2009年10月21日 (水) 掲載

◎函館題材のレコード展示

 函館を題材としたレコードやCDを収集する「函館の歌謡曲コレクションの会」(大寺章吉会長)による初の展示会が25日まで、五稜郭タワー(函館市五稜郭町)で開かれている。19日には函館出身の歌手によるミニコンサートも行われ、会場は多くの市民や観光客らでにぎわった。

 同会は函館を舞台にした膨大な歌謡曲を、貴重な娯楽文化・情報文化として収集・保存するとともに、観光などにも積極的に活用していこうと、市内のレコードコレクターや音楽関係者らを中心に今年8月に発足。名誉会長に函館出身の演歌歌手、佳山明生さんを迎えている。

 当初は個人のコレクションを中心にした60曲程度だったレパートリーが、市民からの寄贈などにより200曲以上に拡大した。今回はそのうち70数曲のジャケットを解説とともに展示。同時に、函館の古い街並み写真や石原裕次郎が出演した函館ロケの映画スチールのパネルも飾られている。

 連動イベントとして19日には、函館出身の演歌歌手、近江亜矢さんや高松俊行さんら6人によるミニコンサートも開かれた。近江さんは「函館ブルース」、高松俊行さんは「函館本線」「立待岬」など函館にゆかりの深い名曲を熱唱。また、函館出身でアイドル歌手として活躍した谷ちえ子さん(東京在住)も特別出演し、デビュー曲の「花の女子校数え歌」で会場を盛り上げた。

 同会の設立理事の一人で、FMいるかパーソナリティーの橋本孝さんは「今回の展示は会の存在を多くの人に知ってもらうとともに、さらに楽曲の数を増やすことが目的。最終的にはコレクションの閲覧や視聴が自由にできる施設を設置し、函館の貴重な文化・情報資源として活用していきたい」と展望を語った。

 なおミニコンサートは23日も午後1時と午後2時15分からの2回実施する。入場無料。(小川俊之)



◎子どものインフル流行で休日の小児科医体制充実へ

 新型インフルエンザが特に子どもの間で猛威を振るっている状況を受け、函館小児科医会(児島宏典会長)は20日までに、休日当番医における小児科医療体制の充実を図る方針を固めた。現行の函館市内1人体制から、北斗市、七飯町を含む2市1町の広域における2人体制に増やしたい考え。今後、各自治体の関係者に協力を要請する。山田豊副会長(函館中央病院臨床顧問)は「緊急臨時的なことなので急いで医師会と調整したい」と話している。

 山田豊副会長によると、市内の病院や小児科開業医には連日患者が詰め掛けており、日曜や祝日の診療を担う休日当番医の病院でも数時間待ちの状態があったり、市夜間急病センター(市総合保健センター内)も通常より遅くまで診療時間が掛かるなど医師の負担が増している。

 渡島管内では圧倒的に子どもの感染が多いことから、同会は18日に臨時幹事会を開いて対策を検討。休日当番医の小児科医を増やすため、近隣自治体も巻き込んで医療体制を強化することにした。19日に同センター運営委で方針を示しており、函館医師会を通じて渡島医師会にも協力を要請する予定。

 休日当番医は、現行では函館、北斗、七飯の医師会がそれぞれ運営。函館では市内を西、北、東部の3地域に分け、地域内の医療機関が担当を回しており、うち1カ所で小児科が担当している。

 山田副会長は「感染拡大は予想以上。休校や学級閉鎖で示された自宅安静期間は外出を控え、他人に移さないようにしてほしい」と話し、「子どもの場合、けいれんや意識不明など脳症につながる症状や呼吸困難などに注意してほしい」と呼び掛けている。(新目七恵)



◎函館市、ブルーインパルスの飛行を要望

 今年8月に行われた函館開港150周年記念事業のメーンイベント「ドリームボックス150」の目玉行事だった、ブルーインパルスの祝賀飛行が中止になったことを受け、函館市が自衛隊函館地方協力本部(東井勇治本部長)に、来年度の展示飛行を要望したことが20日、分かった。函館では初披露となるはずだった編隊飛行を楽しみにしていた市民も多かっただけに、市は「函館の活性化に向け、改めて飛んでほしい」と話している。

 ブルーインパルスは航空自衛隊第4航空団(宮城県東松島市)の第11飛行隊の通称。展示飛行専門の部隊で、6機の訓練機が上空で華麗な編隊飛行を繰り広げる航空ショーを全国各地で行っている。

 函館では「ドリームボックス」の呼び物として初開催が決まり、8月7日には市内上空でリハーサルも行われたが、本番当日の8日は上空が厚い雲に覆われ、無念の中止となった。

 要請は今月上旬に谷沢広副市長らが東井本部長に対して行った。同本部はこれを受け、防衛省の航空幕僚監部に要望書や資料を提出している。同本部によると、ブルーインパルスの飛行を求める要望は今月いっぱいが提出期限で、同監部は全国各地からの要望を受け、年度内の来年3月までに来年度の飛行計画を決定する。

 ブルーインパルスの展示飛行は航空基地外での実施は全国で年間5カ所程度といい、大規模な集客が見込まれる場合や、イベント性の高い場合などに限られる。市などは来年度に飛行が実現する場合、8月に開かれる港まつりの時期を想定している。

 谷沢副市長は「市民の期待も大きかっただけに、中止は本当に残念だった。来年は150周年からの新たなスタートの年であり、函館を元気づけるものとして飛んでもらえれば」と話している。(千葉卓陽)


◎映画「わたし出すわ」プロデューサー来函、きょうから市電でパネル展など

 森田芳光映画監督の最新作「わたし出すわ」(2009年)の公開を前に、プロデューサーの竹内伸治さん(48)が20日来函した。21日からは市電で、パネル展や函館市の観光PRキャラクター「イカール星人」が登場するユニークな宣伝映像の上映が始まる予定で、竹内さんは「見終わった余韻も楽しんで」と映画をPRしている。

 映画は女優小雪さん主演。突然帰郷した女性(小雪さん)が同級生の「夢」や「希望」の実現のために大金を渡す…という内容で昨年11―12月に函館ロケが行われ、市民エキストラも多数参加した。函館では31日から本町22のシネマアイリスで上映される。

 今回、公開に合わせて映画の重要シーンにもなった市電のPRイベントを企画。車体広告を載せた「わたし出すわ号」の車内では、函館各地でのロケ風景を紹介するパネル展示を11月4日まで実施。さらに、宣伝映像やわたし出すわ号が完成するまでを追った4種類の動画を放映。動画の随所にはイカール星人が顔を出すようオリジナル制作した。当面1台で放映し、11月中には15台まで増やす計画だ。

 竹内さんは「函館は空気感が良く、観光には最高の土地。小雪さん含めキャストもスタッフもほれ込んだ」とし、「映画は毎日使うお金と幸せの関係を考えさせる作品」と話している。同日、シネマアイリスでは関係者向けの試写会が行われた。

 上映に関する問い合わせはアイリスTEL0138・31・6761。(新目七恵)


◎函館・江差自動車道の北斗中央―富川IC、来月14日供用開始

 【北斗】函館開発建設部が建設を進める「函館・江差自動車道」の北斗中央インターチェンジ(IC、北斗市中野通、旧上磯IC)―北斗富川IC(同市柳沢)間4・6キロが、11月14日午後1時に供用を開始する。国道228号の混雑緩和や所要時間の短縮などの効果が期待される。

 函館・江差自動車道は函館ICから北斗市、木古内、上ノ国町を経て江差町までを結ぶ総延長約70キロの自動車専用道路。今回の開通区間は舗装工事などをほぼ終え、照明や標識など電気設備を取り付ける仕上げに入っている。

 片側1車線(暫定)で、最高速度は70キロ。函館IC―北斗富川IC間の所要時間は現行より5分程度短縮する。朝夕の国道の混雑分散のほか、救急搬送時の迅速性、安全性の向上、水産物を中心とした物流の効率化などが期待される。

 同開建函館道路事務所は「富川ICは国道から迂回(うかい)感なく乗ることができる。渡島南西部から函館の市街地や七飯、札幌方面への利便性も高まるはず」としている。開通日は午前10時半から、北斗市総合文化センターで記念式典を行う。北斗富川ICから先は、茂辺地IC、木古内ICまで約21キロの事業化が既に決まっている。(森健太郎)