2008年8月8日(金)掲載

◎はこだて賛歌でメタボ予防だ!フィットネスインストラクター・原崎さんが振り付け
 函館市の広報番組やごみ収集車から流れる音楽として、市民におなじみの「はこだて賛歌」に振り付けをした健康体操が完成した。メタボリックシンドローム(内蔵脂肪症候群)予防の動きなども取り入れた振り付けを考案したのは、フィットネススタジオジョイ(五稜郭町22)を主宰するフィットネスインストラクター原崎千鶴子さん(51)。監督を務める函館短大エアロビクス部のメンバーとともに10日、クイーンズ・ポートはこだて前広場(若松町12付近)で開かれるチャリティーバザー「Love&peace」で初披露する。

 チャリティーバザーは、NPO法人全国精神障がい者地域生活支援センター(能登正勝理事長)が地域との交流を目的に主催。原崎さんが指導する函館短大エアロビクス部がステージ発表するため、振り付けを考えた。

 高齢者の健康教室などで歌謡曲に振り付けをした体操を指導している原崎さんは、「会場にいる人も一緒に参加できるステージにしたい」と考え、「はこだて賛歌」を選曲したという。メタボの予防や改善に必要な「脂肪燃焼運動」と「筋力トレーニング」の動きを取り入れた。

 3番まで振り付けし、歌詞の「いのちかけたい海の街」に合わせてイカ、「しみじみわかる詩の街」では石川pケ木像をまねるなど、ユニークなポーズを盛り込んだ。原崎さんは「気軽に続けられるので、ぜひ大声で歌いながら体を動かし、健康づくりに役立てて」と話している。

 チャリティーバザーは午前10時から、同部の発表は午後1時20分から行われる予定。

 はこだて賛歌 1973年の函館市と旧亀田市の合併を記念し、開局20周年事業でHBCテレビが制作。公募で選ばれた前川和吉さんが作詞、広瀬量平さんが作曲した。版権は市に譲渡され、現在まで普及推進に向け、市のイベントや広報活動などで使用されている。(宮木佳奈美)


◎採血器使い回し、道南は49施設
 血糖値の測定などに使う採血器の使い回しが相次いだ問題で、厚生労働省は7日までに全国の医療施設などの実態調査結果を発表した。道内では針だけを交換した器具本体の使い回しは609施設で確認され、うち道南では函館市や北斗市など11市町の49施設に及んだ。同省は2年前に使い回しを禁止するよう求めたが、禁止後も不適切な使用を続けた医療機関も多数あり、徹底されなかった実態が浮き彫りとなった。道内で針の使い回しは確認されていない。

 同省の発表によると、道南関係は函館市が28施設、七飯町6施設、北斗市5施設、江差町、せたな町が各2施設、木古内、知内、八雲、上ノ国、今金、奥尻の6町が各1施設。いずれのケースも針のみを交換し、針を保護するキャップ部分をアルコール消毒し、複数人に使用していた。

 器具は針を刺して微量の血液を採取するものだが、針を通して肝炎感染する恐れがあるとされている。ただ、針を交換しても保護キャップに付着した血液からも肝炎感染を否定できず、同省が全国の医療機関に対して実態調査を行っていた。

 今回の公表を受けて、市立函館保健所や渡島、桧山管内の各保健所は公表された医療機関に対し、患者への説明、相談を徹底するよう通知するとともに採血器の適切使用を図るよう求めた。

 同省は心当たりのある人に対し、医療機関や最寄りの保健所への相談を呼び掛けている。使い回しの施設名については8日以降、同省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)でも公表する考え。

 道は同省の調査の対象にならなかった介護、福祉施設についても独自調査を行い、道内全体で74施設、渡島、桧山管内では計7施設で使い回しが確認されている。(鈴木 潤)


◎函館―関空線を廃止…日航
 日本航空(JAL)は7日、燃料高騰による収益圧迫を受け、11月以降の函館―関西空港(関空)線を廃止する計画を発表した。6日には全日本空輸(ANA)も来季から同路線の季節運航便(7―9月)を休止することを決めており、観光都市・函館の地域経済に大きな影響が出るのは避けられない情勢だ。

 航空大手各社は国際的な原油価格高騰の影響で、収益性の低い路線の大規模な見直しを進めており、JALの同路線も候補の一つに挙がっていた。JAL側は7月中旬、現在の1往復体制の運航を11月から見合わせる「事実上の撤退」の意向を函館市に伝えていた。

 年度内にJAL国内線で廃止されるのは、関空と函館、仙台、秋田、福島の地方空港を結ぶ不採算路線など計12路線で、過去最大規模の“リストラ”に。ANAの2009年度からの季節運航便休止もあり、今年11月以降の函館―関空線は通年でANAの1往復便のみとなる。

 JAL、ANAの函館―関空線の再編をめぐっては地元関係者の反発も根強い。市や函館商工会議所などは官民一体で両社に路線の存続を要望。特にJAL側には関係団体の代表らが7月18、24の両日、東京の本社に赴き、「運賃を値上げしても路線を存続させてほしい」などと訴えたという。

 西尾正範市長は「要望活動を行ってきたが、燃油高騰もあり、やむを得ない。今後は輸送容量に影響が出ないよう、機材の大型化や羽田便の増便などについて要望していきたい」とコメント。同商工会議所は「函館の経済や観光振興にとって大きなマイナス。観光客の入り込み数が減少する中、航空会社の役割は大きく、燃料費が落ち着けばぜひとも再開してもらいたい」としている。(森健太郎)


◎森町の夏まつり、町長逮捕で参加自粛も
 【森】森町の夏の一大イベント「夏のまつりinもり」(実行委主催)が7日、同町大通りをメーン会場に開幕した。町が発注した町消防防災センターの指名競争入札をめぐる談合事件で、町長の湊美喜夫容疑者(79)が逮捕され、毎年恒例の町長の開幕あいさつはなく、町職員で構成する2団体も8日の演舞「オニウシソイヤ」などへの参加を自粛した。

 参加を自粛したのは、湊容疑者をはじめ町職員幹部43人で構成する「森和会」と、同会を母体に一般職員を加えた「遊・ゆう・森みこし」の2団体。それぞれ51人、76人が参加予定だったが、「町長逮捕を受け、組織としての参加を見送りたい」(町総務課)と実行委に伝えた。同まつりの協賛社として例年参加している星組渡辺土建の社員も、同事件で社長が逮捕、起訴されたのを受けて自粛した。

 初日は松田勝利実行委員長が事件に触れることなく、「暑い暑い夏のひとときを楽しんで」と開会宣言。子供ふるさとワッショイまつりがオープニングを飾り、地元の剣道少年団、YOSAKOIソーランチームなど9団体が会場を盛り上げた。

 町内森川町の女性会社員(28)は「人口減の影響もあって参加団体が減っている中、(事件で)参加がさらに減るのはさびしい」としながらも、「町政に問題はあるが、町民生活に影響はない」と祭りを満喫していた。

 最終日の8日は午後6時半からオニウシソイヤのほか、登城奴、太鼓とみこしの共演など祭りの熱気はピークに。沿道に投票を求める「みこしコンテスト」も初開催される。(笠原郁実)


◎彦根市の市民グループが情報誌の特集で函館取材
 滋賀県彦根市で情報誌「開国」などを発行する市民グループ「どんつき瓦版編集部」の正村圭史郎代表(40)が7日、函館市役所を訪れた。情報誌に載せる函館特集の現地取材と、彦根市で6月に開幕したイベント「井伊直弼と開国150年祭」をPRするためで、正村代表は「来年に150周年を迎える開港5都市が盛り上がりを見せる中、思い入れのある函館を多くの人に伝えていきたい」と話している。

 情報誌「開国」(B5判4ページ)は、昨年の「彦根城築城400年祭」を機に発行している情報誌「どんつき瓦版」の特別号として、ことし6月に創刊した。毎月3、4回のペースで毎回1000部を発行し、彦根市内の公共施設に配置したり、町内会の回覧板を通じて地元住民が目にしている。

 これまでの内容は、彦根市出身で江戸幕府の大老を務めた井伊直弼が中心。ことしは日米修好通商条約の締結から150周年を迎えたこともあり、大老の在任期間と同じ2年間にわたって開かれるイベント「井伊直弼と開国150年祭」を支援している。

 正村代表は20年ほど前に初めて函館を訪れ、市民の情の深さに感銘を受けてから、定期的に来函。今回は来年の函館開港150周年を前に、函館での取り組みについて情報収集しようと10年ぶりの訪問となった。

 「開国」の函館に関する特集は9月に掲載予定で、北前船を通して縁の深かった彦根と松前の歴史や、函館開港150周年記念事業などを想定。正村代表は8日夜に函館を離れ、新潟や長崎などにも足を運ぶことから「函館を宣伝しながら、各都市の関係づくりにも一役買えれば」と話している。 (浜田孝輔)


◎「姥神祭」9日開幕
 【江差】道内最古の伝統を誇る江差町の「姥神大神宮渡御祭」が9日開幕する。由緒ある人形や豪華な水引で彩られた町内13基の山車が11日までの3日間、色鮮やかな時代絵巻を繰り広げる。

 祭礼を目前に控えて、町内各地では山車の準備や祭ばやしの練習がピークを迎えている。戦国武将・加藤清正の人形が目を引く本町の「清正山(せいしょうざん)」でも、子供たちが笛や太鼓の練習に汗を流している。

 由緒ある祭ばやしの音色は、京都の祇園祭がルーツとされる。子供たちは、町内の大人や先輩たちの指導を受けながら「ヨーイ、ヨーイ!」「エンヤマッカショ!」という元気な掛け声に合わせ、音色を奏でている。祭ばやしは山車ごとに独自の音色があり、夕闇が迫る街並みからは随所で美しい音色が響いてくる。

 宵宮祭の9日は、正午すぎから山車が同神宮に赴き「魂入れ」や、山車行列の先頭を決める「先山車定め」などの儀式を行う。本祭の10日は「下町巡行(したまちじゅんこう)」。みこし行列に13基の山車が付き従い、いにしえ街道などを巡る。午後8時ごろには愛宕町商店街に山車が勢ぞろいする。本祭2日目の11日は「上町巡行(うえまちじゅんこう)」で、同9時すぎには、色鮮やかな灯火で彩られた山車が、新地町の繁華街に集結。祭りは最大の見せ場を迎える。

 渡御行列が通過する地域では交通規制が行われる。問い合わせは江差観光コンベンション協会TEL0139・52・4815。(松浦 純)


◎「動く映画館」満喫…市電シネマ
 「第3回北海道ユニバーサル上映映画祭」(9月、北斗市)の関連企画「市電シネマ」が7日、函館市内で行われた。市民ら18人が市電に乗り、アニメーション映画「銀河鉄道の夜」を日本語字幕と音声ガイド付きで鑑賞。“動く映画館”を満喫していた。

 障害の有無にかかわらず映画を楽しめるようサポート環境を整備する「ユニバーサル上映」への理解を深めてもらおうと、昨年に続いて実行委員会(島信一朗委員長)が企画した。

 参加者は貸し切りの超低床車「らっくる号」に乗り込み、午後7時半過ぎに函館市駒場町15の駒場車庫を出発。実行委メンバーの橋本和幸さんが「旧暦の7月7日、七夕にジョバンニ(アニメに登場するネコ)と一緒に銀河鉄道の旅に出たい」とあいさつした。映像は料金表示用の液晶画面2カ所に映し出された。参加者は、ネオンが輝く街並みを車窓から眺めながら、映画の世界を楽しんでいた。

 母佳子さん(38)と一緒に参加した上磯小3年生の小林冬冴君(8)は「電車で映画を見るのは初めて」と笑顔を見せ、兄の同小5年、凌君(10)も「ジョバンニが電車でいろいろなところに行くのが楽しい」と話していた。

 映画祭は9月5―7日。チケットの問い合わせなどは橋本さん(函館保健企画内)TEL0138・31・0010。(新目七恵)