2009年12月20日 (日) 掲載

◎大沼の遊覧船また来年…今季運航終了で陸揚げ

 【七飯】大沼湖上で観光遊覧船を運航する「大沼合同遊船」(堀元社長)はこのほど、今季の運航業務を終え19日、遊覧船を陸揚げした。

 所有する5隻のうち3隻は11月下旬に陸地へ移動しており、この日は残り2隻の陸揚げを行った。午前8時半ごろから社員約10人が作業に当たり、遊覧船をレールが敷かれている引き揚げ場所に移動させた後、船台に乗せ重機でけん引。陸地に引き揚げた船体を水洗いしてから、さらに保管場所に移した。

 今季は4月中旬から運航を開始。新型インフルエンザの流行や景気低迷の影響を受けて今季の乗客は前年より5%減の5万9000人にとどまった。川村吉弘常務は「大沼の観光客が落ち込んでいる中で何とか減少幅を最小限に食い止めたと思う。昨年から本格的に実施した船内でのガイドが好評で、リピーター獲得につながっているのが明るい材料」と振り返った。

 同社は湖が完全氷結する1月ごろから、スノーモービルや氷上島巡りそりツアーなど冬の企画を行う予定。



◎来年2月に無料技能講習開催

 はこだて雇用創造推進協議会は来年2月から、一般の求職者を対象とした、資格を取得できる無料技能講習を開催する。これまで季節労働者や雇用保険受給者を対象とした無料技能講習はあったが、一般向けに行うのは函館では今回が初めて。同協議会は「受講して正規雇用に結びつけてほしい」と利用を呼び掛けている。応募受け付け開始は来年1月8日。

 同協議会は函館市や渡島支庁、函館商工会議所など7団体で構成され、今年2月に発足。函館地域における経済活性化や雇用機会の創出を目的とする。同講習は厚生労働省の委託事業である「地域雇用創造推進事業」などの一環事業として実施する。

 内容は玉掛け、小型移動式クレーン運転、高所作業車運転、フォークリフト運転、アーク溶接特別安全衛生教育、ガス溶接の計6種。函館市または北斗市を会場に開催され、3―6日間の受講で資格を取得できる内容となっている。

 これまで季節労働者や雇用保険受給者を対象とした無料講習を実施した際に「派遣切りなどで失職した人からの問い合わせが多かった」という。これを受け今回の実施に至った。

 受講対象者はハローワークに求職票を提出している求職者。定員は各講習ともに10人で、申し込みの締め切りは各講習により異なる。受講料は無料。問い合わせは同協議会事務局(函館市経済部労働政策室内)TEL0138・27・3455、ファクス同27・3350。ホームページアドレスはhttp://www.hakodate-koyo.info/(山田孝人)



◎道の臨時職員に応募殺到

 国の緊急雇用創出事業の一環で、道が募集していた来年1―3月の臨時職員採用に申し込みが殺到し、渡島・桧山管内では計35人の募集に対して、計139人が申し込みがあった。職種によっては急きょ途中で募集を打ち切ったり、選考日程を増やしたりと、道南の厳しい雇用情勢が浮き彫りになった。

 道は失業者に次の就職先が見つかるまでの一時的な「つなぎ」にしてもらう狙いで、11―17日までの1週間、全道で計271人を募集していた。道南では道の出先機関を中心に事務補助業務などを担当する臨時職員を各部署で1―2人募った。採用人数は渡島で28人、桧山で7人。

 中でも渡島東部森づくりセンター(函館)には森林資源情報整備の資料作成補助に当たる1人の募集に16人が応募。当初は18日のみの面接を予定していたが、急きょ21日にも日程を追加した。このほか、函館児童相談所が採用枠1人に9人、函館運転免許試験場が同2人に18人から申し込みがあった。

 渡島管内では、応募者多数のため途中で募集を中止した部局も計9カ所あった一方、渡島西部森づくりセンター(松前)は応募者がゼロで、今月24日まで募集を延長した。渡島支庁商工労働観光課は「市内の勤務地を中心に人気が高く、雇用環境の厳しさがうかがえる」としている。(森健太郎)


◎七福神と新年祝おう

 函館市西部地区の新年恒例のイベント「2010笑福七福神祭」(実行委主催)が来年1月1日、同市弁天町2の骨董(こっとう)品店「古楽堂」などを舞台に開かれる。除夜の鐘とともに“七福神”が乗った移動式の木造宝船「七福神丸」が大黒通りを巡回し、新年の幕開けを盛大に祝う。

 西部地区の町おこしグループ笑福七福神祭実行委員会(井上清美委員長)、大黒通りフェスティバル実行委員会(嶋崎孝治委員長)、ちんどん屋グループ「遊源会社大黒笑事」(嶋崎正雄代表)の3団体共催で、今回で8回目を迎える。

 当日は午前零時に七福神に扮(ふん)した有志が乗る七福神丸が同市入舟町の平石造船所前を出発。和太鼓の音頭でけん引し、約20分かけて近隣を練り歩く。終着地の古楽堂前では三味線や歌の生演奏があり、約150人分の雑煮やあずき湯、大入り袋も振る舞われる。

 実行委は現在、当日の七福神役を数人募集している。昨年、一昨年と弁財天を務めた市内の小学生姉妹が念願のバドミントン全国大会に出場する縁起の良さもあり、同実行委は「参加すれば御利益があるはず。年々参加者も増えていて、函館の大みそかの風物詩にしたい」と話す。

 荒天の場合は中止。七福神としての参加希望者は事前に同実行委へ申し込みが必要。一般参加者は31日午後11時半に現地集合。問い合わせは井上委員長TEL090・4878・4158。(森健太郎)


◎七飯町の管理職が町税徴収へ

 【七飯】今月を「町税・納税推進強調月間」と定める七飯町は、21日から25日までで4日間、管理職による税の直接徴収を実施する。町税務課は「税負担の公平を訴え、税収の確保に努めたい」としている。

 徴収業務に管理職を充てるのは町として初めてで、20人の管理職が納税の催告に応じない約350軒を訪問する。

 町によると、本年度の一般会計の当初予算約86億のうち25億5000万円が自主財源。住民税や固定資産税などの未納額は約3億3000万円(08年度決算)となっている。徴収率も88・6%と全道市町村の平均を下回る結果となっている。

 こうした状況を受けて本年度から給料や預貯金、生命保険の解約金などの差し押さえを強化。さらに滞納整理を推進するため、管理職が徴収業務に乗り出す。

 18日に町役場で行われた出発式では、中宮安一町長が「町財政が厳しい状況ということを十分踏まえて納税者と折衝し、効果が上がるよう従事してほしい」とあいさつし、管理職に徴税吏員証を手渡した。(鈴木 潤)