2009年11月20日 (金) 掲載

◎八雲の観光客急増…道央道落部IC開通1ヵ月

 【八雲、函館】道縦貫自動車道(道央道)の八雲インターチェンジ(IC、八雲町立岩)―落部IC(同町東野)が開通して1カ月余りが過ぎた。開通後1カ月の同区間の交通量は一日平均2900台と当初の見込みを4割近く上回る順調な滑り出しだ。八雲町では道央圏からの観光需要に沸く一方、函館の物流関係者には効果は限定的との見方もあり、真価が試されるのはまだ先のようだ。

 落部ICは2006年11月に供用を開始した八雲ICから函館方面に延びる延長16キロで、1999年に着工。函館と札幌を結ぶ大動脈の国道5号と並行し、檜山南部とのアクセスも容易になった。ただ、函館―札幌間の所要時間は5分程度の短縮にとどまる。

 同区間には道立公園「噴火湾パノラマパーク」に隣接するパーキングエリアがあり、週末の自動料金収受システム(ETC)割引効果も相まって利用客が急伸している。函館土木現業所によると、開通した10月の利用者数は3万9289人で、前年比1.7倍・約1万6400人増えた。

 公園を管理する八雲町公園緑地推進室は「八雲ICができた時よりも利用客の増加は明らか。週末の軽食などの売り上げも従来の4―5倍の伸びで、パンフレットのなくなり具合をみても公園を知らないで立ち寄る人も目立つ」と話す。車の台数も10月は2665台と前年比1.6倍増と好調だ。

 一方、道北や道東圏などの家畜輸送を手掛ける函館小型運送(函館市西桔梗町)の庭田孝治専務は「災害時のp??iうかい)路としての価値は大きい」としながら、「一般道よりも距離では遠回りになる。通行料のコスト負担もネックのため、基本的には使わない。大沼まで延びても乗るかどうか」と冷めた見方だ。

 東日本高速道路は現在、落部ICから大沼ICまでの29・8㌔について、2012年度の開通を目指して工事を進めている。その先の大沼IC―七飯IC間10キロは通行無料の新直轄方式で整備され、建設する函館開発建設部は「(旧日本道路公団から引き継ぎを受け)環境調査やトンネル工事の技術的な検討を進めている段階」とし、着工のめども立っていないという。

 現在はETC搭載車の週末割引で一時的な需要増の可能性もある。出張で札幌に車でよく行くという市内の男性経営者(60)は「週末なら使うが、函館や七飯に直結するまでは便利になったとは言えない」と話している。(森健太郎)



◎カズノコ出荷作業ピーク

 年の瀬が近づき、函館市内の水産加工場ではカズノコの出荷作業がピークを迎えている。古川町11の山鼻水産(山鼻達郎社長)の加工場でも25人の従業員がカズノコの仕分け、箱詰め作業を休日返上で行っている。

 同社では北洋産のニシンを6月に仕入れ、取り出した卵の血抜きや殺菌漂白などを行い、塩水につけ、黄金色に加工。今月末から関東、関西方面に出荷し、デパートやスーパーの店頭に並ぶ。

 1日平均500キログラム、1000パックを生産。全てが年末商材として出荷される。同社では小売りも行っており、価格は500グラム2500円、1キロ4500円。輸入量の減少や燃油高で経営は厳しいが、山鼻社長は「企業努力で価格は据え置きにしている」と話す。

 また、同社では糠にしんも販売。内臓を取り、家庭でも食べやすいように丁寧に糠を落として真空パックに詰める。口コミで評判を呼び、正月の贈答品としてまとめて1箱買い求める人もいるという。(黒田 寛)



◎ボジョレ解禁…イベントでファン堪能

 フランス産の新酒「ボジョレ・ヌーボー」が解禁となった19日、函館市内の飲食店やホテルでは、待ちかねていたワインファンが集まり、「50年に一度のおいしさ」を堪能するイベントが開かれている。

 同市豊川町にあるラビスタ函館ベイ1階スペイン市場「カサ・デ・ノルテ」では、ボジョレとスペイン料理を楽しむ夕べ「ボジョレナイト2009」が開かれた。今年のワインは酸味が抑えられているためフルーティーで飲みやすいのが特徴。料理もタパス(小皿料理)やピンチョス(串料理)、イベリコ豚のローストなどワインとの相性がいい特別メニュー約30種類が並んだ。

 会場にあるステージでは、市内などで活躍するフラメンコ・ロルカの永倉麻貴さんが官能的な踊りを披露し、参加者は用意された4種のワインを満喫した。20日も同会場で実施される。

 友人と参加した市内の神田早苗さん(48)は「とてもまろやかでおいしかった。料理やフラメンコとともに最高の時間を過ごせた」と大満足の様子だった。(小杉貴洋)


◎職員派遣 未来大は継続…函館市

 函館市は19日までに、派遣法に基づく公益法人への職員派遣のあり方案をまとめた。市住宅都市施設公社と市文化・スポーツ振興財団、市社会福祉協議会に派遣している職員26人を本年度で市に引き揚げる一方、公立はこだて未来大学に派遣している20人は当面、派遣を継続するとした。同時に公社・財団のあり方についても示し、現在公社が管理する施設について、一部を除き来年度以降、順次代行者管理者を公募する方針。24日の市議会総務常任委員会で報告するほか、同日に市役所職員労働組合にも説明する。0ァ40ィ(千葉卓陽)

 引き揚げの対象は同公社13人、同財団12人、同協議会1人。いずれも「市の側面支援のもとで、事業を支障なく運営していける」(市人事課)と判断した。

 一方では、神戸市が外郭団体に派遣した職員の給与を補助金で支出したことに今年1月、神戸地裁に続き大阪高裁が違法判決を下しており、引き揚げはその司法判断に沿った形。市は3団体に派遣している26人に対し、本年度当初予算ベースで約2億3474万円を補助金や委託料として支出している。

 未来大に派遣している20人の引き揚げは当初、来年度以降に実施する考えだったが、昨年度の地方独立行政法人化などの影響から、人材確保などに課題があり、大学運営に支障をきたすとして当面の間派遣を継続。市行政改革課は「公社・財団と違ってプロパー化がまだできていない。人材育成の面などを整理しながら、継続的に見直しを進めていく」としている。

 また、指定管理者制度について、函館山緑地と函館公園は同公社が引き続き管理する一方、来年度以降、東山墓園や五稜郭公園、市民の森などで管理代行者の公募を行う。財団に関しては市民会館、芸術ホール、市民体育館、市民プールと屋外スポーツ施設で管理を継続する。同課は「北方民族資料館、文学館などは今後の公募も視野に検討する」と話している。


◎22日は「いい夫婦の日」 五稜郭タワーなどで特別プラン

 11月22日の「いい夫婦の日」にちなみ、函館市内の観光地やホテルでは夫婦やカップルを対象とした特別プランを提供している。今年は連休期間中ということもあり、多くの利用が期待されている。

 五稜郭タワー(五稜郭町43)では18日から30日まで、展望台での記念撮影を行う特別サービスを実施。料金は1組2000円。2人分の展望台利用チケット(通常1680円)とスタッフによる記念撮影に加え、長寿箸(はし)1組、五稜郭のポストカードや非売品のGO太くんシールなどの記念品がセットになっている。写真はキャビネ判の大きさにプリントされ、後日郵送される。

 同タワー営業部の志甫谷(しほや)孝係長は「夫婦そろってタワーからの眺めをゆったり楽しんでほしい。好評なら来年以降も継続していきたい」と話している。

 ロワジールホテル函館(若松町14)では22、23両日、「キッチンルーム SHIKI(四季)」と「しゃぶしゃぶ喜来里(きらり)」にそれぞれ「いい夫婦の日特別プラン」を用意する。四季ではランチビュッフェ(通常1260円)とディナービュッフェ(通常2100円)を、いずれも夫婦またはカップルで来店した場合、1人分1122円となる。喜来里では富良野和牛のしゃぶしゃぶをメーンとした「道産こだわりコース」(通常7000円相当)を2人分1万1220円で提供する。

 同ホテル企画広報部の武田明子マネージャーは「一流の料理人による本格的な料理を、手ごろな値段で味わいながら、夫婦の絆(きずな)を深めてもらえれば」と利用を呼び掛けている。

 五稜郭タワーへの問い合わせはTEL0138-51-4785。ロワジールホテル函館はTEL0138-22-0111。(小川俊之)