2009年12月16日 (水) 掲載

◎今冬一番の冷え込み…15日の道南

 15日の道南は、本道上空に真冬並みの寒気が入り冬型の気圧配置となったため、各地でこの冬一番の冷え込みと大雪に見舞われた。函館海洋気象台によると同日午後6時までの最低気温は、長万部氷点下8・2度、森同7・4度、今金同6・9度、函館同6・1度で、いずれもこの冬最も低かった。

 雪は14日夜から本格的に降り始め、函館の降雪量は15日午後6時現在で24センチ、函館の最大積雪は22センチだった。市内では朝から主要道路に除雪車が出動し、市交通局では専用除雪車両「ササラ電車」を出動させた。

 市民も自宅や駐車場などの除雪に追われ、市内弥生町の男性は「一晩にこんなに降らなくてもいいのに」、市内美原の主婦は「昨夜はこの冬初めて水道管の凍結対策をした」と話していた。

 大雪の影響で、空の便が函館と丘珠を結ぶ路線を中心に乱れた。全日空(ANA)は同日、午前7時35分丘珠発函館行きの4811便が函館空港に着陸できず、千歳空港に代替着陸し、折り返し便が欠航となるなど、函館―丘珠間の3往復6便が欠航し、計233人に影響。また、北海道エアシステム(HAC)は、函館―奥尻間の1往復2便、函館―丘珠間の1往復2便が欠航となり、計84人に影響した。

 同気象台によると16日の渡島地方は曇りで、昼すぎまで時々雪が降る。桧山地方は雪で吹雪となるが、昼前から時々曇りに落ち着くとみられる。



◎来年度から市税、国保料など督促手数料廃止へ

 函館市は来年度から市税、国民健康保険料、保育料をコンビニエンスストアで納付するサービスを開始するのに伴い、納付期間までに納付しない場合に発生する督促手数料(100円)を廃止する方針で、定例市議会に関係条例の改正を提案している。継続した場合、コンビニ納付の際に必要なバーコードを別途送付する必要があり、経費増につながるため。経費負担を抑えながらコンビニ収納を進め、収納率向上につなげる考えだ。

 市税などの窓口納付は現在、銀行・郵便局などの金融機関と市役所、支所で行っており、督促手数料が発生する場合はいずれも窓口の職員が手書きで対応している。

 市はコンビニ収納の開始にあたってシステム構築を進めており、払込取扱票に専用のバーコードを記載する予定。督促手数料が発生する場合、100円を徴収するためのバーコードが記載された払込票を、改めて送付する必要が生じる。

 督促手数料廃止で約2000万円の収入減が予想される一方、市納税課は「100円の手数料を取るためには封筒代など、概算で約3000万円がかかり、コスト高につながる」としている。

 また、2004年には全国銀行協会が事務負担の軽減を求める要望を発表していることに加え、道内でも督促手数料を徴収している自治体が函館を含む5市と少ないことも、廃止理由の一つとして挙げられる。

 対象は市税(市・道民税、固定資産税、軽自動車税)と国保料、保育料。ただ、本年度とそれ以前に納付対象となった税金は従来通り、督促手数料の徴収対象となる。同課は「督促そのものは新年度以降も変わらず実施する。コンビニ収納開始で利便性を高め、納税率増加につながれば」と話している。(千葉卓陽)



◎工藤上ノ国町長が3選出馬を表明

 【上ノ国】工藤昇上ノ国町長(56)は15日の第4回定例町議会で、2010年5月に行われる任期満了に伴う町長選で、3選を目指して出馬する意向を正式表明した。次期町長選での出馬表明は工藤氏が初めて。

 花田英一氏の一般質問に答えた。工藤氏は「改革の柱として掲げた行政改革、財政改革、組織機構改革は町内外に誇れる成果が得られた。改革の最大の目標である産業基盤の強化はいまだ芽吹きを見ていない。残された課題を実現するため町政を継続し、町づくりの完遂を見届ける責任がある来年の町長選に立候補する決意を新たにした」とし、3選への決意を示した。次期町長選をめぐっては、これまでのところ工藤氏以外に出馬の動きは無い。

 工藤氏は就任間もない2004年、徹底した行財政改革や農漁業生産額の大幅増などを柱とする自立プランを策定。着実な財政再建により起債(借金)の減少を図り、高校生以下の医療費無償化や日本海沿岸の森林復活に向けた日本海グリーンベルト構想など、独自色のある政策を次々と打ち出した。

 工藤氏は同町出身で1972年に町役場入り。企画商工課長補佐、保健福祉課長補佐などを経て、02年5月の町長選で現職の福原賢孝氏(現道議)を破り初当選した。06年の前回選挙は無投票当選。現在は桧山総合開発期成会長などを務めている。(松浦 純)


◎七飯の給食に大沼牛…小澤牧場が100キロ寄贈

 【七飯】七飯町内の学校給食で15日、地元ブランド「はこだて大沼牛」を使ったビーフシチューがメニューに登場した。肉牛生産者でつくる道牛肉消費拡大委員会(札幌)の副会長を務める小澤牧場(町内上軍川)の小澤嘉徳社長(66)が町教育委員会に同ブランドの肉約100キロを寄贈し、今回のメニューが実現。児童、生徒たちはやわらかな牛肉の食感や味覚を満喫した。

 同委員会は国産牛肉の消費拡大を目指してさまざまな啓発活動を行っており、道南で活動する小澤社長は学校給食への提供を提案。小澤牧場では、独自ブランド「はこだて大沼牛」として年間約5500頭の肉牛を出荷しており、自家産の牧草やデントコーンを飼料に使い、排せつされたぶん尿もたい肥リサイクル処理するなど安全管理を徹底している。

 2001年に端を発したBSE問題や外国産の牛肉との競争で国産牛肉が苦戦をしている中で「特に子供たちに国産牛は安全、安心で、おいしいということを理解してほしい」と小澤社長。

 この日は小中合わせて11校で児童、生徒、教職員分合わせて2600食が提供された。

 同牧場近くの軍川小学校(大岡裕子校長、児童20人)では、小澤社長と中宮安一町長、林一道教育長が来賓として来校。中宮町長が「たくさん食べて丈夫な体を作って」とあいさつした後、皆で給食を食べた。ビーフシチューを口にした児童たちは「おいしい」と笑みがこぼれ、中にはおかわりする子もいた。 

 1年生の久保田詩織さん(7)は「また、給食で牛肉食べたい」と話していた。

 小澤社長は来年4月にも町教委に牛肉を提供する予定で、「子供たちが味に一番正直。喜んでくれて何より。今後も消費拡大に向けていろいろと取り組みたい」と話した。

 町では、野菜を中心に給食で地産地消を推進。牛肉は豚肉や鶏肉と比べ価格が高いため食材として使う頻度は少ないが、林教育長は「何とか年に1回くらいは大沼牛の肉を使っていきたい」と話している。(鈴木 潤)


◎年賀状出したよ…園児ら引き受けセレモニー

 来年の年賀状の引き受けセレモニーが15日、函館市新川町1の函館中央郵便局で行われた。新川町1の函館共愛会中央保育園(西出房子園長)の園児24人による歌の発表と初投函セレモニー、年賀状を投函した市民への「干支(えと)土鈴」のプレゼントも併せて行われた。

 セレモニーでは、郵便事業株式会社函館支店の篠田純一支店長が「年賀状は新年の始まりを告げるもの。郵便番号の間違いがないように投函してください」とあいさつした。続いて園児らによる歌が披露され、「北風チャチャチャ」「お正月」を園児らがかわいらしく歌い上げた。

 その後、園児らが年賀状を年賀専用ポストへ初投函するセレモニーに移り、保護者が書いた住所に「おめでとう」などと園児自らが書いた年賀状を投函した。市民らによる投函も行われ、先着30人に来年の干支の寅の土鈴がプレゼントされた。同支店郵便課の川島道徳課長は「年賀状の数自体は減ってはきているが、日本の風物詩でる年賀状の伝統を絶やさないでほしい」と話していた。(黒田 寛)