2008年8月3日(日)掲載

◎開港五都市観光大使が西尾市長訪問
 開港149周年記念函館港まつり(実行委主催)のパレードに参加するために来函している、開港五都市のミスや関係者の観光大使が2日、函館市の五島軒本店で西尾正範市長と懇談した。同日参加する予定だった「ワッショイはこだて十字街・松風コース」のパレードが雨で4日に延期となったが、各地の観光や名産を紹介し、歓談しながら友好を深めた。

 日本開港五都市観光協議会が観光事業の発展と周知をお互いに図るために、各都市の港祭りに観光大使の相互派遣を行っている。この日参加したミスは、神戸市の「スマイル神戸」平吹梢さんのほか、新潟市2人、横浜市2人、長崎市1人、函館市3人の合わせて9人。

 ミスたちは始めに自己紹介し、各都市で開かれるイベントや食などを紹介。函館の印象について「市民は優しく、港まつりに対して活気を感じる」などと話した。函館の3人は函館山の夜景、今が旬のイカについて紹介した。

 続いて西尾市長が「5都市とも港があり、町の雰囲気は似ており親しみが持てる。お互いが交流し、函館の街を楽しんでください」とあいさつし、1934年に起きた大火からの復興を願って始まった港まつりの歴史を紹介した。その後、お菓子を食べながら歓談し、各都市のミスから「イカ踊りの特徴は」「なぜ函館は塩ラーメンが名物なの」などの質問が出されていた。

 各ミスは3日、午後4時半に堀川町をスタートする「ワッショイはこだて 堀川・五稜郭コース」で、山車に乗りパレードに参加する。(山崎純一)


◎ナッチャン船上ナツ祭り 職員アロハ姿でおもてなし
 東日本フェリー(函館市港町3、古閑信二社長)は1日から、高速船「ナッチャンRera(レラ)」内で船上ナツ祭りを開催している。8月31日までの期間中、同社の窓口職員やキャビンアテンダント(CA)の制服をアロハシャツに衣替えし、船内でかき氷や綿菓子などを販売するコーナーを設けるなど、夏の雰囲気を盛り上げている。

 同社が船内サービスの一環で、利用客の夏の思い出づくりに一役買って出ようと初めて企画。祭りの開催に合わせ、赤と青、黄色計3色のアロハシャツ約300枚分が用意され、函館、青森両ターミナルの窓口職員や高速フェリーのCAら約150人の制服を統一させた。

 船内では、エントランスラウンジの一角に特設の屋台コーナーが設けられ、かき氷やホットドッグ(各300円)、綿菓子(200円)の販売も。「ナッチャンくじ」と銘打った千本くじ(300円)は、はずれなしでお菓子やおもちゃなどの景品が当たるとあって、早速子どもたちが長い列を作っていた。

 古閑社長は「お客さまに心地よい時間と空間を提供することがわれわれの使命。船旅の思い出の一コマに刻まれれば」と話し、アロハ姿で接客に当たっていた。船上ナツ祭りは高速船「ナッチャンRera/World(ワールド)」内で、午前9時―午後6時まで(ワールドは6日から)。(森健太郎)


◎9日から姥神大神宮渡御祭
 【江差】道内最古の伝統を誇る「姥神大神宮渡御祭」が9日に開幕する。由緒ある人形や豪華な水引きで飾られた13基の山車(ヤマ)が3日間にわたり町内を練り歩き、北前船時代の栄華が色鮮やかによみがえる。

 宵宮祭の9日は、正午すぎから町内各地の山車が同神宮に赴き「魂入れ」や、山車行列の先頭を決める「先山車定め」の儀式を執り行う。本祭の10日は「下町巡行(したまちじゅんこう)」。正午すぎに、猿田彦命が先導する同神宮のみこし行列に13基の山車が付き従い、いにしえ街道などの旧市街を巡る。同8時ごろには愛宕町商店街に山車が勢ぞろいする。同10時ごろには、燃えさかるたいまつを先頭にみこしを同神宮の拝殿に納める「宿入之儀(しゅくいれのぎ)」も行われる。

 本祭2日目の11日は「上町巡行(うえまちじゅんこう)」。行列は正午すぎから、漁師町の趣が残る旧国道を経て、柏町で折り返す。同9時すぎには、新地町の繁華街に色鮮やかな灯火に彩られた山車が、京都の祇園祭をルーツとするみやびやかな祭ばやしを奏でながら集結。祭りの熱気は最高潮に達する。渡御行列が通過する地域では交通規制が行われる。

 江差観光コンベンション協会(打越東亜夫会長)は、同祭をテーマにしたフォトコンテストを開催する。最優秀賞1、優秀賞2、佳作数点を選び、入賞者には賞状と副賞を贈る。最優秀賞はポスターなどに活用する。応募は9月12日まで。ことしの祭礼を撮影したものが原則。スチール・デジタルいずれもカラープリントのみ。作品裏面に住所、氏名、年齢、職業、撮影場所と日時を記入するか、メモを張り付けて応募する。応募先は〒043・8560、江差町中歌町193の1、江差観光コンベンション協会。問い合わせは協会事務局(TEL0139・52・4815)へ。(松浦 純)


◎森町談合事件、消防防災センターを捜索
 【森】森町が2005年9月に発注した町消防防災センター建設工事をめぐる談合事件で、道警捜査二課や道警函本捜査課などは2日、町主導の官製談合の全容解明に向け、偽計入札妨害(談合)の疑いで逮捕した森町長、湊美喜夫容疑者(79)らの取り調べを始めた。湊容疑者が談合を主導したとみて、同センターを家宅捜索する一方、町民からは町の再出発を願う声が聞かれた。

 同課などは、1日夜の湊容疑者宅や町役場に引き続き、2日午後2時半ごろ、捜査員5人が同センター(町森川町280)の家宅捜索に入り、1階の事務室などから資料を押収した。同課などは3日に湊容疑者と同町元建設課長、無職釜沢弘容疑者(61)を函館地検に送致する。

 2日午後6時すぎ、湊容疑者に接見した弁護士は「内容について、はっきりしたことは言えない」とし、湊容疑者の様子について「留置場内はつえが使えないなど制限も多く、警察側に配慮をお願いしている」と話した。

 一方、同町役場は、この日は土曜日ということもあり正面入り口は閉鎖され、警備員が配置されている裏口以外に人の気配は見られなかった。

 町内のスーパーで買い物をしていた主婦(47)は「長い間トップに立っていると、自己中心的な考えに陥りやすい。次回の町長選では、立候補者をしっかり見極めて信頼できる人を選びたい」と語り、同町観光協会の関係者は「7、8日に夏まつりが予定されているが、談合に関わったとされる建設業の関係者が参加を自粛するため、メーンのみこしの担ぎ手が足りなくて困っている。森町にとって観光は大事な産業の一つなので、これ以上イメージダウンにならないように、町政を刷新して再出発してほしい」と訴えた。

 5月の臨時町議会で、湊町長に対し談合疑惑に関する緊急質問を行った黒田勝幸議員(68)は「湊町長は逮捕されたという事実を真摯(しんし)に受け止めて、速やかに辞職してほしい。長期政権によってさまざまな問題を抱え込んでいた町にとって、次の町長選挙は再出発への大事な一歩となる」と話していた。


◎森町談合事件で副町長「町長を信じるだけ」
 【森】「非常に残念な結果になり驚いている。町民に心配を掛けていることに対し、深くおわびしたい」―。森町発注の消防防災センター建設工事をめぐる談合事件は、町長、湊美喜夫容疑者(79)の逮捕という事態に発展した。2日未明、阿部真次副町長は道警捜査二課や道警函本捜査課などの家宅捜索を終えた町役場で記者会見し、「町長を信じるだけ」と重ねて強調。逮捕直後の動揺を隠しきれない様子だった。

 会見は、家宅捜索が終了した2日午前零時すぎから応接室で開かれ、阿部副町長、片野滋総務課長を約20人の報道陣が取り囲んだ。阿部副町長は「湊町長は『(事件に)関与していない』と話していた。真相については今後の捜査の状況を慎重に見守りたい」とあらかじめ準備した書面を読み上げた。

 同課などのこれまでの調べで、逮捕された町の元建設課長、釜沢弘容疑者(61)は、同センターの指名競争入札をめぐり、東急建設と星組渡辺土建が組んだ共同企業体(JV)など参加業者を決める指名選考委員会を開いていないのにもかかわらず、湊容疑者の指示で選考委が開かれたように装い、議事録など関係書類を偽造した疑いが持たれている。

 同選考委の委員長でもある阿部副町長は「書類が整っていたので、部下を信頼していた」と議事録偽造などへのかかわりを否定。これまでに逮捕された東急建設など業者幹部らが、町長の関与や指示があったなどと供述していることに話が及ぶと、「業者とわたしは一切接触していない。町長が身に覚えがないと言っている以上、それを信じるだけだ」と、繰り返した。

 湊容疑者の逮捕で、町長が長期にわたり、不在となる事態も考えられる。「町政の混乱を回避するためにも議会とも協議し、職務代理者を置くことを検討する」とし、わずか12分程度で会見を打ち切った。


◎函館市アンケート、駅前・大門地区の訪問頻度低く
 函館市民が函館駅前・大門地区を訪れる頻度は低く、その大きな理由として「魅力のある商店や駐車場が少ない」ことを挙げていることが、市が実施したアンケート結果で分かった。サンプル数が407人と少ないものの、大まかな傾向がうかがえ、駅前・大門地区の活性化に向けた課題が改めて浮き彫りになった。

 新たな「中心市街地活性化計画」の策定に向け、市都市建設部が駅前・大門地区の利用状況などを調査した。居住地区や年代別に成人市民1000人へ調査票を郵送し、回答率は40・7%。

 「全く行かない」「ほとんど行かない」「2―3カ月に1回程度」と答えた回答者が6割で、理由を3つまで挙げてもらったところ、「魅力のある店が少ない」(59・2%)、「駐車場が少なく止めにくい」(38・5%)、「楽しめる施設が少ない」(36・7%)が上位を占めた。

 「2―3カ月に1回」以上は訪れる回答者に目的を3つまで挙げてもらったところ、「買い物」(68・6%)、「飲食」(29・4%)、「銀行」(15・7%)、「映画やパチンコなどの娯楽」(14・3%)などだった。 イメージする中心市街地像は「商店や飲食店が集中しているところ」(65・5%)、「たくさんの人が集まり常ににぎわっているところ」(57・6%)が群を抜いて多かった。そのイメージ像と現在の駅前・大門地区の印象は一致するか、との問いでは「一致しない」が36・2%、「あまり一致しない」が53・1%、「大体一致する」は10・7%だった。

 今後期待することを3つまで回答してもらったところ、「商店・飲食店などの商業施設の充実」(53・8%)、「駐車場の充実」(35・7%)、「娯楽施設や文化施設の充実」(29・8%)、「街並み景観の向上」(27・4%)などと続いた。

 市街づくり推進課は「市民が訪れる頻度を上げ、長く滞在させるような施策や施設が必要。西部地区やベイエリアなど周囲には観光客が多く、その人たちも引き寄せる新たな魅力づくりも欠かせない」と話している。(高柳 謙)