2009年10月23日 (金) 掲載

◎道南ゆめぴりか初出荷

 【北斗】道産ブランド米の新品種「ゆめぴりか」の初出荷が22日、北斗市村内の函館育ちライスターミナルで行われた。今夏の天候不順で収量が少なく、品質基準に満たないコメも見られたが、出荷されたのは全量一等米。生産者らの期待を乗せ、道南産の新たな高級米が道央圏に送り出された。

 ゆめぴりかは今年道南では森町や今金町など約200ヘクタールで作付けされ、同施設には19日に森町内の農家20戸から102.3トンが持ち込まれた。この日までに乾燥やもみすり、等級検査などを経て袋詰めされ、石狩市内のホクレンの工場に向けてトラックに積み込まれた。

 同施設ではもみのまま集荷したコメを乾燥させ、玄米にして卸売業者に出荷する。ゆめぴりかはうま味を決めるとされるタンパク質の含有率が「コシヒカリ」に近い6.8%以下とする厳しい基準があり、冷夏による不作も重なって今季の出荷量は計約18.4トンにとどまった。

 新函館農協米穀課の三浦治係長は「ひとまずは6.8%(の基準内)がしっかりと出てほっとしている。今年は天候にも悩まされたが、出荷されたものは前評判通りの味が期待できそう」と話していた。(森健太郎) 初出荷された道南産のゆめぴりかを袋詰めする職員



◎新型インフル・医療従事者対象のワクチン きょうから道内初接種

 新型インフルエンザワクチンの医療従事者を対象とした予防接種が、道内でも23日から始まる。しかし、接種希望者が当初の予想を大幅に上回ったことによる道の取りまとめ作業の遅れなどで、前日の22日にようやくワクチンが納入される現場がほとんど。このため、函館市内の医療機関では、大規模病院を中心に準備作業に手間取り、本格的に接種が行われるのは週明けにずれ込む見通しとなっている。

 今回、道が医療従事者用に確保したワクチン約7万4800人分対し、希望数は約14万人分。このため道は、病院については従事者数の8割、有床の診療所には最高20人分、無床の診療所には最高10人分をめどに、納付数を調整した。

 市立函館病院(函館市港町1)では職員約700人分のワクチンを希望したが、22日までに納付されたのは約半分。同病院総務課では「対象人数が多いので27日から約1週間かけて接種を行っていく」という。亀田病院(同昭和1)も納付数が希望数を下回ったため、22日に開いた会議で優先順位を再検討し、26日からの接種開始を決めた。

 無床診療所のあんざいクリニック(同本町3)では、15人分のワクチン希望に対し、22日夕方に届いたのは10人分。同クリニックでは23日に接種を行う予定で、安斎由紀子副院長は「ワクチン接種によって、診察する側とされる側双方に安心感が生まれてくれれば」と期待する。(小川俊之)



◎本町地下道入り口に命名…五稜郭商店街振興組合 小学生から募集

 函館市内の五稜郭商店街振興組合(小島正彦理事長)は本町交差点の地下道入り口の名称を近隣小学校から募り、22日に同組合や道路管理者の道などで構成する選考委員会で決定した。入り口6カ所それぞれに子供たちが考えた夢ある名前が付けられ、小島理事長は「地下道の活気を取り戻すきっかけにしたい」と話している。

 決定した名称は「ペリーさんの通り道」(旧グルメシティ五稜郭店前)、「ふれあいゲート」(丸井今井函館店前)、「スマイルパークゲート」(カメラのカナミ前)、「ゆめのにじゲート」(美容室クープアン前)、「にこにこゲート」(北海道銀行前)、「五稜郭ゲート」(北洋銀行前)。

 子供たちの発想で親しみやすい名前を付けてもらおうと9月25日から10月15日にかけ、函館柏野、千代ケ岱、千代田の3小学校に呼び掛け、126点の応募があった。小島理事長をはじめ、函館土木現業所、市、市教委、本町町会の代表者5人が選考委員となり、最終的に各校から2点ずつ選考。ほのぼのとした名前や五稜郭にゆかりのある名前が選ばれた。

 地下道は1969年に丸井今井と旧グルメシティを結ぶ通路として造られ、73年に拡張されて現在の形態となった。長年、中心商店街を訪れる市民に利用されてきたが、グルメシティの閉店後は人の往来が減っていた。命名を機に、大雨での冠水や事故に備え、場所を特定しやすくするほか、以前のように人が集まる地下道にし、防犯につなげる考え。年内にも地下道を管理する函館土現が入り口の上屋と地下道内の壁に、名前の入ったプレートを取り付ける。(宮木佳奈美)


◎香雪園 初のライトアップ…24-11月15日 展示体験会やミニコンサート

 この秋は幻想的な紅葉を函館市内で楽しめる―。同市見晴町の香雪園(見晴公園)のモミジ並木を夜間ライトアップする初めてのイベント「はこだてMOMI―Gフェスタ」(函館市、函館市住宅都市施設公社主催)が24―11月15日、同園で開催される。期間中はライトアップのほか、押し花や絵手紙の展示体験会や、ミニコンサートなどさまざまな催しが行われ、秋の夜長を満喫することができる。

 道内唯一の国指定文化財庭園である同園の美しい紅葉を、夜間もライトアップして多くの人に見てもらおうと企画。昨年秋に試験点灯したところ、約2000人の市民が訪れ好評だったことから、ことしはイベントも併せて開催することにした。これに先立ち、19日には試験点灯も行われた。

 期間中は毎日午後4時半―同10時にライトが点灯する。イベントは24―31日に押し花展示体験会、8―15日に絵手紙同が開かれ、いずれも展示は午前9―午後6時半、体験会は午後1時半―午後6時半。両方とも講師の指導の下で、実際に作品作りを楽しめ、事前の申し込みは不要。

 ミニコンサートは市内で活躍するアーティストが日替わりで登場し、時間は31、11月1日は午後5時半、そのほかは同5時開始(30分程度)。このほか、市内主要公園を題材とした写真展や、函館にちなんだ手づくりグッズの販売も行われる。場所はいずれも同園内の見晴公園緑のセンター内で開催する。

 同公社の担当者は「紅葉だけでなく、園内の建物もライトアップされ普段とは違った情景になるので、ぜひ多くの人に楽しんでもらいたい」と来場を呼び掛けている。問い合わせは同公社花と緑の課TEL0138-40-3605。(山田孝人)

 ミニコンサートの日程は次の通り(かっこ内はジャンルなど)。

 ▽24日 FreeSpirit(ジャズ)▽25日 Paternity(同)▽26日

 M・Kazuhiko(ギター弾き語り)▽27、11月6日 フィオリ・ムジカーリ(リコーダーアンサンブル)▽29、30日 浅井のぶ、武部信(弾き語り)▽31日 アンサンブル・アダージョ(弦楽四重奏)▽11月1日 雅明会(邦楽)▽2、5日 佐藤朋子(ソプラノ独唱)▽3日 木村優斗(弦楽器)▽4、9、10日 MASATORU(弦楽器)▽7日 アンサンブル木精(クラシック)▽8日 Three for Autumn(ジャズ)▽11、12日 谷目基(手回しオルガン)▽皆吉恵理子(三線)▽15日 グラシアス(合奏)


◎函館夢弁当きょうから発売…開港150周年テーマに和洋2種類

 道南を中心とする地域の食材をふんだんに盛り込んだ「2009年函館夢弁当」が23日から、函館市内・近郊のハセガワストア全14店舗で販売される。地産地消を目的に2001年から始まったハセガワストア、函館短大付設調理師専門学校、FMいるかの共同企画で、今年は函館開港150周年をテーマに和風、洋風の2種類を用意した。

 メニューは和風がハセガワストアグループの製造会社「ハセガワデリカ」の三橋信雄社長、洋風は同校の吉田徹教頭が中心となって考案した。ペリー提督が函館の水産資源に関心を持ったという史実から、和風メニューはサバの南部揚げ、ホタテシューマイなど北海道近海の魚介類が中心。ご飯は道産ブランド米の新品種「ゆめぴりか」を使用し、キノコご飯やサンマの竜田揚げのせなど4種類が味わえる。

 洋食メニューは白花豆と豚の塩漬けを煮込んだボストンベークドビーンズなどの肉料理、小エビのカクテルソースなどの魚介料理を取り入れたオードブル。ペリー提督の故郷であるアメリカ・ロードアイランド州とその近郊の代表的な郷土料理を基に構成した。

 和風は780円、洋風は980円。企画・広報を担当するFMいるかの斉藤正樹さんは「地元食材をあらためて味わってもらいたい。150年前に思いをはせ、食べてもらえれば」とPRしている。

 販売期間は11月1日まで。和風は店頭販売で予約も可能。洋風は1日50食限定の予約販売で、26日まで注文を受け付ける(引き渡しは30日―11月1日)。(宮木佳奈美)