2008年9月6日(土)掲載

◎ナナカマドに赤い実
 函館市内ではナナカマドの赤い実が目立ち始め、同市元町の大三坂では葉も赤く変わりつつある。本州から訪れた観光客は木を見上げて盛んに写真を撮るなどし、秋の彩を楽しんでいる。

 市内の早いところでは8月中旬ごろから青い実の色が変わり始め、気温が低くなった同下旬ごろからは赤い実が鈴なりに見えてきた。元町周辺をよく歩く同市末広町の鈴木武美さん(71)は「この2、3年は、実が赤くなるのが早い。葉も早く赤くなり、きれいな紅葉になってほしい」と話していた。 (山崎純一)


◎亀田病院 昭和に移転へ
 函館市亀田本町23の亀田病院(蒲池愛文理事長)は、施設が築40年以上経過し、老朽化したことなどから、道道函館上磯線(産業道路)沿いの同市昭和1に移転する。国の療養病床削減の方針を受けて、新施設では介護療養病棟60床を、回復期リハビリテーション病棟に転換する考え。新施設の建設工事はすでに昨秋から進められており、来年5月の移転開院を目指し準備を進めている。

 同病院は1963年開院。現在は「一般」「医療療養」「介護療養」の3病棟があり、内科、整形外科、呼吸器科など11の診療科を開設、病床数は計179床。新施設は鉄筋コンクリート5階建てで、延べ床面積約9500平方?。現施設よりも4000平方?広くなり、建設費は約17億円を見込んでいる。

 新設する回復期リハビリテーョン病棟では、脳血管疾患など急性期治療から移行した患者を受け入れ、機能回復を図っていく。同病棟の新設で廃止となる介護療養病棟については、すでに患者側に説明し同意を得ており、家族や本人の意向を聞きながら在宅療養や系列の介護施設などへの移行を図っていく。

 これまでは主に、慢性期疾患の高齢患者を受け入れ、呼吸器系などの専門医も配置していることから、今後は疾病に特化した診療も推進し、検査入院の患者も受け入れていく。蒲池匡文理事長代理(43)は「器(建物)が変わるのはチャンスととらえる。地域の医療連携の中で新たな役割・機能を果たすとともに地域の皆さんに求められる病院を目指していきたい」と話している。

 同病院では、リハビリ治療に従事する理学療法士や看護師の確保を進めており、職員、看護師を募集している。問い合わせは亀田病院TEL0138・41・7121。(鈴木 潤)


◎社会人野球 森倶楽部解散へ
 【森】森町の社会人野球チーム「森倶楽部」(廣瀬實理事長)が、13日に空知管内栗山町で開かれる日本選手権道予選(日本野球連盟北海道地区連盟など主催)の出場を最後に解散する。ことしで30年目を迎え、道内では、函館太洋倶楽部(函館市)、小樽野球協会(小樽市)に次ぐ道内3番目の古参チーム。地元在住の部員不足や資金難でチーム運営が厳しい状況となり、三浦久仁夫監督(51)は「残念。最後はベストを尽くし、自分たちの野球をして有終の美を飾りたい」と、チーム一丸野球で最後の公式戦に臨む。

 森倶楽部は1979年、森町で発足。当時は全員が森町民だったが、数年後にはレベルアップを図るため町外の実力選手も勧誘した。社会人野球選手があこがれる大会、都市対抗野球大会の道予選では、力のある企業チームになかなか勝つことはできなかったが、全日本クラブ選手権の道予選ではベスト4などの成績を残したこともある。

 現在、選手は20―40代の18人。地元森町や函館市在住者が11人で、ほかは札幌市や岩見沢市など道央圏に在住。ホームグラウンドの森町営野球場で、実戦を想定した練習ができない状況が続いたほか、遠征費用など運営資金の確保も厳しくなり、8月20日、同地区連盟に解散を申し出た。

 三浦監督は「続けるべきかどうか迷いに迷った」と苦渋の決断を振り返る。チーム最年長で、千歳市在住の主戦投手、秋元宣宏さん(41)は「年齢的に、自分にとってもこれが最後の公式戦になると思う。悔いのない投球をしたい」と全力を誓う。

 初戦の相手は、同じ道南圏のチームとして競い合った函館太洋倶楽部。同チームの佐藤勝監督(46)は「解散は残念。試合ではこちらも精一杯頑張り、良い試合をしたい」とし、同チームの元監督で、現在、函大野球部監督の阪内俊喜さん(52)は「森倶楽部との対戦では絶対負けないとう気持ちで臨んだ。同じ道南圏の仲間として一緒にやってきただけにチームがなくなるのはさびしい」と話していた。(鈴木 潤)


◎「フェリー不可欠」…「東日本」撤退 大間町で存続要望活発化
 【大間】東日本フェリー(函館市港町3、古閑信二社長)が函館―大間など道内3航路の運航事業から撤退する方針を固めたことを受けて、同フェリーが地元住民の足として不可欠な存在である青森県大間町では5日、町議会が全員協議会を開くなど、フェリー存続要望へ向け動きだした。

 この日は古閑社長が同町を訪れ、金澤満春町長に撤退に至る過程などを説明。全員協議会では路線存続に向けて県や国を含めた関係機関への働きかけに力を注ぐことを確認するとともに、存続を要望する特別委員会を設置する案などが出された。

 金澤町長は「すでに路線存続へ向けた交渉を(東日本フェリーとの間で)スタートさせていた中での突然の廃止の報告に驚いている。町のみならず県全体にとっても大きな問題なので、関係機関と連携しながら存続要望活動に全力で取り組んでいきたい」と話していた。

                     ――◇――

 【函館】東日本フェリーターミナル(函館市港町3)では、5日も通常通りフェリーを利用する観光客や地元客の姿が見られた。

 大間町に住む夫婦(夫=72、妻=70)はこの日、函館在住の娘と孫娘の4人で、大間行きに乗り込んだ。「フェリーは年に何度も利用しているが、もし廃止になれば青森市から鉄道やバスを乗り継がなければならず大変不便になる。ぜひとも存続してほしい」と訴える。

 同ターミナル前で客待ちをしていた北斗市のタクシー運転手(64)は「高速船就航当初は一時的にタクシーの利用客が増えたが、ここ最近はどんどん船の客足が減っており、『近いうちに撤退するのでは』とのうわさも流れていた。青森便は他社に引き継がれるようだが、大間便の行方は心配」と話していた。(小川俊之)


◎移管先は共愛会に内定…養護老人ホーム「清和荘」
 函館市は5日までに、移転改築・民営化を予定している養護老人ホーム「函館市清和荘」(湯川町1)の移管先を函館共愛会(中島町、福島安義理事長)に内定した。2009年4月に新施設を着工し、10年4月に民営化する計画。09年9月の市議会に提出予定の市清和荘設置条例の廃止議決をもち正式決定する。

 清和荘は1951(昭和26)年に湯川町に開設し、74年に現在地に移転改築。入所者は107人、施設の老朽化や多床室が多いことからプライバシー保護が課題だった。

 市は、特別養護老人ホームやケアハウスなどを運営する応募資格のある14法人に案内し、6月下旬から8月中旬にかけて移管先を公募。3法人から応募があり、8月中旬以降にヒアリングを含む2回の選考委員会を開き、委員5人の合計評価点が最も高かった共愛会を選定した。

 共愛会は、評価項目の中で特に「既存の高齢者福祉施設の運営状況」で高評価を得て、入所者処遇の向上や安定した施設経営をしていると認められた。新施設は定員120人で、全室個室のユニット式。市は建設時の補助金や用地購入などで約8億8800万円を、民営化後20年間に毎年1000万円程度の債務負担補助を支出する。市福祉部は「入所者が活発な生活を営めるような施設運営をしてほしい」と望んでいる。(小泉まや)


◎出直し町長選と同時に町議補選 森、来月19日
 【森】森町発注の町消防防災センターの建設工事をめぐる官製談合事件で偽計入札妨害(談合)容疑で逮捕、起訴された湊美喜夫被告(79)の町長辞職を受け10月19日に行われる出直し町長選に出馬を表明している松田兼宗町議(52)が5日、長岡輝仁議長に辞職願を提出した。長岡議長は同日、町選挙管理委員会へ通知。町長選と同日、町議の補欠選挙が行われる見通しとなり、近く、選挙管理委員会が町議選の選挙期日を正式決定する予定。

 町の有権者数は2日現在、男性7244人、女性8306人、計1万5550人。

 また、町はこの日までに、町指名競争入札参加資格指名停止等措置基準に基づき、湊被告が私人として代表理事組合長を務める町森林組合を8月22日から1カ月間、指名停止とする処分を決めた。