2009年10月20日 (火) 掲載

◎マリーゴールド見ごろ

 【七飯】七飯町の畑では、病害虫対策として栽培されているマリーゴールドが黄色やオレンジ色の花を咲かせ、見ごろを迎えている。

 同町では、ニンジンやダイコンなど根菜類に害を及ぼすセンチュウ類を防除するため、1990年ごろから、マリーゴールドの試験栽培が始まった。咲いた花ごと土にすきこむことでセンチュウを死滅させるほか、緑肥にもなる。

 防除効果が実証されたことで作付面積は次第に広がり、農薬に頼らない環境保全型の農業として定着。秋の風物詩として町の景観形成にも一役買っている。

 町農林水産課によると、今年は大中山や鳴川などの畑約50㌶に作付けされた。例年は10月中旬に入ると、すきこみが始まるが、7月の長雨の影響で種まきが遅れたため、開花も例年より遅め。まだまだ満開の花を楽しめそう。(鈴木 潤)



◎漁獲高7万1580トン、前年比10%減…函館市 昨年の水産物

 函館市は昨年1年間の水産物の漁獲高をまとめた。函館と戸井、恵山、椴法華、南茅部各地区の合算数量は7万1580トンで、前年比10・2%減。同じく金額は211億6070万円で同4・9%減となった。市は「昨年の原油高騰の影響が落ち込みにつながった」とみている。

 主力産品のイカをみると、数量で4万743トン(同1.5%減)、金額で73億94万円(同8.7%減)と落ち込んだ。地区別では函館が1万4133トン(同1.5%減)、33億6716万円(同8.6%減)と、ともに前年を下回ったが、旧4町村では軒並み数量、金額とも前年を上回った。

 市水産課は函館地区の落ち込みについて「原油価格高騰に伴い、遠方の漁場を避ける傾向が強かった」とする一方、旧4町村地区に関しては「秋口に日高沖、胆振沖でイカの漁場が形成され、そこで漁を行った船はかなり高かったのでは」とみる。

 また、戸井地区を中心としたマグロの漁獲高は94トン、4億5621万円にとどまり、前年の290トン、10億6488万円から大きく減少。「マグロが不漁のため、イカ漁にシフトした漁業者が多かったことの表れでは」(同課)とみている。

 一方、コンブは市全体で5208トン、78億9932万円でともに前年を上回り、中でも全体の約6割を占める南茅部地区では3326トン(同13.7%増)、47億1300万円(同5.1%増)と豊漁だった。同課は「2006年の低気圧の影響で天然コンブの資源数が減少したが、2年経過して回復傾向にある」と話している。

 また、これとは別に、市水産物地方卸売市場における取り扱いをもとにした昨年1年間の水揚げ高は4万5602トン(同3.7%減)で、前年同様に全国17位だった。金額は195億7900万円(同8.0%減)で同13位となり、前年の11位からダウンしている。数量は道内では釧路、根室に続き3番目、金額は根室に次いで2番目の高さだった。(千葉卓陽)



◎エイチ・ビー観光がバスに新型インフル抑制の空気清浄機を搭載

 貸し切りバス事業を展開する函館バスグループの「エイチ・ビー観光」(函館市高盛町)は、所有する15台(大型14、中型1)のバスすべてに、新型インフルエンザの感染力を抑制する空気清浄機を導入した。三洋電機(大阪)と群馬県衛生環境研究所の共同研究で効果が確認された製品で、貸し切りバスに搭載されるのは道内で初めてという。

 同社は道内観光ツアーのほか、道南の学校行事、町会や企業の旅行などで貸し切りバスを運行。10月に入り、インフルエンザによるキャンセルが出るなど、流行がピークを迎えたことを受け、導入を即決した。

 同製品は水道水を電気分解して作る「電解水」を霧状にして放出し、空気中のウイルスやカビ、アレルギー物質などを除去する。三洋電機と群馬県衛生環境研究所が「電解水」に感染者から採取したウイルスを10分間接触させる実験で、感染力を99%抑制する効果を実証した。

 高さ約17.5センチ、幅が約6.4―7.4センチと小型だが、1分間で6畳相当の空間に霧状の電解水を拡散。バスだと3、4分の稼働で車内に行き渡る。エイチ・ビー観光では、車内の乗降口に近い運転席の後ろに設置。13日から順次取り付け、20日に完了する。

 赤地照義専務は「水道水を使用するので体に害がない上、維持管理コストもあまりかけずに新型インフルエンザを予防できるメリットは大きい。きれいな空気の中でバス旅行を楽しんでもらいたい」と話している。宮木佳奈美)


◎ポルトガルの民謡歌謡や料理楽しんで…あす「旧機械工場レストラン」

 中央ふ頭に一夜限りのファド(ポルトガルの民族歌謡)の調べ―。ポルトガル風料理やお酒を味わいながら、日本を代表するファディスタ(ファド歌い)月田秀子さんの情熱の調べを堪能する「旧機械工場レストラン」(サクセンカイギ社主催)が21日、函館市海岸町22の特設会場で行われる。その名の通り、旧機械工場を改装した個性的な空間の中で繰り広げられるイベントで、主催者代表の高見澤さちよさんと宮脇勇太さんは「ポートワインを片手に月田さんの素晴らしい歌声に耳を傾けてほしい」と来場を呼びかけている。

 イベントを企画したサクセンカイギ社は、2007年に函館市大門で廃墟となっていた「キャバレー未完成」を一夜限り復活させて話題を呼んだ。また、今年8月には函館開港150周年でにぎわう緑の島で八代亜紀やジャズミュージシャンらによるコラボレーションステージ「青函帯」を成功させるなど、次々と意欲的なイベントに取り組み、函館の町を盛り上げている。

 今回は、ポルトガルの民族歌謡「ファド」の日本の第一人者である月田さんのツアーの一環で、「雰囲気のある場所で哀愁のメロディーを味わってもらいたい」(高見澤さん)との思いから、機械工場や倉庫などとして使われている建物を変身させ、市内のフランス料理店「ラ・メゾン・ド・カンパーニュ」がポルトガル風料理を、「大門バー ジェイズ」がお酒を提供する。

 開演は午後8時だが、午後7時までの入場が必要。料金は食事とポルトガルワイン付きが7500円(前売りのみ)。ワンドリンク付きが4500円(当日は500円増し)。チケットは市内の松柏堂プレイガイドなどで取り扱っている。問い合わせはサクセンカイギ社TEL080-3293-7620。 (小川俊之)


◎出所後の就職バックアップ…関連団体がNPO法人設立

 再犯防止の観点から、犯罪者や非行少年の経済的自立を促すNPO法人「函館就労支援事業者機構」の設立総会が19日、函館市新川町の函館地方合同庁舎で開かれた。来年3月上旬までに道の認証を得られる見込みで、社会の中で更生を目指す犯罪者らの就業機会拡大や事業主の協力拡大を目指す。

 統計では、再犯者比率は約4割とされ、全発生事件の約6割を再犯者が占めると言われている。受け入れる企業に対する支援、地域の理解が乏しいことなどを背景に、出所後の就業機会が少なく、容易に経済的自立ができないことが再犯につながっている背景がある。1月には経団連の協力で「全国就労者支援事業者機構」が発足。今後、全国の保護観察所がある50カ所に同様の地方組織が立ち上がる。

 函館では、函館商工会議所をはじめ、管内の企業や更生保護関連団体19会員が加盟。設立総会で同機構の定款を定めたほか、小野建設(函館市亀田本町)取締役会長の小野善男さんが会長に就任した。また、2003年に設立し、函館地域で犯罪者らの受け入れに協力してきた「函館更生保護協力事業主会」(寺井富治会長、会員数87法人・個人)は今後、同機構に合流するため、発展的解消をする方針が示された。

 同機構は、NPO法人としての認証が得られた後、新年度から、協力事業主の新規開拓や企業に対する助成事業、出所後の資格取得、居住環境支援の事業を本格的に展開する。(今井正一)