2009年10月27日 (火) 掲載

◎新型インフル対策、国立大、入試で追試

 社団法人国立大学協会(会長・濱田純一東大学長)の第17回通常総会が26日、函館市大手町の函館国際ホテルで行われた。新型インフルエンザに感染した受験生らのため、来年度一般入試で特例措置を図るよう各大学に要請する方針を確認した。一方、公立はこだて未来大(中島秀之学長)は31日、11月1日に行う来年度AO入試の追試験を計画。各大学は受験機会の確保に向けた対応策に取り組んでいる。

 同協会は全国の86国立大学法人と4大共同利用機関法人で構成。函館での総会開催は今回が初めて。

 特例措置は来年度限りとし、追試験の実施やセンター試験を参考にした合否判定など各大学が実情に応じて準備する。正規の本試験1週間前から当日までに、受験生が申請書と医師の診断書を提出する認定方法を取るのが原則。総会ではこのほか、センター試験の追試験が本試験の2週間後に変更になることに伴い、成績請求・提供日と推薦、AO入試、前期日程それぞれの結果発表日の期間を1―2日遅らせることを決めた。

 一方、未来大は文部科学省の新型インフル対応方針に沿ってAO入試対策を検討。疑いを含む感染した受験生から30日~11月1日に連絡を受け、12月12、13の両日に追試験を行う予定だ。すでに函館や九州地方などの志願者70人に対応方針を通知しており、同大は「他の受験生の健康管理も踏まえた対応」としている。(新目七恵)



◎上半期の市内新規住宅着工、大幅減

 函館市はこのほど、本年度上半期(4~9月)の一般新築住宅着工戸数をまとめた。それによると、前年同期比402件(34.9%)減の751戸で、2000年度以降最低の水準となった。中でもアパート・マンション、長屋など集合住宅は346戸で、前年(719戸)の半分以下に落ち込んでいる。日銀函館支店は「ここ数年続いた本州資本による着工が落ち着いたのが原因」とし、長引く地域経済低迷に加え、人口減少傾向の影響があると分析している。

 市のまとめによると、一戸建て、長屋と共同住宅を合わせた上半期の新規着工戸数はここ4年間、1000戸前後で推移。昨年は共同住宅が伸びを示し、2年ぶりに1000戸以上を回復していた。

 共同住宅は05年453戸、06年613戸を戸数を伸ばし、07年505戸と落ち込んだが、08年は570戸に持ち直した。しかし、本年度は311戸と一気に下落。この不振が上半期全体に直結した形だ。

 日銀函館支店は「近年、本州の大手資本が新たに進出して着工を伸ばしていたが、その部分がなくなった」と分析。その上で「マーケティングを綿密に行った上で採算性重視にシフトしており、着工ありきではなくなっている」とも話す。

 一方、一戸建ての上半期実績は405戸で、前年同期比6・7%減。同支店は「厳しい経済状況の中でも、比較的堅調に推移している」とみる。

 雇用環境に改善がみられず、住宅ローンを組むことに二の足を踏む住民心理は依然として強いが、同支店は「新築よりも増改築の需要が高い。太陽光発電導入に際して補助金助成や減税などの効果もあり、ハウスメーカーにとっては比較的販売がしやすい状況にある」と話している。(千葉卓陽)



◎財団法人日本民謡協会、声徳会・内村さんに貢献章

 平成21年度民謡民舞全国大会(財団法人日本民謡協会主催)がこのほど、東京の両国国技館で開かれ、江差追分会声徳会函館支部の内村徳蔵支部長(60)=函館市東山2=貢献章の栄誉に輝いた。長年にわたる福祉活動への貢献が評価されたもので、「家族や地域の人の支えのおかげ」と内村さんは喜んでいる。

 17歳のころから民謡に親しんできた内村さんは、一般の人たちに民謡の奥深さを知ってもらおうと指導者として活躍するとともに、老人ホームなどを訪問する活動にも力を入れている。02年にはアフリカ支援協会への寄付を始めるとともに、家族でファミリーコンサートやチャリティーコンサートを行い、福祉活動に力を入れている。

 今回の受章は地域支部の推薦による従来の流れではなく、協会本部が活動内容を直接評価したもの。内村さんは「協会本部に機関紙を送っていたが、記載していた活動実績が協会の目に留まったのでは」と語る。

 今年の春に定年を迎えるまで仕事をしながら、民謡の普及に取り組んできた内村さん。これまで活動を続けることができたのは、妻悦子さん(60)の存在が大きいという。多忙な内村さんに代わり、事務局の仕事を一手に引き受けてきた。コンサートを開くたびに、地域の人が送る暖かな声援も励みになっている。

 今回の受章について内村さんは「家族や会員、地域の人の応援があってこその受章。私は代表していただいただけ。」と謙遜する。今後は「謙虚な気持ちを忘れず、今までどおり歌を聴く人に喜んでもらえるように歌っていく」つもりだ。(黒田 寛)


◎9月の函館港貿易、輸出3カ月ぶりマイナス

 函館税関は26日、9月の函館港貿易速報を発表した。輸出は船舶や一般機械などが減少し、前年同月比72.0%減の9億5900万円と3カ月ぶりにマイナスとなった。輸入は小麦、魚介類・同調整品などが減少し、同73.4%減の5億7500万円と2カ月連続で前年実績を下回った。(宮木佳奈美)

 輸出の品目別では、船舶は中古1隻のみで、リベリア向けの新造船1隻(29億4900万円)があった前年を下回り、前年同月比97.5%減の7500万円。さらに前年にフィンランド向けの木材加工用機械(2億2100万円)があった一般機械が全減となった。

 輸入は小麦がゼロで、米国からの小麦(3億7100万円)があった前年から大きく減少。ロシアからのサケ・マスなどの魚介類・同調製品が前年同月比55.0%減の3億4100万円、石炭が同91.8%減の6900万円となるなど、主要品目が全体的に前年を下回った。

 同税関管内(道内と青森、秋田、岩手の東北3県)は、輸出が前年同月比10.3%減の471億7000万円、輸入は同45.4%減の1084億3600万円で、いずれも11カ月連続のマイナスとなった。

 輸出は中南米向けの船舶、ロシア向けの中古自動車、東南アジア向けの紙・板紙などが減少。一方、カナダ向けの加熱用・冷却用機器、マレーシア向けの鋼管が大幅に増加したため、一般機械と鉄鋼が2カ月ぶりに増加した。輸入では原油・粗油、トウモロコシとも数量は順調に回復しているものの、国際価格が下落し、前年の価格高騰の反動から額が半減し、マイナスが続いている。


◎北斗市、新駅北口整備で用水路移設提案

 【北斗】北斗市議会の新幹線建設促進調査特別委員会(中井光幸委員長)が26日、市役所で開かれ、北海道新幹線の新駅北口整備にかかわり、市は改修予定となっている既存の国営かんがい用水路の移設を提案した。同特別委は市の提案をおおむね了承し、市は近く、用地の地権者や地域住民に合意を求め、関係機関と協議を進める考えを示した。

 市の案は、新駅北側にある用水路約500メートルを、整備が予定されている道道沿いに移設。現用水路が今後の北側整備で支障をきたすことが予想されていることなどから提起した。

 同用水路の改修事業は2006年度から14年度までの工期で国費で行われいる。市によると、函館開発建設部との事前協議で水路の移設は可能との回答を得ているという。移設に伴う用地買収や追加費用について、市がどの程度負担するのかは未定。同特別委は「関係機関に負担軽減を求めながら移設実現を目指したい」とし、市も特別委の意見を踏まえ協議を進めていくことを申し合わせた。

 このほか、同特別委が先ごろ、新駅の北口駐車場を整備する計画について見直しを求めたのに対し、所轄の市建設部は要請を重く受け止めるとしたうえで「道南地域の活性化の一大拠点として期待されており、市として必要最小限の機能確保する責任はある。駅南口整備を中心とした市の総合計画と整合がとれるよう対応策を慎重に考えたい」とした。 (鈴木 潤)