2009年10月5日 (月) 掲載

◎食品元気まつり大盛況

 函館市水産物地方卸売市場で4日、道南の農水産物や加工食品がずらりと並ぶ「第10回食品元気まつり」が開かれた。「いらっしゃい。どれもおいしいよ」と威勢のいい掛け声に誘われ、広い会場は大勢の市民でにぎわった。毛ガニ汁やめん類などの安価な実演販売もあり、味覚の秋を満喫した。

 函館地域食品商業活性化協議会と函館市の主催。函館開港150周年記念連携事業で、商業関係者が消費者に日ごろの感謝を伝える目的。

 函館日吉が丘小学校吹奏楽部の演奏で開会。主催者代表で宮川照平さんが「10回という節目の開催にあたり、多くの関係者の協力があったことに感謝したい。今日はおいしい食べ物を味わい、思う存分楽しんでほしい」と呼びかけた。

 市場の中に多くの屋台が並んだ。魚、肉、野菜、果物、ラーメン、パン、生花などがずらり。「もうすぐで無くなりますよ」「はい、売り切れました。万歳!」と販売直後に完売が相次いだ。

 新米のすくい取りやイカ釣り大会もあり、子どもたちも楽しんだ。また、ききょう幼稚園の園児は、よさこいソーラン踊りで会場を盛り上げた。

 家族4人で来場した函館昭和小3年、蜂屋優騎君(9)は「ガゴメ入り南京そば(ラーメン)がおいしかった。ダイコンとタマネギをたくさん買った」と大きな手提げ袋を手に笑顔だった。 (田中陽介)



◎市内でイベント 秋の一日満喫

 10月最初の日曜日の4日、函館市内各所はさまざまなイベントでにぎわった。にわか雨に見舞われるなどあいにくの天候だったが、家族連れや友人グループなどで秋の休日を満喫する様子が見られた。

 ○…函館市の尾札部黒鷲漁港では、「第9回南かやべ とことん浜味祭り」(同実行委主催)が開かれた。水揚げされたばかりの鮮魚が格安で販売されるとあって、市内近郊から大勢が詰め掛けた。

 地元漁協による鮮魚販売コーナーでは、サケのメスを2000円、オスを1000円の浜値で提供。それぞれ500匹ずつ用意したが、メスは30分、オスは1時間ほどで売り切れた。また、この日の定置網に1匹だけ入った幻のサケ「鮭児(けいじ)」も1万5000円で並べられ、通常は数万円する希少な超高級魚を来場者は珍しそうに眺めていた。

 このほか、南かやべ漁協女性部(高谷静子部長)手作りの特製浜なべも1杯100円で提供。サケと新鮮野菜がたっぷり入った“浜のかあさん”の味に、来場者は舌鼓を打っていた。

 ○…白石公園はこだてオートキャンプ場(函館市白石町208)では「白石公園市民感謝祭」が開かれた。多彩なイベントに加え、デイキャンプ場とパークゴルフ場が無料開放されたこともあり、子どもから高齢者まで幅広い年齢層でにぎわった。

 利用者への感謝を込めて、毎年この時期に実施。先着200人へのジャガイモ無料プレゼントや、作りたての豚汁無料配布などは開始前から行列ができ、あっという間に終了する人気ぶり。このほか、景品が当たる「キャンプ場内宝探し」や「○×クイズ in キャンプ場」なども盛り上がりを見せた。

 石川町の平新義行さん(40)と空さん(北美原小4年)、丞君(5つ)親子は、同公園初体験。義行さんは「こんなに素晴らしい場所だとは思わなかった。今度はぜひ家族でキャンプを楽しみたい」と話していた。

 ○…函館酪農公社の直売所「函館牛乳アイス118」(函館市中野町118)では「2009年118感謝祭」が開かれた。豪華商品が当たる抽選会や、カボチャの重量当てなどのゲームが行われたほか、チーズやヨーグルトなど人気の乳製品が通常の1割から3割引きで販売された。

 今年で12回目の恒例イベント。来場者は新鮮なソフトクリームや飲み放題の牛乳などを手にしながら、各種催しに挑戦。ジョッキに入れた牛乳をストローで飲み30㌘に近い量を飲み残す「ぴったり30グラム」ゲームでは「やった!」「惜しい!」などと歓声が響き渡っていた。

 友人らと訪れた小島七海さん(函館本通中1年)は「ここ(アイス118)にはよく遊びに来るが、今日はいろいろなイベントがあって楽しい」と笑顔を見せていた。 (小川俊之)



◎8月の日銀金融経済動向、3カ月ぶり上方修正

 日本銀行函館支店(市川信幸支店長)は8月の道南地方の金融経済動向を発表した。雇用環境や観光面は依然として厳しい状態が続く一方、自動車の販売増や電子部品の輸出が回復傾向にあることなどから、景気判断を「非常に厳しい状況が続いている」としながら「一部に持ち直しの動きもみられる」と付け加え、前月の「下げ止まりの兆し」から3カ月ぶりに上方修正した。

 個人消費は「一部に明るい兆し」から「持ち直しの動きが広がりつつある」と判断し、3カ月ぶりに上向きに転じた。主要小売店10社の売上高は、家計の節約志向の強まりから、衣料品や身の回りの品を中心に前年割れが続いているものの、一部店舗のセールによる押し上げから、前年比で0・6%減と下げ幅は縮小した。

 また、エコポイント制度やエコカー減税の政策効果で、家電と自動車の販売が持ち直した。家電は薄型テレビやDVD、ブルーレイレコーダーが堅調。新車登録台数は軽自動車が同2・4%増と5カ月ぶりにプラスに転じ、普通・小型車も同0・4%増と2カ月ぶりに前年を上回った。

 観光は「非常に厳しい状況にある」と判断を据え置き。主要ホテル20社の宿泊客数は同8・4%減、函館空港の乗降客数は同18・1%減となり、ともに16カ月連続で前年割れとなった。

 生産は水産加工が家計の節約志向の強まりから伸び悩んでいるものの、造船が安定した操業を続けているほか、中国向けの電子部品も在庫調整が進み、輸出の回復から操業度を引き上げているとして2カ月ぶりに上向いた。

 貿易は基調として前年を下回っているものの、輸出は回復傾向にあり、19カ月ぶりに上方修正。公共投資は前年の函館競馬場のスタンド整備など大型工事があった反動で、同46・5%減と大幅に前年を下回ったが、「景気対策による前倒し発注効果もあって持ち直している」とした。


◎函館ビジネスアカデミー専門学校、学生企画「ブライダルフェア」で模擬人前式

 来年3月で閉校になる学校法人野又学園の函館ビジネスアカデミー専門学校(高橋秀治校長、学生40人)のホテル・トラベル科の学生8人が企画したブライダルフェアが4日、函館市田家町の同校で行われた。卒業生カップルがモデルを務めた模擬人前式やプレゼンテーションなどが披露され、学生が学習した成果を発表した。

 授業で学んだブライダルの知識や接客サービス技術を生かし、実践的な取り組みをしようと初めて企画。「夢を叶(かな)える結婚式」をテーマに、市内の関連会社の協力も受けて7月から準備を進めてきた。

 人前式の新郎役は市内の会社員、山谷貴人さん(21)、新婦役は佐藤幼菜さん(20)。会場には家族や関係者らが集まり、衣装に身を包んだ2人が登場するとカメラで撮影する人もいた。2人は緊張した様子で赤じゅうたんを歩き、ステージ上で誓約書のサインや指輪交換などをした。学生が考案したサプライズ企画として、互いが相手への思いをつづったメール文の読み上げもあった。

 山谷さんは「緊張したけどやって良かった。学校がなくなるのは寂しいけど今回のフェアが良い思い出になる」、佐藤さんは「後輩が一生懸命準備して感動した」と喜んでいた。

 学生リーダーの佐藤望美さん(20)は「意見が合わずまとめるのが大変だったけど達成感を感じる。ブライダル関係で働きたいのでこの経験を生かしたい」と話していた。(新目七恵)


◎産業観光まちづくり大賞で函館市が銀賞

 日本観光協会(東京)が、産業観光振興に取り組む市町村や観光団体、NPO法人などを対象に表彰する第3回産業観光まちづくり大賞で、函館市が銀賞を受賞した。

 他の地域の模範となる優れた取り組みを表彰する賞として2007年度に創設され、市は本年度初めて応募した。

 市は旧函館郵便局をショッピングモールとして再生させた「はこだて明治館」をはじめ、「赤レンガ倉庫群」など歴史的建造物の活用、朝市での売り子体験など産業を活用した観光メニューをアピール。冬の一大イベント「はこだてクリスマスファンタジー」や、五稜郭のイルミネーション「五稜星の夢」などのイベントも紹介した。

 同協会は特に歴史的遺産を活用した点を評価。市観光コンベンション部の鈴木敏博部長は「函館の持つ観光資源のポテンシャル(潜在能力)を改めて認識した。さらに魅力を発掘して観光振興につなげたい」と話した。

 金賞は北九州市で、銀賞は函館のほか、益子アートウオーク実行委員会(栃木)だった。 (鈴木 潤)