2009年10月31日 (土) 掲載

◎米艦 函館港に入港

 米海軍第7艦隊所属の掃海艇「パトリオット」(1312トン)が30日、函館港に入港し、港町ふ頭に接岸した。艦長のウォルト・C・メイナー少佐以下乗員約80人を、海上自衛隊函館基地隊、函館日米協会会員ら約50人が出迎えた。岸壁ゲート付近では、入港時に市民団体による抗議集会も開かれた。

 同艦の寄港期間は11月2日までの4日間で、寄港目的は友好・親善。滞在中は海上自衛隊とのスポーツ交流をするほか、船見町の外国人墓地を訪れる。艦船の函館寄港は米軍艦船では2007年10月以来、それ以外は昨年5月のフランス海軍の試験・測定艦「デュプイ・ド・ローム」以来となる。

 歓迎セレモニーでは、同協会の加藤清郎副会長が「心から歓迎します。函館は開港150周年を迎え、155年前にはペリー提督率いる5隻が入港した。来航を記念してペリー提督の銅像も7年前に建立されているので、ぜひ立ち寄ってもらいたい」とあいさつした。メイナー艦長は「この入港は世界で一番重要な日本との友好関係を反映している」と述べた。また同日には函館市役所を表敬訪問し、渡辺宏身企画部長と高橋良弘港湾空港部長が対応した。

 一方、函館地区連合会など6団体で開いた反対集会では「市民が創る平和な街・函館」と記した横断幕を掲げて、「入港反対」などとシュプレヒコールを上げた。(山田孝人)



◎コメ作況渡島97 桧山92、全道平均を上回る

 農林水産省北海道農政事務所は30日、本年産米(水稲)の作況指数(今月15日現在、平年?100)を発表した。渡島は97、桧山は92で、ともに平年作を下回ったが、全道平均の89に比べると作柄は良かった。全道的な不作をもたらした夏場の低温や日照不足の影響は、道南では最小限に抑えられた。

 10アール当たりの予想収量は、渡島が平年を14キロ下回る472キロ、桧山が同42キロ下回る458キロ。作付面積は全道11万4400ヘクタール(前年比200ヘクタール減)で、このうち渡島が2.6%に当たる2990ヘクタール(同10ヘクタール減)、桧山が3.7%の4200ヘクタール(同30ヘクタール減)だった。収穫時期は渡島が平年より10日遅く、桧山も7日遅れた。

 全体の予想収穫量は、渡島が前年比8.5%減の1万4100トン、桧山が同14%減の1万9300トンの見込み。同事務所は「7月中旬以降の低温や日照不足で、もみに実が入らない不稔(ふねん)が多く発生した。米粒が実る時期の8月下旬も低温が続き、粒も大きくならなかった」と分析している。

 作況指数は網走の57が最も低く、主産地の上川も83にとどまるなど、地域差が出た。渡島は平年割れとなったが、全道では最も高い水準で、同事務所函館統計・情報センターは「道内の他地域に比べて温暖な気候に加え、晩成型の『ふっくりんこ』の作付けが多いため、低温と成熟期が重ならなかったのが大きい」と話している。

 過去の道南の作況指数(確定値)は、冷害に見舞われた2003年に43―44、07年に68―71と落ち込んだが、08年は104―105と豊作だった。(森健太郎)



◎函館タクシー、車内DVDで函館ロケ映画「わたし出すわ」予告編を放映

 森田芳光監督の最新作で小雪さん主演の函館ロケ映画「わたし出すわ」が31日から劇場公開されるのに合わせ、函館タクシー(函館市日乃出町、岩塚晃一社長)は、タクシーや空港シャトルバスの車内で、函館PR動画の人気キャラクター「イカール星人」などが“友情出演”する同映画予告編「イカール星人が出たわ編」のDVD放映を始めた。車内での上映サービスとしては第3弾で、来年2月末まで実施する。(宮木佳奈美)

 DVDは映画予告編のほか、イカール星人動画の「襲来編」と「はこだて激闘編」、函館の景色をスライド上映する作品2本を組み合わせた5本立て。DVDプレーヤー搭載のタクシーに乗務する平井伸一さん(45)は「イカール星人は若い人に大人気。函館ロケの映画を宣伝する機会になる」と話す。

 放映時間は約10分で、午後9時までは客が乗車している間、繰り返し映像を流す。DVDプレーヤーが搭載された同社のタクシー10台、ホテル「チサングランド函館」(宝来町)前からJR函館駅前経由で函館空港まで運行するシャトルバス7台で、動画を見ることができる。

 11月下旬には、はこだてクリスマスファンタジーの開催に合わせ、金森赤レンガ倉庫で開かれる子供たちのクリスマス絵画展の入選作品の映像も加える。

 また1日からは、北斗市(旧大野町)産のマルメロをタクシー87台のほか、ジャンボタクシー、福祉タクシー、空港シャトルバス、フェリーバスに設置。冬の訪れを感じさせる毎年恒例のサービスで、30日までほんのり甘い香りで客を迎える。同社の齋藤博之総務部長は「香りに癒やされながら、DVDで函館のことをよく知ってもらえれば」と話している。


◎総務省顧問に寺島町長ら14人

 【乙部】原口総務相は30日、鳩山内閣の地域主権政策について意見を聴く総務省顧問として、道町村会長の寺島光一郎乙部町長(65)ら14人を起用したことを発表した。

 同日発令されたのは、政府に対する政策提言を行っている橋下徹大阪府知事、松沢成文神奈川県知事、嘉田由紀子滋賀県知事、河村たかし名古屋市長、山田宏東京都杉並区長ら13人の首長と中田宏前横浜市長。いずれも非常勤の顧問として地域主権政策について提言する。

 町長で起用されたのは寺島氏のほか、全国町村会長の山本文男福岡県添田町長、露木順一神奈川県開成町長の3人。上京中の寺島氏は、函館新聞社の取材に対し「地方の住民が必要としている施策は町村の立場だからこそ理解できる。弱い地域にも光を当てることができる、地方重視の政策が実現できるよう提言したい」と語った。

 寺島氏は乙部町出身。北大農学部卒。67年兵庫県入庁(農水省派遣)。68年農水省入省。農水省大臣官房企画官、岡山県津山営林署長、林野庁職員部企画官などを経て83年5月、乙部町長に初当選。現在7期目。01年に檜山支庁管内町村会長。05年4月に道町村会長に選出された。07年に全国町村会副会長に就任し、現在は常任理事を務めている。(松浦 純)


◎北水祭で鯨類研、大和煮缶詰など販売へ

 北大鯨類研究会(小野雄大代表)は、11月7、8の両日に北大水産学部(函館市港町3)で行われる学祭「北水祭」会場で、クジラの竜田揚げを使った太巻きや赤身肉、缶詰を販売する。

 同研究会は津軽海峡での鯨類目視調査などを行っており、出店は活動の成果発表の一環。毎年多くの市民が集まる好評の催しだ。

 販売するのは鯨大和煮缶詰(1パック4缶入り、1000円)やクロミンククジラ赤身肉(1個約300グラム、1000円)、鯨竜田巻き(1食4カット、300円)。2日間でそれぞれ350パック、240個、300食を用意し、各日午前10時から販売する。肉と缶詰は購入時に個数制限がある。会場ではネズミイルカの骨格標本なども展示する。

 3年生の小野代表(21)は「クジラを通して豊かな資源や自然のある北海道を再発見してほしい」と話し、メンバーの山田若奈さん(22)も「活動10周年を迎え、客の要望の多かった竜田揚げを用意する。家族の話題にして」とPR。顧問の松石隆准教授も「元気に活動している学生が市民と交流する機会にしたい」と話している。

 問い合わせは松石研究室TEL0138-40-8857。(新目七恵)