2009年10月8日 (木) 掲載

◎ゆめぴりか 期待の初収穫

 【森】今秋から本格販売される道産米の高級新品種「ゆめぴりか」の収穫が、渡島管内で唯一作付けされている森町内で本格化している。秋晴れの下、同町駒ケ岳の小原浩吾さん(58)の水田でも7日、コンバインで黄金色に色付いた穂の刈り取り作業に追われた。

 ゆめぴりかは今季から本格栽培され、粘りと軟らかさのバランスの良さが特徴。新潟の魚沼産コシヒカリに匹敵する食味とされ、道産米の新エースとして期待を集めている。今年は全道で3000ヘクタールに作付けされた。

 町内では昨年の試験栽培を経て、今季は計約20ヘクタールに作付け。小原さんは5月中旬に3・4ヘクタールの水田でゆめぴりかを植え、9割程度が実ったという。台風の接近や初霜に備え、8日までの2日間ですべて収穫する。

 7月の長雨と8月の低温でもみに実が入らない不稔(ふねん)も出たというが、小原さんは「収量はやや少なくなりそうだが、初年度だけに味には期待が高まる。町内でも大事に育て、消費者に定着させたい」と話していた。市場には10月中旬から下旬ごろに出回る予定。(森健太郎)



◎市営熱帯植物園、来年度 水道局から土木部に移管

 函館市水道局は7日、赤字経営が続いている市営熱帯植物園事業を、来年度から一般部局の土木部に移管する方針を明らかにした。温泉事業の経営健全化対策の一環として行うもので、「市民の憩いの場」としての位置づけで同部の所管とする。12月に開かれる定例市議会で、水道局は廃止条例、土木部は設置条例をそれぞれ提案する。

 同日開かれた市議会経済建設常任委員会(佐々木信夫委員長)の委員協議会で報告した。

 水道局の温泉事業は温泉供給、公衆浴場(谷地頭温泉)と熱帯植物園の3事業からなり、これまでは熱帯植物園の赤字を他の2事業で補てんしてきた。昨年度決算では約10億円の累積赤字となり、今年2月に示した経営健全化対策では公営企業としての経営が困難と判断、一般会計部局への移管を模索してきた。

 市は同植物園が公園としての要素を持ち、かつ社会教育施設としての性格を有することから、移管先を教育委員会と土木部に絞って庁内論議を進め、8月上旬までに土木部への移管を決定。累積赤字は水道局が持つが、移管により、同局は年間約3300万円の赤字圧縮効果を見込む。

 同植物園は2006年からNPO法人函館エコロジークラブ(福西秀和理事長)が指定管理者となっており、本年度末で期限切れとなるが、来年度は特例措置として同クラブを指定管理者とする方針。同部は「移管先の決定が遅くなったことで、公募による選定にはタイムスケジュール的に無理がある」としており、2011年度以降5年間の指定管理者を公募する考え。

 同部はまた、現在の入場料(一般305円)も見直し、端数を除いた300円とする方針。

 同植物園は1970年に開業。来場者の減少が続いたことで07年にはリニューアルを行い、07年度は12万300人、昨年度は9万5800人が来場した。(千葉卓陽)



◎10日開通の落部IC 報道陣に公開

 【八雲】道縦貫自動車道(道央道)の八雲インターチェンジ(IC、八雲町立岩)―落部IC(同町東野)間(16・0キロ)が10日に開通するのを前に、同区間が7日、報道関係者に公開された。噴火湾(内浦湾)に面した小高い酪農地帯を走り、高速道路が函館まで一歩近づく。

 八雲IC―落部IC間の総工費は324億円で、1キロ当たりのコストは約20億円。自然豊かな酪農地帯に沿うため、随所に動物対策や環境への配慮が施されている。

 この日は道南や札幌の報道関係者約10人が参加。八雲ICから落部ICに向かってマイクロバスで移動し、途中で下車しながら、同支社函館工事事務所の担当者から道路関連の設備や、噴火湾パノラマパークに隣接する八雲パーキングエリアなどについて説明を受けた。

 周辺の環境対策では川を遡上(そじょう)するサケを狙うワシと車の接触防止のため、遊楽部川橋の両脇に高さ4メートルのポールを設置。道路沿いに多い酪農家に配慮して道路の両側にある盛土で車の騒音やライト、振動を軽減する。アスファルトの一部には地域の産業廃棄物となるホタテの貝殻の粉末も利用した。

 同支社の鈴木隆広報課長は「今回の開通で道央圏と道南圏の移動時間が短縮し、利便性や災害時の緊急輸送路としての機能も高まった。今後は2012年度の大沼ICまでの開通に向けて努力したい」と話していた。10日は開通式などを行い、午後3時から一般車両の通行を開始する。(森健太郎)


◎函館出身演歌歌手の大石まどかさん 10日に五稜郭タワーで美声

 函館出身の演歌歌手、大石まどかさんが7日、函館新聞社を訪れ、「生まれ育った函館の魅力を全国、世界へもっと伝えたい」と抱負を語った。カラオケ雑誌「歌の手帖」(今秋、全国発売)で特集される函館地域の記事を担当し、9日にはお気に入りの場所や名店を取材する。10日午後2時からは、五稜郭タワー(函館市五稜郭町43)の1階アトリウムでミニライブ(入場無料、5、6曲40分予定)も開催。「どこに行っても自慢できる古里を盛り上げたい」と意気込んでいる。

 東京を拠点に全国で活躍する傍ら「はこだて観光大使」も務め、日々郷里に思いを寄せている。高校卒業後すぐに上京し、19年たった。時の流れは函館の街並みにも変化を与え、年に1、2回帰郷するたびにその思いを強くしている。

 その矢先、函館が全国一の“魅力的な街”に選ばれたニュースを知った。「『よくぞ函館を選んでくれた』と思わずこぶしを握ってしまった。純粋にうれしかった」

 歌手活動は今年4月22日発売の「露地しぐれ」が好調だ。オリコン演歌部門初登場3位、9週連続20位に入った。「女性のかわいさに加え、前向きな言葉が多く、共感できる部分が多い。心地よい作品」と全国のカラオケサークルから激励の問い合わせも相次いでいるという。

 大石さんが担当する取材は、幼少時に母親とよく買い物に行った中島廉売、実家近くの五稜郭タワー、行きつけの回転ずし店、上京前に友人と出かけた北斗市のトラピスト修道院付近などを予定している。

 「全国の多くの人があこがれを抱く土地に生活の根をおろせる。この幸せが函館市民にはある」と優しい表情を見せた。(田中陽介)


◎棒二などで日ハムVセール

 プロ野球パ・リーグの北海道日本ハムファイターズ優勝から一夜明けた7日、函館市内の百貨店やスーパーで記念セールが始まった。梨田昌孝監督の背番号にちなんだ88円均一セールや割引セールなどを展開し、優勝を喜ぶファンらが詰め掛けた。

 函館市若松町の棒二森屋では7日限定で先着200人に日本ハム製品のウインナーを無料で配布。開店と同時に来店した主婦らが列を作り、受け取っていた。市内湯川町の男性(29)は「きのうの試合は最後までハラハラしたが、優勝できてよかった。クライマックスシリーズでも梨田監督なら勝てると思うので期待したい」と話していた。

 また同店をはじめ、ダイエー上磯店、市内や八雲町のグルメシティ、イトーヨーカドー函館店でいずれも9日まで、食料品を中心とする88円均一セール、一部の衣料品、雑貨の10―20%値引きなどを実施している。(宮木佳奈美)