2009年12月3日 (木) 掲載

◎Xマス前に向けシャンメリー出荷大詰め

 【七飯】飲料品製造業の小原(函館市亀田港町、高橋幸雄社長)で、クリスマスを盛り上げる「シャンメリー」の出荷が大詰めを迎えた。七飯町中島の自社工場で製造、ラベル張り、箱詰めの一連作業が行われている。3日午前には、今季の同商品の製造を終える。

 シャンメリーは、さわやかな甘みと「シュワッ」とくる強炭酸ののどごしが特長。また、栓を抜くときに「ポンッ」と乾いた音が響き、宴席を盛り上げる。同社の主力商品「コアップガラナ」に次ぐ人気商品だ。

 「シャンメリー」という名前は、「シャンパン」と「メリークリスマス」を組み合わせた言葉。水は横津の天然水を、液糖は道内産ジャガイモを原料にする。同社では10月上旬から製造に入り、一日2万本、計約25万本を生産する。

 イチゴやリンゴ風味の子ども向けや、甘さを抑え、オードブルにも合う「大人のシャンメリー」など全8種類がある。小原聡専務(51)は「今年も例年並みの出荷量となり、安心している。これもひとえに商品を買ってくれる地域住民の支えがあるから。今後も品質の安全管理を徹底し、どの世代にも愛される商品を届けたい」と話している。

 9割が道内の小売店・大手スーパー、1割が東北と関東に出荷される。



◎来月 大間原発の住民説明会開催…函館市

 函館市は2日、青森県大間町で建設が進められている、大間原子力発電所に関する住民説明会を来年1月31日午後2時から函館国際ホテル(大手町5)で開催することを発表した。函館から最短で18キロ先に位置する同原発に対する市民の不安解消や、原子力発電への理解を深める狙い。市は「不安を感じている市民に原発のことについて知ってほしい」としている。

 説明会は市と日本原子力文化振興財団の主催。専門家3人による講演や、コーディネーターと専門家の質疑応答、会場からの質問を受け付ける予定。

 同原発は電源開発(東京)が実施主体となり、函館市と津軽海峡を挟んで立地する大間町に昨年5月から建設中。改良型沸騰水型軽水炉1基で、出力は138万3000キロワット。燃料は濃縮ウランに加え、使用済み燃料を再処理して回収したプルトニウムを、ウランに混ぜて作るMOX燃料を世界で初めて全炉心に使用する。

 同市は国や電源開発に対し、安全性や防災上の観点から住民への説明責任や環境への影響が懸念されることを訴えてきた。2005年には原子力安全委員会主催の第2次公開ヒアリングに市関係者や住民ら4人が参加して意見陳述を行ったほか、昨年6月の市議会定例会では安全性に関する説明を求める意見書が可決されている。

 しかし、住民説明会の開催は①現行制度の枠組みに沿って事業を進めている②函館市が説明会を必要とする対象外である―などの理由から難航していた。市は今回、国や道の協力を得て開催にこぎつけたが、事業者の電源開発は参加しない。

 函館では市民団体の「大間原発訴訟の会」(竹田とし子代表)が建設反対を唱え、07年12月には約6万5000人の署名を集め経済産業省に、今年4、6月に説明会開催を求める要望書を市に提出するなど反対運動を行ってきた。竹田代表は「ようやく説明会に至ったという思い。開催自体は歓迎したいが、事業者の参加を望んでいたので残念。質問ができるなら、原発に不安な気持ちを持っていることを訴えたい」と話している。(山田孝人)



◎大間フェリー1月末まで運航延長

 来年以降の存続が未定となっている函館―大間(青森)間のフェリーを今年1年間、暫定運航している津軽海峡フェリー(旧道南自動車フェリー、函館市)は2日、運航期限を来年1月末まで1カ月間、延長すると発表した。2月以降の運航については、年内に青森県、大間町との事務レベルでの三者協議で、恒久的な存続に向けたスケジュールなどを確認した時点で発表する方針。

 同航路は、県、町が同社に要請し、赤字の場合は両自治体が1億2000万円を上限に財政支援する条件で、暫定運航が行われている。しかし、就航21年を迎えたフェリー「ばあゆ」の更新時期が迫り、同社は新造船建造を含む恒久的な航路存続策について、11月末を期限に町の提案を求めていた。

 関係者によると、町は1日までに、同社に財政支援をする条件で来年1月以降の暫定運航の継続を要請し、県を交えて新造船建造を協議する場の設定を同社に提案した。これを受け、同社は「暫定運航継続の議論よりも、船の更新が避けられない状況で、あくまで恒久的に航路を存続させるための方策が必要。三者協議の結果を受けて今後の方針を示したい」と結論を先送り。ただ、年末年始を控え、帰省する利用客に不便が生じないよう1月末までの自主運航を決め、3日午前9時から1月分の予約を受け付けることにした。

 町は「新造船建造について協議し、早急に存続の方向性をつけなければ。1日たりとも運休にならないよう、2月以降も運航できるような方策を考えたい」と話している。(宮木佳奈美)


◎あすイルミナシオン映画祭開幕

 「第15回函館港イルミナシオン映画祭2009」(実行委主催)が4日、開幕する。函館ロケ作品「つむじ風食堂の夜」のオープニング上映(午後6時半)では主演の八嶋智人さんと篠原哲雄監督が舞台あいさつを行うなど、初日から盛りだくさんの内容を予定している。

 この映画は吉田篤弘さん原作の同名小説を映画化した。ある食堂に集まる風変わりな常連客と主人公の交流を描くノスタルジックファンタジー。昨年末に函館で撮影され、多数の市民エキストラも出演している。上映会場は函館市末広町の金森ホール(十字街シアター)。

 初日の上映作品はこのほか、函館で最初にロケされた1937年の「若い人」(①午後零時半②同2時半、函館山山頂のクレモナホール)。開会式は午後6時20分から金森ホールで行い、「つむじ―」の後、シナリオ大賞表彰式(同8時半)、あがた森魚コンサート(同9時)などを予定。

 入場料は全会場共通の3日間通し券が大人5000円、学生3000円(前売りのみ)。1回券、1日券などもある。チケットは松柏堂プレイガイドなどで取り扱っている。問い合わせは事務局TEL0138・22・1037。(新目七恵)


◎館浦温泉に新たな源泉

 【乙部】乙部町が館浦温泉で進めていた新たな源泉掘削が2日までに無事成功した。ポンプによる揚湯量は毎分320リットルに達するという。町は新年度に揚湯ポンプや貯湯タンクなどの整備に取り掛かり、老朽化が進む旧源泉からの切り替えを進める方針だ。

 温泉水の安定共有に向けて町は9月、道立地質研究所(札幌)などの指導を受けながら、旧源泉から約60メートル離れた地点でボーリング探査を開始。11月中旬までに予定深度の1306メートルに達したボーリング坑内で温泉水のゆう出を確認したという。

 温泉水が自然にわき出す自噴の状態には至っていないが、ポンプによる揚湯試験で毎分320リットルもの豊富な温泉水を供給できる能力があることが判明した。町は泉質などの分析を進めている。町建設課は「古い源泉を超える揚湯量を確保できる見通しになった。今回の温泉掘削は成功と評価できる」としている。

 源泉掘削の成功を受けて町は新年度、温泉水をくみ上げるポンプや貯湯タンクなどの整備を進め、旧源泉からの切り替えを行う方針という。

 旧源泉は1981年、町内初の温泉として開発された。現在は自噴で毎分20リットル、ポンプ揚湯で同250リットル程度の温泉水を、近隣の旅館やホテルのほか、公民館や町民プールなどの公共施設に供給している。しかし、温泉水に含まれる炭酸カルシウムなどを含む「温泉スケール(湯の花)」が源泉パイプに詰まるなど、老朽化が懸念されていた。

 同課は「古い源泉は約30年間にわたり温泉水を供給できた。新しい源泉も同程度の耐用年数があると予測される。将来にわたり温泉水を安心して供給できる体制が整った」と話している。(松浦 純)