2009年11月6日 (金) 掲載

◎秋の彩り ふっくりんこ弁当…大妻高が創作7、8日販売

 函館大妻高校(池田延己校長、生徒461人)食物健康科の生徒が創作した道南産米「ふっくりんこ」を使った特製弁当「大妻日和」が7、8の両日、函館市昭和1のホクレンショップ函館昭和店で限定販売される。地元食材をふんだんに盛り込み、高校生の発想で考案した旬の味覚を地域の消費者に届ける。

 同校と新函館農協、ホクレン函館支所、ホクレンショップ函館昭和店の4者連携による初めての食育推進事業。地元産の農産物の魅力を伝えようと、昨年からふっくりんこの田植えや収穫実習を行っている食物健康科の2年生39人がレシピづくりや調理、販売を体験する。

 メニューは10月から生徒らが試作を重ね、約40種類の品目から計11種類を厳選。コメは今秋収穫したばかりのふっくりんこの新米を同支所が提供し、秋らしいクリの炊き込みご飯に仕上げた。おかずには森産のカボチャを使ったコロッケや、北斗産のシイタケのツナマヨ詰めなど、彩り豊かな生徒のアイデア料理が並ぶ。

 製作した川村歩さん(17)は「先生のだめ出しを受けながら試行錯誤の連続だった。カボチャのコロッケにひき肉を混ぜたのがポイント」と語り、宮脇亜璃沙さん(17)は「全体の彩りとバランスに気を配った。地元の旬のおいしさを多くの人に味わってもらいたい」と出来栄えに自信をにじませた。

 店頭では生徒12人が販売も手掛ける。各日とも午前10時から限定50食で、売り切れ次第終了。一個500円。問い合わせは新函館農協米穀課TEL0138-84-8737。(森健太郎)



◎高卒採用に15万円助成…函館市が緊急対策

 来春卒業する新規高卒者の就職内定状況が全国的に非常に厳しい中、函館市の西尾正範市長は5日の定例記者会見で、緊急的な施策として、新規高卒者らを正規雇用する市内の中小企業に、雇用者1人当たり15万円を助成し雇用促進につなげる考えを明らかにした。12月の第4回定例市議会に関連議案を提出し、可決されれば2010年1月から受け付けを開始する。補助対象は320人、事業費は4800万円を見込む。

 新規高卒者の就職状況について西尾市長は、9月末現在の求人倍率と就職率が共に前年同期を大きく下回っていることに触れ、「就職戦線は厳しく、特に高卒者が例年に比べ落ち込んでいる。地元志向の強い高卒者の受け皿確保が急務と判断した」と述べた。市によると同様の事業は全国の自治体でも行われており、道内では苫小牧が実施しているという。

 補助の対象となるのは、10年3月に高校を卒業または1991年4月2日以降に生まれた市民を、10年4月から9月までに正規雇用した場合。11年3月末までに市内の勤務が6カ月以上継続すれば補助が確定する。市内の高卒者の初任給は約14万3000円(市調べ)であることから、ほぼ1カ月分の給与に当たる15万円を、教育訓練や人材育成経費として事業主に支払う。

 対象人数は、昨年市内に就職した高卒者の人数(368人)などから320人を見込んだが、これを上回る申し込みがあった場合にも助成する方針。事業主には、事前の採用予定計画や実績報告の提出が義務付けられる。

 西尾市長は「函館の人材を1人でも2人でも地元に残して育てていきましょう」と呼びかけている。事業の問い合わせは市労働政策室TEL0138-21-3308。(小泉まや)



◎丘珠の新千歳移転説明…全日空が西尾市長を訪問

 全日空は5日、函館市に対し、子会社のエアーニッポンネットワーク(A―net)が運航する丘珠路線の新千歳空港への移転について、来年7月1日に実施する考えを伝えた。

 市役所を訪れた同社の平澤寿一企画室ネットワーク戦略部担当部長は、西尾正範市長と会談し、移転理由として、丘珠空港の滑走路(1500㍍)で使用できる機体が製造中止となり、後継機種がないことや、コスト削減などを提示。「30年ぶりに上期決算が赤字になった。路線を維持しながらコストを下げ、お客さまの期待に応えたい」と理解を求めた。西尾市長は「ビジネスを中心に定着していた路線なので歓迎できることではない。JRとの競争で路線がどうなるのか。できれば丘珠存続を望みたいが、便数、路線はぜひ維持してほしい」と要望した。

 同社は移転後も現行の路線、便数(函館は原則1日5往復)を維持したまま、座席数を増やし、乗継割引などを導入する計画。函館関連では、札幌発の最終便を午後5時から同7時に時間変更する予定。冬季就航率アップや乗り継ぎの利便性向上による需要喚起などの狙いもあり、平澤部長は「全体の利便性をアピールし、便数の維持に向けて最大限努力したい」と話した。

 4日に道に対し、移転方針を正式表明した同社は、函館市を皮切りに、来週中に関係市町に事情を説明する。(宮木佳奈美)


◎北大練習船「おしょろ丸」初のオリジナル商品販売

 北大水産学部と北大生協函館水産支部が、練習船「おしょろ丸」の就航100周年記念グッズを共同企画・制作した。同学部のオリジナル商品は初めて。はしやTシャツ、マグカップなど7種類で、函館市港町1の北大生協函館水産支部売店(厚生会館2階)のみで販売している。

 同学部では節目のことし、式典や船の一般公開など多彩な事業を展開しており、今回もその一環。

 作ったのはマイはし(400円)、巻紐(まきひも)付きはし袋(250円)、はしキャップ(100円)、Tシャツ(1050円)、マグカップ(650円)、エコバッグ(700円)、黒板消しストラップ(825円)。どれも船をモチーフにしたロゴマークや水産旗が付いているのが特徴で、Tシャツは白とネイビー(紺)の2色、サイズはM、Lの2種類用意した。

 売店では販売コーナーを設けており、佐々木あつ子支部長は「水産学部独自の商品は初めてで、卒業生から問い合わせもある」という。中塚英俊実行委事務局次長は「環境問題に配慮した商品もあるのでぜひお買い求めを」とPRしている。

 同学部ではこのほか、非売品の卓上カレンダーも作製。このほか関連行事として、巡回展形式の写真パネル展を市地域交流まちづくりセンター(末広町4)で12月3日まで開催中で、会場には初代から4代までやコンテスト受賞作品など約40点が並んでいる。

 中塚次長は「市民や観光客におしょろ丸の歴史を知ってもらいたい」と話している。

 販売商品に関する問い合わせは生協売店TEL0138-41-3109。0(新目七恵)


◎白鳳、青麒章の受章者発表

 函館市文化団体協議会(宍戸雄一会長)は5日、本年度の白鳳(はくほう)章と青麒(せいき)章の受章者を発表した。白鳳章は舞踊家の臼渕タツ(芸名・花泉舞衛)さん(87)と俳人の西沢和寿(俳号・寿林子)さん(80)、青麒章にはソプラノ歌手、佐藤朋子さん(35)、俳人の畠山慶一(俳号・恵雨)さん(85)が選ばれた。贈呈式は27日午後6時から、ロワジールホテル函館で開かれる。

 両章とも函館に活動拠点を置く団体、または団体に所属する個人に贈られる。白鳳章は長年にわたり函館の文化・芸術に貢献した個人・団体、青麒章は昨年9月1日から今年8月31日までの1年間に文化・芸術活動で優れた実績を残した個人・団体が対象。授章は1982年から行っており、今年の4個人を含めて延べ204個人・団体が受賞している。

 授章理由と各人のコメントは次の通り。

 ◇白鳳章

 ▽臼渕タツさん=本町、創作舞踊花泉流・日本民謡協会

 1977年に花泉流を創設。多くの弟子たちを育てながら日本舞踊を基本とした新舞踊の振り付けで多くのファンを楽しませ、各地の祭りや神社の舞台にも積極的に出演している。「受章は本当にうれしい。長年の勉強してきたかいが実ったと感じている」

 ▽西沢和寿さん=柏木町、函館俳句協会

 老人福祉教養講座で15年間、道国際交流センターの「日本語・日本文化講座夏季セミナー」で9年間俳句の指導にあたるなど、多方面で俳句の振興発展に寄与した。「思いもよらない受章で、感激ひとしお。歴史的風土を持った函館で活動ができたことが幸せ」

 ◇青麒章

 ▽佐藤朋子さん=湯川町、函館音楽協会・函館の文学と音楽の会

 昨年11月に文化庁芸術団体人材育成支援事業のオーディションに合格。今年2月には札幌交響楽団と共演、奥行きのある表現力と洗練された歌唱力が高い評価を受けた。「周りの人々の支えがあっての受章で、本当にありがたい。これを励みに今後も西洋音楽の普及に努めたい」

 ▽畠山慶一さん=柏木町、函館俳句協会

 昨年12月に函館俳壇史の集大成として「函館俳壇史録」を刊行。記録や資料を集めて独力で執筆し、道南の俳人の事績や、俳句結社の変遷をまとめあげた。「先人が築いてくれたものを残していかなくてはと作業に当たった。受章で一つの道ができたと思い、ほっとしている」(千葉卓陽)