2008年9月8日(月)掲載

◎エコフェスタにぎわう
 環境問題について理解を深める「はこだて・エコフェスタ2008」(環境フェスティバル実行委主催)が7日、函館港緑の島で開催された。各展示コーナーや多彩なステージ、リフォーム製品無料抽選などに、親子連れなど多くの市民が来場し、にぎわった。

 今回は「ふるさと(地球)を残したい…未来を担う、子へ孫へ」がテーマ。展示は17コーナーに分かれ、低燃費車やハイブリッドカーが人気を集めたほか、フリーマーケットなどもにぎわった。初登場の携帯電話回収コーナーには約30台が持ち込まれた。エコバッグコーナーには、10月からのレジ袋の有料化を控え昨年のほぼ2倍の約600人が訪れ、クイズに参加してエコバッグをもらっていた。

 リフォーム製品は自転車や掃除機、ベビーカー、扇風機など75点の出品に、延べ約3000人がエントリー。CDプレーヤーが当たった函館市弁天町の畑沢久子さん(44)は「ほしかった物を無料でもらえるのでうれしい。このような取り組みは環境にも優しいのでいいですね」と喜んでいた。(小泉まや)


◎新幹線時代へ函館圏、縦貫道整備の熱意不可欠
 北海道新幹線新函館―新青森の総合車両基地整備がこのほど七飯町で着工し、2015年度開業に向けたつち音が高まっている。一方で、開業効果を最大限に発揮する高速交通道路網の整備も不可欠。国が見直しを進めている道路整備中期計画の中で、道縦貫自動車道の整備促進に向けた地元の熱意がなければ、それに続く函館新外環状道路の建設促進は達成できない。

 新幹線開業に向け、道南で整備促進が課題となっている高速道路網は、国の優先順に(1)国幹道・道縦貫自動車道(2)高規格幹線道路・函館江差自動車道(3)地域高規格道路・函館新外環状道路がある。

 このうち函館江差道は木古内―江差間の見直しがされる見通しで、函館IC(インターチェンジ)から函館空港IC間約10?を結ぶ新外環状道路は、道縦貫自動車道の整備が進まなければ推進されない。新外環状道路は新幹線着工前、当時の北側一雄国土交通相が「新幹線開業に間に合わせて整備したい」との意向を示している。

 ただ、道縦貫自動車道建設促進道南期成会や函館市新外環道路整備推進室は「黙っていても新幹線開業までに新外環状道路が整備されるという見通しは誤り。地域で縦貫道整備促進の熱意を高め、新外環状道路整備につなげなければならない」と懸念する。

 道縦貫自動車道は八雲IC―落部IC間が2010年度、落部IC―大沼ICが2012年度の開業予定で、大沼IC―七飯IC間約10キロは国と道の負担による新直轄方式で整備されることが決まっている。ただ、10キロのほとんどがトンネルで事業費が約760億円と高額。国や道を動かすためには地域で必要性を訴え、実現を目指さなければならない。

 新外環状道路の函館IC―函館空港IC間約10キロは、新函館駅と空港のアクセス性を高め、物流機能向上や観光振興など新幹線開業効果を最大限に発揮する。整備費用は約400億円が見込まれており、道縦貫道と結節して整備効果が高まる。

 関係者からは「もし地元から縦貫道不要論が出ると、新外環状道路の実現はない。国は必要な道路はつくると言っており、地域の熱意で国を動かすことが何よりも欠かせない」との声がある。来年度からの道路特定財源の一般財源化と合わせ、建設促進運動は正念場を迎えている。(高柳 謙)


◎「函館芸術会議」設立、12月にチャリティークリスマスイベント開催
 健常者と障害者が芸術活動を通じて交流する場を設けようと、自身も慢性関節リウマチを抱えながら長年写真撮影を続けている木村公一さん(42)らが中心になって「函館芸術会議」(HAM)を設立した。メンバーは「障害者の『やってみたい』という気持ちに手を差し伸べ、可能性を見出したい。また、芸能活動を通じて町おこしができれば」と意気込みを見せる。手始めに12月4日午後6時半から「カフェペルラ」(元町)でチャリティークリスマスイベントを開く。

 木村さんは、音楽好きの仲間が集まった「KING BISCUIT TIME」の経験から「函館には文化活動に取り組む人が多い。今後さらに増加する高齢者や障害者と共に芸術活動をすることで“心のケア”ができれば」と、音楽仲間や知人に呼び掛け発足した。

 メンバーは代表を務める木村さんのほか、名誉会長には落語家の三遊亭洋楽さん(50)が就任。また、交通事故の後遺症「高次脳機能障害」を患う奥井直美さん(41)=通称・nami=と男性ユニット「りぼん」を組む高島啓之さん(39)、市内を拠点に活動するアーティストのゆうげんさん(31)、「翔民劇団・ななえ」に所属する東宏道さん(35)、麺工房の「翔」(北斗市)の両角辰也さん(44)の7人がそろった。

 チャリティイベントの当日は、namiさんと高島さんが考案したピザのほか、オードブルやデザートを味わいながら、ゆうげんやりぼんの演奏を楽しむ。また、普段とは一味違う洋楽さんの落語も見どころ。洋楽さんは「耳の聞こえない人や目の見えない人など、全ての障害者に楽しんでもらえるように工夫を重ねています」と意気込む。namiさんも「何かやりたいという人の足がかりとなりたい」と本番に向けて準備を進めている。

 木村さんは「2015年までには、障害者や高齢者が芸術作品を出品し、一般の人々で審査を行う芸術祭『はこだてビエンナーレ』を開きたい。継続するためにはサポートが必要。多くの参加をお待ちしております」と話している。

 イベントには障害者をゲストに招く。定員は120人を予定し、チケットは一枚5000円(食事付き)で、収益金の一部は福祉基金へ寄付する。このほか、活動のサポートメンバーや協賛企業なども募集している。問い合わせは木村さん(TEL090・6692・7373)まで。(小橋優子)


◎本願寺派函館別院で公開結婚式
 浄土真宗本願寺派(西別院)函館別院(函館市東川町12)の仏教青年会「YBAはこだて」主催の公開仏前結婚式が7日、同別院本堂で行われた。今年4月に入籍した市内在住の野沢良さん(20)と佐藤藍子さん(22)が雅楽の演奏と僧侶の読経が響く厳かな本堂で、親族や友人、市民ら約100人が見守る中、新しい人生の一歩を刻んだ。

 公開挙式は、YBAはこだて再結成30周年を記念して企画。新婦の母が同別院の職員で、藍子さん自身もボーイスカウトの指導員として同別院に縁があったことから、公開挙式として実現した。

 式では、黒のタキシード姿の良さん、純白のウェディングドレス姿の藍子さんが本堂に入場。僧侶による雅楽の生演奏と、同別院の中尾史峰輪番が読経し、荘厳な空気に包まれた。2人は誓いの言葉を述べた後、中尾輪番から記念の念珠をもらい、指輪を交換した。中尾輪番は「阿弥陀(あみだ)様がくださる無限の愛は思いやりの気持ち。今日から新しい人生を歩まれる2人も、互いに愛を育て上げてください」と述べた。

 良さんと藍子さんは「仏前式に友人は驚いてましたが『面白いね』と話してくれました。出席者の記憶に残ってもらえたら」と話していた。

 また、式後には関西で活躍するシンガーソングライターのやなせななさんが本堂でライブを行い、2人のスタートに彩りを添えた。実行委員長のYBAはこだての渡辺敬史さんは今後も、仏前挙式が増えることを期待し「お寺は生活の中で、おめでたい話も仏様に報告する場でもある。若い人にもお寺に親しみを持ってほしい」と話していた。(今井正一)


◎ボランティア連絡協夏まつり
 函館市ボランティア連絡協議会(佐々木文子会長)の夏祭りが7日、市総合福祉センターで開かれた。衣料品や日用雑貨のバザー、模擬店が出店し、にぎわった。

 例年、同連絡協が参加していた市社会福祉協議会主催の総合福祉センターまつりが本年度中止になったため、単独で開催することになった。

 この日は同連絡協を構成する104団体のうち、20団体が参加。環境や福祉など各種ボランティア団体が廃油を利用した手作りせっけん、工芸品、炊き込みご飯や鶏の空揚げなどを販売し、人気を集めた。来場した谷地頭町の主婦伊豆千代子さん(74)は「廃油せっけんは汚れがよく落ちるのでいつも利用している」と購入していた。

 参加した廃油せっけん作りなどに取り組む「函館ひまわり会」の東静子代表(73)は「年に1回楽しみにしている方もいるので中止せずに開催できてよかった」と笑顔だった。

 このほか、同センターの別のフロアでは函館肢体障害者福祉協会の「ふれあいバザー」、市児童センターの「おたのしみ広場」も開催された。(宮木佳奈美)