2009年10月9日 (金) 掲載

◎台風18号、道南でも風雨強まる

 非常に強い台風18号は8日午前に愛知県に上陸し、勢力を弱めながら日本列島を北上。渡島・桧山管内でも8日午後から風雨が強まり、交通機関に乱れが生じたほか、休校や下校時間繰り上げなどの措置を取る学校もみられた。

 渡島、桧山地方は同日、風速25メートル以上の暴風域圏内には入らなかったものの、午後から波が高くなり、函館市の住吉漁港では防波堤に打ち寄せられた高波が上空高く舞う光景も見られた。松前では降り始めの同日午前10時から午後9時までの降雨量66.5ミリを観測した。

 気象庁によると、台風18号は9日午前6時ごろ根室市の南約180キロに達し、夕方には本道の東に抜けるとみられる。道南の雨は同日午後に上がる見込みだが、強風と高潮への警戒は必要。

 JR北海道では8日、函館発八戸行きの特急白鳥18号など4本が部分運休したほか、同白鳥32号など8本が全区間運休となり、合わせて約1560人に影響があった。津軽海峡フェリーでは同日、函館―青森間の午後2時以降の9便を欠航とした。函館―大間間3便も欠航し、合わせて約200人に影響があった。ハートランドフェリーは同日、江差発奥尻行き1便を欠航とし、約20人に影響があった。

 ANA(全日空)は同日、名古屋発函館行き391便と折り返しの392便を欠航とし、計約240人に影響があったほか、大阪発函館行き1789便も欠航とし、約80人に影響が出た。AIRDO(北海道国際航空)は同日、函館―東京間2便を欠航とし、約450人に影響があった。

 函館土木現業所は同日、道道41号(函館恵山線)の約1.6キロを高波のため8日午後1時から通行止めとした。う回路は国道278号線。また、同土現松前出張所は同日、道道607号(石崎松前線)の約18キロを落石の恐れがあるため午後5時から通行止めとした。

 渡島教育局によると同日、函館中部高定時制と函館工業高定時制が休校となったほか、函館南茅部高と函館工業高が2時間、函館西高、函館千代ケ岱小、知内小が1時間ずつ下校時間を繰り上げた。このほか函館三育小も授業を午後1時15分で切り上げた。



◎上磯高校がコース制導入

 【北斗】上磯高校(新井英志校長)は来年度から、2年生と3年生を対象に、進路選択に応じて専門的な教育指導を行うコース制を導入する。進学に対応してほしいという地域や保護者の要請に応えての導入で、同校の新井校長は「早期の段階で生徒の進路意識を高め、さらに進路希望に応じた授業で学力向上を図りたい」と話している。

 コースは2年生が簿記を必修とし、総合的な進路選択をしてもらう「総合」と、大学や専門学校の進学を目指す「進学」の2コース。3年生はこの2コースに、就職に備え資格取得などを進める「ビジネス」が加わる。

 進学コースは従来のカリキュラムと比べ、英語や数学、国語などの教科単位が増加。これまで必修科目だった簿記の選択がなくなる。総合コースは簿記の必修は残るが、英語や数学の単位は減少。ビジネスコースは文書処理演習や家庭看護・福祉など資格所得に備えたカリキュラムが加わる。

 両コースとも定員を設けず、生徒の希望に応じて振り分ける。クラス編成については今後さらに検討していく。2011年度をめどに内容の見直し、改善を図る予定で、新井校長は「まずは生徒が将来の夢や希望に向って努力する姿勢を育み、実際に動いていく中で理想的な形を構築していきたい」と話している。

 22日に中学生や保護者対象の説明会を開く。 (鈴木 潤)



◎道南最高齢、107歳の佐藤カシクさん死去

 【乙部】渡島・桧山管内で最高齢の佐藤カシクさん(乙部町)が8日、老衰のため町内の病院で死去した。107歳だった。

 佐藤さんは1902(明治35)年2月15日、現在の利尻町で生まれた。地元の仙法志高等小学校尋常科を卒業後、18歳から大阪の商店で見習い奉公をしていた。21歳になって故郷の利尻に戻った際、兄が働いていた樺太(サハリン)へ。兄の友人だった郁三さん(故人)と出会って結婚。2男9女をもうけた。夫妻は45年8月の終戦まで現地で呉服店と履物店を営んでいた。終戦後は一時、樺太の旧豊原市に住まいを構えたが、47年に北海道に引き揚げ、当時の乙部村に落ち着いた。

 100歳を迎えた後も、かくしゃくとした姿で町内を散歩したり、器用に編み物をするなど元気な様子だったという。通夜は9日午後7時、告別式は10日午前9時から、町内の長徳寺(元町310)で営まれる。喪主は長男の通泰さん。


◎14日「鉄道の日」10、11日に市内でイベント

 14日の「鉄道の日」に合わせ、JR北海道函館支社と函館市交通局は列車や路面電車に親しんでもらおうと、函館市内でイベントを企画している。10日はJR五稜郭車両所の一般公開と列車の乗車体験、11日は電停などを巡る市電スタンプラリーが行われる。

 「鉄道の日」は1872(明治5)年10月14日に東京・新橋―横浜間に日本で初めて鉄道が開通したのを記念し、1994年に定められた。

 JR五稜郭車両所は列車の修理、検査などを行う施設で、普段見られない内部を見学できるほか、車両展示や、キーホルダー作成などの体験コーナーも設ける。今年は車体の傾斜を体感できる「281系スーパー北斗」の乗車体験を初めて実施。毎年子供たちに大人気の「ミニSL弁慶号」が敷地内を走るほか、スーパー北斗の運転席などにも乗車できる。午前10時―午後3時。

 市電スタンプラリーは、1日乗車券(大人600円、小学生以下300円)を利用し、電停やサンクス各店など10カ所でスタンプを集め、このうち電停3カ所で出題されるクイズに回答。市電723号(サンクス号)車内に当日示されるゴール地点に向かい、スタンプを提示すると景品がもらえる。一番乗りの参加者には「2010年函館市電カレンダー」をプレゼントする。午前9時―午後4時。

 問い合わせはJR北海道函館支社TEL0138-23-3376(土・日曜、祝日を除く午前9時―午後5時)、市交通局運輸課TEL同32-1730(当日は℡同52-1273)。(宮木佳奈美、山田孝人)


◎「旧相馬家住宅」を伝統的建造物に、都市景観審が答申へ

 函館市都市景観審議会(委員15人、会長=韮沢憲吉函館高専教授)は本年度の第3回会合を8日、函館市役所で開いた。同市元町、末広町の伝統的建造物群保存地区にある「旧相馬家住宅」を伝統的建造物として認め、近く市教委に答申することを決めた。

 旧相馬家住宅は元町33に所在し、1988年にいったん伝統的建造物として認められたが、90年3月に所有者側が自ら修理保全を行うことを理由に同建造物から削除された。今回所有者から同意が得られたため、同建造物として再度認めることにした。

 今回指定されたのは木造2階建て(1部平屋建て)の住宅部分や土蔵、門、坂塀など。

 続いて継続審議となっている、市都市景観条例に基づく指定建造物の保存のあり方について議論。保存するべき範囲や、建物を維持し続けるための方策などについて意見を出し合った。より細部まで議論を深めるため、委員6人による専門部会を設置することも決めた。(山田孝人)