2009年11月1日 (日) 掲載

◎道新幹線建設工事現場の親子見学会

 【北斗】北海道新幹線建設工事現場の親子見学会が10月31日、北斗市柳沢の新茂辺地トンネル東工区などで行われた。函館・近郊の小学生と保護者8組17人が参加し、6年後に迫る新幹線時代の到来を肌で感じた。

 地元経済界などでつくる北海道新幹線建設促進道南地方期成会(会長・高野洋蔵函館商工会議所会頭)の主催で、新幹線を身近に感じてもらおうと企画。参加者は北斗市と七飯町にまたがる函館総合車両基地の路盤工事や、新函館駅の建設予定地となる渡島大野駅も訪れた。

 新茂辺地トンネル(全長3・3キロ)東工区では、バスで坑口から2・3キロ掘り進んだ先端部に移動し、掘削作業などを見学。工事関係者から掘削機や作業工程などの説明を受けながら、携帯電話などで熱心に写真に収めていた。

 父親と参加した七飯藤城小6年の鈴木里菜子さん(12)は「新幹線が間近にやってくるんだと実感した。完成したら新幹線でディズニーランドに行きたい」と目を輝かせていた。同トンネル東工区(全長2・7キロ)の掘削は現在、坑口から2・3キロ地点まで進み、今年12月に完了する見通し。反対側の西工区の工事も始まり、2011年には貫通する予定だ。(森健太郎)



◎函館市が「要塞マップ」作製

 函館市は函館山にある要塞(ようさい)跡の位置や機能などをまとめた「函館要塞観光マップ」を作製した。隠れた観光財産を効果的にPRし、函館の魅力を見つめ直してもらうとともに、新たな観光スポットとして観光客や旅行代理店に売り込む考え。完成を受けて10月31日には、市民向けの「函館要塞跡トレッキング」を開催した。

 散策マップはA3判両面カラー印刷。要塞の施設配置図をはじめ、津軽海峡の防衛強化を目的に明治期から整備された歴史的背景、主な要塞施設の復元鳥観図などを盛り込んだ。配置図では見学可能な施設6カ所のほか、整備されていないため危険があることなどから立ち入りできない施設12カ所も位置を示した。見学できる施設では、薬師山砲台や入江山観測所などがある。マップは市ブランド推進課などで11月から無料配布する。

 31日の「函館要塞跡トレッキング」には、30―70代の市民30人が参加。市が市民向けに実施するのは初めてで、事前の参加者募集では開始2時間で定員を超える人気だった。この日は山頂から最も気軽に行ける御殿山第2砲台跡や、千畳敷の砲台跡、戦闘指令所を訪れた。

 御殿山第2砲台跡では、円形になった砲座跡を見たり、音声連絡用の穴が現在も使えることを確認。中道の主婦、小野紀子さん(53)は「子どものころ遠足で来たが、あらためて見ると大変興味深い。函館に遊びに来た親せきを案内すると喜んでもらえると思う」と話していた。

 同課は「観光客に函館山を散策してもらうことで、長期滞在型の観光客増加につなげたい」としており、今後は旅行代理店などに積極的に売り込む考え。散策マップの問い合わせは同課TEL0138・21・3323。(小泉まや)



◎渡島保健所、自殺予防を本格化

 道南でも自殺が後を絶たない。自殺者の割合が全道、全国平均を上回る状況が続くため、渡島保健所などは今秋、関係機関・団体が連携して予防対策に乗り出す連絡会議を設立するなど、取り組みを本格化。5日には北斗市内で講演会を開き、地域住民への知識の普及や啓発に努める。(森健太郎)

 同保健所によると、2004年度から07年度に自殺で亡くなった人の割合は、管内(函館市を除く1市7町)では人口10万人当たり29・1。全道平均の26・6を上回っている。自殺者数は04年度59人、05年度35人、06年度26人、07年度38人と年間40人前後に上る。

 函館市の自殺者も増加傾向にあり、06年度は89人、死亡率は30・3(市立函館保健所調べ)と高い水準だ。自殺者のうち半数以上がうつ病などの精神疾患があるとみられ、「近年は経済情勢の悪化に伴い、借金や家庭問題などが複雑に絡み合うケースが多い」(渡島保健所精神保健福祉係)という。

 国が06年に自殺対策基本法、07年に自殺総合対策大綱を定めたことを受け、渡島保健所も今年9月に自治体や医療機関、警察などでつくる「渡島保健所管内自殺予防対策地域連絡会議」を設立。函館市も同様の「函館市自殺予防対策連絡会議」を立ち上げ、実態把握や情報交換、研修会などの対策に本腰を入れる。

 渡島保健所は11月5日午後2時から、北斗市総合文化センター(中野通2)で自殺予防講演会を開催。同保健所の職員が管内の現状を報告するほか、岩手医科大の大塚耕太郎精神科医が「社会問題としての自殺を考える―大切ないのちをつなぐために」と題し、救命救急現場の自殺予防対策について語る。

 同保健所子ども・保健推進課は「自殺は早期の相談や適切な治療で予防できる。地域ぐるみの身近な問題として考えるきっかけにしてほしい」と呼び掛けている。講演会は参加無料。参加希望者は直接会場へ。問い合わせは同課TEL0138・47・9547。


◎花園温泉45周年、3日から料金一部値下げ

 函館市花園町40の「花園温泉」(笠井清美社長)は、2日で創業45周年を迎える。節目に合わせ、入浴料金の一部を安くする謝恩企画を実施。創業時から携わる笠井トキ専務(73)は「地域に育ててもらった感謝の思いを、何らかの形で表現したかった」と思いを語る。2日は定休日(月曜)のため、3日から大人(中学生以上)420円を350円、10枚回数券3800円を3000円にし、期間は当面の間とする。

 1964年に花園町商店街で開業。笠井専務の夫、故清五郎さん(享年68)が市役所を辞めて夫婦二人三脚で取り組んだのが始まりだ。

 当初は温泉業の知識や経験もなく、試行錯誤が続いた。「何もわからず、お客さんに怒られてばかりで何度も辞めたいと思った。でも生活をしていくために必死だった。苦労したときに助けてくれた多くの支えが忘れられない」と笠井専務は当時を振り返る。

 幾多の苦労を乗り越え、天然温泉かけ流しの伝統を守る。そして、「熱い温泉といえば花園温泉」と市内屈指の人気温泉に成長した。

 館内には「創業記念、ご愛顧企画」の張り紙が飾られた。「5年後の50周年も楽しみだ。母さんにもずっと健康で頑張ってもらわなきゃ困るよ」と常連客から笠井専務や従業員に励ましの言葉が寄せられている。

 笠井専務は「その言葉が本当にありがたい。人のぬくもりも提供できる温泉であるよう、いつまでも頑張りたい」と意気込んでいる。

 小学生140円、未就学児70円。午前5時―午前零時。場所は産業道路沿い。TEL0138・51・1310。(田中陽介)


◎R dance company、10周年記念し華やかに公演

 函館市末広町にあるダンススタジオ「R dance company」(髙野理恵子さん主宰)の10周年記念公演「宇宙(そら)へ」が10月31日、函館市民会館(湯川町1)大ホールで開かれ、同スタジオの10年間が凝縮された華やかなステージに詰め掛けた約1000人の観客が酔いしれた。

 記念公演は3部構成。午後6時半から始まった第1部は総勢80人の熱のこもったダンスで幕開け。今年5月に米ロサンゼルスのダンスコンテストで優勝した石井ちえさん(25)の圧巻のダンスに割れんばかりの拍手が起きた。

 第2部は10年の歩みを代表作でたどるプログラム。蛍光色のベストを着た14人が会場を所せましと踊った「Go For It!」や早くもクリスマス気分へといざなった「サンタ!さんた!santa!サンタだって…」、アバの「DANCING QUEEN」に乗せたパフォーマンスなど5幕が用意され、曲調によって多彩な光を放つ照明とも相まって、観客の熱気も上がった。ラストの「復活―大地~そして宇宙へ」では、水色の衣装を着て幻想的な世界観を表現する髙野さんのソロダンスに会場全体がくぎ付けとなった。

 第3部では、世界的に活躍する日本人ダンサーのトニー・ティー氏によるオーディションで合格したメンバーがロサンゼルスの最新ダンスを繰り広げたほか、出演者全員で「LET‘S GET TOGETHER」を披露し記念公演を締めくくった。(小杉貴洋)