2009年11月14日 (土) 掲載

◎「夜景の日」の彩り クリファンで再び…12月25日に花火

 「2009はこだてクリスマスファンタジー」最終日の12月25日午後8時13分に、市内13カ所から花火を打ち上げるイベントが行われることが明らかになった。函館市民の有志が毎年8月13日に花火を打ち上げる「函館夜景の日」を冬場の時期にも行い、マチを彩ろうと開く。主催者は「今年の函館開港150周年の最後のイベントと位置づけ、盛大にラストを飾りたい」と話している。

 今回の打ち上げは「クリスマスファンタジー実行委員会」(寺坂伊佐夫委員長)と、市民団体「夜景の日を考える会」が母体となって発足した「エリア8K実行委員会」(馬場哲也委員長)が共催して実施する。12日に市内で開かれた、クリスマスファンタジーの実行委で発表された。

 「エリア8K―」は今年8月13日、開港150周年を記念して緑の島(函館市大町)など市内13カ所から打ち上げを実施。当日は多くの市民が街中の至るところで見物するなど好評だったことを受け、クリスマスファンタジーに合わせて再び函館を盛り上げようと実施することになった。

 打ち上げ場所は8月と同様に緑の島をはじめ、市内の学校のグラウンドなどを活用する方向で、今後調整を進めていく。

 25日は通常のクリスマスファンタジーと同様、午後6時から花火が打ち上げられるため、一晩に2回、花火が楽しめる。ファンタジー実行委は「年末まで開港150周年を祝いたい。当日にファンタジーの会場にも来てほしいのはもちろん、自宅の周辺など、市内のどこかで花火を楽しんでもらえれば」と市民に呼びかけている。航空機の運航状況などにより打ち上げが多少遅れる場合がある。

 「函館夜景の日」は1991年、当時の函館青年会議所理事長、福西秀和さんが発起人となり、夜景の大切さを再認識する記念日を設けようと、8(や)とトランプの“K”にあたる13に当てはめ、8月13日に制定された。(千葉卓陽)



◎神山地域に児童館建設へ…移動市長室

 函館市の西尾正範市長は13日、函館市内で唯一の児童館空白地域となっている神山地域に、2011年度に児童館を建設し、12年度に供用開始する計画があることを明らかにした。函館神山小学校の近接地に設置を予定。市内で児童館機能を持つ施設は27施設目となる。

 同日、亀田福祉センターで開催した本年度の「第4回移動市長室」で、地域住民の質問に答えて明らかにした。約50人の市民が参加。市側は市長をはじめ谷沢広副市長、工藤寿樹副市長、多賀谷智教育長らが出席した。

 同地区の児童館はかねてから地域住民が設置を要望しており、ようやくかなえられる形になった。市は今後の人口推移の見込みなどから、「相当数の利用が見込まれる」としている。

 このほかの出席者は、石川稜北地区を市街化区域に編入する手続きを進めていることに関連して、小学校を設置する方針があるかを質問。多賀谷教育長は「本当に必要な場合は建てるが、他校との関係で考えていく」とした。また「市の事業仕分け作業に町会連合会もかかわらせてほしい」とする要望に対しては、西尾市長が「検討の結果入ることになるかもしれない」と答えた。(小泉まや)



◎西村さんの布の絵本 最高賞に輝く…全国コンクールで市長賞

 函館市桔梗町に住む西村静子さん(60)の布絵本「クモッコもだいすきエゾキスゲ」が、山口県の「第2回下松手づくり絵本全国コンクール」で最高賞の下松市長賞に輝いた。クモやハチなど「命」への温かいまなざしを映し込み、はぎれで色鮮やかに仕上げた力作。紙の絵本として500冊製本化され、同県内の小学校などに寄贈されることになり、西村さんは「ありがたい」と喜んでいる。

 破られながらも花の近くに何度も巣を張るクモ。ハチのために巣を取り払った女性が、クモがいなくなると逆に心配になり、再び巣を見つけて笑顔になる…。

 「クモッコ―」は、自宅庭での実体験を基にした。「クモに悪いことしたな、と思った」とほほ笑む西村さんが、当時の心境や虫への思いを込めてコツコツと作った。

 材料は知り合いや客からもらった布きれ。「どんなに小さくても思い出がある」という布から生まれた虫たちは表情豊か。色使いも絶妙で、手作りならではの味わいある作品に仕上がっている。

 布絵本作りを始めたのは約5年前。市内で始まった「世界に一冊だけの本展」がきっかけだった。それまでは夫とクリーニング店を切り盛りしながら育児や生活の中で感動した出来事を書き留め、そこから創作した物語を布の壁掛けの形で表現していた。

 「田舎者の劣等感があったけど、子どもを育てて人それぞれでいいと思った」と語る西村さん。小さな虫や過ぎ去った原風景など日の当たらぬ存在に目を向け、布絵本として息を吹き込んでいる。

 コンクールは下松手づくり絵本の会(金井道子代表)が主催。全国から183点の応募があり、審査員は美術の評論家ら4人が務めた。完成した製本50冊が年内にも、西村さんに届けられる。(新目七恵)


◎初V目指して頑張れ…七飯でJ1・川崎の応援ムード高まる

 【七飯】大沼で毎年合宿をしているサッカーJ1リーグの川崎フロンターレがリーグ戦の優勝争いをしている中、町内では応援ムードが高まっている。町や大沼観光協会の関係者はリーグ戦の行方を注視しており、優勝を想定し、祝福の準備を進めている。

 川崎フロンターレは2005年から毎年、リーグ戦の中断時期となる夏場、東大沼多目的グラウンド(トルナーレ)で強化合宿をしている。チームが合宿入りした際には町も歓迎セレモニーをして迎え、選手たちも地元の小中学生を対象としたサッカー教室を企画するなどして交流を深めている。

 合宿初年度の2005年には、リーグ戦前半下位に低迷したチームが大沼合宿後、快進撃で上位にも食い込んだ。翌年以降、リーグ戦上位で活躍し、昨年は過去最高の2位になった。今年は11月13日現在、首位に立っており、今月上旬行われたナビスコカップでも準優勝を果たした。

 2位のチームとは勝ち点1差。最終戦の12月5日まで残り3試合でこのまま勝ち進めば初優勝も見えてくる。

 町民もチームの優勝争いに注目。中宮安一町長は「大沼で合宿をしているチームなので勝敗は気になる。優勝した場合、垂れ幕を掲げるなど祝いごとを前向きに検討したい」と述べた。

 大沼観光協会の堀元会長は「ここまで来たら優勝してもらいたい。役場と歩調を合わせて何かしたい」と話す。

 ただ、チームは先のナビスコカップで準優勝した際、一部の選手が表彰式で悪態をつき、処分を受け、応援ムードに水を差す出来事もあった。

 町内の30代の男性は「町に毎年来ているチームなだけに残念。プレーで信用を回復してほしい」と複雑な気持ちで話していた。(鈴木 潤)


◎ササラ電車 出動準備OK

 さぁ来い、冬将軍―。函館市交通局の専用除雪車両「ササラ電車」が13日、降雪期を前に試運転を行った。市電の路面上に積もった雪を高速回転させた竹の束ではねる仕組みで、ササラが正常に回転するかどうか、同局職員が入念に確認した。

 同局はササラ電車を2両所有。明治時代後期から客車として使っていた車両を1937(昭和12)年に改造したもので、委託業者によるトラックでの除雪が間に合わない場合や、大雪の際に出動する。2006、07年度は少雪のため出動機会がなかったが、昨年度は今年1、2月に計2日間、延べ9回の出動があり、約50キロを走った。

 ササラは長さ30センチの孟宗竹を約200本束ね、車両の前後に合わせて約900束を装着している。この日は駒場車庫(駒場町15)内で職員が電車の状態を確かめた後、ササラの回転を止めた状態で駒場車庫―五稜郭公園前間を1往復し、本番に備えていた。(千葉卓陽)