2009年12月21日 (月) 掲載

◎イカずくめ満足満腹…料理教室で子ども体験

 「函館市の魚」に指定されているイカについて親子で体験しながら学ぶ料理教室が20日、同市入舟町の函館市漁協入舟支所で開かれた。イカの生態や調理法について市内の親子連れが同漁協や道立函館水産試験場の担当者から教わり、釣って、さばいて、食べるイカずくめの一日を楽しんだ。

 市漁協や市水産課、市立函館保健所などの共催。地元で取れる水産物をPRし、魚食の普及や子どもたちの食育を推進しようと初めて企画した。募集直後に定員となる人気ぶりで、この日は市内の小学生とその保護者ら約30人が参加した。

 はじめに同水試の澤村正幸研究員がイカの骨とされる部分が貝殻の一種であることや、イカの寿命が1年と短いこと、その生態などについてスライドで解説。続いて参加者は近くの函館漁港に面した同漁協のイカの蓄養施設に移動し、水槽でイカ釣りを体験した。

 この後、参加者は同漁協女性部のメンバーの指導で、釣ったばかりのイカで刺し身づくりに挑戦。子どもたちは鮮度の良さや慣れない包丁さばきに悪戦苦闘しながらも、部位ごとに丁寧に切り分け、ご飯やみそ汁、塩辛などと一緒に定食として味わった。

 最後に同保健所の栄養士が「イカは低カロリーで高タンパク。元気の源となるタウリンも含んでいます」と栄養価が高いことを紹介し、土産用のイカの塩辛づくりで締めくくった。父親と参加した函館戸井西小1年の川島太陽君(7)は「イカは大好きでいつも食べているけど、知らないことがいっぱいあった。家でもつくってお母さんに食べさせたい」と笑顔ではしを進めていた。(森健太郎)



◎お宝いっぱい福袋…市内デパートで福詰め

 函館市内のデパートで、福袋の準備が大詰めを迎えている。棒二森屋(若松町)では法被姿の従業員が、1年間の商いがにぎわうよう願いを込め、商品を丁寧に袋に詰め込んでいる。

 棒二森屋の福袋は、誰もが使える日用品をそろえた1万円、寝具類の3万円、家電製品の5万円と3種類を用意。福袋には温泉旅館ペア宿泊券や家電製品などが当たる抽選券も付く。3万円は既に完売し、1万円も7割の予約が入っている。同店は「年内に完売しそうなので早めの予約を」と呼び掛けている。

 一方、テーオーデパート(梁川町)は、運営するテーオー小笠原の創業60周年を記念した60万円の福袋が目玉。ブランド品、高級家具、毛皮、三菱自動車の軽自動車の4種類があり、各1点限りで26日から予約を受け付ける。このほか、「エコライフ」をテーマに収納用品などを盛り込んだ1万500円、空気清浄機やデジタルカメラなど好きな商品を1点選べる10点入りの3万1500円を用意。同店は「年内に予約すると空クジなしの抽選券が付きます」とPRする。ブルーレイディスクレコーダーなどの6万円はほぼ予約で完売した。

 丸井今井函館店(本町)は、食品や服飾雑貨、リビング用品など売り場ごとに1万円―10万円程度の福袋をそろえている。一部は予約販売となっている。

 各店とも福袋の販売、予約の引き渡しは、初売りの来年1月2日。(宮木佳奈美)



◎職員削減 来年度135人…函館市見通し 

 函館市が2008年度から実施している行財政改革新5カ年計画に基づく職員削減で、10年度の市側の削減提案数が出そろった。水道局、交通局など企業分や、派遣職員廃止分も合わせて来年度は135人減とした。市が現在、市役所職員労働組合などと行っている削減交渉で提案通りに妥結すれば、来年度は一般会計の人件費で約5億6000万円以上を節減できる見通し。削減数は今後、労組からの回答を得て決まる。

 新規職員採用を抑え、退職者分の多くを補充しないことで職員削減を進めている。

 部局別の削減提案は、市長部局が111人減。環境部から日乃出クリーンセンター業務の委託拡大などで今回の提案分で最も多い17人、教育委員会は旧4町村の給食共同調理場の統合や委託化などにより14人の削減数となる。

 企業分では、水道局が22人減。水道課と下水道課を統合して管路整備室を設け、両課合わせて70人の職員を51人とするほか、業務委託化などで対応する考え。交通局には現状の需要に見合った利便性の高いダイヤ設定を検討するため、運輸課から2人の削減を求めた。病院局は計画対象外となっている。

 同計画は5カ年で650人の削減を目指し、これまで08年度は143人、09年度は163人を削減。10年度の当初計画は132人だったが、上積みを目指している。提案通りに削減が実現すれば、来年4月の職員数は約3450人となる。

 市は交渉を10月から各部局の職労組と行っており、年末から年明けにかけて回答される予定。市住宅都市施設公社、市文化・スポーツ振興財団への派遣職員引き揚げ分については年末に提案する方針。(山田孝人)


◎最優秀賞に松崎さん…ツリー・フォトコン

 はこだてクリスマスファンタジーに合わせて行われた、第12回ツリー・フォトコンテスト(同実行委、函館新聞社主催)の審査が20日、金森洋物館特設会場で行われた。最優秀賞に函館市本通1の松崎一朗さんの「Blue Fantasy」が選ばれたほか、特選など計16点の入賞作品が決まった。

 ファンタジー会場内のメーンツリーをテーマに募り、今年は国内外から48人、86点の応募が寄せられた。審査は同実行委のメンバーと、会場を訪れた観光客ら約50人が1人3点を選び、ポイント制で順位が決まった。

 最優秀の松崎さんの作品は、青白く光り輝くツリーを大きくとらえ、主題を引き出す構図が評価された。特選には同市湯浜町の石川公臣さんの「ファンタチックツリー」と同市美原3、岩山優光さんの「ドラマチックな雪光彩」が選ばれた。

 表彰式は25日午後7時半から赤レンガ倉庫群内のメーン会場で行われる。応募作品は同洋物館で来年のファンタジー開催まで展示される。

 このほかの入賞者は次の通り。(敬称略)

 ▽準特選=グヂェレズ・ホアンパウロ・マンギラ、タンティアモーンポン・シリモン、小松英海▽入選=松崎一朗、古Tヌ由美、千葉悟、小田拓生、高橋秀明、本沢幸夫、若竹亜紀子、小松英海、小田桐末春、千田真弓 (千葉卓陽)


◎いつも笑顔 健康の妙薬…若松町の丑ヶ谷さん(91) 

 函館市若松町の丑ヶ谷(うしがたに)タエさん(91)は、今年も張り切って、師走恒例の町会もちつき大会に参加した。子どもたちが元気よくもちをつく姿に目を細め、「あぁ、甘くておいしいお汁粉だこと。昔を思い出しながらおいしく味わった。こんな幸せなことはない」と満面の笑みで至福のときを満喫した。

 丑ヶ谷さんは、秋田県出身。22歳で結婚し、函館に来た。夫の喜一さん(享年64)の家族とともに長年、甘いあんこの「おやき屋」で生計を立ててきた。

 毎年この時期になると思い出すことがある。嫁入りして間もなかったある冬の夕食時のこと―「どんなに忙しくても、いつも笑顔で働いてくれる。よぐ函館に来てくれた。タエの笑い顔は、丸いおやきのようであったかい」。

 店頭で一生懸命に接客するその様子を見て、喜一さんらがかけた言葉だ。

 ふるさとを離れて暮らしてきたが、周囲の優しさが寂しい思いの芽を摘んだ。「長い人生だから、苦労はつきものだけど、苦労話ばかりしていてもどうしようもない。同じ時間なら楽しい話をしたほうがずっといい」。前向きな気持ちが日々を支えた。

 今年5月に腰痛で、入院した。これといった病気をもたない丑ヶ谷さんの様子に驚いた親類が、各地から駆けつけた。痛い思いをしたが、「100歳以上、長生きしてね」と孫に言われたのがうれしかった。

 今秋から、デイサービスセンターに通い始めた。これまで以上に毎日が新鮮で、楽しみが増えた。腰痛も回復へ向かい、もちつき大会でさらに元気をつけた。

 おわんのお汁粉をすすりながら、「決して人前で難しい顔をせずに笑顔で。誰かが困っていたら助ける。人さまに感謝する謙虚な気持ちでいれば、自分もほかの人もみんな優しい気持ちになれる」と張りのある声で語り、「ねっ、そうでしょ」と笑った。 (田中陽介)