2009年1月12日(月)掲載

◎響き合う音色 聴衆を魅了…スクールバンドフェス

 2009全国小学校管楽器合奏フェスティバル北海道大会兼第25回全道小学校スクールバンドフェスティバル函館大会が11日、函館市民会館(湯川町1)で開かれた。道内外から21校、1団体が参加し、小学生とは思えない息の合った音色を会場に響かせた。

 全日本小学校管楽器教育研究会の主催で、函館開催は6年ぶり。今回は函館、北斗、木古内の2市1町の小学校6校と、道内各支部の代表14校、函館地区の合同演奏団体に加え、青森市内の1校がゲスト出演し、計約880人の児童が参加した。

 大会は函館青柳小金管バンド部の演奏で開幕。各バンドともそろいのユニフォーム姿で登壇し「ゴリウォーグのケークウォーク」「美女と野獣のテーマ」「崖(がけ)の上のポニョ」など、クラシックから映画音楽、アニメ曲まで日ごろの練習成果を披露した。

 木古内小吹奏楽部は曲の途中にソロパートやリズムに合わせて体の向きを変える演出を織り交ぜ、会場を沸かせた。最後は函館地区の6年生を中心に100人以上の大編成で「マナティ・リリック序曲」と「ブラジル」を披露し、迫力ある演奏で1000人近い聴衆を魅了した。(森健太郎)  



◎「推進機構」4月に発足…海洋構想

 函館市が産学官連携で進めている「函館国際水産・海洋都市構想」を総合的に実現していく財団法人「推進機構」が4月、発足する。3500万円の基金を目標に、専任の推進機構長を配置。市の派遣職員3人と産学からの職員2人の計6人で、共同研究の受託や関連企業の誘致などの事業を進める。

 基金は市が2000万円、経済界などから1500万円を出捐(しゅつえん)する予定。市企画部によると、経済界や市民から協力があり、順調に集まっているという。

 同構想は、水産・海洋に関する世界有数の学術研究都市を築き、開発した事業で新産業の創出などを目指す。2003年に成案化し、これまで民間企業の進出や文部科学省の産学官連携事業の採択、イカやガゴメを活用した新商品の開発、渡島東部旧4町村地域を中心とした漁業基盤整備、函館市臨海研究所の開設などが進んでいる。

 推進機構は、独自事業で収益を図る。例えば水産・海洋に関する研究を受託し、9割程度の支出で成果を挙げ、約1割の利益を得る。共同研究の受託を仲介することでも同様に利益を生み出す。関係施設の維持管理業務のほか、将来的には特許申請などの業務を代行することなども視野に入れている。

 一般財団法人でのスタートとなり、実績を積み、できるだけ早期に税制上の優遇が受けられる公益財団法人に移行したい考え。トップに立つ推進機構長は常勤で、同部によると就任の内諾を得ており、水産・海洋に関する研究部門で発言力がある人物という。今月下旬に開く同構想推進協議会(会長・高野洋蔵函館商工会議所会頭)の総会で推進機構長や評議員会、理事会などの顔ぶれが決まり、同協議会は発展的に解散する。

 同部は「函館のまちづくりの核となるプロジェクト。旧函館ドック跡地への水産・海洋総合研究センター整備は推進機構長の意見を取り入れ、2010年度から整備に入りたい」と話している。(高柳 謙)



◎アジア注目の観光地 函館9位…米の口コミサイトが集計

 米国最大の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」が集計した「アジアのこれから注目の観光地ランキング20」で、函館市が9位に選ばれた。日本国内の都市ではトップ。函館観光の定番といえる函館山からの夜景を評価する声が多く、観光客の減少に歯止めを掛けるため、グローバルな視点に立った誘致宣伝活動が求められそうだ。

 同サイトの会員数は全世界で600万人を誇る。今回のランキングは2007年9月―08年9月、アジアの観光地に関する情報の閲覧や書き込みなどの回数について、独自の算出法で採点した指標に伸びがあった地域を対象にしている。

 同サイトを運営する日本法人「トリップアドバイザー」(東京)によると、函館は「和洋折衷な街並みと、両側に広がる海とのコントラストが見事な世界一と称される函館山からの夜景」が評価されたと分析する。旅行者からの具体的な声としても、函館山からの夜景についての記述が多く、「写真で見るより生で見たほうがずっと迫力があった」「『100万ドルの夜景』の名にまったく劣らない最高の景色だった」などがあった。

 函館以外の日本の都市では長野が14位、岐阜県高山が20位。なお、1位はインドネシア・バンドン、2位はフィリピン・バタンガス、3位は同・タガイタイだった。同サイトで5月に発表した「2008年トラベラーズチョイス・アジア部門」では京都が1位(世界24位)、東京が6位(同95位)に選ばれている。

 市の鈴木敏博観光コンベンション部長は「世界レベルでは函館の知名度はまだまだと言える。どんな形であれ話題になったのは光栄なことなので、国内外に対する情報発信の強化に努めていきたい」と話している。(浜田孝輔)


◎「自殺を防ごう」HPで情報提供…市立函館保健所

 市立函館保健所は、インターネットのホームページ(HP)内に「自殺予防対策のページ」を開設した。自殺者が増加していることを受け、市内の自殺者数の推移や年代別構成などの現状を知らせたり、自殺のサイン「自殺予防の10カ条」、相談窓口などを紹介する。同保健所保健予防課は「随時情報を充実させて少しでも自殺を少なくしたい」と話している。

 同保健所調べでは、市内の自殺者数は増加傾向にあり、早急な対応が求められている。こうした状況を受けて市は昨年9月、関連部局や市教育委員会、消防、学識経験者、道警、労働基準監督署などで構成する「函館市自殺予防対策連絡会議」を設置して対策に乗り出した。この一環として幅広い市民に情報を提供しようと開設した。

 ページでは、函館市の自殺者数が2005年以降は80人前後で推移していることや、年代別では30―50代が半数以上を占めていることが分かる。さらに「自殺は『追い込まれての死』」と位置付け、「追い込まれる前に周囲の人に相談したり、周囲の人が自殺のサインに気づくことができれば、自殺は防ぐことができる」と伝え、自殺のサインとして、うつ病の症状や原因不明の体調不良を挙げた。相談窓口としては、市が実施する「こころの健康相談」や法テラスなどを紹介する。

 同保健所のHPアドレスはhttp://www.city.hakodate.hokkaido.jp/hokensyo/(小泉まや)


◎上ノ国で子どもカルタ大会

 【上ノ国】上ノ国町地域子供会育成連絡協議会が主催する「第22回子どもカルタ大会」が10日、上ノ国小学校体育館で開かれた。町内の小中学生からなる32チーム・約100人の選手が、昔ながらの百人一首で熱戦を繰り広げた。

 大会は小学生低学年(1―3年)と高学年(4―6年)と中学生の3ブロックで行われた。リーグ戦形式の予選とトーナメント戦による決勝戦を争った。3人1組の選手たちは、ずらりと並んだ木札を真剣な表情で見つめ、百人一首の“下の句”が詠み上げられると「ハイ!」という掛け声とともに、全身を乗り出して札を争っていた。小学生低学年の部は「レッド・スリーム」、小学校高学年は「アタッカーズII」、中学生の部は「3年生チーム(2)」がそれぞれ優勝した。

 大会は今月18日に同校で開かれる桧山管内子供会カルタ大会の予選会も兼ねて開かれた。町ごとの予選会は11日には江差、厚沢部、乙部の3町でも行われた。(松浦 純)