2009年11月10日 (火) 掲載

◎函館市 2008年度差し押さえ額425件2億5081万円。金額倍増

 函館市が昨年度、市税滞納者に実施した差し押さえは425件で、金額は2億5081万円と、昨年の1億510万円から2倍以上に拡大している。全国的な流れを受け、預貯金の差し押さえが125件と大幅に増えているほか、07年度に続いて動産の差し押さえも行った。市は現年度内の差し押さえを増やすことで、悪質な滞納者への対応を強める考えだ。

 市納税課によると、昨年度の内訳は不動産が40件、1億152万円、債権が382件、1億4772万円、自動車が2件、47万円のほか、有価証券が1件、110万円。金額は差し押さえ対象となった税額で、回収額ではない。件数、金額とも昨年度分で、それ以前から続く不動産や債権の差し押さえもある。

 債権差し押さえは例年、9割近くが国税還付金で閉められていたが、昨年度の同還付金は163件、1413万円にとどまった。その一方、預貯金は07年度の9件から125件と大幅に増加している。

 その要因は、軽自動車税を納期内(5月31日)に納付しなかった滞納者に対して現年度で押さえる方策を進めているためで、同課は「滞納繰越に回すことで担当者の負担が増す。全道的には遅れを取っているが、積極的に進めていきたい」と話す。

 不動産は昨年度、家屋、土地付きの2件を公売。自動車は2件のうちワンボックスタイプの1件をネットオークションで公売し、見積価格4万8000円に対し、53万3000円で落札され、10倍以上の値がついた。

 過去の差し押さえ件数と金額は、05年度が489件、9693万円、06年度407件、1億2483万円、07年度が398件、1億510万円で推移している。

 昨年度の市税収入は調定額(滞納繰越分を含む)が368億9880万円で、収入額は338億5770万円。一般会計歳入の27%を占める貴重な財源だが、収入率は91・8%と07年度から0・8ポイント下がっており、さらなる対応策の強化が求められるところ。同課は「収入があるのに納付しないといった悪質な滞納者に対しては滞納繰越に回さず、現年での取り組みを強めていく」と話している。(千葉卓陽)



◎新型インフル ワクチン問い合わせ殺到

 猛威を振るう新型インフルエンザの一般市民へのワクチン接種開始が近づき、函館の各医療機関には接種の予約をしようとする市民の問い合わせが殺到している。季節性インフルのワクチン接種と時期が重なったことがさらなる混乱を招いており、「まるで戦争のよう」(市立函館病院)という悲痛な声も。市立函館保健所は「接種の予約時期は対象者によって異なるため、確認してから医療機関に連絡してほしい」と冷静な対応を求めている。

 新型インフルワクチンは、国と委託契約を結んだ医療機関で接種が可能。道では、最も早い妊婦と慢性呼吸器疾患のある人など最優先の基礎疾患がある人は、11月16日から接種開始の予定。医療機関では現在、2者の予約を受け付けているが、これ以降の接種となるその他の基礎疾患のある人や就学前までの幼児、高齢者などからの問い合わせも殺到している。

 同保健所によると「医療機関の中には予約専門の窓口を設けた所もあるが、総合病院の中には問い合わせでパンク状態になっている所がある」。低所得者が無料で接種を受けるための申請は高齢者が特に多く申し込んでいる状況だが、「高齢者の予約開始は12月中旬以降なのでまだ対応できない状況」という。

 市立函館病院で予約を受け付ける医事課には、毎日のように50―60件の問い合わせが寄せられる。このうち半数は新型インフルのワクチン予約だが、残る半数は季節性インフル関連。同課は「毎年ワクチンを打つ人に加えて、ことしは新型の存在で意識が高まっているのか、これまでワクチンを接種しなかった人からの問い合わせも多い」とみている。

 同保健所は、各対象者のワクチン接種の受付や接種開始時期についてのリーフレットを、各病院や薬局、市の施設など800カ所で配布。ホームページhttp://www.city.hakodate.hokkaido.jp/hokensyo/でも同内容を公開し、適切な時期の予約を呼び掛けている。(小泉まや)



◎「これは珍しい」コマシゲの盆栽 石崎町の小田野さん、手掛ける

 函館市石崎町の小田野邦雄さん(72)が趣味で観賞する「コマシゲ」の盆栽が今年も見ごろを迎えた。鮮やかな紅葉に黒褐色の小粒の果実がたわわになり、「これは見事だ。コマシゲの盆栽は珍しい」と近所で話題を集めている。

 小田野さんは自宅で「小田野理容院」を営む傍ら、花々が好きで園芸を楽しむ。特に実のなるものが大好きだ。

 コマシゲはツツジ科の落葉低木で学名は「ナツハゼ」。通常は、高さ1―2メートルと大人の背丈ほどになる。実はブルーベリーに似ていて、口当たりがよく清涼感に加え甘酸っぱい。ジャムや大根おろしにあえて食卓に並ぶことが多い。

 小田野さんのコマシゲは、37年前に市内大門地区で恵山青年団(旧恵山町)が特別販売していたもの。ガンコウランなどの高山植物の宝庫、恵山(標高618メートル)付近から持ち運ばれたという。

 以来、鉢で育てた。一時、枯れかけたが、順調に育っている。太い親木が子ども、孫木を取り囲むように、次々と新芽が出ている。「盆栽は盆栽でも、ありのままの姿が一番好き」と枝きりはしない。コケも自然についたものだ。

 石崎町会の今年の文化祭でも展示。「コマシゲと知って、たまげた。まさか盆栽で育てるとは、小田野さんすごいね」と来場者を喜ばせた。

 小田野さんは「近所の花仲間、先輩が園芸のこつを教えてくれる。壮大な自然が織り成す四季の彩りを身近に感じられるのが最高。心和む」と笑い、「ミカンも黄色く色づいてきた。正月に孫と食べるのが楽しみ」と目を細める。(田中陽介)


◎北斗市、燃やせるごみの排出量、前年比105トン増、可燃ごみに生ごみも目立つ

 【北斗】北斗市はこのほど、本年度上半期(4―9月)の家庭から排出された燃やせるごみ(可燃ごみ)の状況をまとめた。上半期の合計は前年度と比べ105トン増の3032トン。可燃ごみの袋の中に生ごみが入っていたケースも目立っており、市は改めて分別の徹底を呼び掛けている。

 市は2007年4月からプラスチック製容器の分類、同年11月から、生ごみの分別をスタートさせ、08年度の可燃ごみは07年度の約3割減と一定の成果を挙げた。

 本年度は4月が前年同期の84トン増の548トン、7月が同55トン増の552トンとこの2カ月が極端に突出。ほかの月が前年並みか、前年より少なかったが、結果的に前年を上回る量となった。このペースで推移すると2008年度の5014トンを超え、増加に転じる可能性もある。

 4月、7月で極端に増えた要因は判明していないが、市環境課は「日常生活で急にごみが増えるとは考えにくい。季節的なものなのか、さらに分析、調査したい」としている。

 一方で、排出された可燃ごみを確認したところ、袋の中に生ごみやプラスチック容器など分別が十分でない袋も見られ、中には収集日に出し忘れたと見られる生ごみが専用の袋に入ったまま出された袋も少なくなかったという。

 同課は「ごみの増加と因果関係があるとは言い切れないが、もう一度、ごみの分別の啓発をしていきたい」とし、このほどちらしを全戸配布して協力を求めた。

 さらに収集する際、袋に指定外のごみが入っていた場合、違反シールをはるなどして厳しく対応していく方針だ。(鈴木 潤)


◎一般第1部 西川さん優勝 江差追分桧山大会

 【江差】第18回江差追分桧山大会(主催・江差町江差追分協議会)が8日、江差追分会館で開かれた。子供、熟年、一般第1・2部で約100人が出場。全国大会の出場経験者が競う一般第1部では西川俊昭さん(60)=乙部鴎翔会支部=が優勝した。

 全国大会の出場経験も豊富な西川さんは、昨年は4位、今年は3位に入賞したベテラン。この日の出来栄えは「半分の力しか発揮できなかった」と厳しく自己評価した。還暦を迎えた西川さんの目標はもちろん“追分日本一”の栄冠。「全国大会の課題がみえた。師匠の厳しい指導を受けて来年こそ優勝を狙いたい」と意気込む。

 また、子供の部では、田村ひよりさん・つくしさんの姉妹がそろって優勝と準優勝に輝いた。各部門の入賞者の氏名は次の通り(敬称略、かっこ内は所属支部)。

 【子供の部】①田村ひより(かもめ会)②田村つくし(同)③中島弥生(同)④辻侑果(菊声会)⑤福田花梨(厚沢部美和)▽審査員特別賞=佐々木鈴乃(菊声会)前川みどり(厚沢部)

 【熟年の部】①佐藤ミチ(水堀愛好会)②佐々木平馬(和春会)③中谷キミエ(濤声会)④鍋島あや子(声友会)⑤山本菊義(同)⑥野登谷秀雄(同)⑦佐々木啓之(同)⑧鈴木テル子(鴎声会)⑨金盛嘉美(和春会)⑩宮野忠好(同)

 【一般2部】①亀田智範(和春会)②川口久美子(健翔会)③成田捷正(水堀愛好会)④中村政人(濤声会)⑤水嶋潤一(和春会)⑥久保田菜月(厚沢部美和)⑦薮下良三(健翔会)⑧花田美枝子(声友会)⑨小林俊子(追分塾)⑩若山久美子(声友会)

 【一般1部】①西川俊昭(乙部鴎翔会)②東真喜子(同)③鈴木由貴子(鴎声会)④小野美香(追分塾)⑤杉野由美子(和春会)⑥神開美知子(声友会)⑦平田幸男(かもめ会)⑧笹田壽郎(上ノ国)⑨郷康則(和春会)⑩松橋明生(同)