2009年11月12日 (木) 掲載

◎やすけフーズ、道央圏進出

 函館を中心に回転ずし店などを展開するやすけフーズ(函館市日乃出町、近藤正人社長)は、ことしから来年にかけて旭川方面に数店舗を新たに展開し、将来的には札幌への進出も計画する。人口の多い道央圏での確実な集客で経営基盤を固める一方、これまで以上に多店舗となるスケールメリットを仕入れに生かして利益率アップを図る考え。同社は「数年内には年商20億円にしたい」と2008年度比2割増の目標を掲げる。

 同社は明治27(1894)年、末広町の十字街で「梅乃寿司」として創業した老舗。「すしまる」(以前はやすけ)の名前で、主に1皿120円の低価格を掲げた回転ずしチェーンを展開する。

 メニューの選択肢を増やし集客増につなげようと、2002年からは居酒屋やイタリアンレストラン、食堂など多様な飲食店を相次いで展開している。現在の店舗数は函館市内12店、北斗市内3店、旭川市内1店。パートを含む従業員は約320人を抱える。

 道央1号店となった「やすけ永山店」は9月上旬、国道39号に近接した複合商業施設に開店。低価格などが受け入れられ客足は順調という。同社の佐々木孝修専務は「以前から札幌進出を考えていたが家賃などの面で敷居が高かった」とし、まずは競合店の少ない旭川を選択した。10年にも旭川市内にあと2店舗ほど出し、その後は砂川や滝川付近を足がかりに札幌に切り込む作戦だ。

 佐々木専務は「不況の中で生き残るには積極的に都市部に出店しなければならない」と攻めの姿勢を強調。しかし外部資本の流入が著しい函館の状況を憂い、「あくまでも拠点は函館。市民が気軽にすしを味わえる低価格の形態は維持する」という。(小泉まや)



◎道南の「美味」一堂に…「味めぐり」15日まで

 渡島、桧山管内の農水産物や銘菓を一堂に集めた物産展「道南の味めぐり」が11日、函館市美原1のイトーヨーカドー函館店で始まった。15日までに計22店舗が出店し、作り手が対面販売で商品をPRしている。

 道南の生産者らが自ら作った商品を販売し、アピールする機会を提供しようと、2007年からスタート。昨年まで年4回、今年は年3回実施する。

 11回目の今回も鮮魚店や水産加工会社、和洋菓子店などが中心。八雲町の坂本漬物店の千枚漬や、松前町の滝川鮮魚店のホッケのすり身、森町のがむしゃら本舗の「毛蟹(けがに)のかにめしの具」などが人気を集めていた。函館市のまぐろ屋はマグロ、ホタテ、エビの海鮮丼なども数量限定で販売。菓子店は、七飯町のピーターパン、北斗市のおしまコロニークッキーハウスなどもケーキや焼き菓子を並べ、売り場には女性客の姿が目立った。

 ケーキを購入した市内富岡町の女性会社員(42)は「いろんなお店が特徴あるものを販売している。前から食べたかった商品も買えてよかった」と話していた。(宮木佳奈美)



◎ロシア極東大附属芸術団が来月8日に無料公演…道内の市民向けは初

 ロシア・ウラジオストクにあるロシア国立極東総合大の附属芸術団が、来月8日に函館市民会館(湯川町1)で公演を開くことが、11日までに決まった。道内での一般市民向けの公演は初めてで、同大函館校は「多くの市民に来てもらい、ステージを盛り上げてほしい」と呼びかけている。

 函館公演は、ウラジオ本校の開学110周年、函館校開設15周年と函館日ロ親善協会(倉崎六利会長)の設立20周年を記念して開かれる。過去には04年の函館校開設10周年の記念祝賀会に登場した経緯があるが、市民向け公演は初となる。

 附属芸術団は同校に通う学生で構成され、バレエや民族舞踊、歌唱などの公演を国内外で開いている。函館校によると、芸術団には専門の指導者やエンジニアが付いて特別な訓練を受けているといい、「日本の学校の部活動よりも、より本格的に取り組んでいる」と話す。

 今回はメンバー約45人が中国、韓国での公演後に来函する予定で、民族舞踊や合唱など、多彩なステージを披露する。公演は市民への感謝を込めて無料で行い、函館校は「ロシア音楽や文学に親しみを持つ高齢者はもちろん、小中学生など若い人たちにも見てもらえれば」とPRしている。

 8日は午後6時半開演。事前申し込みは不要で、当日の入場は先着順。問い合わせは極東大函館校事務局TEL0138・26・6523。(千葉卓陽)


◎道立漁業研修所 受講生30人巣立つ

 【鹿部】道立漁業研修所(田近博道所長)の2009年度修了式が11日、本別の同研修所で開かれ、受講生30人が“浜”での活躍を誓い巣立った。

 本年度は地元、鹿部町やえりも町などから33人が受講し、約半年間にわたり漁業活動で必要とする技術や知識を学んだ。すべてのカリキュラムを終えた30人が晴れの日を迎えた。

 式では、田近所長が受講生に修了書を授与した後、「これからが漁業者として本番。先輩や漁協職員から学ぶことは多いはず。人の嫌がることを進んでやり、生活の足場を固めてほしい」と式辞。来賓の川村茂鹿部町長は「ここで育んだ仲間との友情を大事にしてほしい」と祝福の言葉を送った。

 修了生を代表し、小西勇貴さんが「お世話になった人へ恩返しができるよう1日も早く立派な漁師となり、水産業の発展に貢献したい」と答辞を述べた。

 このほか、受講生が作製したノットボード(結索標本)の表彰式も行われ、鷹架(たかほこ)雅崇さんが金賞を受賞。沼倉久欣さんが銀賞、小西さんが銅賞にそれぞれ選ばれた。(鈴木 潤)


◎「介護の日」制定記念で大妻高卒業生が母校で講話

 介護福祉の現場で活躍する卒業生が講師を務める講話が11日、函館大妻高校(池田延己校長、生徒461人)で開かれた。2人の先輩が「大いに悩んで、進路を決めてほしい。仕事にはこれという正解はなく、日々の努力が大事。頑張って」と福祉科2、3年生計61人に働く意義や仕事へ向かう姿勢を伝えた。

 介護老人保健施設「やわらぎ苑西桔梗」介護部マネジャーの塚原百里さん(福祉科2回生)、特別養護老人ホーム「函館百楽園」介護係長、佐藤ももえさん(同3回生)が駆けつけた。

 塚原さんは、一度離職したが、利用者との出会いが介護現場へ戻るきっかけを生み、「もっと充実した介護サービスをしたい」と施設で各種改革を推し進めてきたことを紹介。佐藤さんは、在校生の国家試験受験勉強に触れ、「今は大変だと思う。でも、社会の現場でこの経験が必ず生きてくる」と激励した。また2人は「介護に終わりはない。常に意識を持って取り組むことが重要」と強調した。

 講話後に「先輩に聞く」と題し、教室で先輩に質問。生徒は、利用者との意思疎通の取り方や、実習時の留意点などを質問し、佐藤さんは「仕事で大事なのは技術うんぬんより気持ち。勉強と経験を積んで、感受性豊かな大人になってほしい」とアドバイスしていた。

 2年の盛田有希さん(16)は「先輩の豊富な経験談を聞くことができてよかった。社会に出てもしっかりと頑張れるように、毎日の勉強を頑張りたい」と話していた。

 講話は、11月11日「介護の日」制定記念フォーラムとして実施。函館短大保育学科の新沼英明専任講師による基調講演も行われた。(田中陽介)