2009年1月3日(土)掲載

◎函館八幡宮で騎馬参拝

 景気上昇を願い、ドサンコ馬も石段を駆け上がる―。函館市谷地頭町の函館八幡宮(中島敏幸宮司)で2日、境内に向かう急斜面の石段をドサンコ馬が駆け上がる「騎馬参拝」が行われた。4頭が騎乗者から「ハイ、ハイ」と声を掛けられながら石段を力強く登りきり、初詣で訪れた参拝客から大きな拍手を受けていた。

 同市東山の「函館どさんこファーム」(池田茂代表)がホーストレッキングの安全を祈願するため1999年から実施している恒例行事。ファームの会員が武者装束に烏帽子(えぼし)姿で馬にまたがり、正午にスタート。周囲にひづめの音を響かせながら134段の石段を一気に上り、拝殿前で会員が馬とともにおはらいを受け、今年1年の安全を祈願した。

 終了後、17歳の「シロ」に子供たちを乗せるサービスを実施。馬上の子どもたちの笑顔がはじけた。池田さんは「馬の無病息災はもちろん、最悪の景気が上向きになるように一段一段踏みしめて石段を上がった。今年の干支(えと)の丑(うし)の歩みのように、景気は少しずつでも良くなってほしい」と話していた。(山崎純一)



◎市内百貨店で初売り

 函館市内の百貨店では2日、初売りが行われた。正月恒例の「福袋」の販売や値下げセールなどが行われ、大勢の買い物客でにぎわった。

 棒二森屋(若松町17)は、事前に予約して販売する「新春縁起福袋」をはじめ、衣料雑貨や宝飾、食料品など各売り場でも5000円や1万円分などの福袋を用意。毎年恒例の商品券1万円分などが入った「縁起初夢のし袋」(1万円)が人気だった。

 民族歌舞団こぶし座のメンバーが獅子舞を披露し、開店。列を作って待機していた買い物客が福袋を目当てに駆け込み、店員も「一ついかがですか」と、売り込みに精を出した。開店から30分以内で売り切れとなった福袋もあり、両手いっぱいに福袋や商品を抱える客があちこちで見られた。市内富岡町の主婦(55)は「何が当たるのかわくわくしながら毎年買っている。早く家で見てみたい」と声を弾ませていた。

 テーオーデパート(同市梁川町10)は、液晶テレビやスーツなどを入れた「スペシャル福袋」(21万円)や、ブランドバッグや家電など好みの商品を選択できる「びっくり福袋」(3万1500円)などを販売したほか、平成21年にちなみ、2100円から21万円均一セールを実施。3、4の両日は午後1時から、液晶テレビなどが当たる「新春ビンゴ大会」も行う。

 丸井今井函館店(本町32)は、事前にチラシなどで商品を告知した「中身の見える福袋」を販売。店舗移転40周年を記念し、4000円以上の買い物をした先着100人にプレゼントをした。3、4の両日も同様にそれぞれ先着500人に洋菓子、和菓子を贈る。(鈴木 潤)



◎函館西署28年ぶり死亡事故ゼロ

 函館西署(清水博明署長)管内の昨年1年間の交通死亡事故はゼロで、1980年以来28年ぶりとなる記録を達成した。1月1日午前零時現在の速報値で、人身事故の発生も前年比44件減の283件、負傷者数は同62人減の338人と減少。交差点での取り締まり強化や各関係団体と連携した高齢者への意識啓発などの活動が実を結んだ。

 同署は、84年末に現在の函館市海岸町に庁舎を移転。翌85年には、管轄区域が同市内の西部地区や函館湾沿いの41町会に変更となり、約2・1倍の広さになった。国道5号や同227号、市道八幡通りなどの主要幹線道路を含め、管内道路の総延長は196キロとなる。

 現在の管轄区域での死亡事故は、10人が死亡した89年が最多で、04―06年に3年連続で1人ずつの年があったが事故死ゼロの年はなかった。直近では、07年11月9日に上新川町で発生した自転車の高齢者が路線バスにはねられた事故が最後で、以来、約420日間の死亡事故ゼロが継続している。

 昨年の事故を概要別にみると、歩行者と車両の事故は前年比27件減の24件、自転車対車両が同2件減の64件、車両同士は同8件減の188件だった。24歳以下の若年者が起こした事故や高齢者が巻き込まれ負傷する事故もそれぞれ20件以上減少した。

 同署は、函館西交通安全協会などの関連団体と連携し、高齢者への啓発活動を継続。飲酒絡みの違反者や常習の無免許運転など、交通死亡事故抑止に向けた摘発を強化している。屋代芳彦交通課長は「2009年も引き続き死亡事故ゼロを目指して、高齢者対策や交差点事故防止を重点的に進めたい」としている。(今井正一)

 


◎乙部町も緊急雇用対策、除間伐事業で臨時職員採用へ

 【乙部】乙部町は景気悪化に伴う季節労働者の緊急雇用対策として、500万円の補正予算を急きょ編成し、町有林で除間伐事業を行うことを決めた。早ければ今月中旬から事業に着手し30人程度の雇用確保に取り組む方針。道南では函館市や北斗市が緊急雇用対策を打ち出しているが、桧山管内では初めて。

 町財政課によると、冬季雇用の場が少ない町内では、建設業などを中心に年間300人程度が道外の自動車関連工場などで季節労働者や派遣労働者として就業。しかし、自動車産業を中心とする景気悪化に伴い、大手自動車メーカーなどによる町内出身者の雇用打ち切りも相次いでいる。このため「町として地元雇用を緊急確保する必要がある」(寺島光一郎町長)としている。

 除間伐事業は鳥山地区の町有林で実施する。町農林課によると、間伐、枝打ち、間伐材の搬出などの作業を予定している。チェンソーなどの機材を使うことができる有資格者を配置し、作業の指導・監督に当たる。

 町の業務が始まる6日以降、速やかに作業員の募集に向けた手続きを始める。早ければ今月中旬から作業をスタートし、2月中旬から3月上旬までの作業を通じて、男女を問わず30人程度の雇用確保を図る方針という。

 町は直近の町議会で補正予算の専決処分の承認を求めるほか、景気や生活分野に重点を置いた大型補正予算の編成も検討している。(松浦 純)



◎函館新聞社「親子書初め大会」

 第12回函館新聞社「新春親子書初め大会」(函館新聞社、実行委員会主催)が2日、函館市港町1の函館新聞社ホールで開かれた。函館市内・近郊の幼児から高齢者まで33人が参加。今年の目標や好きな言葉を書き、気持ちを新たにしていた。

 参加者は全身を使って筆を丁寧に運び、縦68センチ×横35センチの画仙紙に「初春」「慶賀」「ゆめ」などの言葉を書き上げた。高齢者の中には、流ちょうに詩ををしたためる人も。今年初めて参加した川村秀穂さん(80)は「若い人と一緒に書けたので、今年は若返った気持ちで過ごせます」と話していた。

 昨年夏から函館で暮らすという小崎真理さん(35)は子ども3人を連れて参加。「このような機会があってうれしい」と小崎さん。長女の函館附属小3年の華澄さんは「面白かった。今年はきれいな字を書きたい」と喜んでいた。第1回から毎回参加している函館稜北高3年の岡田実希子さんは「最初のころは文鎮がもらえることが楽しみだったが、今は良い一年を過ごせるように気持ちを高めて参加している。今年は受験を頑張りたい」と話し、合格祈願を込め「吉夢」の文字を力強く書いていた。

 全作品は、18日まで同社1階ギャラリーに展示するほか、本紙紙面でも紹介する。(山崎純一)