2009年10月10日(土) 掲載

◎MEGAドン・キ函館店オープン

 函館市美原1の長崎屋函館店を業態転換した「MEGAドン・キホーテ函館店」(大松功店長)が9日、オープンした。開店1時間ほど前から並ぶ客の姿もあり、列をつくった約500人が営業開始と同時に開店特価品を目当てに売り場になだれ込んだ。

 MEGAドン・キは食料品や日用雑貨品などの生活必需品を中心とする商品構成で、函館店は道内3店舗目。家電や衣料品なども扱うが、特に食品売り場を充実させ、飲料などをケース販売するコーナー「箱買市場」、道南の起業家がこだわりの生鮮品や総菜などを販売する「熱血商店街」を開設し、独自色を出した。旧長崎屋に入っていたテナントはほとんどが営業を継続し、若い女性をターゲットにした衣料品店が新たに増えた。

 初日はデジタルハイビジョンテレビやフライパンなどの目玉商品に人気が集中。地下食品売り場では1グラム1円の刺し身用バチマグロなどの開店特価品コーナーに人だかりができた。「いらっしゃい、安いよ」とテナントの鮮魚店から威勢のいい掛け声が飛び出す中、買い物客はカートを押しながらチラシを手に品定めをしていた。

 開店前の午前8時から並び、先頭を切って入店した市内の男性公務員(41)は「目当てのフライパンを購入できた。旭川店にも行ったことがあるが、函館店の方が食品が充実している」と満足した様子だった。営業時間は午前9時―午前零時。(宮木佳奈美)



◎支庁再編条例を一部施行 高橋知事

 【札幌】道の支庁制度改革をめぐり高橋はるみ知事は9日夜、桧山など5振興局から総合振興局に集約する広域事務をめぐる関係市町村との協議を定めた「総合振興局及び振興局の設置に関する条例(支庁再編条例)」の第3条第2項を施行したことを明らかにした。

 午後7時過ぎ、定例道議会閉会後の記者会見で明らかにした。条例の本格施行を来年4月1日とする施行規則も同日公布した。第3条第2項は、3月の支庁再編条例改正に伴い、道市長会や道町村会など地方4団体の意向で盛り込んだ。広域事務の内容を定めるに当たり「関係する市町村長の意見を聴くものとする」としている。

 広域事務をめぐるこれまでの協議で町村会サイドは、施行前の事前協議の積み重ねによる解決を求めてきたが、知事サイドが協議を一方的に打ち切り、9日の条例一部施行に踏み切る形になった。条例に基づく正式協議の在り方について高橋知事は9月末、総合振興局が広域事務を所管する規定について「協議事項ではない。粛々と施行する」との考えを示したほか、支庁再編の在り方自体をめぐる議論についても「9総合振興局と5振興局の枠組みは協議事項ではない」とけん制。協議内容は来年度から3年間で移行する広域事務の内容に限定するとして、民主党などで広がる再編の白紙化や凍結を求める声の広がりを食い止めたい考えをにじませた。

 知事サイドが対決姿勢を鮮明にしたことについて、道町村会の寺島会長は9日夜、函館新聞の取材に対して「これまでの議論の積み重ねを無視する形で施行に踏み切ったことは遺憾だ。一方的な事務集約は振興局の機能を引きはがすだけだ。公開協議を通じて道の主張が地方を無視したものであるかを道民に明らかにしたい」とコメントした。来年4月の本格施行をめざす高橋知事だが、支庁再編をめぐる道町村会や振興局地域の反発が再燃することは必至の情勢だ。(松浦 純)



◎台風18号 フェリー運航に乱れ

 非常に強い台風18号は、8日夜から9日未明にかけて渡島半島の東側を通過し、同日午前8時23分までに渡島・桧山管内に出されていた暴風や波浪の警報はすべて解除された。函館市内では街路灯などが倒れる被害があったが、心配された農作物や漁業への被害は報告されていない。交通機関は陸と空は通常のダイヤに戻ったが、フェリーは運休や不定期便運航などが続き、本州に向かう乗客や運送業者などに影響を与えている。

 函館海洋気象台によると、今回の台風による24時間降水量は松前で69ミリ(9日午前10時半まで)、函館で39・5ミリ(同日午後零時10分まで)、最大瞬間風速は函館で同日午後1時23分に11・3ミリを記録した。

 台風の進路が東側にそれたため、道南地域の被害は予想より小さかったが、函館市によると、椴法華地区の新浜町と銚子町で街路灯が2本倒れ、このうち新浜町では物置の屋根に衝突した。人的被害はなかった。同市本通でも街路樹が倒れている。

 津軽海峡フェリーは同日の函館―青森間の全便をすべて不定期便に切り替えて運航している。このため函館ターミナル(函館市港町3)は、前日から足止めされたトラックであふれ、キャンセル待ちは最大700台以上に。午後7時現在も100台以上が出発できるめどが立っていない。静岡県の40代の男性運転手は「8日に稚内での仕事を終え、きょう苫小牧から横浜まで帰る予定だったが欠航だったので函館まで来たが、ここでもキャンセル待ちで困っている」と頭を抱えていた。

 このほか、同フェリーの大間―函館間3便と、ハートランドフェリーの江差―奥尻間4便も欠航した。

 渡島教育局によると、同日函館養護学校と七飯養護学校が休校となったほか、函館聾学校が始業時間を2時間繰り下げた。


◎きょうは銭湯の日 花園温泉ネコ番頭「グレ」

 10月10日は「1010」で銭湯(千・十)の日。天然温泉かけ流しの名湯で知られる函館市花園町40の「花園温泉」(笠井清美社長)には、名物番頭がいる。雄ネコのグレだ。「冷え込み始めた秋に熱い湯で温まってニャン」と毎日来客を歓迎する。

 グレは元野良猫。3年前の夏に温泉近くで捨てられているのを笠井トキ専務(73)が助けた。おとなしく、人懐こい性格が買われ、温泉正面玄関の一角で“番頭”を務める。

 午前5時から夜中の午前零時までの営業時間中、玄関ロビー付近で寝て過ごす。「グレちゃんが見たくて」と常連客のアイドルになっている。

 肌寒さが増したことから、温泉の熱気が伝わる休憩室ソファで体を丸めてすごすことが多い。受付前を通るときは必ず5、6回泣き声を上げる。「賢いから、『休憩中、お邪魔します』と言っているようだ」と笠井専務。

 花園温泉は今年11月2日で開業45周年を迎える。笠井専務は「長年にわたり、地域に支えられている。感謝感謝の思いで、本当にありがたい。節目を迎えるにあたり、お客さまに何らかの形で還元したい」と企画を練っている。

 大人(中学生以上)420円、小学生140円、未就学児70円。露天風呂、高温・低温・子ども風呂、サウナを備える。

 併設の食堂は平日午後3時―同11時、日・祝日は正午―午後11時。月曜定休。場所は産業道路沿い。TEL0138・51・1310。(田中陽介)


◎新型インフル 秋の学校行事にも影響

 新型インフルエンザの影響で、函館市内の学校や高等教育機関の関連イベントが順延や中止を余儀なくされている。学芸会・学校祭シーズンまっただ中の小、中学校で延期が相次いでいるほか、9日に予定されていたはこだてカルチャーナイトが中止となり、参加に向けて練習に励んでいた函館深堀中合唱部関係者を落胆させた。

 学級閉鎖が続いた函館青柳小(加藤潔校長)では、9日に予定していた学芸会を1週間延期することに。急きょ全保護者に開催日の変更を通知し、近隣の児童館には拡大防止に向けた協力を要請した。

 宇佐美雅司教頭は「全児童が集まれないので児童会認証式を放送に切り替えるなどしている。学校行事が狂うので対応が大変」と話す。

 函館駒場小(伊勢昭校長)では、感染防止を理由に3日の予定を日曜参観のある12月6日に変更。学校祭で全校生徒がミュージカル「キャッツ」を披露する函館光成中(小橋誠太郎校長)もキャスト役の3分の1が感染し、3、4日の開催を17日に延ばした。

 函館深堀中(大西正光校長)は9日に市役所で予定された音楽コンサートに合唱部が出演するはずだった。同部は9月の全日本合唱コンクール道支部大会もインフルエンザで全員参加がかなわないのを理由に出場を辞退しており、大西校長は「ただ残念としか言いようがない」と肩を落とす。

 このほか、函館工業高等専門学校が運営を担当する「全道高専ロボットコンテスト2009」も11日から11月1日に順延となり、整理券を配布した市民への電話連絡などの対応を行った。(新目七恵)