2009年12月19日 (土) 掲載

◎「にしむらバラ園」のローズ・ソース好評

 【北斗】バラの苗販売などをしている市清川747の「にしむらバラ園」(西村和益社長)で育てたバラの花びらを使った「ローズ・ソース」と「ローズ・ジャム」が評判となっている。和益さん(60)と妻の令子さん(59)は「寒い冬には温かい紅茶の中に『ローズ・ソース』を入れて、自然の香りと花びらの食感を味わってほしい」と話している。

 「―ソース」「―ジャム」は、同園を訪れた客向けに昨年9月から販売している。以前は和益さんが家庭用に作っていたが、令子さんが味の研究を始め、販売することになった。

 同園では約500品種のバラを無農薬、有機栽培で育てている。材料は花びらとレモン、グラニュー糖。添加物などは使用しておらず、花びらの自然の香りを引き立たせている。品種は「オールド・ローズ」「イングリッシュ・ローズ」の2種類をメーンに数多くの種類、色のバラをふんだんに使う。

 製造期間は花が咲く5月から11月までに限られている。和益さんがバラを栽培、令子さんが加工するなど夫婦二人三脚で製造にあたっている。

 花びらは摘み取ったその日のうちに、何度も水で洗い選別し、鍋で煮詰め、次の日、瓶に詰める。花びらをたっぷりと詰め込んだぜいたくな作り方をしている。

 注文が多いと作業は夜中まで続くこともある。令子さんは「楽しんでやっているので苦にならない。一度買ってくれた人が何度も買いにきてくれることがうれしい」と話す。

 和益さんも「『―ソース』は紅茶やヨーグルトに。『―ジャム』はクラッカーなどに付けて食べるのが一番おいしい。紅茶の中に入れると、花びらがカップに浮かび、見た目にも美しい。夏の咲き誇るバラに思いをはせて味わってほしい。贈答用にもぴったり」と話している。

 1瓶150グラム。1050円。問い合わせは同園TEL0138-73-6272。ホームページ(http://nishimurarose.jp/)でも販売している。また、函館市内では旧イギリス領事館などでも取り扱っている。(松宮一郎)



◎事業仕分けで函館の6教育機関が共同声明

 政府の行政刷新会議の「事業仕分け」で高等教育に関連する予算の削減や廃止が相次いだことに対し、函館市内の6高等教育機関の学長らが18日、公立はこだて未来大で緊急会見し、地方の教育予算充実を求める共同声明を発表した。高等教育施策の立案や函館市の学術研究都市の形成など「機関が社会的役割を果たす上で大きな支障となるばかりでなく、函館市の発展にとっても障害」と訴えている。。

 機関は未来大、函大、北大大学院水産科学研究院、函館工業高等専門学校、道教大函館校、函短大。会見には岩熊敏夫函館高専校長を除く各機関の学長ら5人が出席した。。

 声明では地方にある高等教育機関の予算削減を中止し、長期的な見通しと視野に立った教育政策の立案を要求。函館市の学術研究都市形成に関わる事業の廃止や予算削減に反対し、「政府が学術研究を核とした地域振興政策を着実に支援することを強く要望する」としている。。

 「廃止」と判定された文部科学省の「知的クラスター創成事業」には北大大学院水産科学研究院や函館高専、未来大が参画しており、声明の代表者である中島秀之未来大学長は「膨大な技術や知識の蓄積は日本の将来を見据えて取り組むべき」とし、北大の原彰彦院長も「函館国際水産・海洋都市構想など函館市にも打撃を与え、単に研究面だけでなく地域全体に影響がある」と訴えた。。

 キャパス・コンソーシアム函館が公開講座「函館学」などを提供している「大学教育充実のための戦略的大学連携プログラム」は「予算要求の縮減」の判定となり、道教大函館校の杉浦清志副学長は「8事業を展開しており、せめて(財政支援機関の)3年間は満額続けてほしい」と話していた。(新目七恵)



◎道南2市9町の学校が冬休み返上で授業

 新型インフルエンザの爆発的な流行で、休校が相次いだため、道南の2市16町中、半数以上の2市9町が、冬休み期間を当初予定より短縮したり、休み中に登校して授業を行うなどの措置を取ることがわかった。冬休みに影響しない自治体でも、学校ごとに通常の登校日に授業を増やすなどしており、教育現場は休んだ分の時数確保に追われている。函館市教育委員会は「これほどの規模の校数が対応しなけれならないのは初めて」と話す。

 必要な授業時間数は定められており、これを下回る恐れがある場合は授業内容を変更したり、新たに授業時間を設けるなどの対応を取る。今秋からの新型インフル流行では、道南でも毎日のように閉鎖校が発表されるなど、教育現場にとっては深刻な状況が続いている。

 18日までに道南で冬休み期間を短くするなどの対応を決定したのは、渡島管内では函館・北斗の2市と、七飯(対応するのは小中合わせて4校)、木古内(同小2校)、知内(同中1校)、福島(同小1校)、森(同小中合わせて2校)、八雲(同小1校)、長万部(同小1校)の7町。桧山管内では、上ノ国(同中1校)と厚沢部(同中1校)の2町。

 函館市では、市立小中高校76校のうちほぼ半数となる37校(小学校は47校中23校、中学校は28校中13校、高校は1校)が冬休みを短縮する。日数や、学校または学年などの規模は必要とする時数によって異なるが、学校全体では1日から最大5日間も冬休みが短くなる。

 ことしの函館の市立校の冬休みは通常、25日から来年1月18日までの25日間。学校全体の休業日短縮により、冬休みを20日間とするのは弥生・青柳・赤川・鍛神小、21日間となるのは戸倉中。市立函館高校は23日間になる。

 学年のみの対応では、7日間閉鎖した金堀小学校6年生(2クラス)が、ほかの学年より6日間多く登校して24時間分の授業時数を確保する。同校は11月中旬から12月上旬にかけて、対象となる児童と保護者に事情を説明。稲岡敬人教頭は「児童は当初驚いたようだが最終的には理解してくれた」と言う。

 北斗市では浜分小学校のみが冬休みを2日短縮。同市教育委員会は「これ以外の学校でも普段の授業時数を1時間多くするなどの対応はこれまでにも行っており、3学期に不足分の授業をしなければならない学校もある」と、影響の大きさを説明する。(小泉まや)


◎北海道新幹線アイデア弁当、第2回試食会

 北海道新幹線函館開業対策推進機構(森川基嗣会長)が開発した「北海道新幹線アイデア弁当」の第2次試作品の試食会が18日、函館商工会議所で行われ、同機構企画部会のメンバー9人が見た目や味、函館らしさなどで評価を付けた。

 来年の東北新幹線新青森開業に合わせて、地産地消をテーマにした弁当の商品化を目指し、7月に市民からレシピを募集。市民のアイデアを集約し、10月に第1次試作品の試食会を市民向けに開催し、アンケートも実施した。この日は、アンケートなどを参考に改良した試作品を関係者が試食した。

 改良品では、パエリアだったご飯を、イカやエビ、ホッキを乗せた炊き込みご飯に変えた。ホッケのから揚げ、ホッケシュウマイ、イカポッポなど新たなメニューを取り入れ、道南産の食材をふんだんに盛り込んだ。

 試食した函館市新幹線対策室の川瀬真喜子主事は「函館の素材の味が感じられる。イカポッポは切り込みを入れて食べやすく改良すれば、函館名物をアピールできるのでは」と話した。同機構はさらに改良を加えて完成度を高め、年度内にもテスト販売する考え。(宮木佳奈美)


◎津軽海峡にけあらしもうもう

 漆黒の海に浮かぶ光が、揺らめく霧を浮かび上がらせる―。津軽海峡の海面に18日未明、蒸気霧「けあらし」が発生した。この日の朝にも発生し、大森浜沖は深いもやに包まれていた。

 けあらしは、寒さが厳しくなった時、冷たい空気と暖かい海面の温度差で発生する。本道では真冬の風物詩とされる。未明では、イカ釣り漁船の集魚灯の光が白く立ち上った周囲を照らし、幻想的な雰囲気となっていた。朝は日の出のころからもやが濃くなった。市内住吉町の女性は「こんなに本格的なのは今冬初めて」と話していた。

 函館海洋気象台によると、この日の道南は冬型の気圧配置が続いた影響で冷え込みが厳しくなり、朝までの最低気温は函館で氷点下8・1度だったほか、北斗同12・7度、厚沢部町鶉同12・1度、八雲町八雲同12・0度、長万部同11・7度、森同10・8度、今金同10・5度だった。(山崎純一)