2009年12月2日 (水) 掲載

◎いい湯だな~…熱帯植物園サル山の温泉

 函館市営熱帯植物園(湯川町3)のサル山に1日、冬恒例の温泉が登場した。浴槽に温泉街と同じ源泉が注がれ、106匹のサルは仲良く入浴。「いい湯だ。体のしんまで温まる」とご満悦の表情をのぞかせ、来場者の目を楽しませている。

 同園の名物温泉。浴槽には通常、冷たい水が入っているが、午前9時半に40度前後の湯に切り替えた。

 湯気が漂うと、サルたちは警戒したが、慣れた親ザルが湯につかり、子ザルも続いた。毛繕いをするものや、少しのぼせたのか、顔を一層赤らめ浴槽の縁に腕を上げ一休みするものも。

 温泉は塩分を含み、神経痛や皮膚病、切り傷などの効能があり、「けんかが多いサルたちにとっては最高の風呂。健康回復と心も温まってけんかも少なくなる」(同園)。

 サルは、ほぼ一日中温泉につかり、寝る前に上がり、体を寄せ合って毛を乾かすという。

 横浜から家族旅行で訪れた荒木田汐音(しおん)さん(8)は「気持ち良さそうなサルの顔が面白い」と笑顔だった。サル温泉は来年5月上旬まで。

 問い合わせは同園TEL0138・57・7833。(田中陽介)



◎観光客数22年ぶり300万人割れ…函館市本年度上半期

 函館市は1日、本年度上期(4―9月)の観光客数(推計値)を発表した。前年同期比7・5%減の約287万6000人で、1987年以来22年ぶりに300万人を割り、3年連続の減少となった。長引く景気低迷での全国的な観光旅行の不振や、新型インフルエンザ流行などが影響したとみられる。

 函館を訪れる際に利用した交通機関別では、乗用車はETC(自動料金収受システム)の休日特別割引が功を奏して、同1・1%減となる52万9300人だった。3月の同割引導入当初から利用数は好調に推移し増加傾向だったが、悪天候が続いたことなどが原因で、7月に極端に利用者が減り結果的に微減となった。JRは高速道路と競合する函館本線は同8・7%減の43万3200人だったが、海峡線は高速船の休止などで同3・8%増の41万9800人とわずかながら回復した。

 一方、フェリーは同16・1%減の16万3400人で、昨年10月末の津軽海峡フェリー(当時東日本フェリー)の高速船運航休止などが響いた。航空機は国内路線の休止やチャーター国際便の減便などで、同19%減の30万4800人と大幅に客数を減らした。

 月別ではシルバーウイークで9月の客数が同0・7%増と健闘したが、4―8月はすべて5―16%台の減少幅で大幅な前年割れとなった。宿泊は同6%、日帰りも10%落ち込んだ。

 下期(10月―2010年3月)は近年、150万人台で推移していたが昨年は145万人で、今年は昨年度合計の450万人突破も厳しい状況だ。市観光振興課は「ここまで落ちるとは思っていなかった。景気低迷による旅行先の近場志向や、新型インフルエンザによる旅行控えなどが大きく響いた」と分析。今後の見通しについては「集客力を高められる冬のイベントや観光資源をしっかり見直し、リピーターの確保や長期滞在をしてもらえるような施策を講じていきたい」としている。(山田孝人)



◎前函館市議の板倉氏が来年の参院選に出馬表明

 11月30日付で函館市議を辞職した板倉一幸氏(58)は1日、来年7月の参院選比例区に私鉄総連の組織内候補として、民主党から立候補することを正式表明した。板倉氏は出馬会見で「地域の公共交通を守り、地域活性化のために最大限努力したい」と述べた。

 私鉄総連組織内議員の今期限りでの勇退に伴い、今年7月に開かれた私鉄総連定期大会で、板倉氏を参院選の組織内候補とすることが決まった。出馬理由として「公共交通活性化に向けて国や道などの法的な制約や壁を乗り越え、全国の皆さんのお役に立てるよう国政に挑戦し、考えを実現したい」と述べた。一方、民主党が掲げる高速道路の無料化は反対する考えを示した。

 同氏は9月から東北、関東、関西などで各組合などへのあいさつ回りを進めており「組織内では無名だが引き続き全国を回り、一人でも多く浸透を図りたい。30万票が目標」とした。

 また、任期途中で函館市議を辞職した点について「市民からの信託を途中で辞すことを心苦しく思うが、新たな挑戦に向けて頑張りたい」と語った。

 板倉氏は函館市出身。1999年4月、函館バス労組などの支援を受けて市議に初当選し、連続3選。私鉄総連函館バス支部特別執行委員、同自治体議員団会議幹事などを歴任し、現在は私鉄北海道議員団会議会長。2003年6月から今年8月まで民主党道8区総支部幹事長を務めた。(千葉卓陽)


◎新型インフル 収束傾向…渡島保健所管内

 保健所が調査するインフルエンザの定点報告数の第48週(11月23―29日)の調査結果(速報値)は、渡島保健所管内の報告数が、警報・注意報の収束基準10・00を下回る、1定点当たり7・57(前週は16・29)となった。函館と江差、八雲は依然として警報や注意報レベルが続いているが、道南全体では10月下旬のピーク時を大きく下回る収束傾向。市立函館保健所は「患者は確実に減少しており、流行の1回目のヤマは越えた」と話している。

 各管内の報告数は、函館は10・64(前週は11・27)、江差は14・67(同22・00)、八雲は28・33(同48・33)。渡島は、ピークだった第43週(10月19―25日)には66・29だったが、これ以降は減少傾向。道南で最も早く収束基準を下回り、報告数が確定する4日には6週連続した警報が解除される見通しだ。

 函館は第42週(同12―18日)の63・27をピークに、以降は6週連続で減少が続いている。前週まではほぼ毎週10の幅で急激に減っていたが、第48週では微減にとどまりかろうじて警報継続となった。市立函館保健所によると、同市内や周辺で流行ピーク時にみられた、夜間や休日当番の医療機関に患者が集中して対応できない状況は解消されたという。

 江差は第43週に注意報が発令され、第46週(9―15日)の23・00がピーク。その後、下がっているとはいえ依然として注意報レベル以上が報告されている。また八雲も、警報が発令された第42週に30・00を超え、その後は一時20・00(第45週)にまで下がったが、第46、47週には48・00以上を記録。第48週は30・00をわずかに下回ったが、流行は続いている。

 状況について市立函館保健所の山田隆良所長は、「全国的に流行は都市部から地方へと移行しつつある」と分析。ワクチン接種については「基礎疾患があるなど高リスクの人はリスクを念頭に接種するなど、次の流行が予想される年明け以降に備えてほしい」と話し、感染した人がほかの人に移さないよう感染拡大防止を呼びかける。(小泉まや)


◎松前高と札大が高連携協定締結

 【松前】松前高校(石塚耕一校長、生徒177人)と札幌大学(札幌、宮腰昭男学長)の高大連携協定の調印式が1日、同高校で行われた。高大連携の協定締結は同高校にとって初で、今後、同大学で同高校の生徒が講座を受けるほか、来年には大学の出前講座などを実施するなど、教育機能面で連携する。

 同高校では、高大連携協定の締結によって、生徒の学習意欲と進路意識を高め、地域の活力となる人材を育成することを目的としている。また、教員の資質、能力の向上を図る。

 調印式には同大学から宮腰学長ら3人が出席。同高校の全校生徒が見守る中、石塚校長と宮越学長が署名し、協定の調印が交わされた。協定書には①同高校の生徒の受講受け入れ②大学からの教員派遣③講座を通した地域への還元④教員相互の交流―が盛り込まれている。

 調印後、宮腰学長は「距離的な心配はあったが、松前高の特色ある教育内容、システムに興味を持った。大学の教育資源やノウハウを高校生に提供することで、学問への刺激を与えることができる。1人1人の進路選択を支援し、交流を深めていく」とあいさつ。石塚校長は「来年度から『松前学』『書道教育』『国際教育』を3つの柱として進めていく。札幌大学との連携によってさらに魅力ある学校づくりと教育力をアップさせることができる」と話した。

 連携の第1弾として、同高校は18、19日に同大学に1年生58人を派遣する。フランス語や文化の講座を受講する予定となっている。(松宮一郎)