2009年1月5日(月)掲載

◎みんなそろって大人の仲間入り…帰省中に成人式

 【木古内】木古内町中央公民館で4日、「木古内町成人式」が行われ、色鮮やかな振り袖や真新しいスーツ姿の新成人の門出を、大森伊佐緒町長や保護者ら大勢が見守った。今年の新成人は男性43人、女性28人。そのうち54人が式典に出席し、祝福を受けた。  町外に進学や就職している若者が多く、正月休みで帰省するこの時期に合わせて、昨年から早めの日程にしている。

 【新成人を代表して竹田伴生さん(20)と草彅あかねさん(20)が町民憲章を読み上げ、大森町長が「昭和と平成の節目に誕生し、新時代を担う皆さんの行動力や想像力は無限。前向きに自らの力で人生を切り開いていってほしい」と激励した。

 【新成人全員が壇上に一人ずつ立ち、自分の現状や将来の夢などを発表。道警の採用が決まった齋藤竜二さん(20)は「この春から警察学校に通い、勉強を一生懸命頑張って立派な警察官になりたい」と語った。

 【新成人代表で西山みずえさん(19)が「成人の自覚を持ちながら、若さを生かして木古内の発展と平和なまちづくりに貢献していきたい」と謝辞。町内有志がみそぎ太鼓に合せた祝舞「みそぎばやしの舞」を披露し、式典に花を添えた。(田中陽介)



◎改善への道-経営見直す市立函館病院・中
懇話会、早急な改革求める

 国は公立病院維持の必要性から2007年12月、公立病院改革ガイドラインを示した。公立病院を持つ全国の地方自治体に対し、不良債務を一時的に解消する公立病院特例債発行を認め、経営の効率化や再編・ネットワーク化、経営形態の見直しなどを盛り込んだ「公立病院経営改革プラン」を08年度までに策定することを義務付けた。

 函館市も29億2610万円の特例債発行を求めており、3月末までに実現すると、本年度末の累積赤字を一時的にせよ、半分以下の約25億8700万円にまで圧縮できる計算だ。このため昨年6月、「函館市病院事業改革プラン策定懇話会」(座長・岩田州夫公立はこだて未来大学教授)を組織。11月まで5回にわたり、函館市医師会や公認会計士、学識経験者などから経営に対する意見を聞いた。

 会議では、病院局が示した計画案に対し「努力だけでは問題は解決しない」と認識の甘さを指摘したり、「恵山と南茅部を診療所化または廃止も検討してはどうか」など根本にかかわる提案も示した。ここまで赤字を膨らませた経営姿勢を批判する厳しい意見が相次いだ。

 改革プランの重要な条件として病院局側は、一般会計からの繰り入れを大幅に増やす案を提示。09―15年度の7カ年で合計215億円を見込むが、病院局は「09年度以降にこの数字を圧縮するため、実際の繰り入れはこれより少なくする」と説明する。

 一方で増収策としては、既に導入済みの、看護師1人に対して7人の患者を受け持つ「7対1看護」による診療報酬の増加や、病気や処置の種類で医療費が決まる診断群分類別包括評価(DPC)による業務効率化などを進める。

 同懇話会は昨年12月、西尾正範市長に報告書を提出した。提出後に岩田座長は「看護師や患者を増やすことは当然だが、それだけでは弱い。今後も現在の状況を徹底分析し、経営のスリム化を図る改革が必要」と強い口調で述べ、具体的なアクションプランを早急に作成するよう求めた。

 同プランは、15日まで実施中の市民へのパブリックコメント(意見公募)などを経て年度内に成案化する。函館市議会も「市政の最重要懸案。改革プラン素案で示した7年間など、悠長なことは言っていられない」(阿部善一議長、佐古一夫民生常任委員長)と、成案化前に議会独自の提言をまとめる予定。

 来年度以降は、同懇話会の委員らで構成する評価委員会を組織し、成果やプラン内容などを随時見直す計画だ。西尾市長も「今回はとりあえずのプラン。赤字を圧縮し、収支均衡を目標に、きめ細かい対応を考える必要がある」と将来を見据えている。(小泉まや)



◎乗員・乗客数1万人見込む…09年度の函館港入港客船

 2009年度の函館港への客船入港は、隻数が08年度より3隻多い延べ11隻と例年並みだが、乗員・乗客数は約1万2000人を見込み、過去20年の実績で初めて1万人を超える。函館市がまとめた客船入港予定で明らかになった。

 初寄港の豪華客船は、オランダ籍の「フォーレンダム」(6万1396トン)と、バハマ籍の「ハンセアティック」(8378トン)。「フォーレンダム」は、昨年9月下旬に函館港へ入った過去最大の客船「アムステルダム」(6万2735トン)に次ぐ規模。乗員・乗客の定員は2020人で、5月6日と10月6日に寄港する予定。「ハンセアティック」は6月25日に入港。バハマ籍の「セブンシーズマリナー」(4万8075トン)は6年連続の函館寄港となり、5月11日、9月28日の年2回は初めて。

 日本籍の客船では、「シルバーシャドウ」(2万8258トン)が5月17日に2年ぶりの入港を果たし、船内の装飾やサービスは世界トップレベルの豪華さを誇る。「にっぽん丸」(2万1903トン)は、函館開港記念日の7月1日に入り、翌2日に出港。函館ではなじみとなった「飛鳥Ⅱ」(5万142トン)は、7月30日、8月23日、9月16日の3回、「ぱしふぃっくびいなす」(2万6561トン)は9月14日に入港予定だ。

 市港湾空港部は、乗員・乗客数が年間1万人台に乗ることについて「5万トンクラスが延べ7隻を占め、客船の大型化が進んでいるため」と分析。観光振興に向けては「外国船の入港時にはインフォメーションデスクの設置やシャトルバスの運行、ローカルツアーの提案に努め、来年も寄りたいと思わせる仕掛けをしていきたい」と話している。(浜田孝輔)


◎「みのや」藤澤さん ドイツワイン上級ケナー取得

 函館市昭和1の酒店「地酒・ワイン屋みのや」の藤澤節子さん(55)がドイツワインの高度な知識を問う「ドイツワイン上級ケナー(識者)」の資格認定試験に道南で初めて合格し、このほど認定状を受け取った。藤澤さんは「プロの自覚を支える糧にし、さらにドイツワインの魅力を広めたい」と情熱を注ぐ。

 ドイツのワインや文化の普及を目的に、日本ドイツワイン協会連合会(神奈川県)が2003年に創設した呼称資格制度。ケナーと、ケナーの取得者が受験できる上級ケナーに分かれる。試験は10月中旬に東京で行われ、上級は39人中27人が合格した。

 ワイン製造にかかわる内容だけでなくドイツの地理や歴史も問われる筆記試験のほか、ワインを飲み比べて産地や年代を当てる「ブラインドテスト」もあり、藤澤さんは「細かい知識を問われ、難しかったが、ドイツをよく知る機会になった」と振り返る。

 ワイン好きの藤澤さんは、日本ソムリエ協会認定のワインアドバイザー、フランス食品振興会認定のコンセイエ(フランスワインを売る達人)の資格も持つ。2006年にはドイツワイン陳列コンクール(日本輸入ワイン協会主催)に応募し、優秀賞を受賞。その副賞で補助金を受け、ドイツのワイナリーを見学に行ったのがきっかけで、ドイツワインの知識を深めようと昨年ケナーを取得した。

 藤澤さんは「ドイツと北海道は取れる食材が共通するので、ドイツワインの白は和食にもよく合う」と魅力を語る。寒波で凍ったブドウを絞り、自然の力で甘みを凝縮させた「アイスワイン」もドイツ産が主流で、藤澤さんは12月からアイスワインフェアを展開するなど、仕掛け作りにも精力的に取り組む。「今後は産地に出向き、その土地の空気も伝えられるようになりたい」と抱負を話している。(宮木佳奈美)