2008年9月13日(土)掲載

◎祖父母に「ありがとう」…花園大谷幼稚園園児ら似顔絵など投函
 祖父母に日ごろの感謝の気持ちを届けようと、花園大谷幼稚園(長谷川艶子園長)の園児126人が12日、函館北郵便局(美原)と函館日吉郵便局(日吉町)を訪れ、自分の似顔絵や花を描き「ありがとう」とメッセージを添えたはがきをポストに投函した。

 同園では、敬老の日にちなみ、祖父母へ送るはがきづくりを毎年実施している。年長児はイモ掘り体験での思い出を墨で描き、年中児は散歩中に見かけたコスモスを折り紙などを使い彩り豊かに表現、年少児はクレヨンでかわいく自画像を描いた。

 年長児40人はバスで函館北局へ移動。年中と年少児は歩いて函館日吉局へ向かった。到着した園児は元気よく職員にあいつさつし、少し照れながらも「ありがとう」や「元気でいてね」などと気持ちを書き込んだはがきを投函した。年少組の太田康喜ちゃん(3)は「上手に描けた絵をおじいちゃんへ届けます」とにっこり微笑んでいた。(小橋優子)


◎道南長寿 女性125人男性14人…最高齢は乙部・佐藤さん
 函館市と渡島、桧山両支庁は12日、100歳以上となるの長寿者数(1日現在)を発表した。同市と両支庁を合わせると、男性は14人、女性はほぼ9倍にあたる125人で合計は139人。昨年度から23人増加した。道南の最高齢者は、1902(明治35)年2月15日生まれで、乙部町に住む106歳の佐藤カシクさんだった。

 道内の長寿者は、男性237人、女性1333人の合計1570人で、昨年度に比べ113人増加。最高齢者は、男性は111歳の五十嵐清さん(網走管内滝上町)、女性は110歳の渡邉ツヱさん(胆振管内厚真町)。

 発表された人数は、9月30日時点で満100歳以上となる長寿者で、函館市は80人(男性5人、女性75人)、渡島は40人(男性6人、女性34人)、桧山は19人(男性3人、女性16人)。

 函館市内の最高齢は、女性は106歳の保苅さつさん(杉並町)、男性は102歳の芝田茂雄さん(高丘町)。渡島管内では、女性は105歳の菊地ヤノさん(八雲町)、男性は103歳の仲上仁市さん(知内町)。桧山管内では、女性が佐藤さんで、男性が100歳の米谷林蔵さん(厚沢部町)。

 なお、老人の日(15日)記念行事として、本年度中に100歳に到達する(1908年4月1日から09年3月30日の生まれ)高齢者94人(函館46人、渡島32人、桧山16人)には、内閣総理大臣からの祝状および記念品(銀杯)が函館市や両支庁から贈られる。贈呈日時は、渡島は11、12の両日、函館市は15―21日、桧山は16、17の両日。道内全体での贈呈対象者は873人(男性150人、女性723人)となっている。(小川俊之)


◎市内の最高年齢の保苅さん…やしゃごらと誕生会
 今年も函館市の最高齢者となった、杉並町の保苅さつさん(106)。19日に函館市長や市社会福祉協議会から祝品が贈呈される。また一つ、静かに年を重ねた保苅さんは「長生きのために特別なことはしていない。1年間、変わりなく過ごせたことが何より」と話している。

 保苅さんは1902(明治35)年に函館で生まれた。19(大正8)年に庁立女学校(現函館西高)を卒業。その年に辨治さんと結婚し、6人の娘を立派に育てた。

 現在は、孫16人、ひ孫20、やしゃご4人に恵まれ、6女の加藤佳代子さん(64)と2人で暮らしている。

 今年7月20日、親戚22人が集まり、保苅さんの誕生会(誕生日は6月23日)が市内のホテルで開かれた。小樽市から来たやしゃご4人から花束をプレゼントされ、保苅さんは「うれしかった。とても楽しかった」と笑顔を見せる。

 保苅さんは毎日午後9時には就寝する規則正しい生活を心掛けている。おかげで、入院するような大病を患ったことは一度もなく、近年は風邪もひいていない。

 読書が何よりの楽しみで、加藤さんが図書館から借りてきたミステリーや歴史書などを毎日4、5時間かけて読む。「集中力はすごい。何でも自分でやるので感心している」と加藤さんも舌を巻く。スポーツ観戦も趣味で、米大リーグ、シアトル・マリナーズのイチロー選手の大ファン。

 常に穏やかな表情で「自然のままに無理せず暮らしていきたい」とサラリと答えた。(鈴木 潤)


◎極東大市立化問題…市長「自由な意見求める」 小野沢氏、思いの強さを批判…函館市議会
 第3回函館市議会定例会は12日、一般質問を継続し5人が立った。ロシア極東大函館校の市立化を含めた支援策を検討する懇話会が発足したことに関連し、小野沢猛史氏(市民クラブ)が「支援をやめることも検討の範囲にあることを委員に伝えるべき」と指摘。西尾正範市長は「公約に掲げた私の思いもあるかもしれないが、幅広い議論で自由な意見を提出してもらうようお願いしている」と述べた。

 懇話会の初会合のあいさつや議会答弁で西尾市長は、市が極東大を誘致し1994年に開校した経緯、函館とロシアの人的・物的交流関係の拡大、人材の輩出、函館の将来のまちづくりを進める上での重要性を説明し、支援強化への思いを語った。

 これに対し小野沢氏は「市長の思いが強すぎ、迷惑や困惑している委員もいる。市長の思いが最初にあって議論しずらい」と批判。「支援ありきの場ではないことを懇話会に伝えるべきだ」とした。

 懇話会の山崎文雄座長は7月28日の初会合で「最初からある方向を持ち、そこに議論の結果を持っていく考えはない」と述べた。ただ、大学の現状を理解する初会合から「そもそも支援することを前提とする懇話会なのか」「まずは学生を集めることをしないと、いくら市立化や授業料の値下げをしても無理」などの意見が相次いだ。

 西尾市長は小野沢氏の質問に関連し、「仮に市立化した場合、教職員の身分を市の一般職や嘱託職員とし、新たな給与基準・体系を設けることが必要で、学校長も日本国籍を有することが要件とされる」などと課題を述べた。(高柳 謙)


◎創業者の冥福祈る…マルハニチロホールディングス
 マルハニチロホールディングス(旧日魯漁業株式会社、本社=東京)の創業者の一人、堤清六(1880―1931年)の命日である12日に、称名寺(函館市船見町18)で、施餓鬼(せがき)法要が行われた。関係者約60人が出席し、故人の冥福を祈るとともに同社の発展を願った。

 日魯は新潟県出身の堤と函館の実業家、平塚常次郎が1907年に創業し、1914年に函館市に株式会社を設立。本社を東京に移した後も、北洋漁業の拠点として函館の経済を支えてきた。

 称名寺には創業者堤の供養塔と、操業中に命を落とした従業員を供養する「日魯従業員精霊塔」が建てられており、函館ニチロ会(加藤清郎会長)のメンバーが中心となり毎年法要を行っている。出席者は供養塔の前に手を合わせ、創業者の冥福を祈った。

 加藤会長は「今回の法要はニチロがマルハと経営統合してから初めてとなる重要な機会。水産業界は厳しい現状に置かれているが、堤氏に見守ってもらいながら、函館全体の活性化のためにもさまざまな事業に挑戦してほしい」と同社の発展を願っていた。(小川俊之)


◎「政治への思い変わらず」佐藤健治氏
 次期衆院選で道8区からの出馬が有力視されている、前自民党道8区支部長の佐藤健治氏(51)は12日、函館新聞社のインタビューに対し「選挙に出るかどうかについては現時点ではコメントできないが、政治に対する思いは(過去2回出馬した時と)まったく変わっていない」と、出馬に対して前向きであることをにじませた。(小川俊之)


◎前田氏の説得継続 川尻氏浮上の声も…自民道8区
 自民党衆院道8区支部から次期衆院選の出馬要請を受けている松前町長の前田一男氏(42)は、12日は私用のために公務を休んだ。川尻秀之幹事長(8区候補者選考委員長)は同日、「きょうのところは状況に変化はない」と答えた。

 前田氏は出馬に難色を示しており、辞退となれば候補者選考は振り出しに戻る。だが候補擁立に向けた時間は短く、関係者からは「本人は否定しているが、川尻氏へ出馬を促す声が高まるのではないか」との見方がある。(高柳 謙)