2009年10月11日 (日) 掲載

◎道央道 八雲―落部IC開通

 【八雲】道縦貫自動車道(道央道)の八雲インターチェンジ(IC、八雲町立岩)―落部IC(同町東野)間16キロが10日、開通した。函館と道央圏のアクセスが一段と向上し、道南の経済・観光振興、災害時の代替輸送路として期待が高まる。6年後に迫る新幹線時代に対応した高速交通網の完成がまた一歩近づいた。

 道央道の函館方面への延長は、2006年11月の国縫―八雲IC間(21.7キロ)の開通以来、約3年ぶり。開通区間は1999年に着工し、総工費は324億円。今回の開通で札幌―函館間の所要時間はこれまでより5分程度短縮される。

 開通に先立ち、八雲IC寄りの開通区間上で行われた式典には、関係者約250人が出席。道内選出の国会議員らによるテープカットに合わせ、地元の八雲小の児童らがアーチの上のくす玉を割り、公募した八雲町民らを含む関係車両が次々と落部ICまでパレードした。

 一方、落部ICには午後3時の開通前に20台以上が待機の列をつくった。同IC構内で行われたセレモニーでは1番乗りした北広島市の無職永宮利幸さん(67)ら5番目までのドライバーに認定証や地元の特産品などが贈られた。

 永宮さんは午前3時半に自宅を出発し、同8時に到着。「自己満足だが、一番は最高に気持ちがいい。道内の高速では珍しい海沿いの風景を堪能しながら、安全運転で帰りたい」と満足げに先頭で本線に流れ込んでいった。

 東日本高速道路北海道支社は、同区間で一日平均2100台の利用を見込んでいる。同区間の料金は普通車550円だが、11月10日まで開通記念で300円となるキャンペーンも実施中。函館方面に続く落部―大沼IC間(29.8キロ)は2012年度の完成を予定している。



◎20日からウラジオに訪問団派遣

 函館市と函館市議会は20―25日の日程で、姉妹都市のロシア・ウラジオストクへ公式訪問団を派遣する。ロシア極東国立総合大学が創立110周年を迎えるにあたり、同大から招待を受けての派遣で、記念式典への参加や同大関連施設の訪問などで交流を深める。同時期には中学生海外派遣事業として、市内の中学生21人も同市を訪れる。

 同市への訪問団派遣は2年連続で、西尾正範市長は同時期に観光プロモーションの一環で韓国を訪問することから、今回は工藤寿樹副市長を団長に、能川邦夫市議会副議長ら6人が参加する。

 現地ではプシカリョフ・イーゴリ市長らへの表敬訪問や、21日に開かれる極東大の創設110周年記念式典と記念パレードを視察。同校付属の東洋大学、観光大学、ロシア語学校なども訪問し、函館校への留学経験がある学生らと交流する。

 これに加え、同市に近いルースキー島が2012年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の会場となることから、島内で進む各種開発の状況も視察する。同会議の終了後には、極東大の新キャンパスが移転し、各施設を活用するという。

 また、中学生のウラジオ派遣は2年ぶり6回目。18日に函館を出発し、韓国・仁川を経由して19日にウラジオ入り。現地でホームステイをしながら、学校や日本総領事館などを訪れる。

 市教委によると、本年度の中学生海外派遣は当初、同じく姉妹都市のユジノサハリンスク市(ロシア)とレイク・マコーリー市(オーストラリア)を予定していたが、ユジノ市は函館との定期便運航が休止中であり、レイク市は春先に新型インフルエンザが流行したため、7月までに派遣を見合わせていた。今回は工藤副市長らの訪問に合わせる形で実現する。

 市教委は「ウラジオ市側も好意的に受け入れてくれ、ありがたいこと」と話している。



◎鉄道ざんまい はじける笑顔 鉄道の日イベント

 14日の「鉄道の日」にちなみ、JR北海道の五稜郭車両所(函館市港町1)が一般公開された。大勢の家族連れが訪れ、ミニSL弁慶号の乗車体験や普段見られない施設の見学を楽しんだ。北海道新幹線新函館開業対策推進機構による共催イベントで、来年の新青森開業に合わせて商品化を目指す「北海道新幹線アイデア弁当」の試食会も行われた。

 「鉄道の日」は、1872(明治5)年10月14日に東京・新橋―横浜間で国内初の鉄道が開通したのを記念して制定された。JR函館支社では、鉄道を市民に身近に感じてもらおうと、毎年イベントを開催している。

 この日は敷地内の特設レールの上を往来するミニSL弁慶号の乗車体験が一番人気。幼児や小学生の行列が途絶えることはなく、乗車した子供たちは満面の笑みで保護者に手を振り、記念撮影してもらっていた。同市東川町の永江秀聡ちゃん(5)は「機関車が黒くてびっくり。走るのがすごかった」とにっこり。線路上での補修・点検時に作業員の移動手段となるレールスターの乗車体験なども人気を集めていた。

 このほか車両展示では、今年初めて振り子特急「281系スーパー北斗」の車体傾斜を体感できる乗車体験を実施。路線を走行する列車に障害物が触れないよう測定する「建築限界測定試験車」も展示され、カメラに収める愛好家の姿もあった。

 併せて行われた「北海道新幹線アイデア弁当」の試食会では、抽選で当たった150人に無料でハーフサイズの弁当を配布。アンケートを実施し、同機構は「多くの人に試食してもらい、アンケート結果を改良を加える材料にしてよりいいものを商品化したい」と話していた。


◎歩け歩け大会で町民が心地よい汗

 【乙部】体育の日(12日)にちなんだ「第20回町民歩け歩け大会」(町教委主催)が10日、町内で開かれた。約150人の参加者が澄み切った青空の下、ウオーキングを楽しんだ。

 姫川沿いの田園地帯をめぐる「チャレンジコース」(7キロ)など3コースに分かれ、スタート地点の町民体育館を出発した。

 姫川沿いのコースでは参加者が、色付き始めた山並みや急ピッチで進む稲刈りの様子を眺めながら、心地よい汗を流していた。ゴールでは町食生活改善推進委員会のメンバーが心尽くしのサケ鍋を提供。参加者は旬の味覚に舌鼓を打ちながら、好天に恵まれた秋の一日を楽しんでいた。

 町は、2本のポールを地面に突きながら歩く「ノルディックウオーキング」の普及に取り組んでいる。大会でも自前のポールを持参した参加者が多く、貸し出し用のポールでノルディックウオーキングを初めて体験する人も。スキーのストックに似た2本の専用ポールを使うことで、通常のウオーキングよりも体脂肪を効果的に燃焼させるほか、転倒防止や足腰の負担軽減にもつながるという。

 普及に取り組んでいる生田晃吉さんは「2本のポールを使えば驚くほど歩くスピードも速まる。効果を実感することで町内のすそ野が広がれば」と話していた。


◎美声で聴衆を魅了 大石まどかミニライブ

 函館出身の演歌歌手で、はこだて観光大使も務める大石まどかさん(サンミュージック所属)が10日、五稜郭タワー(函館市五稜郭町43)の1階アトリウムで凱旋ミニライブを開き、多くの地元ファンや観光客を美しい歌声で魅了した。

 今年4月発売の「露地しぐれ」が好調で、オリコン演歌部門初登場3位、9週連続トップ20位を記録。今回のライブはヒット記念と函館をPRするため行われた。

 あでやかな白の着物姿で大石さんが登場すると、会場に集まった約200人の観客からは歓声と大きな拍手が起こった。代表曲「春待ち花」では曲中に「まどか」と名前の掛け声が掛かると、大石さんも満面の笑みを浮かべ、計6曲を披露した。

 大石さんは「地元ライブはお客さんが温かいから歌にも一層気持ちがこもる」とほほ笑んだ。また、10年来のファンという主婦2人は「生歌はやっぱり最高」と話し、大石さんからサインを受け取り大満足の様子だった。