2008年8月4日(月)掲載

◎五稜郭タワーで仙台すずめ踊り
 函館港まつり(実行委主催)の「ワッショイはこだて」に招へいされた、仙台すずめ踊りのグループ「表小路十(おもてこうじじゅう)」(高橋智也代表)が3日、箱館五稜郭町の五稜郭タワーで、観光客や市民に踊りを披露した。

 仙台すずめ踊りは、仙台発祥の郷土芸能。同グループは今年結成16年目で、今回1歳児から60代まで42人がワッショイはこだてに参加するため来函した。

 ワッショイはこだては2日連続の雨天中止で4日に順延。同グループはスケジュールの関係で参加できなくなったため、実行委が急きょ公演を企画した。

 公演では、扇子を持った踊り子のメンバーがお囃子(はやし)に合わせて熱演。ぴょんぴょん跳ねながら独特の振り付けで軽快に踊る姿に集まった観客も拍手を送っていた。

 事務局を担当している青山真由美さん(45)は「ワッショイはこだてに参加できなかったのは残念だけど、踊りたいという気持ちを爆発させて踊ることができた」と笑顔を見せた。

 親族とともに踊りを見ていた秋田市の山口愛子さん(76)は「初めて見た踊りだったが、楽しかった」と感想を話していた。

 同グループは同日、市内高丘町の救護施設「高丘寮」を訪問。4日午前10半からJR函館駅前でも踊りを披露する。(鈴木 潤)


◎公文書作成指針 策定へ…函館市
 函館市は公文書の作成や管理の在り方について、具体的なガイドライン(公文書作成等指針)を策定する。職務上作成した文書の供覧手続きを経て公文書化することで、情報公開の充実や市政の透明性向上を目指す。本年度内の策定を予定している。

 市文書法制課によると、2001年に改正した市情報公開条例で、公文書とは(1)職務上作成し(2)一定の内部的検討を経て(3)組織的に管理されている―の3条件を満たした文書と定義している。ただ、職務上作成した文書の取り扱いが庁内的にあいまいな面があることから、できる限り職員の供覧手続きを取って公文書化していく方針。供覧文書と決裁文書は公文書。

 また、各種会議で議事録を作成し公文書化しているかどうかも統一的な基準がない。市の条例に基づき設置された付属機関(総合計画審議会や競輪運営協議会、男女協同参画審議会など)では会議録を作成しているが、庁内会議や私的諮問機関の会合では必ずしも会議録を作成しているわけではない。

 指定管理者の選定委員会の議事録は、以前は作成していなかったが、現在は作成している。どのような会議で議事録を作るか検討し、一定の基準を示す考え。

 公文書作成の指針を作るメリットとして、同課は「公文書化されることで情報公開の対象となる文書が拡大され、市の説明責任を果たすことができる。会議録などが公文書としてきちんと管理され、記録を残し、生かすことができる」と説明する。

 西尾正範市長は市政の情報公開に積極的で、職員の給与実態の公表を詳しくし、再就職状況の公開も始めた。公文書や行政情報の公開をさらに進めることで、行政の適正な運営と透明性の確保を図る。(高柳 謙)


◎森町談合 町長ら送検
 森町が発注した町消防防災センターの指名競争入札をめぐる談合事件で、道警捜査二課、道警函本捜査課などは3日、偽計入札妨害(談合)の疑いで逮捕した町長、湊美喜夫(79)、同町の元建設課長で無職釜沢弘(61)両容疑者を函館地検に送致した。

 湊容疑者は同日午前9時20分ごろ、数人の捜査員に抱えらながら、同地検に向かう車両に乗り込んだ。

 調べによると、湊、釜沢両容疑者は、町が05年9月28日に発注した同センター建設工事の指名競争入札で、先に逮捕された同センター工事を落札した共同企業体(JV)の東急建設と星組渡辺土建幹部ら5人と、業者側と町を仲介したとみられる函館市内の会社社長ら2人=いずれも函館地検に送致済み=と共謀し、同JVが落札できるように談合を主導した疑い。

 これまでの調べで、入札直前になって、地元業者とJVを組む予定だった星組渡辺土建が、急きょ東急建設とのJVに組み替え、2社の出資割合を入れ替えて幹事社を東急建設にするなど、不自然な動きがあったことが分かっている。同課などは東急建設がJVに参入した背景に湊容疑者の強い意向が働き、不正な入札が行われたとみて、調べを進めている。


◎道南地方で局地的大雨…江差、上ノ国 土砂崩れや冠水
 本道付近に活発な前線が停滞し、前線上を低気圧が通過した影響で、3日の道南地方は局地的な大雨になり、桧山南部では土砂崩れなどの被害が起出たほか、交通機関にも影響が出た。

 函館海洋気象台によると、2日の午前9時から3日午後9時までの降水量は、上ノ国町石崎222・5ミリ、江差町183・0ミリ、厚沢部町鶉157・5ミリ、福島町千軒144・0ミリ、森町101・0ミリ。上ノ国町石崎では、1日の降水量が過去最高となった。上ノ国、江差両町では、民家や農地の冠水、土砂崩れなどの被害が相次ぎ、両町役場では被害の調査に追われた。

 上ノ国町では町役場がある大留地区をはじめ、山間部の湯ノ岱、宮越、小森、海岸部の汐吹、石崎、小砂子など広い範囲で、住宅の浸水や土砂崩れが発生した。町は土砂災害の危険性が高まったとして、木ノ子地区の131世帯・299人に自主避難を要請。町立体育館の避難所を開設して避難を呼び掛けた。

 汐吹地区の国道228号では午後5時20分ごろ、道路わきの斜面が崩れ、函館開発建設部は現場付近の約1・5キロを通行止めにした。また、同9時現在、天の川以南の地域で停電が発生している。

 江差町では、柏町、豊川町、緑が丘の計4カ所で住宅の裏山などで土砂崩れ起き、茂尻町では住宅や道路が冠水した。町は柏町、豊川両町の7世帯15人に、災害対策基本法に基づく避難勧告を出し、住民は町役場などに避難した。町北部では水堀・小黒部地区などの広範囲で水田や畑が冠水する被害が発生した。

 函館土木現業所は同10時現在、函館市蛾眉野町と同市原木町を結ぶ道道970号(蛾眉野原木線)の一部区間約10キロ、宮越―湯ノ岱間の道道5号(江差木古内線)の5・8キロなど、道道の8カ所を落石や土砂崩れなどの恐れがあるとして通行止めにした。

 JR北海道は、午前9時43分ごろから、降雨の影響で江差線の湯ノ岱―江差間など、一部区間で徐行運転や運転を見合わせるなど、終日ダイヤが乱れた。午後4時すぎには、木古内―江差間の全区間が運休。この影響で、函館と江差を結ぶ普通列車など計7本が部分運休するなどした。同社によると、線路には問題がないため、4日の運行は天候の状況をみて判断する。


◎日ハム応援するぞ!…道内の小学生が仙台へ 新幹線体験ツアー
 道内の小学5、6年生が東北新幹線を利用して、仙台で行われる日本ハムファイターズの試合観戦などを楽しむ「新幹線体験ツアー in 仙台」の出発セレモニーが3日、JR函館駅構内で行われた。参加児童は見送る家族に手を振りながら1泊2日の思い出作りに旅立った。

 同ツアーは、小学生に新幹線の魅力を味わってもらおうと道新幹線建設促進期成会(会長=高橋はるみ道知事)が主催する事業で、昨年に続き2回目。初日はJR札幌駅からの参加メンバー61人が渡島管内からの参加者10人とJR函館駅で合流し、八戸駅で東北新幹線はやて22号に乗り換え、時速275キロのスピードを体験。到着先の仙台では日ハム―楽天によるプロ野球公式戦ナイターを観戦し、道新幹線親善大使を努める日ハムの森本稀哲外野手らの活躍にエールを送る。2日目は同県利府町のJR東日本の総合車両センターで次世代の新幹線車両を見学する盛りだくさんの内容となっている。

 セレモニーでは主催者を代表し畑秀叔渡島支庁長が「近い将来函館にもやってくる新幹線のスピードを一足早く体験してください」とあいさつ。参加者を代表して函館付属小5年の田中佳子さんは「夏休みの思い出をたくさん作ってきます」と笑顔で話した。

 このあと、森本外野手からの「いつもファイターズを応援してくれてありがとう」と書かれたサイン入りのメッセージをプレゼントされた子どもたちは、見送りの家族に手を振りながら列車に乗り込んだ。(小川俊之)