町などを歩いて調査し、地域のバリアフリー化の状況を確認した。地図には、音の出る横断歩道や点字ブロックのある歩道を示したほか、不特定多数が出入りする商店、施設には「車いす対応のトイレ設置店」「スローブ設置店」「車いすのお客様歓迎店」などのマークを表示した。

 同法人は今後、旧4町村を除く市内全域の地図を作成する考えで、平田理事長(37)は「障害のある人に地域の設備状況を知ってもらう目的で地図を作成したが、段差があっても車いすの利用者を快く手助けできる“心のバリアフリー”が広がっていけば」と話す。

 地図はA5判カラー14ページ。問い合わせは同法人TEL0138・45・1287。