2009年1月27日(火)掲載

◎「函館いか踊り体操」見て、聞いて、動いて…健康づくり推進室がCDとDVD製作へ

 市立函館保健所の健康づくり推進室は、「函館いか踊り」をベースにした健康体操「函館いか踊り体操」とストレッチ体操「函館いか踊り座(The)ストレッチ」のCDとDVDを製作する。3月末までに200枚ずつ作り、市内の福祉施設や幼稚園、町会などに配布するほか、希望者には貸し出す。同保健所ホームページにも掲載し、自由に活用できるようにする。

 体操は、健康づくり推進事業の一環として、幼児や高齢者の健康増進、中高年のメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策を視野に、昨年秋に作った。音楽に合わせてイカや海藻など海の生物を模しながら体を動かす。これまで同保健所の健康増進事業などで利用してきたが、さらなる普及拡大を目指す。

 体操はどちらも、函館いか踊りのテンポを遅くして約5分とした。CDでは、次にどのような動きをするかの合図の声を入れてわかりやすくした。

 DVDでは、体操とストレッチそれぞれの模範演技に10分間の解説を加え、約30分の長さとする。制作には、基本となる動きを考案した健康体操指導者の増野玲子さんのほか、市立はこだて幼稚園の園児、「ロボットフェス・インはこだて」市民の会、道教育大函館校モダンダンスクラブ、清尚学院高校が協力する。

 同幼稚園ではこのほど、体操のオープニング映像に使用する体紹介部分の撮影が行われた。イカの着ぐるみを着た同保健所職員や園児ら約45人が、カメラを前に、音楽に合わせて踊るイカ型ロボットを囲んで元気に踊った。

 CDやDVDについて同推進室は、「教育や福祉の現場で幅広く活用し、健康維持に役立ててほしい」と話している。体操についての問い合わせは同室℡0138・32・1545。(小泉まや)



◎函館市の人口 3年連続3000人超減少

 函館市の住民基本台帳に基づく昨年1年間の人口減少は3326人で、3年連続して3000人台を超えた。転出が転入を上回る社会減が06年から毎年2000人以上あり、死亡数が出生数を上回る自然減も年々拡大している。ただ、昨年来の経済・雇用情勢の悪化から、失職者や求職者が函館に戻ることも考えられ、先は不透明だ。

 市の人口減少数は年間1000―2000人台で推移してきたが、06年に3559人、07年は3339人と大幅に拡大。08年12月末の人口は28万6814人で、1年間で3326人(1・1%)減少した。内訳は社会減が2268人、自然減が1420人、削除された住民票の回復などの増が362人。

 市企画部は過去3年間の人口減の要因として「景気が回復した首都圏や東海地方などへ職を求める人たちの流出が多かった。少子高齢化の中で自然減も05年から4年連続で1000人台となっている」と説明する。

 人口減少率は、旧市内より旧4町村地域が高い。昨年1年間で3・2%減少した恵山地区の人口は4000人を割り3997人となった。04年12月の合併時の旧4町村人口は1万7134人だったが、4年余りで1698人(9・9%)減少した。

 市全体の65歳以上が占める高齢化率は、08年12月末で26・0%に。地区別では旧4町村地域が30%台で、椴法華地区が最も高い35・6%。旧市内では港町や桔梗町などが該当する北部地区が最も低い20・0%で、北部地区は市内で唯一人口が増加している。

 同部は「経済情勢の変化もあり今後の予測は難しいが、働く場の創出と子供を安心して産み育てられる環境づくりを進めることが必要」と話している。(高柳 謙)



◎現新 一騎打ちの公算大…鹿部町長選 告示まで1週間

【鹿部】任期満了(2月19日)に伴う鹿部町長選が2月3日告示、同8日即日開票される。告示まで1週間に迫り、立候補を表明している現職の川村茂氏(58)と元町職員で新人の田名部弘勝氏(63)i=五十音順=の各陣営は20年ぶりの選挙戦に向け、支持獲得に奔走している。町長選と同時に行われる町議選(定数10)にもこれまで、13人が立起を表明しており、前回(2005年)に引き続き選挙戦となる。

 町長選は他にの出馬の動きはなく両氏による一騎打ちとなる公算が強い。これまで無投票当選が続いており、選挙戦は1989年以来。若年層や道外からの移住者層の票取り込みが“カギ”となりそうだ。

 昨年6月に再出馬を表明した川村氏は行財政改革の成果を掲げ「手がけたい事業や引き続き進める事業、私の責任で解決していかなければならない課題が山積み」と意欲を語り、「厳しくとも将来の漁業のため」と町経済を支える漁業や商工観光の活性を重点施策として掲げる。

 田名部氏は「20年間の無投票選挙で町民の声が行政に届きづらいとの声を受け決意した」とし、昨年12月に出馬を表明。「若者をはじめ町民が参画できる町政、漁業振興、町民融和を」と漁業振興や、町民に開かれた役場づくり、子育て支援、福祉の充実を重点施策として掲げる。

 有権者数(2008年12月2日現在)は男性1865人、女性1995人の計3860人。 (笠原郁実)


◎支庁再編 知事に会談提案で合意…道町村会と道市長会

【札幌】道の支庁再編をめぐり道町村会(会長・寺島光一郎乙部町長)と道市長会(会長・新宮正志室蘭市長)は26日、無条件での直接会談を高橋はるみ知事に申し入れることで合意した。道町村議会議長会と道市議会議長会も同調する方針。近く道に対して正式に対話を申し入れる方針だ。

 道町村会は21日の常任理事会で、直接会談を高橋知事に提案する方針を決定。26日に寺島会長が札幌市内で道市長会側と協議した結果、景気悪化に伴う厳しい本道経済の情勢などを踏まえて「早急に無条件での直接対話が必要」(寺島会長)として、地方4団体が一致して対話を求めることで合意していた。

 高橋知事は22日の定例記者会見で、地方4団体との直接対話について「町村会が話し合いをしようというような方向で議論を集約されたことを伺い大変うれしく思っている」と述べて、対話実現に意欲を示しており、今後は対話の具体的な時期や方法が焦点になる。

 道は支庁廃止地域への支援策などを盛り込んだ「地域振興条例(仮称)」を、2月下旬開会の第1回定例道議会に提案する方針。寺島会長は「定例道議会前にも会談を実現したい。会談の場では再編条例の修正など大局的見地に立った知事の判断を求めたい」としている。(松浦 純)


◎シネマアイリスおくりびと」ロングラン上映…アカデミー賞ノミネートで人気「再燃」

 函館市本町22の市民映画館「シネマアイリス」(菅原和博代表)で公開中の邦画「おくりびと」(滝田洋二郎監督)が、第81回米国アカデミー賞の外国語映画賞部門にノミネートされたのを機に、再び人気を集めている。ノミネート発表後、観客数はそれまでの5割増と大幅に増え、同館では授賞式が行われる2月中旬までのロングラン上映を決めた。

 映画は、遺体を棺に納める「納棺師」の仕事に就いた男性が、さまざまな人生の別れに立ち会いながら成長するストーリー。主演は俳優の本木雅弘さんで、「死」をテーマにユーモアを交えながら軽快なタッチでつづる感動作だ。

 第32回日本アカデミー賞で最多13部門の優秀賞を獲得し、国内外で高い評価を受けるなど米アカデミー賞ノミネート前から評判が高く、すでに同映画館としては「異例」の8週目に突入。ノミネート発表後はさらに客足が伸び、満席の回も出るほど人気が“再燃”。26日も、上映を待ちわびた市民らが行列を作った。

 この日訪れた函館市の和根崎耕作さん(60)は「テレビで紹介するのを見てどんな内容が興味が沸いた」とする。

 菅原代表は「命の尊さを、笑いと涙と共に描かれているのが多くの共感を集めた。親子の情愛も重要なテーマ」とし、「これだけのロングランは『戦場のピアニスト』(02年)以来。リピーターや親子、夫婦で来るケースも多い」と話す。上映は27日午後7時、28―30日同零時50分と同7時。問い合わせは同館TEL0138・31・6761。(新目七恵)