2009年1月29日(木)掲載

◎大沼で氷切り出し作業

 【七飯】七飯町の大沼国定公園内で2月7、8の両日に開かれる「第43回大沼函館雪と氷の祭典」(実行委主催)で使われる氷の切り出し作業が28日、始まった。実行委スタッフ約30人が作業を担当。氷結した湖面から縦横60センチ、厚さ25センチ、重さ約100キロの氷を切り出して引き上げ、早速、会場に運んだ。

 作業は会場から約200メートル離れた大沼東大島付近で行われた。氷面に溝を付け、電動のこぎりで一つ一つ切断。氷ばさみで湖から引き上げ、クレーンで陸上へ運んだ。

 氷は会場のジャンボすべり台やヒット曲「千の風になって」の歌碑レプリカ、ステージ等に使用される。実行委は「例年に比べ厚みは少ないが、空気が入らず透明感ある氷に仕上がった」と話していた。作業は2月2日ごろまで続き、約3000個の氷を切り出す予定。(笠原郁実)



◎定額給付金で事務局や本部設置へ

 経済対策、生活支援として国が実施する定額給付金を盛り込んだ第二次補正予算が成立し、函館市や近隣市町でも準備作業が本格化する。函館市は2月1日、総務部に事務局を、北斗市も近く実施本部を設置する。関連法案の成立を見ながら準備作業を進め、できるだけ早期の支給を目指す。

 関連法案成立後、各市町は給付金実施に向けた補正予算の議決、対象者の抽出、各世帯への申請書郵送、金融機関への口座振り込み依頼などの準備作業を進める。

 函館市は総務部次長が定額給付金事務局長、総務課長が事業課長を兼務し、専任の主査2人を配置する。臨時職員を10人程度配置し、支給業務が始まれば組織の強化や人員増員も検討している。対象者が約14万世帯、約28万6000人と多いことから、同部は「関係部局と連携した作業となる。可能な限り早期に給付したいが年度内は難しく、4月のなるべく早い時期を目指している」と語る。

 北斗市は企画財政課が事務局を担当し、市民課や出納室、福祉事務所、分庁舎など関係機関の実務担当者で29日に2回目の会議を開く。給付の実施時期は未定だが、企画財政課は「全庁各課を挙げて対応し、実施本部を近く立ち上げる」と語る。

 七飯町は昨年末に設置した町緊急地域活性化総合対策実施本部(本部長・竹田博正副町長)の事業の一環として実施する。総務課が事務局となり、支給名簿の作成や申請書の郵送などを進め、やはり全庁的な取り組みになる。

 給付金は1人1万2000円で、65歳以上と18歳以下は2万円。基準日は2月1日だが、総務省は1日以降に亡くなった人や外国人登録者も給付対象とする方針を示している。配偶者からの暴力(DV)を避けるため、住民登録の場所を伏せている人、住所が定まらないホームレスなどにどう支給するかなども今後、同省が見解を示す予定。(高柳 謙)



◎函館そば友の会が5周年記念メニュー提供

 函館市内のそば店有志でつくる「函館そばや友の会」(佐々木武充会長)は、同会結成5周年を記念した期間限定特別メニュー「特選海鮮カレーセット」(700円)を提供する。期間は2月1日から1カ月間で、1日限定10食(各店舗ごと)を同会員の9店舗で用意する。

 同会は2004年2月に、安価でおいしく、市民に愛されるそばを提供しようと発足した。以来、季節ごとに「カニ・かに物語」や「えびかに合戦祭りそば」などと題して加盟店共通のメニューを考案してきたほか、そばを作る技術の研究や情報交換などを行っている。

 今回の「特選海鮮カレーセット」は昨年末からメンバーが意見を出し合い、「寒い季節には豪華な海産物が入ったカレーがいい」と決定した。具材にイカやホタテをふんだんに使ったカレーがポイントで、各店は共通の海鮮物を使う以外に独自の工夫を盛り込み、スープカレー風のものや、そばのダシを加えた和風カレーなどを楽しんでもらう。これらのカレーにそばが付き、お得なボリューム満点のセットとなっている。

 佐々木会長は「長年のご愛顧に感謝して、心をこめて作った記念メニューをぜひ味わって」とPRしている。問い合わせは嶋田信之さん(長寿庵本店)TEL0138・51・3571。

 参加店は次の通り。

 やたら家本店(湯川町)いがらし(柏木町)東京庵支店(本通)東京庵本店(末広町)ふでむら(神山)長寿庵(亀田港町)長寿庵本店(中島町)かしわ屋(若松町)丸京(豊川町)。(山田孝人)


◎生活保護や再就職で路上生活者が相談

 函館市総合福祉センター(函館市若松町)で28日、路上生活者を対象とした無料相談会が開かれた。ボランティア支援グループのメンバーがさまざまな事情で住居や職を失った人の生活、健康相談に乗り、温かい食事も振る舞われた。

 函館・近郊の病院や労働団体などでつくる市民団体、函館地方社会保障推進協議会(堀口信代表)が世界的な景気後退を受け、5年ぶりに企画。この日は医師や市議などのメンバー約15人が参加した。支援グループは24、27の両日、函館・近郊の駅、バス待合所などで路上生活者の実態調査を行い、少なくとも10―15人程度が夜間にJR函館駅などに寝泊りしていることを確認している。

 この日は20―60代の男女9人の路上生活者が訪れ、メンバーが一人一人の生活保護の申請や再就職に向けた相談に応じた。会場には支援活動を知った市民から寄付された食材で作ったおにぎりや豚汁などが用意され、路上生活者らは冷えた体を温めていた。

 6、7年間路上生活を続けている男性(64)は「日雇いの仕事で何とか食いつないでいる。60歳を過ぎると寒さがこたえる」と語り、行政には「弱者にもっと目を向けてほしい」と訴えた。札幌の食品製造会社を解雇され、地元・函館に戻ってきた男性(35)は「両親は他界し、身よりもない。不況のあおりで働きたいけど住居がないとどこも厳しい」とため息をつき、「この生活に慣れてきたことが一番怖い」と漏らした。(森健太郎)


◎12月の道南、有効求人倍率0・44倍

 函館公共職業安定所は28日、昨年12月の渡島・桧山管内の雇用失業情勢を発表した。仕事を求めている人1人に対する求人数を示す有効求人倍率は前年同月を0・12ポイント下回る0・41倍と、18カ月連続の前年割れとなった。道南でも相次いだ「派遣切り」に伴う事業主都合の離職者が急増していて、雇用環境の悪化が鮮明になってきた。

 有効求人倍率が18カ月連続で前年を割り込んだのは、1998年4月から99年9月までに並ぶ過去最悪の水準。有効求人数は3702人と前年同月比16・5%減だった一方、有効求職者は9127人と同8・5%増となり、同職安は「厳しさが増しつつある」との情勢を据え置いた。

 雇用の先行指標となる新規求人倍率も同0・33ポイント減の0・66倍となり、9カ月連続の前年割れ。新規求職者のうち、事業主都合の離職者が同65・6%増の337人に上り、このうち電子部品関連会社を解雇された派遣社員が約3分の1を占めたという。

 求職者の年齢別では29歳以下が699人で同約1・5倍に急増。同職安は「求人の質、量とも低下している現状では若年層の人口流出も懸念される」としている。新規求人数は昨年1月から12カ月連続で、正社員求人は同4月以降9カ月連続でそれぞれ減少している。

 産業別の新規求人は、消費低迷で飲食店、小売業などが落ち込み、ホテルの建設ラッシュが落ち着いた反動などでビルメンテナンス関連のサービス業も大幅に減った。同職安は「先行きに明るい材料が乏しく、少なくとも年度末までは厳しい情勢が続くだろう」と分析している。(森健太郎)


◎函館市スポーツ賞/功労者に3個人、成績は3個人6団体

 函館市教育委員会は28日、スポーツの普及や発展に尽力したり全国大会で優秀な成績を収めた函館市内の個人・団体をたたえる2008年度の市スポーツ賞の受賞者を発表した。功労者部門は3個人、成績部門は3個人6団体が選ばれた。贈呈式は2月19日午後3時半から、同市大手町の函館国際ホテルで行われる。

 功労者部門は、地域や職場で、スポーツの普及・発展に貢献した人・団体に贈られる。個人では、函館ソフトテニス連盟や市社会体育振興会会長などを務め、ソフトテニス競技の普及・発展のほか、国際交流に尽力した本間英一さん(76)や、市ラグビーフットボール協会会長などとして、道内でラグビーの普及・発展に努めた藪越敏廣さん(71)、函館水泳協会会長などを歴任し、はまなす国体(89年)では、水泳競技の函館開催誘致に努めるなどした小田桐重信さん(71)が選ばれた。団体の受賞者はなかった。

 全国大会で3位以上の成績を収めた個人と団体が対象の成績部門個人は3人が受賞。宮川睦生さん(函館高専3年)は、昨年8月の第43回全国高専体育大会の水泳男子200メートルと同400メートル自由形でそれぞれ優勝。加藤柾紀さん(同2年)は、同大会陸上の男子砲丸投げで優勝。大槻郁実さん(函館北美原小学校5年)は、同月の第24回全国小学生陸上競技交流大会の5年女子100メートルで優勝したことがそれぞれ評価された。

 同部門団体は6団体が受賞する。函館大学少林寺拳法部は、昨年9月の第42回少林寺拳法全日本学生大会の女子3人掛の部で優勝、女子団体の部では準優勝などの成績を収め、昨年度に続き2年連続の受賞となった。同大ボウリング部男子チームは、同12月の第46回全日本大学ボウリング選手権大会で準優勝。函館高専ハンドボール部は、同8月の第43回全国高専体育大会ハンドボールで優勝した。

 また、道教育大学附属函館中学校陸上部男子リレーチームは、同8月の第35回全日本中学校陸上競技選手権大会で男子4×100メートルリレーで優勝。函館イトマンスイミングスクール男子200メートルメドレーリレーチームは、同3月の第30回全国JOCジュニアオリンピックカップ春季水泳競技大会の11―12歳の部男子200メートルメドレーリレーで3位に。南茅部卓球スポーツ少年団は、同8月の第26回全国ホープス卓球大会の女子団体で3位の成績を収めた。

 同スポーツ賞は93年に創設。昨年度までの受賞者数は功労者部門は28個人16団体、成績部門は50個人17団体。多年にわたり優秀な成績を収めた個人に贈る特別表彰は2人で、今回は該当者なしだった。(小泉まや)