2009年12月9日 (水) 掲載

◎華麗な舞やダンス披露…極東大芸術団公演

 ロシア・ウラジオストクの極東国立大学附属芸術団の函館公演が8日、函館市民会館で行われた。同芸術団は海外でも高い評価を受けており、華麗な舞や美しいハーモニー、コミカルなダンスなどを披露し、来場した大勢の市民を楽しませた。

 極東国立大学開学110周年、同大函館校開校15周年、函館日ロ親善協会設立20周年を記念し、同大の芸術団45人が来函。冒頭、同大函館校のイリイン・セルゲイ校長が「函館校開校15周年と函館開港150周年など祝い事が重なった。芸術団のプロレベルの技術を見てほしい」とあいさつした。

 白を基調としたきらびやかな衣装に身を包んだ民族舞踊アンサンブル「レゲンダ」が輪舞「赤いカリーナの実」を華麗に舞い、幕を開けた。日本の歌曲「桜」を披露したのは、コンクールなどで複数の賞を得ているボーカルグループ「タリスマン」。重厚なハーモニーと情感を込めた歌に会場からは拍手が沸き起こった。

 民謡アンサンブル「ポクロフ」はロシア民謡やコサック、ウクライナ民謡など50曲以上のレパートリーを持つ。「おおロシア」「コサックが行った」をリズミカルに歌い上げ、注目を集めた。

 会場には同校の同窓生や、ロシアの文化、言葉を学ぶベリョースカクラブのメンバーらも訪れ、熱心に見入っていた。



◎本年度の自動車税、滞納差し押さえ強化…渡島支庁

 渡島支庁は本年度、自動車税の滞納者に対する差し押さえを強化する。来年3月までに昨年度実績の約2倍に当たる2000人、1億6000万円の未納分の徴収目標を設定。同支庁納税課は「差し押さえになる前に滞納者は相談してほしい」と呼びかけている。

 自動車税は道税収入の柱の一つで、道の税収入全体の2割近くを占める。納付期限は例年5月末までだが、昨年度の渡島管内の徴収額は59億9200万円で、徴収率は94・4%。道内各支庁と札幌道税事務所の計15カ所の中で下から4番目に低かった。

 同支庁管内の今年10月末までの累計の未納額は延べ1万6000件、6億2000万円に上る。前年同期より3000件、1億1000万円分減ったが、「不況で車に乗らなくなった人が増えているのに加え、前年度からの積み残しも4割程度含まれる」(同課)という。

 本年度の差し押さえは、10月末現在で預貯金が680件(5900万円)、給与が55件(400万円)、生命保険が45件(同)など。今後は来年3月までに、預貯金820件(6500万円)、給与245件(1800万円)、生命保険155件(1000万円)を差し押える予定だ。

 こうした現状を踏まえ、同支庁は1日、滞納者約6700人に差し押さえ予告書を送付し、勤務先などにも通知した。「あなたの滞納見逃しません!」と例年にない強調表現を使い、10日までの納付を求めている。同課は「車検時にまとめて納付する人も多い。税負担の公平性を保つため期限内納付を」としている。

 同支庁は10日午後5時半―同8時まで、夜間窓口を開設し、納税や納付に関する相談を受け付ける。問い合わせや相談は同課TEL0138・47・9403。(森健太郎)



◎海老沢市長、仕分けに批判的見解…北斗市議会

 【北斗】8日に行われた北斗市議会の一般質問で、海老沢順三市長は政府の行政刷新会議が行った「事業仕分け」について、「仕分け自体はいいことをやった」と一定の評価をしつつも、「計画が残り1年となった市の農道整備を切るというのは、極めて乱暴な話。内容によっては肯定できるものではない」との見解を示した。

 池田達雄氏の質問に答えた。

 市の来年度の予算編成にどのような影響があるかを問われ、海老沢市長は里山エリア再生交付金と農道整備事業が「廃止」と判定されたことで、市有林森林施行計画推進事業と南渡島2期地区広域農道事業が中止される懸念があることを挙げた。ほかにも予算縮減や見直しとなった事業を報告。「来年度の予算編成にあたり、影響がないとはいえず、事業の実施、計画で影響を受ける。情報収集に努める」と述べた。

 また、市が負担金を払っている事業について、「農道整備事業がこのまま廃止になれば、市が今まで支払った負担金は、訴訟をしてでも返してもらう。返してもらった分で整備を行う」と語った。(松宮一郎)


◎市函文芸部の部誌が奨励賞…全国高校文芸コンクール

 市立函館高校文芸部(若林麻友部長、部員7人)の部誌「海碧(かいへき」)第7輯(しゅう)が、第24回全国高校文芸コンクール(全国高文連など主催)で奨励賞に選ばれた。函館出身の作家、故佐藤泰志の特集や部員自作の小説、短歌などをまとめた内容で、19日には東京で表彰式が行われる。文芸部誌部門の入賞は北海道で初めて。2年生の若林部長(17)は短歌部門で優良賞にも輝き、ダブル入賞に関係者は喜びに沸いている。

 このコンクールの文芸部誌部門は支部大会などの推薦作品を高校関係者が審査し、毎年最優秀、優秀、優良、奨励の各賞計20点程度が選ばれる。

 入賞した部誌の特集では、佐藤泰志の同期生西堀滋樹さんのインタビューをはじめ、部員の評論や書評などを32ページにまとめた。このほか、俳句や詩など部員の作品を掲載するほか、朝倉かすみさんの著書「田村はまだか」の読書会、サイクリスト山崎美緒さんの特集など多彩な角度から文芸の話題を盛り込んだ。

 編集長を務めた3年生の三嶋渉君(18)は「“部活の名刺”になる部誌が全国で認められ、教えてもらった先輩にも報告できて良かった」と喜ぶ。若林部長も「夢にも思ってなかったので家族に話してようやく実感できた」と語る。

 若林部長は短歌「雨上がり地面に映った空の中アメンボ一匹ふわりと飛んだ」で優良賞も獲得し、「個人でも入賞でき、さらに創作意欲が高まった。受賞を力に部誌作りもサポートしたい」と話す。

 顧問の佐藤和範教諭(43)は「目標の大会だったので大変うれしい。来年はもっと上を目指したい」と話している。現在部員は第8輯を作成中で1月発行の予定。入賞した部誌は市中央図書館(五稜郭町)で閲覧できる。(新目七恵)


◎求職者相談窓口を開設…ハローワーク函館

 はこだて求職者総合支援センターの相談員による巡回相談窓口が8日、ハローワーク函館(函館市新川町)に開設された。来年3月末までの毎週火曜に、求職者の生活関連相談を受ける。初日は8人が相談に訪れ、生活保護や生活資金貸付など各種制度の説明を受けた。

 求職者総合支援センターは、国の緊急雇用創出事業の一環で、道が9月、道内6カ所に開設。函館は市役所1階に設置され、求職者の生活や就労に関する相談を受けている。雇用情勢が厳しさを増す中、多くの求職者が訪れるハローワークでも、生活に関する相談に応じられるよう週1回、窓口を設けることにした。

 巡回相談窓口では、同センターの生活相談員1人が、生計の維持や住居の確保、職業訓練などの相談に応じる。各種制度の申請手続きはできないが、関係機関の紹介も行う。

 初日は午前中から絶え間なく相談者が来訪。30―50代の男性が多く、「失業保険の受給期間が終了したが、就職が決まらない」などの理由で、生活資金貸付制度に関する相談が目立った。同センターは「1人で悩まず気軽に相談してほしい」と呼び掛けている。年内の相談日は15、22日(29日は休み)。午前10時―午後3時(休憩1時間あり)。問い合わせは同センターTEL0138・27・3344。(宮木佳奈美)